Rush Gaming インタビュー:オーナーに聞く、プロ精神に溢れたチームの設立経緯と実態

Rush Gaming インタビュー:オーナーに聞く、プロ精神に溢れたチームの設立経緯と実態

Call of Duty: WWII(コール オブ デューティ ワールドウォー 2)』のプロ公式戦で見事優勝を果たしたプロゲーミングチーム「Rush Gaming」。名前は聞いたことがあるという人も多いでしょうが、彼らの実態は?どんな経緯で生まれたのか?待遇は? 気になるあれこれを「Rush Gaming」オーナーである“うらら”氏に聞いてみました(敬称略)。

彼女の自己紹介や「プロ対抗戦」の感想などは「日本プロチームRush Gamingが世界へ、国内eスポーツが大きく動いた”CWL Pro League”参加への軌跡」をご覧ください。

Rush Gaming オーナーインタビュー

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世界へ

EAA:Rush Gamingを設立した経緯を教えてください。

うらら:様々なキッカケや理由がありますが、Rushの1年間の活動をGreedZzやハセシンを通して見てきて、価値観とビジョンが合致してると思ったのはとても大きな理由です。Wekids、ひいては私の考え方や思想は、後からGreedZzやRushメンバーに伝え教えてきた部分もありますが、実は根本は非常に深く繋がっています。本質志向・グローバル志向という側面が一番ファンの方々には伝わってるんじゃないでしょうか。

EAA:「本質志向」とは?

うらら:言ってしまえば、出会う前から「すぐに手に入るお金」をほいほい取らない男の子たちたちでした。Rush Gamingとしてのあるべき姿を体現するために、ただの一度も自分たちのブランド価値に反する経済活動はしていません。「自分たちにとって本質的に正しいことをする」、そういう意味での本質志向です。

GreedZzはRush Gamingになる前から弊社所属の選手だったので、いわゆる企業案件などのお話が何度もありましたが、全て本人に聞いた上で断られました。日銭を貰う事に一切執着しないチームで、こつこつYoutubeの視聴数を伸ばしたり、仮にお金に逼迫している選手がいても、友人同士で助け合う、工夫する、そんなチームでした。元々そういうチームだからこそ、私たちが今全力でバックアップ出来ています。

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Rush Gaming オーナー うらら氏

「Rush Gamingはスポンサーをつけないのか?」と良く聞かれるのですが、世界のトップクラスのチームを見て頂ければわかるように、トップクラスであるほど実はスポンサー数を絞っています。ユニフォームが企業ロゴだらけというのは実は日本特有だと思っています。少なくとも私たちが尊敬してるようなチームは、「スポンサー = パートナー」だというのが良くわかるスポンサー数と露出手法だと思います。

プロチームとしての「あるべき姿」と理想を語り、体現しようとする姿は、私の経営する会社Wekidsそのものでもあり、Rush Gamingのメンバーに信頼をおける根拠でもあります。また、そんな彼らがパートナーとして私たちを選んでくれたことが素直に嬉しいです。だからこそ彼らに恥じないサポートをすることがWekidsとして重要だと思っています。

Wekidsの強力なサポート体制

EAA:「恥じないサポート」とは、具体的にはどんなサポート体制でしょうか?

うらら:最高レベルの環境の提供と、選手の活動の全面的なバックアップをしています。自分たちでいうのもなんですが、Wekidsは企業環境にすごく投資しています。オフィスは代官山にあるのですが、健康的な手作りランチをオフィスで提供してるほか、マッサージやヘアサロンなどの身体のメンテナンス費の補助、家賃補填が月3万円あり、メンバー2名は東京の某所で4月から共同生活を始めます。

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美味しそうなランチ

オフィスにいれば飲み物から食べ物まで完備してるので、生活費はすごく安くできると思いますよ(笑)。晩ごはんもオフィスの食材使って作ればタダですからね。

EAA:食事にマッサージにサロン…。私もエンジョイ勢ですが入りたいです。

うらら:エンジョイ勢はぜひYoutube動画とか見てくれたら嬉しいです(笑)。また当然ながら必要な機材は全てWekidsが購入してあげてます。ゲーミングPCだったり、椅子だったり、ウェブカメラだったり、コントローラーだったり。ビジネスマンと一緒です。必要経費は要請しなさいというスタイルです。これは選手だけではなく、うちの社員全員共通の福利厚生です。学習に必要なものはなんでも購入してます。

