ユービーアイソフトが満を持してバトルロイヤルジャンルに殴り込みをかける、基本プレイ無料の新作FPS『Hyper Scape(ハイパースケープ)』。EAA!!が招待していただいたメディア向け先行プレイでのレビューをお届けします。 本作の対象機種はPC/PlayStation4/Xbox Oneで、発売日(配信日)は2020年夏を目指しています。
既存のバトロワを研究しつつコピー品ではない作品
『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』を手掛けるユービーアイソフト モントリオールがバトルロイヤルゲームの開発に着手。2054年に流行しているネットゲームでバトルロイヤルを繰り広げるという設定です。「既存のバトロワのコピーキャットにはしたくない」という理念のもとに、これまでのバトルロイヤルを研究して良いところを取り入れつつ、スピード感と立体的な戦闘や、デス後の透明人間化などなど、ユニークな特色をもつタイトルとなっています。
『ハイパースケープ』にはソロモードと三人一組のスクワッドモードがあり、その中でもルールがいくつか用意されています。 今回のプレスイベントではスクワッドモードで「クラウンラッシュ」というルールをプレイすることができました。
『ハイパースケープ』ワールドプレミアトレーラー
未来のネット空間を縦横無尽に駆け巡れ!
各バトルロイヤル作品、特に『Apex Legends』を研究したことがよく分かる『ハイパースケープ』。本作の大きな特徴の一つが「縦」の要素を取り入れた3次元の戦闘です。プレイヤーが操作する「チャンピオン」は全員2段ジャンプが可能なうえ、マップ各所には建物の屋上にひとっ飛びできるジャンプパッドが設置されており、X軸だけでなくY軸にも常に気を配る必要があるゲームとなっています。
実在するランドマークも
マップも荒野ではなくネット上に再現されたコンパクトな都市が舞台となっており、高層ビルや住居が多く、必然的に「縦」の移動を多くなり戦闘に立体感が生まれています。 舞台設定は未来の都市ですが、ノートルダム寺院など実在するランドマークも登場します。そんなマップは9つのランドマークと7つのエリアに分かれており、時間経過でエリアが徐々に消滅。消滅したエリアに滞在するとダメージを受けるシステムです。
『ハイパースケープ』ゲーム解説トレーラー
降下の法則を変えることで接敵率をアップ
『フォートナイト』の「バトルバス」などバトルロイヤルゲームの多くは、マッチが開幕すると全員共通の「乗り物から出発する」というのがお決まりですが、『ハイパースケープ』は開始時から一味違う要素があります。
試合が始まると直後にマップへ降下開始。全員が同じ方角からスタートするわけではなく、マップの四方からランダムで降下されます。 そのため、他タイトルで度々使われる「激戦区を避けて安全に装備を集めよう」というアクションをすると、別方向から降りてきていたチームとに待ち伏せされるということもあります。
銃とハックを使いこなせ!
今回のメディア先行体験版では、計9種類の武器が用意されていました。
- 自動照準と大口径のピストル2種類
- アサルトライフル
- スナイパーライフル
- ショットガン
- グレネードランチャー
- ライトマシンガン
- プラズマエネルギー砲
- プラズマ版グレネードランチャー
便利なことに弾薬は共通です。1つ拾うだけですべての武器のマガジンが補充されるので、マッチする弾薬を探してウロウロするようなことはありません。これも後述するプレイスピードの迅速化に関係しているのかもしれません。
レベル製の武器システム
『ハイパースケープ』は武器にレベル制度を導入。マップ内にはLv1の武器のみが落ちており(ケアパッケージの中には最高レベルの武器あり)、同じ武器を拾うことでレベルを上げて強化していく仕様となっています。 このため、開幕時に自分は最低レアリティの武器なのに、相手は最高レアリティの武器を持っているといった運要素、いわゆる“武器ガチャ”が和らいでいます。
スキルを使いこなそう
マップには「ハック」と呼ばれるスキルも点在。
- 回復エリアを発生させる「ヒール」
- 透明化できる「インビジブル」
- 巨大な壁を展開する「ウォール」
- などなど、大きく分けて攻撃・防衛・移動の3種
「ハック」は2種類まで所持でき、武器と同じく同種のものを拾うことでレベルアップが可能です。
なおキャラクターはアバターの要素しかないため、キャラクターごとの「ハック」の縛りはありません。
デスしても休むことなく走れ!
