明日2022年12月7日、Blizzard Entertainmentの『Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )』では、シーズン2が開幕します。様々な新要素が用意されているシーズン2ですが、参加させていただいたメディア向け先行プレイより、新タンクヒーロー「ラマットラ」の基本性能をご紹介します。
なお、以下で紹介している内容は、今回先行プレイ用に用意されたテスト環境で計測、撮影したものとなっています。ライブ環境への実装時には異なる性能となる可能性があることをご留意ください。
新規タンクヒーロー「ラマットラ」
体力 | 450 |
ロール | タンク |
ロール・パッシブ | 与Ultチャージ&ノックバック30%減少 |
新ヒーロー「ラマットラ」は、タンクとしては控えめの体力値450(ドゥームフィストと同率ワースト2位)を持つタンクロール所属のヒーロー。
しかし、このヒーローの目玉アビリティである“ネメシス・フォーム”を発動すると、体力に一時的なアーマー150がプラスされ、合計600(タンクロール5位)まで上昇、タフな戦闘をこなすことも可能です。
また、オムニック・フォームとネメシス・フォームで異なるアビリティを2種類ずつ使用できるため、戦況に応じた選択が必要であり、それが魅力でもあるヒーローとなっています。
ヴォイド・アクセラレーター(オムニック・フォーム限定)
マガジンサイズ | 100 |
ダメージ | 4.5 |
ヘッドショット倍率 | 2倍 |
射撃レート | 25/秒 |
リロード速度 | 約1秒 |
オムニック・フォームでの基本攻撃。弾の判定は、一般的な射撃と同じでバリアアビリティで防がれるほか、“ディフェンス・マトリックス”などの吸収系、“木の葉返し”の対象となっています。
弾速設定があり、弾速もそれほど速くないため、相手の体力を100%削ることは難しいものの、射撃レートが非常に高くダメージの距離減衰がないので、遠距離の相手に対するけん制として用いる事が可能です。近距離の場合は、弾速の影響が小さくなり、ヘッドショットを狙いやすくなるため、高いダメージレートに期待することができます。
また、ネメシス・フォーム中に自動でリロードされるため、この性質を利用し“ネメシス・フォーム”発動→解除をすることで、リロード中の被ダメージをボーナスアーマーで受け安全にリロードするといった芸当も可能。この時、“ネメシス・フォーム”のキーを押しっぱなしにするレベル(最速)でフォームを戻してしまうとリロードされない点には注意が必要です。
ヴォイド・バリア(オムニック・フォーム限定)
最大耐久値 | 1000 |
最長展開時間 | 4秒 |
最長展開距離 | 約35m |
クールタイム | 展開後15秒 |
オムニック・フォームでのみ使用可能なラマットラの防御手段。アビリティキーを長押しすると展開位置のガイドが表示され、離すとガイドの位置にバリアが展開されます。
“ヴォイド・バリア”の展開ガイドは敵味方共に視認することができず(ガイドを表示してることは、ラマットラのポーズから確認可能)、表示中はアルティメットを除くアビリティキーが無効となります。“ヴォイド・バリア”のガイドキャンセルは射撃キーで可能。
シグマの“エクスペリメンタル・バリア”とよく似た形状でありながら、ウィンストンの“バリア・プロジェクター”と同じ使い捨てタイプなので、耐久値の管理は不要。それらのバリアアビリティと比較すると「接地していないと展開できない(足場があれば地面以外でも可)」「展開時間が4秒と短い」など劣る点はあるものの、耐久値が1000と高く、突然バリアが現れるため対処が困難な点で勝ります。
後ほど紹介しますが“ヴォイド・バリア”は、ネメシス・フォーム中に展開することができません。しかし、オムニック・フォームで展開した“ヴォイド・バリア”は、ネメシス・フォームに移行しても引き続きフィールド上に存在するため、最長で約4秒の間は併用することができます。
自身が敵に接近するためにはもちろん、バリアを超えて敵を攻撃する際には後ろの味方を守る盾として機能するため、“ヴォイド・バリア”併用ネメシスはラマットラが攻撃に専念しやすくなる強力なアビリティ連携となります。
この連携を利用した場合、“ヴォイド・バリア”のクールタイムはネメシス・フォーム中にも消化されているため、ネメシス・フォームを8秒間フルに活用するとオムニック・フォームに戻った後、7秒の経過で“ヴォイド・バリア”を展開することができます。
ネメシス・フォーム
効果時間 | 最長8秒 |
クールタイム | 解除後8秒 |
特記事項 | ・効果時間中限定で150アーマーを獲得 ・ラマットラの形状が変化(巨大化) ・使用できるアビリティが変化 |
