Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ競技シーンでは、日本国内でもプロ10チームによるRJL(Rainbow Six Japan League)が進行中。6月5日には、RJL初の観客入りオフライントーナメント「RJL2022 Season1 Playoff Stage2」の激闘を経て、シーズン1のチャンピオンがKAWASAKI SCARZに決定しました。
「RJL2022 Season1 Playoff Stage2」開催中
日本国内のプロ10チームが1年を通して競い合うリーグ戦「RJL 2022」では、6月4日と5日を通して、シーズン1のチャンピオンチームを決定するトーナメント「RJL2022 Season1 Playoff Stage2」が行なわれました。こちらは約2年ぶりの観客入りオフラインとして、新宿住友ビル三角広場にて開催され、多くのシージファンや各チームのファンが集合し、大きな盛り上がりを見せていました。
激闘の結果、優勝はKAWASAKI SCARZに決定。グランドファイナルで昨年チャンピオンであるCYCLOPS athlete gamingを破り、RJLの金のル・ロック・シールドにその名を刻みました。
DAY2の結果
- 準決勝
- DONUTS USG vs KAWASAKI SCARZ:0-2
- Crest Gaming Lst vs CYCLOPS athlete gaming OSAKA:1-2
- 3位決定戦
- DONUTS USG vs Crest Gaming Lst:0-2
- グランドファイナル
- KAWASAKI SCARZ vs CYCLOPS athlete gaming OSAKA:2-1
グランドファイナルはSCARZ vs CAGに
DAY2の初戦となる準決勝第1試合は、DONUTS USG vs KAWASAKI SCARZ。第1マップとして「オレゴン」を選択したSCARZ(※)は、USGのラッシュにも正確に対応しながらリードを作ると、最後はパーフェクトラウンドでおさめ、3-7で勝利しました(※配信画面ではUSGピックとなっていましたが、実際にはSCARZがオレゴン、USGがカフェをピックしたそうです)。
第2ラウンドの「カフェ」はUSGの好勝負が印象深いマップですが、SCARZは防衛で、上下を自在に立ち回るUSGの動きをPulse(パルス)で封じます。USGはマッチポイントを取られながらもオーバータイム寸前まで粘りましたが、最後はTaiyo選手が設置後1-2を冷静に制し、ラウンドスコア5-7、マップスコア0-2で、SCARZが先にグランドファイナルへの進出を決めました。
試合後のインタビューで、カフェで最後の1ラウンドを勝ち取るまでの過程についてPyon選手に尋ねたところ、「(2-6でマッチポイントになってからは)自分たちからリスクを取って仕掛けていこうと思っていたんですが、USGに先にキルを取られてしまい、リスクを取る前に対応を迫られてしまいました」と振り返ってくれました。シージプレイヤーに向けて、ギリギリの場面での1v2を制する秘訣についてTaiyo選手にうかがうと、「やっぱり冷静になることですね」と教えてくれました。
その後に行なわれた準決勝第2試合は、昨年度の成績不振から一気に成長してきたLstと、帰国直後の過酷な環境下でもREJECTを2-0で下した、CAGのマッチアップとなりました。
第1マップ、Lstピックの「ヴィラ」では5-5の接戦になりましたが、CAGは対戦相手への解答を見つけ出し、5-7でこのマップを制します。第2マップの「クラブハウス」では一点してLstが持ち前の力を発揮。今年度に加入したばかりのArcully選手がCaveira(カヴェイラ)での尋問を成功させると、彼は攻撃でもNokk(ヌック)で活躍し、そのまま7-3で今度はLstが勝利を得ます。
今回のトーナメントで初のディサイダーマップとなった「テーマパーク」では、LstがWh1skey選手のハイドから第1ラウンドを取得して再びペースをつかもうとしましたが、CAGからはBlackRay選手のエースも決まり、オーバータイムに突入。彼の活躍で勢いを得たCAGは、このオーバータイムを8-6で制覇し、マップスコア2-1で試合全体に勝利しました。
序盤のラウンドで劣勢になりながらも巻き返せたポイントについて、試合後にCAGの皆さんにうかがうと、gatorada選手は「みんなで冷静に話し合って分析して、正解の作戦を持って行っただけです」と述べ、最初の方は取られても、チーム全体で修正するCAGならではの地力の高さをアピールしてくれました。