これまでのバトルロイヤルの多くは、体力やアーマーはアイテムを使って回復し、一度体力が0まで減るとダウン。それからトドメを刺されたプレイヤーは観戦モードに入るのが恒例でしたが、『ハイパースケープ』はここにも捻りを加えています。
プレイヤーにアーマーという概念はなく(ハックで一時的に増加させることは可能)、HPを増やす手法もありません。 そのかわりにHPは自動回復、もしくはハックで回復するようになっています。
HPが0になると「ダウン」状態ではなく「即デス」ですが、デスすると観戦モードに入らず、なんと透明人間の「エコー」として行動できるようになります。 この状態では一切の攻撃はできませんが、敵の追跡や偵察からのピン指しで仲間をフォローすることができます。
リスポーンも可能
一人でエコー状態は寂しいですが、復活するための「リスポーン装置」がマップに点在しています。別プレイヤーを敵をキルすると、その地点にドロップする「リスポーン装置」を用いて復活ができます。
リスポーン装置にエコー状態で入り、それを生存している自チームのプレイヤーが触れることで作動。復活したプレイヤーは体力は全開ですが、武器やハックは失います。 とは言え、デスした敵がリスポーン装置と共に使用していた装備を落とすので、それを拾って戦闘に復帰できることも多々ありました。
「全員倒す」以外の勝利方法
バトルロイヤルといえば「ドン勝」や「ビクロイ」、「チャンピオン」など、全ての敵を倒したプレイヤー達のみが味わえる勝利という図式がありますが、『ハイパースケープ』では全ての敵を倒す以外にも優勝する方法が用意されています。 それが「クラウンラッシュ」モードです。
「クラウンラッシュ」で勝利する方法は2つあり、1つは敵を全滅させること。もう1つはマッチ終盤になって出現する「王冠」を確保して45秒間キープすることです。
「王冠」は出現する地点も事前に表示され、獲得するとどこにいるか生存者に表示されるリスクが伴います。 同時に、残存している敵チームには45秒以内に奪わないと敗北するというプレッシャーを与え、全員が自分のもとに向かってくるので、敵チーム同士の争いを加速させるきっかけにもなります。
エイム勝負が苦手なプレイヤーでも、裏をかいて王冠を維持し続けて勝利するという道も用意されているわけです。 なお、王冠を奪うことに成功するとそれまでキープしていた秒数はリセットされ再び45秒に戻ります。
期間限定モードも用意済み
「クラウンラッシュ」はソロ版も用意されているほか、詳細は不明ですが「ハックランナー」と「ターボモード」という2つのゲームモードと、期間限定モードの存在がすでに明かされています。
これまでにないTwitch連携機能
4月にクローズドベータを行い記録を打ち立てた『ヴァロラント』を見ても分かるように、もはやオンラインゲームと配信者と視聴者は切っても切れない関係が生まれています。 この3者の関係を強固なものにしたいと考えた『ハイパースケープ』開発チームは、開発中にプロゲーマーや有名配信者たちをスタジオに招待してリサーチ。 その結果、視聴者もマッチに深く関われる3つの機能をもったTwitch連携が開発されました。
まず1つ目の連携機能は、視聴者にマッチ内のイベントを決定させる投票機能です。『ハイパースケープ』のマッチ中には、低重力になりジャンプ力が飛躍的に向上したり、ハックのクールダウンの高速化や全員の居場所判明といったサプライズイベントが一定時間発生します。このイベントを視聴者が投票で決められるようになり、「視聴」という受け身だけだった視聴者の意思もマッチに介入し、配信者たちの一喜一憂を楽しめるようになります。
2つ目はバトルパス。 『ハイパースケープ』にもバトロワ共通のバトルパスが用意されていますが、なんとゲームをプレイしていなくても視聴しているだけでバトルパスを進められるようになります。
3つ目はスクワッド招待機能で、お気に入りの視聴者が設定をオンにしていると、Twitchからボタン一つで一緒にプレイできるようになります。
3時間プレイした上での感想
メディア体験会では計3時間のプレイ時間を設けていただきました。 正直プレイ前は「バトロワ」が食傷気味だったのですが、いざプレイしてみるとこれまでのバトロワらしさがありつつも、「縦」の要素が加わるだけでこうも操作性が変わるのかと驚き、たった1戦で一気にハマってしまいました。
デスしてしまってもフィールドに残り続けられる要素も新鮮で、これなら途中抜けも減るかもという期待も持てます。 メディア体験会では基本的に1マッチ20人前後しか集まらなかったのですが、それでも敵との遭遇率が高く、『ハイパースケープ』の作りがとても速いゲーム展開をもたらしていると感じ取れました。
武器やハックの特性は3時間のマッチのなかではとても把握しきれるものではありませんでしたが、きちんと「射撃練習場」も用意されており、製品版ではじっくりと研究することができそうです。
問題点も改善予定
気になった点としては、「HPが無くなる=即デス」なのでハックを使いこなさないと「連戦が他タイトルより遥かに不利」だということ。 また、デスするときはあっさりなので気がついたら自分以外は全滅していることも。これはデスしても「ゴースト」になるのでフィールド上を味方が動き続けること、UIが全体的に薄く識別性が低いこと、味方のデス時にアナウンスやサウンドキューがないといった理由が考えられます。
インタビューの際にこの点について尋ねてみたところ、サウンドキューやUIの改善には着手し始めているとのことなので製品版では改善されているかもしれません。
改善の余地は残しつつもも、先行するバトルロイヤルタイトルを研究し、独自のユニークなテイストをもたらすことに成功した『ハイパースケープ』。本作は新機軸の「バトルロイヤル」となるであろう意欲作で、これまでのバトロワとは一味違う感覚をもたらしてくれると思います。
『ハイパースケープ』開発チームのビジョントレーラー
『Hyper Scape(ハイパースケープ)』の対応プラットフォームはPC/PlayStation 4/Xbox Oneで、配信日は2020年夏を目標として開発が進行中です。
コメント
コメント一覧 (5件)
Apexの不満点(レジェンド格差、ソロ不可バランス、アーマー運ゲー)を無くしたバトロワですって感じだな。
ただその分斬新さが無いと言うか、個性の無いバトロワって感じ。
蘇生方法とか多めに用意されてるから
チーム人数多めなモードとかあったら楽しそうだなー
ストリーマー対策はしないとダメなご時世だけど
ゲームやらなくていいよ、っていう斬新な営業方法だねw
リリースされた日に鯖落ちするとみた
どーせまたこんだけ持ち上げといて,正式リリース後に「視聴者数が〜割にまで減りました.この理由は人気ストリーマーがうんぬんかんぬん」とかって言うぜ.たぶん.
バトルパスを視聴してるだけで進められるって完全に視聴者数水増しする気じゃん