ゲーム脳に新説? 最新の研究で「FPS/TPSのプレイで脳の海馬が萎縮」とのショッキングな報告

ゲーム脳に新説?FPSやTPSをプレイすると脳の海馬が縮小する、最新研究結果より
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FPS特化の当サイトEAAや、FPSファンにとって衝撃的かもしれないニュースです。ただしこの研究を否定する声もあるので最後までじっくりとご覧ください。

「ゲーム脳」を始めとした否定的な主張や、注意能力や短期記憶が向上するなどの肯定的な研究結果まで、ゲームをプレイすることで起こる脳への影響に関する話題は尽きることがありません。このたびカナダの研究者たちが行った研究から、「シューターゲームが脳に直接的にネガティブな影響がある」とする結果が発表されました。

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FPS/TPSで海馬が萎縮?

これはモントリオール大学の心理学科とDouglas Instituteの研究者たちが行った研究から判明したもので、100人(54人の男性、46人の女性)を対象として、『CoD』に代表されるシューターや『スーパーマリオ』などの3Dプラットフォームゲームをプレイさせ、神経画像を用いたモニタリングを行った結果により明らかになったもの。

研究では最初にテストが行われ、被験者が視覚的情報や目印によって行動を決める「空間学習者」か、すでに身につけている慣習によって行動を決める「反応学習者」であるかの選別が行われました。

hippocampus

空間学習者は反応学習者に比べて海馬の動きが活発な傾向にあるという前提のもと、選別は特別に開発された迷路ゲームを使用して実施。選別された被験者たちはその後、シューターゲームやプラットフォームゲームをプレイ。90時間のプレイの結果、同じ時間プレイをした場合、シューターゲームをプレイした被験者は海馬の萎縮が見られ、プラットフォームゲームをプレイしたプレイヤーは逆に灰白質の増加が見られたとのこと。

研究の経緯

今回の研究を指揮したモントリオール大学の助教授グレゴリー・ウェスト博士によると、今回の研究は2つの事柄から派生しているとのこと。

1つは、時として子供や大人の視覚的注意を向上するために、専門家がアクションゲーム(ここでは1人称か3人称のシューティングゲーム)をプレイすることを勧めている点(※下部に関連ニュースあり)。

2つめは、ウェスト博士が過去に行った研究にて明らかになった、アクションゲームのプレイヤーは行動の習慣を成形し、それを頼りに行動を行う「反応学習」と言われる方法を用いているという点。

この「反応学習」は一時的な記憶と嗜好に関係のある脳の海馬に影響があり、その灰白質の減少に関係があるとされています。灰白質の減少はアルツハイマー、うつ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)とも関連性があるとも言われています。

また、ウェスト博士はアクションゲームが脳の線条体に与える影響も考慮にいれて調査を行いました。線条体は海馬から信号を受け取る脳の部位で、線条体を構成する尾状核は習慣や歩き方、泳ぎ方、自転車の乗り方などに利用される手続き記憶の形成に重要な部位とされています。

ウェスト博士は「海馬と尾状核は相反的な関係にある」としており、これは手続き記憶に頼りすぎることで、海馬による能動学習が行われなくなり、それが海馬の萎縮の原因となりえるもの。ひいては不健康な脳の全体構造につながることを意味するとしています。

研究者からの警告

ゲーム脳に新説? 最新研究結果で「FPSやTPSをプレイすると脳の海馬が萎縮する」とのショッキングな報告


研究チームは「反応学習者」もゲームをプレイしている時により能動的なアプローチを行うことで灰白質を増やすことが可能かもしれないとしており、ウェスト博士は開発者がゲームの設計を変えることで海馬の萎縮を防ぐことができるかもしれないとしています。

例としてはゲーム内で次に行くべきロケーションやイベントの場所を知らせるGPSシステムなどは、プレイヤーが能動的な行動をしない原因となる可能性があるので、これを廃止することで海馬の萎縮を抑えることができるかもしれないとのこと。

研究結果からウェスト博士と研究チームは、ゲームによるトレーニング等は必要に応じて行われるべきとしているものの、シューターゲームを「処方」することに対しては、良い効果より悪い効果が上回る可能性があるとして注意を喚起しています。

特に、認知障害の症状があるパーキンソン病患者、アルツハイマー病、統合失調症、うつ、PTSDの患者はすでに灰白質が減少しているので、彼らにシューターゲームを行わせるのは推奨できないとしています。逆に認知障害のないパーキンソン病患者で、大脳基底核の機能異常を見せている患者に対しては、アクションゲームを用いたトレーニングが効果的な可能性があるとも語っています。

研究結果を否定する声も

生物学的精神医学の研究を取り扱うジャーナル「Molecular Psychiatry」に掲載された今回の研究結果を見たオックスフォード大学のアンドリュー・プシビルスキ教授は、統計的な根拠に欠けるとして、今回の研究結果を真っ向から否定

教授は「90時間のゲームプレイが害に繋がるという根拠が提供されていない」、「害という解釈も後付されたものであり、読み手の誤解を招く危険な拡大解釈だ」、「こういった小規模でノイズのある研究を基にした推定は非常に問題だ」と強く主張しています。

脳のメカニズムが解明するにつれ、将来的にゲームが脳に与える影響もより具体的に判明してくるものと思われますが、研究結果の正当性はどうあれ、シューターを愛するプレイヤーは反射的にプレイするのではなく、戦略的によく考えてプレイをすることで腕の上達にも繋がりそうです。そして何事も「やりすぎは良くないの」は自明の理なので、シューターだけでなく頭を使うストラテジーゲームといた他の分野のゲームをするのも良いかもしれません。もちろん読書やスポーツも忘れずに。

なかなかに衝撃的な研究結果でしたが、過去には以下のようなニュースも報じられていました。

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Source: Medical News Today, Daily Mail

ゲーム脳に新説?FPSやTPSをプレイすると脳の海馬が縮小する、最新研究結果より

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