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レインボーシックス シージ:「Chaos Esports Club 対 BDS Esport」最新プロリーグ試合から"テーマパーク"の戦略を分析

レインボーシックス シージ:「Chaos Esports Club対BDS Esport」、最新プロリーグ試合から"テーマパーク"の戦略を分析
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『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』のプロリーグ・シーズン11後半戦は3月18日から4つのリージョンで順次スタートしています。今回は全リージョンの中でも特に過酷として知られるEUリージョンの最新の試合から、リワークされた「テーマパーク」が舞台となったChaos Esports ClubBDS Esportの一戦を通して、最新マップでの戦い方を見ていきたいと思います。

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キャスターは自宅から配信

新型コロナウイルス感染症の影響により、キャスターのmzoMiloshも自宅からの配信となりました。本日行われた他の3試合はいずれも既存のマップで行われた中、最後の試合でようやく「テーマパーク」が選ばれます。

既に日本のプロリーグやスペインの国内大会である「Spain National」では公式戦が行われている点にも言及したうえで、スクリムを除いてはどのチームもデータがない状態での「テーマパーク」に注目が集まります。

BDS Esport vs. Chaos - Theme Park - Rainbow Six Pro League - Season XI - EU

オペレーターBAN

BANについては厄介なガジェットを持つオペレーターたちを順に消していくリーズナブルな選択になりました。Chaosの防衛、BDSの攻撃からスタートです。

  • BDS
    • Montagne(モンターニュ)
    • Mira(ミラ)
  • Chaos
    • Hibana(ヒバナ)
    • Echo(エコー)

Chaos防衛からスタート

第1ラウンド: 武器庫・謁見室

防衛から入ったChaosの第1ピックは、現状最も堅いとされる武器庫・謁見室。広いようで入りづらく、補強壁も割りづらいので、まず2階を押さえなければならないと言われています。

日本チームの試合では、謁見室の壁を開通して広く守ったり、一方で攻撃側は1階W側倉庫から押していく戦法などが見られましたが、この第1ラウンドから早速、地域が変われば戦略も激変するシージの面白いところが存分に見られました。Chaosは直通できる壁はすべて補強し、2階を全力で守る作戦です。

攻めるBDSは2階をEとWの両側から取りに行こうとしますが、Chaosは2階の壁を開けて待ち構えます。リワークされた「テーマパーク」は2階に破壊可能な壁が多く、ロングの射線も作りやすく、遊撃しやすい構造です。BDSはこれに対応できず、結局1階にたどり着けないままパーフェクト・ラウンドでChaosがラウンドを取得します。

第2ラウンド: 宿舎・デイケア

続く宿舎・デイケア守りでは、防衛オペレーターの中では直近の二人Goyo(ゴヨ)とWamai(ワマイ)がピックされます。E側を重点的に補強し、W側は遊撃ルートを構築、2階を広く守ります。

ACOGの利点と、3枚のボルカン・シールドを存分に活かせるGoyoが、この2階では非常に厄介な存在のようです。BDSはThermite(テルミット)でオフィスを開通し、どうにか攻め込むも、最後は時間も足りなくなり、連続でラウンドを落とします。

ボルカン・シールドとACOGを活かし、ロングで戦いやすい環境を作れるGoyo

8分40秒あたり。押さえておきたい投げ込みポジション

第3ラウンド: 儀式の間・オフィス

リホストをはさんで、次の拠点は「儀式の間・オフィス」ですが、ここでもChaosは宿舎・デイケア側に遊撃ルートを作って広く守ります。やはり攻撃側がアーケード階段に入りづらいこともあってか、W側はほとんど警戒せずに戦えているようです。

しかし理論はともかく、いざというときは個人技で解決できるのもシージのゲーム性です。うまく守ったかに見えたChaosですが、最後は2019年度全体のエースとして名高いフラッガーShaiikoが攻め切って、BDSがようやく1ポイントを取得します。

第4ラウンド: 武器庫・謁見室

一巡して再び1階謁見室へ。今回もChaosは拠点の壁はすべて閉め、Valkyrie(ヴァルキリー)も投入して遊撃でBDSを片付けようとします。

これに付き合うと負けると判断したのか、BDSは全員で1階E側からの侵入を狙います。セオリー通りにスタン・グレネードやZofia(ゾフィア)のコンカッションを使い、補強壁の破壊には成功したBDSですが、ここから防衛側にとっての謁見室の強さがよく分かるラウンド展開になってしまいます。

直攻めはこの階段からの射線が厳しい

たとえ補強壁を壊されても、破壊不可能な巨大な玉座を盾にしている防衛側は焦る必要がありません。一方で攻撃側は、攻めあぐねているうちに2階を省略した代償を支払わされます。Miloshの解説によれば、「2階を省略した場合は、攻撃にとってドラゴン階段が最もストレス要素になってしまう」。やはり手順を踏まずに攻めるのは難しいようです。