あとさっきヘアサロンって言いましたが、かなり真剣に選手の見た目にもこだわってます。例えば、うちは選手全員がお世辞にも体格がいいとは言えません。元が大きくて何着せてもキマるのはレッドくんだけです。

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TGS2017にて:ユニフォームなどはイベント側により支給されたもの。まだRush CLAN時代

外見へのこだわりとその理由

EAA:外観にこだわる理由を教えてください

うらら:正直、サイズが大きすぎるTシャツやズボンって特に身体を小さく、そしてだらしなく見せてしまうんです。なので、彼らが一番ステキな体型に見える、かっこよく見える服をプロデュースしたり、購入したりしています。丈やサイズがあってる黒スキニーパンツや、新しいスニーカーを買ったり。

ユニフォームももちろんですが、パーカーやアウターのブルゾンなども、全て彼らの魅力を引き出すために作っています。特にユニフォームは舞台の上で彼らが一番かっこよく見えるように、デザインをすごく研究しました。胸から上がしっかりして見えて、ウエストまわりがスラッとして見える自信作です。

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Ngtの髪型・色なども、一緒に相談しながらたどり着いた結果です。かっこいいでしょ?(笑)もちろん色をいれると毎月メンテナンス費がかかるので普通嫌がるのですが、うちは会社が出すので問題ないわけです。試合前にもちゃんとヘアメイクします。Namiのふわふわヘアはストレートよりも何倍もかっこいい(笑)。私自らアイロンを控室に持っていてセットしました。

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持論ですが見た目は精神面への影響がすごく大きく、スポーツにおいて精神面ほど重要なものはないと思っています。「万全の状態で試合へ送り出す」。これだけはすごく気を使っています。

恵まれながらも厳しい環境

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前回決勝で敗北したvAv戦の分析資料。Hard Point部分だけでA4用紙2枚(主にNgt選手によるもの)

EAA:まだ若い国内のプロeスポーツチームとしてはかなり恵まれた環境にあるように思います。

うらら:普段それだけ費用負担してると「甘やかしてる」と思われがちですが、Wekidsでは最高のチームをキープするために、社員と同じように選手も降格・解雇も同時に厳しく実行していきます。

これがまた冗談ではなく、私が有言実行することを一番社歴が長いGreedZzが横で一番見てきています。うちは価値を出す限りは自由ですが、出さないと容赦なくチームから外れてもらうか待遇を見直します。SNS上では平和そうな私たちですが、内情は結構な結果主義です。

プロアスリートとしての価値はただ単に勝つだけではありません。日本の底力を育てるような環境作りに貢献し、その卓越さを追求する姿で周りに刺激を与える、そんな人たちであることを求めています。ちなみに一回負けたくらいじゃ解雇なんてしないですよ(笑)負けたことそのものよりも「負けた上で何をするのか?どう発言しどう行動するのか?」そこを重要視しています。

うらら:「プロフェッショナルな待遇を貰うかわりに、プロフェッショナルな行動をしなさい」というのは徹底しているつもりです。どんなに疲れていてもファンサービスは絶対にしなさい、どんなに体調が悪くても機嫌が悪いなんてことは許さない。これは普通に大人として接してるつもりで、立派な社会人としての面なども様々なサポートをしています。

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EAA:Rush Gamingが強い理由の一旦を垣間見れた気がします。ありがとうございました。

うらら:ありがとうございました!

Rush Gamingは世界の大舞台へ

cwl 2018 keyart

今回のインタビューでは、Rush Gaming設立の経緯やその思い、興味深いサポート体制、そして強さの理由の一旦を知ることができました。今後Rush Gamingは、2018年6月15日-17日にかけてカリフォルニア州アナハイムで開催される「CWL Anaheim Open」へOpen Bracket枠で参戦。160以上のチームとともに、世界最強を目指して激戦を繰り広げることになります。日本代表となったRush Gamingの活躍に期待しましょう。