『Counter-Strike: Global Offensive(カウンターストライク グローバル・オフェンシブ/CS:GO)』の銃器スキンには「ピクセルと同じ分の黄金」の価値があると大げさに例えるプレイヤーは多いですが、先日行われた取引を見るとあながちジョークでもなさそうです。13万ドル(約1,400万円)という破格の値段でトレードされたStatTrek M4A4 Howlスキンが現れました。
家が買えるほどのゲーム内データ
Apparently, a Chinese collector just purchased this 4x IBP 0.003 ST Howl for $130,000 in cash. If this amount turns out to be true, it sets the new record as the biggest cash trade in CS:GO history. pic.twitter.com/7Vu3wbXFqE
— ohnePixel (@ohnePixel) July 3, 2020
ビッグニュースを報じたのは「CS:GOのエコノミスト」を自称するツイッターユーザーのohnePixel氏。中国のコレクターが超レアスキンのM4A4 Howl StatTrak仕様に、これまた2014年の大会記念品であるiBUYPOWER Katowiceホロステッカーを4つ貼り付けた一品を13万ドルで取引したとのことです。
いくら『CS:GO』では使用率がダントツに高いアサルトライフルのレアスキンとは言え、13万ドルという価格はさすがに盛りすぎに思えます。しかし『CS:GO』のスキン市場に詳しい人に話を伺うと、「M4A4のHowlにそのステッカーなら妥当」という声が。どうやらこのスキンは、曰く付きの経歴を持っているそうなのです。
販売停止から6年、曰く付きのスキン
時は2014年にさかのぼります。「Arms Deal」というアップデートでスキン箱やスキントレード市場を実装したValveはより多くのプレイヤーを課金に誘うべく、アーティストにオリジナルスキンをSteamワークショップに投稿するよう推奨しました。コミュニティ間で人気なスキンはアーティストに報酬を支払いゲーム内に正式実装するという、Win-Winな体制を作り上げたのです。
報酬や名声に釣られ多くのアーティストが我先にと投稿を行い、名スキンの数々を生み出しましたが、中でも人々の気を引いたのはAuzzii氏とsic氏という二名の人物による「Howling Dawn」と言う名のスキンでした。説明文に「ペットの飼い犬をイメージして創作したんだ」と書かれたそれは瞬く間に4500票もの実装嘆願が集まり、「Huntsman」コレクションという特別なレアスキンとして実装されることになりました。
しかし2014年6月、DeviantArtというアート投稿サイトで活動しているCanisAlbus氏がValveに著作権侵害の疑いを申し出ました。なんとAuzzii氏の「Howl」は盗作だったのです!しかも添削すらしていない、完全な丸パクリでした(CanisAlbus氏の原作はこちら)。
申し出を受けたValveは、sic氏が投稿した他の5つの銃器スキンとともに「Howl」スキンをHuntsmanコレクションから除外。著作権上問題ないデザインに描き直した、いわば新「Howl」を改めてリリースしました。しかし旧版の「Howl」は削除されたわけではなく...。こうして『CS:GO』の最も高価な曰く付きスキンが誕生したのです。
2位とは11万ドル差
もちろん、ただ曰く付きというだけで13万ドルもの巨額になるほど、『CS:GO』のスキン市場はボロくはありません。参考までに言うと、これまでに最高額でトレードされたSouvenir AWP (Dragon Lore) は摩耗度0.06の新品で、19,632ドル。
M4A4 HowlのStatTrak仕様(キル数をトラッキングする特別仕様スキン)の良品も、摩耗度0.009の新品が約5,180ドルの価格で出品されています。今回取引されたM4A4 Howlが法外な価格となった理由は、銃に付与された4枚のiBUYPOWERステッカー(ホロ仕様)も大きいとされています。
「2014 EMS One Katowice CS:GO Championship」大会を記念するために発売されたこちらのステッカーは、今では一枚で数十~百万もするコレクター垂涎のレアアイテムに。それをぜいたくにも4枚も貼り付けたことで、コレクション価値が急上昇したと見られています。
6年前に蒐集したスキンやステッカーが、数年は遊んで暮らせる大金に化けるのはなかなか夢のある話。「世界最高のFPSが遊べる上に、スキン箱で一獲千金もできるゲーム」とは『CS:GO』ベテランが新人を勧誘する時によく使う言葉ですが、これを機に飛び込んでみるのはいかがでしょうか。
基本プレイ無料FPS『Counter-Strike: Global Offensive(カウンターストライク グローバル・オフェンシブ)』の配信日は2012年8月21日、対象機種はPC(Steam)。
コメント
コメント一覧 (8件)
課金もする時はあるけど流石に理解できないなぁ
つまりスキンは当たっても勝手に劣化し、ステッカーとやらは一回きり?集金の極みだな
スキンは一生劣化しません。ステッカーは剥がすとペナルティで少し劣化します。書き込みをする際は下調べをしましょう。
摩耗すると徐々に剥がれるって、記事に書いてないか?
プレイしても摩擦度は上がらないよ
スキンが出た瞬間に摩擦度が、設定されててその数値に応じてって意味だ。
絵じゃん
絵に値段つくのって普通だと思うんですけどねぇ……
絵ぇ...