『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ競技シーンでは、2024年度の後半戦にあたる「ステージ2」が進行中。国内リーグ「Rainbow Six Japan League 2024(RJL 2024)」でも、プロ6チームによる「プレイオフ」が10月6日まで行われた。
プレイオフ決勝戦はKINOTROPE gaming vs SCARZ。BO3による激闘を乗り越えて、SCARZが優勝。2022年から日本王者の地位を保ちつつける彼らは、11月7日から開催される「BLAST R6 Major Montreal 2024」フェーズ2への出場権を確保した。
『R6S』日本リーグ"RJL 2024"ステージ2 プレイオフ結果
10月6日まで行われた「RJL 2024ステージ2」プレイオフの結果は以下のとおり。
10月4日から3日間に渡って開催された、プロ6チームによるプレイオフ。ここで注目を集めたのは、グループステージを3位で終えたKINOTROPE gamingだった。準々決勝でENTER FORCE.36に勝利すると、準決勝ではグループステージ2位のCAG OsakaにBO3で大勝。キャスター陣を含めた、多くの観戦者の予想を覆して決勝戦へと進出した。
もう1つの決勝戦出場チームはSCARZ。「今回も」と言って過言ではない快調さで、まずはCrest Gaming Lstとの準決勝に勝利。グループステージ最終日ではCAGとの対決に敗れはしたものの、一週間で調整を済ませてプレイオフに臨んだ。
白熱の最終戦 KINOTROPE vs SCARZ
注目のBO3は、第1マップ「カフェ」から始まった。事前のコミュニティ投票ではSCARZの勝利予想が87%を占めていたが、実際にはKINOTROPEが独自の強みを発揮し続ける展開となった。
アーマーパネルやボルカンなど、ガジェット類をふんだんに活用したSCARZの作戦を攻略できず、前半は2-4のスコアで終えたKINOTROPE。しかし最初の防衛ラウンドでは、Aokayu選手が1v3クラッチを決めてチームを活気づける。SCARZには連続してディフューザーを設置されるも、撃ち合いで逆転しつつ5-5まで寄せると、6-6と粘ってオーバータイム突入に成功した。
第13ラウンドでは、遊撃に出ていたYuKiz選手がうまくSCARZに時間と体力を使わせ、7-6と逆転マッチポイント。しかしSCARZも粘り、カフェでの戦いは7-7とフルラウンドにもつれた。
運命の第15ラウンドでは、10人全員が生存した状態から、SCARZの1階ハッチ降りをきっかけにディフューザー設置をめぐる激しい攻防が始まる。ここで違いを作ったのはKawa選手だった。Echo(エコー)のヨーカイドローンを敢えてディフューザー設置者の足元に入れ、相手をかき乱すという荒技が刺さり、時間を削りきることに成功。ラウンドスコア8-7でKINOTROPEがカフェでの戦いを制した。
第2マップは「ナイトヘイヴンラボ」。カフェで勝利した勢いに乗り、前半は4-2とKINOTROPEがリードして攻防交代する。第4ラウンドでは再びAokayu選手が1v2を制する活躍を見せた。SCARZはタイムアウトを挟むも、第5ラウンドでの地下攻撃も阻まれてしまい、王者もいよいよ追い詰められたかに見えた。
SCARZが激闘制し、11月にモントリオールへ出発
しかしSCARZはこれまでも大舞台のBO3で、コーチを含めたチーム全員でその底力を証明し続けてきた。苦境に陥った場面での冷静さに秀でるこのチームは、ラウンド7本取られるまでは負けを認める必要はないというゲームのルールを心得ている。防衛にまわった「ナイトヘイヴンラボ」後半戦から、徐々に本来の調子を取り戻していく。
第7ラウンドではNina選手とRec選手が、それぞれ個人技の高さを披露し4-3。その後いったんは5-4と、改めてKINOTROPEがリードする形に。しかし第11ラウンドの地下防衛では、Rec選手が渾身のディフューザー設置阻止でチームを勢いづける。果たしてこれで流れが変わったのだろうか。最後はパーフェクトラウンドを達成し、スコア5-7で第2マップを制覇した。
第3マップ「高層ビル」の序盤は2-2と拮抗。KINOTROPEは防衛から入り、Kawa選手のハイドが決まるなどの好プレーにより、4-2で攻防交代を果たした。
しかしSCARZは防衛有利のマップ構造も活用して、そこから5ラウンドを連取。各選手の果敢な遊撃や定点守りで、さまざまなスピード感で攻めてくるKINOTROPEをシャットアウト。ラウンドスコア4-7。マップスコア1-2で激闘をしめくくった。
これでSCARZは2022年から3年間、計6季連続での国内チャンピオンに。各チームがそれぞれに成長を見せたステージ2だったが、終わってみると、国内においてはSCARZが敵無しであることを再確認させられる結果となった。
国内を制覇したSCARZは、優勝賞金500万円を獲得。「日本王者」のタイトルが自分たちのものであることを、改めて競技シーンファンに見せつけた。
しかし選手たちも語るように、重要なのはこの後、世界での戦いだ。彼らは11月7日から始まる「BLAST R6 Major Montreal 2024(以下、モントリオールメジャー)」に、フェーズ2から出場する。
夏のEsports World Cupでは、フランスチームWolvesを相手に1勝した。しかしBLAST主催の公式戦では、「アトランタメジャー」、「インビテーショナル2024」、「マンチェスターメジャー」という過去3つの世界大会ですべてゼロ勝という、不本意な結果を継続させている。
とはいえ、個人のスキルやゲーム内知識で海外に劣っているわけではない。夏には「チーム内でのコミュニケーションの精度」を1つのキーワードとして練習。その成果を国内で存分に発揮した。「海外でのオフライン戦」という環境的な要素から受ける影響を最小限に留め、国内と同様の試合運びを再現できれば、11月のモントリオールでもベスト8以上の結果が期待できるだろう。
メジャー出場権はあと1枠、「LCQ」の戦いに注目
世界大会モントリオールメジャーに、日本は2チーム分の出場権を持っている。1つはプレイオフを制したSCARZの手に渡った。
プレイオフと並行し、もう1つの出場権をめぐる戦いも進行中。一般参加チームによる「オープン予選」に始まり、リーグ参加チームを交えた「オープン予選プレイオフ」を経て、現在は8チームが生存しているところだ。
そして10月11日からはいよいよ、この8チームによる「LCQ(Last Chance Qualifier=最終予選)」トーナメントが開催される。
8つの出場枠には、リーグ戦に参加しているENTER FORCE.36、VITE、父ノ背中が順当に入ったほか、プレイオフからKINOTROPE gaming、CAG Osaka、Crest Gaming Lst、IGZISTが合流。さらに8チーム目としてBlue Beesの姿も。Blue Beesは新たなロースターとともに、2022年3月の入れ替え戦V2.0以来の登場となる。
LCQで優勝した1チームが、モントリオールメジャー・フェーズ1への出場権を得る。プレイオフではCAGを倒し、SCARZを追い詰めたKINOTROPEに注目が集まりそうだが、競技シーンには思いがけないドラマがつきものだ。10月11日からは、日本シージの公式チャンネル(YouTube、Twitch)でLCQを観戦しよう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: YouTube
コメント
コメント一覧 (1件)
invポイント的にはCAGにLCQ優勝してほしいけど、この前のKNを見たらKNも頑張ってもらいたい