Xbox Oneの深刻なタイトル不足「二流プラットフォームとして見られる可能性がある」

Xbox Oneの深刻なタイトル不足「二流プラットフォームとして見られる可能性がある」

Xboxのヘッドを務め続けたフィル・スペンサー氏が、マイクロソフトゲーミングにおけるエグゼクティブ・バイス・プレジデントに抜擢。彼に期待されているのは、PlayStation 4に比べビッグネームタイトル不足のXbox Oneの状況を打開することのようです。

広がるPS4とXbox Oneの差

Xbox Oneの全世界での利用台数は、PS4に大きく溝を開けられているとされています。PlayStation 4の好調がアピールされるなかマイクロソフトは売上台数の公開していませんが、アナリストの情報によるとPS4の7,300万台に対して、Xbox Oneが3,500万台だとされています。今年に入ってもこの2倍以上の差は埋まる気配がなく、その勢いは2018年リリースの独占タイトルからも見て取れます。

2018年の独占タイトルに深刻な問題

Microsoft’s XBOX Press Conference in 6 Minutes @ E3 2017

PS4は、2018年の有力スタジオによるメジャータイトルとして『The Last of US Part2』、『Spider-Man』、『God of War』、『Dreams』、『Detroit:Become Human』の発売を予定。さらに発売済みの『CoD:WWII』、『Destiny 2』、『SWBFII』においても先行配信といった有利な契約を行っています。

The Last of Us Part 2(ラスト・オブ・アス パート2)
『アンチャーテッド』に続くヒット作となった『The Last of Us』新作

一方のXbox Oneでは『State of Decay 2』、『Crackdown 3』、『Sea of Thieves』などが予定されているのみ。PS4と比べてしまうとコアなファンを満足させるタイトルが揃っているとは言えません。また、過去2年間でプラチナゲームズの『Scaleound』やLionheadの『Fable Legends』の開発が中止されたのも痛手と言えます。

Scaleound
プラチナゲームズが開発していた『Scaleound』
Fable Legends
アクションRPG『Fable Legends』も開発中止

スペンサー氏はこの課題を認識しているようで、「我々の強さの1つはコンテンツを作り出す能力だ。同じレベルの投資を常にやってきたというわけではない。投資を通しての浮き沈みは経験してきた」と語りました。スペンサー氏にとってはXbox Oneを活性化するようなタイトルを見出すことが大きな挑戦となりそうです。

大型買収の噂

BF:バトルロワイヤルモードの導入はあるか?EAのCEOがその可能性について言及
EA買収?

ゲーム業界のアナリストの見解は「マイクロソフトは早急に行動を起こさなければならない」という点で共通しており、大型の買収が可能性の高い手段だとしています。アナリストの分析では、マイクロソフト自身も重大な問題を抱えていると認識をしており、スペンサー氏の発言はファーストパーティータイトルへの投資の増加を示唆しているという意見もあります。

いずれにしろ、ソニーが攻めの姿勢を増す中でマイクロソフトは大きな戦略的決断を迫られており、一貫したコンテンツの指針を示し、コンテンツの拡充を行っていく必要がありそうです。

マイクロソフトは大企業が優遇された減税の影響も受け、1300億ドルもの資金を保有しており、Electronic Arts(EA)の時価総額が350億ドルと考えると有力な買収対象とも思えます。特に現在のPS4との対比や独占タイトルの欠如を受けて、買収の噂は後を絶ちません。マイクロソフト内部の有力な情報元によると、その候補に上がっているのは先述のEAはもちろん、ゲームなどのデジタル配信プラットフォームの「Steam」を運営し『Half-Life』や『Counter-Strike』などのメーカーとも知られるValveや、人気絶頂の『PUBG』の開発を行っているPUBG Corpの名前すら噂として挙がっているとのこと。

『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS(PUBG / プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ)』
正式版がローンチされた『PUBG』

フィル氏の抜擢が表しているようにマイクロソフト内部で変化が起きているのは確かであり、彼がバイス・プレジデントという重役についたのはゲーム事業における大きな投資を行うという意思の現れだと思われます。マイクロソフトのサティア・ナデラ氏もゲーム事業への投資には意欲的で、『マインクラフト』の開発元であるMojangを2014年に250億ドルで買収したのは記憶に新しいところ。

アナリストもソニーは内部に数多くのスタジオを抱えており、それはマイクロソフトより多くの独占タイトルを保有すること意味している一方で、マイクロソフトはスタジオの買収というフィールドにおいてはRareやLionheadに代表されるように、決してうまくいっているとは言えません。

マイクロソフトのスタジオの現状と今後

マイクロソフトのスタジオ買収での最大の成功事例は『Halo』シリーズや『Destiny』シリーズを手掛けたバンジーですが、バンジーはマイクロソフトから再独立を果たしており、『Halo 5』は内部スタジオの343 Industriesによって手がけられています。

Halo 5

当然マイクロソフト内部に良いスタジオがいないというわけではなく『Forza』シリーズを手が得るTurn 10 StudiosやPlayground Gamesなど、素晴らしい成果を上げているスタジオもいるほか、小規模ながら『Ashen』、『Deep Rock Galactic』、『The Darwin Project』といった独占タイトルの発売も予定されています。

しかし、それらを持ってもソニーの強力なラインナップの前で大きな違いを示せる可能性は高くはありません。さらにソニーは独自のインディーゲームのラインナップに加え、PS VRという強力な武器も持っています。

もちろん、マイクロソフトはその潤沢な資産以外にも何かしらの隠し玉を持っている可能性は高く、具体的な発表はないものの『Gears of War』シリーズの新作なども期待されています。Mojangの新作の可能性もありますが、大ヒット作『マインクラフト』はマイクロソフトの独占タイトルではなく、モバイルを含むほぼすべてのプラットフォームで配信されています。

CoD2016:Infinity Wardにトゥームレイダーのベテランゲームディレクターが参戦

スクエアエニックスが『トゥームレイダー』シリーズの新作を予定していますが、それが2018年のリリースとなるのか、Xbox Oneの独占タイトルになるのかも定かではありません。PS4の優勢をみると商業上の戦略的にもXbox One独占の可能性は高いとは言えません。可能性としては『Perfect Dark』のカムバックが予想されており、Electric Squareは水面下で職員の採用に動いています。

E3 2018での新たな発表が期待されており、2017年の11月にはXboxのパブリッシングマネージャーのシャノン・ロフティス氏はメディアとのインタビューで、予定しているラインナップが確かなものである一方で、発表されていないタイトルの存在も示唆しています。

任天堂も独占タイトルとスマートなデザインを活かしたNintendo Switchが成功を収めており、Xbox Oneは現世代機戦争においてソニーとの差を埋めるには相当の努力が必要だと言えます。

アナリストは現状を分析し「マイクロソフトが遅れを取った場合は、二流のプラットフォームとして見られる可能性がある」とも言及しており、今後のスタジオ買収を含めた彼らの動きに注目が集まります。競合があってこその業界発展。E3 2018でのXbox One躍進に期待しましょう。

Source: Polygon