第3マップで特に光っていたArcully選手の活躍について、Ayagator選手は「暴れさせないようにしていたんですけど、それでも暴れていたので、本人の強さですね」と振り返っていました。一方、分かっていても止められない作戦としては、CAGでもAnitun選手のMontagne(モンターニュ)やClash(クラッシュ)の戦術がよく知られていますが、ここまで明確に封じられたケースは少ない点についてうかがうと、Anitun選手も「国内のチームだと、海外のチームほどには(盾オペレーターで)動きづらいという感じはしないですね」と述べ、今なお定番かつ有効な戦術であることがうかがえました。
3マップの激闘制しSCARZがシーズンの頂点に
3位決定戦はUSG vs Lst。USGの「カフェ」に乗り込んだLstは、OkOmEsH選手やArcully選手らフラッガー陣が活躍し4-7で華麗にしめくくると、続く「国境」でも、攻撃から入ったLstが優勢な展開となり、USGにタイムアウトを強要します。しかしLstの攻勢は緩まず、0-6での攻防交代に追い込む、最後も防衛でラウンドを取って1-7。Lstはマップスコア2-0で、今回のプレイオフの全体3位を決めました。
試合後にUSGのカフェへの攻略法について質問してみると、OkOmEsH選手は「攻撃ではラベリングを巧くやってキルを拾っていくことで、防衛はトラップ系で相手のエントリー箇所を減らすことが対策ですね」と明かしてくれました。
「国境」でNokkを使い大量キルを計上したArcully選手には、オフライン環境だとプレゼンスリダクション(※Nokkの固有ガジェット)の足音がさらに聞こえにくいなどの利点があるのかと尋ねてみると、Lstチームの方々は、大量キルはArcully選手自身の実力であると請け負ってくれました。
シーズン1ではめでたく3位の座に着地し、成長を見せたLstですが、シーズン2に向けた改善点について、Acerola選手は「個人技はもちろんチーム全体のことを考えて、頭を柔軟にすること」だと話してくれました。
シーズン1最後の戦いはSCARZ vs CAG。第1マップは「オレゴン」で、5-5までは互いに譲らない勝負となりましたが、やはりAnitun選手のMontagneが今回も違いを作り、5-7でCAGがオレゴンでの戦いを制します。しかし第2マップでは逆にSCARZがCAGの戦術をいなしていく展開となり、6-4で先にマッチポイントを獲得。そのまま7-4でこのマップを勝ち取ったSCARZは、CAGとともに決着のマップ「ヴィラ」へと向かいます。
今シーズン最後のマップとなった「ヴィラ」では、第1ラウンドからTaiyo選手がエースを獲得し、いきなり会場のムードをSCARZに引き寄せます。4ラウンド目はパーフェクトラウンドで一気に4-0。CAGはタイムアウトを取って巻き返しを図りますが、SCARZはその後も重要な場面での撃ち合いで勝ち続け、逆転の隙を与えませんでした。
昨年のRJCで存在感を発揮し、着実にファンを増やしながらRJL 2022への出場を決めた元ZeptoことSCARZですが、彼らは今年リーグ初参加ながら、グランドファイナルでは見事にその実力を証明し、「ヴィラ」では圧巻の最終スコア7-1。マップスコア2-1で勝利をおさめ、シーズン1のチャンピオンとして優勝シールドにその名を刻みました。
SCARZの勝勢を決定付けたと言っても過言ではないTaiyo選手のエースについて、試合後に少しお話しをうかがったところ、Taiyo選手の大舞台でのエースにはリーダーのPyon選手も「まさか」と驚いたそうですが、Taiyo選手本人はプレイに集中しており、エースを取ったこと自体はそのときは気付かなかったそうです。その後SCARZのメンバーは報道陣に囲まれながら、全員で勝利を祝い合っていました。
戦いはシーズン2へ。次回プレイオフチケットも先行予約開始
「RJL2022 Season1 Playoff Stage2」の配信ログは、X-MOMENTのチャンネルでご覧いただけます。
シーズン1が完結したばかりの「RJL 2022」ですが、6月12日からは早速「シーズン2」がスタートします。シーズン2もシーズン1と同様に、レギュラーシーズンとRJO(オープントーナメント)、そしてプレイオフで構成されており、7月30日と31日には再び観客入りオフライントーナメントが、今回と同じく新宿住友ビル三角広場で開催予定です。
このオフラインのチケットは、既にe+(イープラス)内のページで先行予約(抽選制)が始まっています。今回のオフラインを楽しんだ方はもちろん、配信を通して新たに現地での観戦に興味を持った方も、シーズン2のプレイオフはぜひ目の前でお楽しみください。
SCARZが全体首位へと飛び出すことに成功したRJLですが、2022年全体のチャンピオンの座はどのチームが獲得するのか。引き続き「RJL 2022」に注目です。
Source: X-MOMENT
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