カナダ・モントリオールを舞台に行われた『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』のeスポーツ世界大会「BLAST R6 Major Montreal 2024(以下、モントリオールメジャー)」も、日本時間11月18日についに最終日を迎えた。
グランドファイナルでは、ブラジルチームW7Mが、ヨーロッパのBDSをマップスコア1-3で破って優勝。これでシージ世界大会における4度目のチャンピオンとなり、伝説にさらに新たな1ページを加えた。
『R6S』モントリオールメジャー完結! W7Mが4度目の世界王者に
W7Mが、そしてブラジルの選手たちがまたしてもシージ界を制覇した。
団体としてのW7Mは、2023年度の3つの世界大会(コペンハーゲンメジャー、アトランタメジャー、インビテーショナル2024)すべてで優勝し、シージ界を完全制覇する偉業を成し遂げた。しかしその後、当時の所属選手たちが同国のチームFURIAに全員移籍し、今年度はメンバーが一新された。
現在ロースターの中心になっているのは、以前のブラジルチームLOSのメンバー(d4sh選手、Dotz選手、L0BIN選手)。さらにLiquidからvolpz選手を、E1 SportsからもDodez選手を獲得した。
昨年とまったく異なる顔ぶれで再出発したW7M。春のマンチェスターメジャーには惜しくも出場を逃した。しかしその後、ブラジルリーグ・ステージ2ではグループ2位、プレイオフ3位で今回のモントリオールメジャーに出場。見事に優勝し、選手たちの実力はもちろん、ブラジルシージ界全体の地盤の強さを改めて世界にしらしめた。
モントリオール最後の戦い BDS vs W7M
- グランドファイナル結果:BDS vs W7M(1-3)
- 領事館:7-4
- ナイトヘイヴンラボ:5-7
- クラブハウス:6-8
- カフェ:3-7
もう一方のグランドファイナル出場チームBDSは、前回マンチェスターメジャーの準優勝チーム。このときはbeastcoastにマップスコア2-3で敗れ、今大会は改めて秋のチャンピオンの座を目指していた。
BDSはこれまでも、2022年のヨンショーピンメジャーで優勝しているほか、サウジアラビアの高額賞金大会「Games8」と「Esports World Cup 2024」では3連覇の成績を持つ。今季は、かつてのMNMからSolotov選手とYuzus選手を獲得してさらに戦力アップ。昔から魔境として評判高いヨーロッパ地域での戦いを、今季1位の強さで突破してきた。
第1マップ「領事館」では、BDSが攻撃で得たスコアを活かして7-4で勝利。第2マップ「ナイトヘイヴンラボ」では拮抗するも、W7Mのlobin選手がハイドから連続キルの活躍を見せて先にマッチポイントを獲得。そのまま5-7でW7Mの勝利へとつなげた。
勢いに乗ったW7Mは、第3マップ「クラブハウス」で一気にスコアを2-6にし、2つ目のマップポイントを狙う。しかし、ここからはBDSの粘りが光った。BDSのBrid選手がエントリー勝負で相手を弾き返す冷静さを見せるなどして5-6まで寄せると、BDSはさらにバー・ステージ防衛も成功させ、スコア6-6で戦いをオーバータイムに持っていく。
しかし、ここではW7Mが攻防ともにタイトな戦いを制して勝利。マップスコア1-2で、W7Mが優勝に王手をかけた。
第4マップは「カフェ」。ラウンド中のゲームスピードがいっそう早まっていく中、W7Mのvolpuz選手がDeimos(デイモス)に狙われながらも耐えてチームに貢献し、2-4で攻防交代する。さらにBDSのLikEfac選手との1v1をL0BIN選手が制し、2-5。BDSにタイムアウトを取らせた。その後W7Mは、掘削室への早いディフューザー設置に成功したものの、BDSはこれをなんとか解除してみせる。
BDSは前回のマンチェスターメジャーから二大会連続の決勝進出。既に「シックスインビテーショナル2025」への出場も確定させている。そんな彼らも、W7Mの攻撃展開の鋭さに屈することとなった。W7Mは3-6と先にマッチポイントを獲得すると、最後の1階攻撃ではOsa(オサ)を使ってVIP側への射線をカット。そのまま拠点に跳び込み、BDSのせん滅に成功した。
この瞬間、ラウンドスコア3-7。最終マップスコア1-3で、W7Mの優勝が決定した。今季はリワーク後の防弾シールドへの評価が頂点に達した「盾メタ環境」で、攻防共に昨年とはまた異なるメタ研究が強いられていた。そんな中、W7Mは新たなメンバーとともに環境に適応。4度目の世界タイトルをつかみとり、シージ界では既に伝説となっているその地位をさらに高めた。
戦いはインビテーショナル予選へ
2024年も、マンチェスターとモントリオール、2度のメジャーで盛り上がったシージ競技シーン。しかし今年度はまだ、シージ界最大の大会である「シックスインビテーショナル2025」が控えており気が抜けない。
出場20チームのうち16チームは、既に年間ポイントランキングで決定している。そして年末年始にかけては、残り4つの出場権を争う予選トーナメントが世界の各地域で開催予定。さらなる詳細は、今後明らかになるだろう。SCARZ以外の日本チームもこの予選に向け、準備を進めているところだ。
W7Mの優勝に終わった秋のメジャーだが、引き続き年間チャンピオンの行方に注目しよう。なお、2025年の競技シーンについてもその概要が発表されている。別記事で解説予定。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: X, YouTube
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