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ニュース:マイクロソフト社の配信プラットフォームMixer、唐突に終了宣言。Twitchへはついに届かず

ニュース:マイクロソフト社の配信プラットフォームMixer、ツイッターで唐突に終了宣言。Twitchへはついに届かず
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米Microsoftは6月23日にゲーム実況サービス「Mixer」を7月22日に終了し、コミュニティを米Facebookの「Facebook Gaming」に移管すると発表しました。あまりに唐突な発表に、事業協力者や配信者などから困惑の声が上がっています。

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Mixer、唐突な運営終了

マイクロソフト社のゲーム部門の統括であるフィル・スペンサー氏はMixerのアクティブ視聴数が低迷を続けていたのが今回の理由だとし、Facebook Gamingにコミュニティを移管するに渡って「Facebookプラットフォームの幅広いオーディエンスはMixerコミュニティにも利点となるだろう」とコメント。

コミュニティを唐突に放り出すわけではなく、あくまでFacebook Gamingへ移管させているというスタンスを貫いていますが、唐突な発表だったということもあり、Mixerコミュニティからは大きな失望と困惑を持って迎えられています。

ニュース:マイクロソフト社の配信プラットフォームMixer、ツイッターで唐突に終了宣言。Twitchへはついに届かず

▲あまりに急な発表に、呆然とする配信者たちが相次いだ。

低迷していたMixer

Mixerは低遅延技術を一番の強みとして押し出し、ほかにも放送者4名が画面分割して放送する「Co-streaming」やXbox Oneとのハイレベルな親和性など機能面は豊富。さらに著名配信者の引き抜きや囲い込みといった意欲的な手を数々と打ち出してきていました。2019年8月に巨額の独占契約を配信者のNinja氏やShroud氏と結んだのが印象に深い方も居るのではないでしょうか。

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▲のちにSquad StreamingとしてTwitchにも実装されたが、Twitch Partner限定なので敷居の高さが違う。

しかしそれでもMixerの利用者が少ないというのは、ゲーマーコミュニティ(主にTwitch利用者)にとっては皮肉ジョークの鉄板ネタとして使われていました。それはNinja氏やShroud氏などトップクラスの大物配信者がMixerに移籍した後も変わらず、むしろ余計に話題が燃え上がった節もあります。

実際のところ、大物配信者2名との契約でもMixerの事業を好転させることは困難だったようです。StreamElementsブログの調査によると、Mixerの2020年4月は2019年4月と比べると視聴時間がたったの0.2%しか成長していません。

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すでに視聴規模が20倍以上のTwitchは前年度とくらべ98%の成長、Facebook Gamingでさえ238%の成長を遂げている中、0.2%は事業継続性のなさを証明するに十分足りえたと言えます。特に自宅待機が増えてストリーミング需要が爆発的に成長し、業界にとって最大のチャンスを迎えて尚この結果だったと考えると、マイクロソフト社が事業終了に踏み出したのも納得がいけるでしょう。

事業終了は不祥事のせい?タイムリーな黒い噂

しかし事業不信が終了の理由とされている一方で、Mixerの上層部が人種差別やユーザーへの軽視を絡めた告発を受けていたことも注目を浴びています。

ツイッターでは6月20日にとある女性配信者が『Destiny2』配信者の性侵害を告発したのを皮切りに、多くのストリーマーや業界人が便乗して自身が業界で受けたさまざまな性差別、性侵害や不祥事を暴露。大手タレント会社の最高経営責任者が退任に追い込まれるなど、大きな波紋を巻き起こしています。

そんな告発エントリーの1つが元マイクロソフト社員でMixerの運営に関わっていたミラン・リー氏の体験談。氏によると、当時の上司はMixerとパートナー(契約配信者)の関係について「すべてのMixerパートナー(契約配信者)は奴隷であり…つまり、私は奴隷主なんだ」と語ったそうです。

ユーザーに対する不適切な態度はもちろん、よりにもよって黒人であるリー氏の前での不神経な発言もあり、激怒したリー氏は社内の上層部にこの出来事を報告しましたが、なぜか上層部も法務チームも件の上司を問題なしと判断。

このような問題に加えて数名のMixerパートナーも性侵害の告発を受けているため、不祥事のもみ消しも事業終了の理由ではないかと見られています。一方でゲーム事業統括のスペンサー氏はこれらのトラブルによるサービス終了を否定し、Lee氏とも話し合いの場を設け、なんらかの処置を取ることを確約したようです。

新天地に選ばれるのはTwitchかFacebookか

Mixerがコミュニティの移管をFacebookに託した一方で、プロゲーマーやコアゲーマーはリアルの生活や繋がりを基盤としたFacebookとの相性が悪く、結局ユーザーの多くはTwitchに行くのではないかという目算がコミュニティからは挙げられています。

実際Mixerストリーマーに伺ってみると「Twitchのコミュニティは人が多い分Toxic(荒れている)で、YouTubeも似たりよったりだ。それでいてFacebookはとにかく絶対に触りたくないし、そのためにMixerに来たのに、今後どうすればいいかわからない」とのコメントも。

しかしFacebookもMixerパートナー契約者に対して、Facebook Gamingと90日間のパートナー契約を結ぶことを条件に即金で2,500ドルを提供していることが情報筋より明かされています。既にMixerとパートナー契約を結ぶほどの専業配信者がいまさら競争の激しいTwitchで1からスタートしても活動を継続できる公算は低めなので、両者にとってWin-Winである申し出だと言えるでしょう。

またNinjaとShroudの両氏はFacebookから専属契約の打診があったものの拒否したとのことで、現在はフリー配信者に。両氏ともにMixerコミュニティに感謝しつつ、次の手を考えているとのコメントを行いました。配信者やファンたちにとっては激動の日々がしばらく続くでしょう。

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