第5ラウンド: 宿舎・デイケア

第2ラウンドのときとは違い、ややコンパクトに守るChaosは、残り2分の時点であっさり2階E側を明け渡します。

E側には重点を置かず。狙いは3つのC4か

どうやらC4を3つ用意して、1階からの突き上げなど、攻撃を受け止めるような形で解決したかったようですが、これは機能しませんでした。ヒートチャージでSHA77Eが吹き飛ぶミスもあったとはいえ、敢えてコンパクトな守りを構築するのは防衛側が損をするだけのようです。動きにくくなったところをShaiikoの力で沈黙させられます。

模範的な宿舎攻めの一例が見られた

第6ラウンド: 宿舎・デイケア

もう一度宿舎・デイケアを選んだChaosは、直前のラウンドの反省会とばかりに、儀式・オフィスに寄せた守りを作ります。BDSがカフェやアーケード階段側にほとんど圧力をかけてこなかったのもありますか、こちらの布陣の方がやはり動きやすいようです。

2階のE側は改めて、GoyoとWamaiによる中央廊下守りが強力のようで、BDSはE側から入ってすぐ手前の補強壁すら割るのに苦労させられます。結局E側で決着がつき、4-2とChaosがリードして攻防が切り替わります。

攻守交替

第7ラウンド: 研究所・倉庫

ここからBDSの防衛です。初手でピックしたのは、Chaos側が一度もピックしなかった研究所・倉庫です。W側の窓付近には1階、2階ともに障害物が増えた一方で、2階を制圧されると防衛が難しい、とキャスター陣が解説する中、まさにChaosはSHA77EとVITOが2階の制圧にかかります。

カフェの入口すぐの床を破壊すればトイレ側と分断できる

S側の窓から宿舎に入り、床を突き下げるのも強力

画像のように、カフェと宿舎、どちらもアクセスが容易なところに有効な突き下げポジションがあるため、BDS側は居場所があっさりなくなってしまいます。1枚ずつ削られ、Shaiikoの抵抗もあと一歩及ばずラウンドを落とします。

2階から相手の動きを制限した後は、アーケード側に降りて有効な射線を作れる

第8ラウンド: 儀式の間・オフィス

BDSは防衛拠点を2階E側へ。Chaosと同様、宿舎・デイケア側まで開通して広く動けるように工事をします。これについては、狭く守ると突き上げされるリスクがあるが、広く守れば、反対側から入ってくる攻撃側を突き上げるチャンスが増えるからといった解説がなされていました。

Chaosとは異なり、中央廊下からE側入り口が見える射線は塞いだBDS。これがどんな違いを生み出すかが見たかったところですが、Chaosはそれに乗りません。

SHA77Eは、BDSがやらなかった2階カフェからのエントリーを試みます。入り口を狙っていると見せかけ、落とし戸から大胆に突入してShaiikoをカット。急いで囲い込みに来たrxwd(この試合では名前をiron1qzsに変えて参加)とElemzjeも立て続けにカットして勝負あり。一瞬の隙をつくChaosの連携力を受け、BDSが総崩れになりました。

第9ラウンド: 宿舎・デイケア

Chaosは第8ラウンドと同じく、W側とE側の両方からプッシュして狙いを読みづらくする仕掛けです。カフェ、N側階段の下や、E側のシャワーからオフィスに圧力をかけると、最後はRenuilzのAsh(アッシュ)が拠点内にこもっていた敵を器用にキルして試合終了。7-2と素晴らしい勝利を得ました。

試合のポイント

  • 1階武器庫・謁見室はやはり固い
    • 防衛側は2階で勝負を決めることも可能
    • 攻撃側が2階を省略した場合、補強壁の背後にある階段がストレスポイントになってしまう
    • 補強壁を破壊しても、やはり玉座の周辺が攻撃側にとって厳しい
    • BDSがここを守らなかった理由は不明
  • 2階は儀式側、デイケア側ともに広く守る
    • ACOG持ちであるGoyoやDoc(ドク)でロングの廊下を固め、投げものはWamaiやJager(イエガー)で手堅く防ぐ
    • 狭く守ると突き上げされるリスクがある。広く守れば、反対側から入ってくる攻撃側を突き上げられる
  • 1階研究所・倉庫は、重要な突き下げポジが入口や窓に近いため、防衛が厳しい

前半は防衛に回ったChaosが4-2とリードしていましたが、この展開はMiloshがリホスト中に予想していました。かつて「ヴィラ」や「カフェ」がマッププールに入った時のように、新マップは防衛有利になりがちとのこと。防衛側が用意してきた守り方を見て、それに対して攻撃側が突破口を探っていく形になるため、初見だと攻撃側は手探りの部分が多くなってしまいます。

しかし「ヴィラ」や「カフェ」が、徐々に研究が進んで攻撃も通るようになったのと同様に、「テーマパーク」もいずれは各防衛地点の攻略法も出そろい、その上で防衛の戦略もさらに調整され、といった具合にメタが変化していくでしょう。

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2階防衛の広い守り方については、友人たちと組んですぐに真似しようとしても難しい部分もあるでしょう。EAA!!の関連記事も参照し、自分たちなりに戦いやすい戦法を編み出してみてください。試合の感想や、テーマパークの攻撃・防衛の仕方について思ったことなど、なんでもコメント欄に書き込んでいってください。

『レインボーシックス シージ』の発売日は2015年12月10日で、対象機種はPS4、Xbox One、PC。

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