基本プレイ無料かつ人気爆発中の期待のFPS『VALORANT(ヴァロラント)』に、人気タイトルには付き物のチーターも早速現れてしまいました。しかし開発元Riot Gamesは、それらのチーターをすでにBANしたことを明らかにしました。
ところが本作に搭載されているチート検知ツール(通称Vanguard)が、プレイヤーのセキュリティやプライバシーを侵害・軽視しているのではと物議を醸しています。
クローズドベータにチーター出現
開発スタジオのRiot Gamesでチート対策のリードを務めるPaul Chamberlain氏は「こんなに早く現れないで欲しかった」と前置きしつつも、チーターとの戦いが始まったことを宣誓。
Well it sucks, but today we had to ban our first cheater (and it looks like more bans are on the horizon).
I was hoping for a little more time before this fight kicked off but we're in it now and we're ready.
— Paul Chamberlain (@arkem) April 9, 2020
「残念ですが、本日私たちは最初のチーターをBANしました(さらに多くのBANが控えているようです)。 この戦いが始まってしまうまでもう少し時間がかかると願っていましたが、準備万端で戦闘開始です」
『VALORANT』ではマッチ中にチートを検知すると、チーターは即座にBANされそのマッチは没収試合。マッチに参加していた他のプレイヤーの戦績には影響がない仕組みになっています。
When u queue vs Aimbot / Ragehack cheater "weird"
GET RECKED BITCH - WE DONT LIKE CHEATERS
❤️ @PlayVALORANT pic.twitter.com/gAQ8D0V5jN
— nookyyy (@nookyyy) April 10, 2020
チート検知ツールに疑惑の目
6年かけてeスポーツシーンを狙って開発された『VALORANT』には非常に強力なチート対策のツールを導入しています。その一方で、このチート対策ツールが従来のツールよりもプレイヤーのセキュリティやプライバシーを軽視しているのではと議論になっています。
事の発端はRedditに建てられた一つのスレッド。 そこでは投稿者が「『VALORANT』のチート検知ツール(通称Vanguard)がPCのカーネルにインストールされている」と報告しています。 カーネルとはWindowsのOSの中核となる非常に大切な部分。そこに“vgk.sys“というドライバーがインストールされています。
たとえば『フォートナイト』や『Apex Legends』で用いられているチート検知ツール「Easy Anti-Cheat」や、『R6S』の「BattleEye」などはゲーム本体の起動と同時に立ち上がります。しかし、『VALORANT』のチート検知ツールの要であるvgk.sysは、PCを立ち上げた瞬間からPCを終了させるまでずっと起動しています。 つまり、『VALORANT』をプレイしていようがしていまいが関係なしに常にPCを見張っているのです(Vanguard自体は『VALORANT』プレイ中のみ起動)。
Paul Chamberlain氏が釈明
PCには個人情報がギッシリと詰まっているので、この仕様には大きな反発が生まれました。
そして、話題のスレッドに先ほども紹介したPaul Chamberlain氏がコメントを残しました。 Chamberlain氏の説明によると、まず通常のチート検知ツールよりも深い階層であるカーネルにインストールする理由として、「従来のチート検知ツールでは、それが起動するより前に立ち上げられたチートツールを見逃してしまうことが多い」からだとしています。
同時に、Riot GamesはVanguardをインストールしていないPCを「信用していないデバイス」と認識していると明かしました。これは他のゲームのチート検知ツールも同様です。
「vgk.sysがハッカーによる乗っ取りのターゲットになってしまうのでは」という質問には、「外部の複数のセキュリティチームにその手の行動が可能か検証してもらい安全である」、「『VALORANT』をプレイしている時以外はvgk.sysが非ドライバーコンポーネントのネットワークにアクセスするのは最小限に留めている」と答えています。 vgk.sysがプレイヤーの個人情報を収集しているのではという疑問には、情報収集やデータを送ったりなどは一切していないと明言しています。
説明不足が問題
流石にRiot Gamesがそんな悪さはしないでしょうが、問題は説明と周知不足。
カーネルへのインストールはチーターとの戦いに力を入れている証左でもありますが、そのやり方や仕組みについてはこのスレッドが立つまで表立ってプレイヤーに明示されていませんでした。オフィシャルに説明しているのは、まだ『VALORANT』が秘匿されていた頃の『LoL』用の公式記事ページ(英語)のみでした。
北米在住の筆者も『VALORANT』をプレイしていますが、インストール時に説明はありませんでした(ゲームなのに再起動が必須と出た時に珍しいと思った程度)。
Chamberlain氏は「vgk.sysはいつでもアンインストールできる」ともコメントしていますが、説明のないやり方にはゲームのファンも反発。アンチはこの仕様を槍玉にあげてRiot Gamesや『VALORANT』を批判しています。 ここは事前にしっかりと説明するべきだったと言わざるを得ません。
Riot Gamesの厳重なチート検知ツールがゲームを守りきれるのか、そして、ツールを悪用されずにプレイヤーのPCもしっかり守り抜けるかが、『VALORANT』を運営する上での一つのカギになりそうです。
無料FPS『VALORANT(ヴァロラント)』の発売日は2020年6月2日で、対象機種はPC(Riot Games)。
コメント
コメント一覧 (25件)
だから説明不足が問題になっているわけだ
説明した上でどうするかユーザーに委ねるのが筋だった
もしユーザーが認められなければ同意できないのでプレイはできません、で終わるだけ
確か日本でもタイトル発表前にセキュリティソフトの説明あったな。
上手くいけばRiotのほかタイトルでも導入するんじゃなかったっけ。
ゲーム用のPCなんてゲームのアカウントくらいしか個人情報ないからもっとやれ
普通に考えてこんなのインストールするわけない
ゲーム以外本当になにも入ってないPCならまだ分かるけど
このタイプが普及するとかだと嫌だな
チート対策ツールは強力過ぎるぐらいが丁度いいけど、流石に「PCを立ち上げた瞬間からPCを終了させるまでずっと起動」ってのはダメだね
結局チーターはその対策ツールを回避してくるだろうしツール面じゃなくプレイヤー同士の監視を重要視した方がいい
R6sはプレイヤ―を評価する機能を追加するらしいしマネしてみたらいいんじゃないかな
こういうニュースがあるから家庭用でしかやらなくなった
大体騒ぐのは不正働いてる奴が多い印象。
Riot gamesのバックにあるのは中国最大のゲーム企業テンセント
って事も考えるとこわいねぇ…
チーター対策と納得させられ実際には中国に情報流れてるかも…
批判してないと、OSぶっ壊す可能性だってある。
別にどうでもよくね?中核にあるからめっちゃ発熱するとかでもないわけだしな
何が悪いのか俺には分からないよ。
お前訳分からんプログラムが自分の個人情報が詰まったパソコンの一番大事な所に勝手に入れられて怖いと思わんのか?