特徴的な声で多くのプレイヤーに愛され、『Team Fortress 2』ソルジャーの声優も務めたRick May(リック・メイ)氏が4月13日に亡くなりました。新型コロナウイルス(Covid-19)による感染症とのことです。
作品とコミュニティを支えた氏の声
2007年に発売された(現在はフリープレイ化)『Team Fortress 2』は今でも5万人以上の平均同時接続数を持つ長寿FPS。スローテンポな戦闘によるハードルの低さや、一見わかりやすくも奥深く戦略的なマップなどいまだに色褪せない魅力を多く持つゲームですが、中でも特徴的なのはキャラクター。
全てのキャラクターに極端な性能を持たせ、1キャラ1芸という尖った環境でバランスを維持している優れたゲームデザインもそうですが、そんなキャラクターたちに魂を吹き込んでいる声優たちの名演が素晴らしいのです。
アホっぽいかわいさのあるヘビー、狂気と妄想の世界に住んでいるアブないやつのパイロ、マトモな医者かと思いきやマッドサイエンティストな方向に暴走するメディック…
『TF2』プレイヤーをいち世界観のファンとしてコミュニティにつなぎとめたのは間違いなく個性の際立つキャラクターたちで、そんなキャラクターの「中の人」もかねてから『TF2』コミュニティの立役者として愛されてきました。
リック・メイ氏もその中の1人で、彼が声を充てたのはアメリカ人のソルジャー。二次大戦中に軍への参加を断られたので1人でポーランドに赴むき、ナチスを殺しまくった褒美に自分で作った勲章を自分にいくつも贈り、一番の口癖が「ウジ虫が!(Maggots!)」という戦争バカながらも、孫子を諳んじることもできる。知性と狂気という2面性を併せ持つキャラクターを見事に演じこなしています。
そして「どんなにひどいデスでも耳元で『アメリカ万歳』と叫べばソルジャーは即復活できそうな気がするよ」とネタにされがちなキャラクター同様に、リック・メイ氏も今まで心臓病や喉がんを跳ね除けてきたタフネスの持ち主。それだけに、今回の訃報は大きなショックを持ってコミュニティに受け止められています。
コミュニティの哀悼
同作品のスナイパーの声を務め、氏の訃報を第一に取り上げたJohn Patric Lowrie氏は、Facebookで「彼はパンデミックでもないと倒れなかった事を自慢したと思うよ」とコメント。30年来の仕事仲間であり、友でもあったと思い出を振り返っています。
コミュニティも深い悲しみにつつまれつつも「ソルジャーにメディックが使っている医療用マスクをスキンとして実装しよう」、「いや、ソルジャーの全スキンにパープルハート勲章(米軍の名誉戦死傷章)をつけよう」など、ゲーマーらしい前向きさで氏の逝去を弔う声が上がっています。
An entire server paying respects to Rick May. pic.twitter.com/rFy5xmLUlg
— DBlackjack21 (@DBlackjack21) April 13, 2020
日に日に規模を増していくCovid-19のパンデミックですが、このような悲劇を増やさないためにも、私たち1人1人が感染防止に務めることが大事だと言えます。不要不急の外出は控え、なるべく自宅待機でパンデミックを乗り越えましょう。
Meet the Soldier
コメント
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うそん...まじか
御冥福をお祈りします