基本状態であるオムニック・フォームからネメシス・フォームに切り替える(又は戻す)アビリティ。“ネメシス・フォーム”発動中は、上記二つのアビリティが使用できなくなる代わりに、以下2つのアビリティが使用可能になります。
加えて、発動中はラマットラの体が大きくなり被弾しやすくなりますが、ボーナスアーマーの獲得を含め、体を張って味方を守る立ち回りが可能になります。
ネメシス・フォームは効果時間中であっても、再度のキー入力によっていつでもオムニック・フォームに戻ることが可能。しかし、アルティメット・アビリティ“アナイアレーション”の強制ネメシス・フォーム中に入力を行った場合、“アナイアレーション”も終了してしまうので注意。
パメル(ネメシス・フォーム限定)
マガジンサイズ | ∞ |
ダメージ | 60 |
ヘッドショット倍率 | ×(1倍) |
射撃レート | 1.75/秒 |
射程距離 | 約11m |
特記事項 | ・シールド貫通 ・吸収、反射不可 ・複数ヒット可 |
ネメシス・フォームでの基本攻撃。バリアアビリティを貫通(耐久値へのダメージもあり)する効果、敵(タレット等を含む)を貫通する効果持っているため、敵が盾裏などに集まる構成、展開に非常に強い攻撃手段となっています。
ダメージ量自体は、単発60ダメージ(ウィンストンの“テスラ・キャノン”1秒分)と見た目ほど高いわけではなく、200族のキルに関しても4発必要。至近距離の場合には3発目の“パメル”をキャンセルして近接攻撃を行うと210ダメージを与えることができるので、4発撃つのに比べ若干キルタイムが短くなります。
また、射程距離もラインハルトやウィンストンのメイン武器に比べると長いですが、移動系のアビリティを一切持たないため、敵を射程距離に捉えるには展開作りや立ち回りに一工夫必要となります。
判定についてはかなり特殊な扱いとなっており、物理判定を射出しているというイメージが最も近いものとなっています。物理判定であるが故に一般的なバリアアビリティ(ザリアを除く)、“ディフェンス・マトリックス”などの吸収系は貫通し、対“木の葉返し”はブロック効果(反射なし、ダメージ無効)のみ。射出扱いであるため、バティストの“アンプリフィケーション・マトリックス”のダメージ倍化対象となります。
ザリアのバリア、ゲンジの“木の葉返し”に関しても、対象者がダメージを無効化できるだけであり、後ろの敵にダメージを与えることは可能となっています。そのため、明確な対抗手段としては貫通不能のオブジェクトを出現させるメイの“アイスウォール”、投射物を破壊する効果を持つオリーサの“ジャベリン・スピン”など極少数。
ブロック(ネメシス・フォーム限定)
ダメージ軽減 | -75% |
移動速度ペナルティ | -約50% |
クールタイム | なし |
ネメシス・フォーム限定の防御手段。ドゥームフィストの“パワーブロック”と同じように、正面からのダメージを軽減する効果があります。本アビリティにはクールタイムが存在せずネメシス・フォーム中であれば自由に発動と解除を行うことができます。
ダメージの軽減率や移動速度ペナルティの数値こそ“パワー・ブロック”と異なりますが、クラウドコントロール(CC)系アビリティ(オリーサの“エネルギー・ジャベリン”やシグマの“アクリーション”など)を防ぐことはできず、“バイオティック・グレネード”の回復阻害を受けてしまう、“ブロック”している方向以外からの攻撃に関しては軽減対象外(“モルテン・コア”など一部範囲攻撃は方向不問)などは共通しています。
“パワー・チャージ”における“ロケット・パンチ”強化のような特典はないものの、“ヴォイド・バリア”を展開できないネメシス・フォームでは貴重な防御手段であり、自身の体力をリソースとして後衛を守りながらの進軍したり、D.Vaの“自爆”など使用しないとデスしてしまう攻撃などを耐えるなど、必要な場面は色々と考えられます。
貪欲な渦
ダメージ | 15/秒 |
持続時間 | 3 |
効果範囲 | 約5m |
クールタイム | 投てき後12秒 |
特記事項 | ・エリア内の敵に移動速度低下の効果 ・エリア内の敵に飛翔禁止の効果 |
球体を投てきし、接地地点にダメージを与えるフィールドを展開するアビリティ。同じダメージフィールドを展開するソジョーンの“ディスラプター・ショット”と異なり、着弾地点ではなく接地地点(壁やバリアにあたると跳ね返る)に展開され、フィールド内の敵は移動速度が大きく低下し、ファラの“ジャンプ・ジェット”を始めとする飛翔行為が禁止されます。
覚えておきたいポイントは、接地地点を中心に効果が発生しているという点。ラインハルトで“バリア・フィールド”を展開したまま円を縦断する場合、フィールドの中心までは影響を受けることなく進行することが可能ですが、中心を超えると接地地点とラインハルトの間に障害物がなくなり、効果を受けてしまいます。
ラマットラ自身が注意するべき点は、接地までの球体状態は通常の弾丸と同様の判定(ブロック、吸収、反射の対象)である点と、引きずり下ろす高さは接地点あたりまでという点が挙げられます。そのため、崖際に弾を設置し崖上の敵を環境キルするといった運用は難しくなっています。
また、効果範囲も上方向に無限というわけではなく、“ジャンプ・ジェット”を使用した後、それなりの高高度に浮遊するファラを引きずり下ろすといった使い方は難しいため、ファラやエコーといった飛行系のヒーローを落としたい場合には、“フライト”の効果終了後や“ホバー・ジェット”のリソース切れ前か飛び上がる前を狙う必要があります。
このアビリティは、オムニック、ネメシス(Ult中を含む)両フォーム共通で使用可能。弾速が欠点の“ヴォイド・アクセラレーター”と射程距離が欠点の“パメル”、次に紹介するアルティメット・アビリティ“アナイアレーション”とラマットラが有する全攻撃アビリティの欠点を補うことができるため、そういったい意味ではラマットラの最も重要なアビリティと言っても過言ではありません。
アナイアレーション
ダメージ | 30/秒 |
持続時間 | 最短3秒 ~ |
射程距離 | 約12m |
特記事項 | ・Ultでダメージを与えている間、持続時間の減少なし ・CC系アビリティを受けても継続 ・自身のデスで即時終了 |
条件さえ整えば永続的に効果を発揮し続ける、新しいタイプのアルティメット・アビリティ(エコーに“コピー”された場合は、“コピー”の効果時間終了で強制終了)。
その性能は、ラマットラを中心とした周囲の敵に対して秒間30ダメージを与え続けるという効果と、効果中はネメシス・フォームを維持し続けるという効果の2つを持ちます。
攻撃に用いられるエネルギー体の判定はモイラの“バイオティック・グラスプ”(攻撃)と同じで、ラマットラと対象の間にバリアアビリティなど障害物が存在するとダメージを与えることができません(“ディフェンス・マトリックス”や“木の葉返し”などは貫通)。
ダメージ量自体は、30/秒とゼニヤッタの“調和のオーブ”で相殺されてしまう程度のダメージ量ですが、1発60ダメージと200族、250族のキルに10~20足りない“パメル”の補助として優秀。また、“サウンド・バリア”や“心頭滅却”といった、カウンターUltとして運用される事の多いアビリティに対しても、ダメージを与え続けている限り“アナイアレーション”は終了しないため、条件を満たし自身がキルされない限りは効果時間で上回ることができます。
射程距離に関しては“パメル”より僅かに長い程度なので、移動系アビリティを持っているヒーローを狙い発動した場合には「逃げ」が選択肢に入ってくる点に注意。上述の“貪欲な渦”や移動系アビリティを持たない敵ヒーローをうまく絡めつつ立ち回る必要があります。
また、「ダメージを与えている」の条件として“心頭滅却”発動中のゼニヤッタ自身やリーパーの“レイス・フォーム”、キリコの“鈴のご加護”など相手がダメージを受けない状態になっているとタイマーを消費してしまう点にも注意が必要です。バティストの“イモータリティ・フィールド”は、体力を一定に保っているだけでダメージ自体は与えている判定となっており効果時間を消費しません。
そのほか、ヒーロー別で押さえておきたい対面はソンブラとアッシュが挙げられます。ソンブラの場合は、“アナイアレーション”が“ステルス”発動中のソンブラに対して反応しません。ヒーローとの接触や“インフラサイト”など「DETECTED!」の表記が出現した瞬間から攻撃が開始されます。
アッシュは、アルティメット・アビリティ“B.O.B”がプレイヤーとしてカウントされる特性を持つため、“アナイアレーション”の与ダメージと時間延長の対象となります。射線を通す必要があるため、B.O.Bの攻撃を受け続けることにはなりますが、サポートヒーローの援護を受け続けられる状況では、効果時間を消費せずに「B.O.Bのターゲット受け」「周囲の敵へのダメージ」「サポートヒーローのUltチャージ」など、動かない的として逆に利用する事もできます。
等々、非常に魅力的な性能を持った“アナイアレーション”ですが“ヴォイド・バリア”が使用できないネメシス・フォーム固定(発動前展開による併用は可能)かつ自身がデスしてしまうと即時終了であるため、“ブロック”と“パメル”をうまく扱いながら立ち回る必要があります。
とはいえ『オーバーウォッチ 2』において範囲攻撃は非常に優秀。ラマットラが近くにいる限りその効果が終了せず、効果時間中は同時にバリア貫通の効果を持った“パメル”を連打してくるため、相手に対し「立ち向かう」か「逃げるか」の二択を迫ることができる、オーバータイムや人数有利のポイント戦など、優勢を勝勢に押し上げる力を持ったアルティメット・アビリティとなっています。
ラマットラ先行プレイ時総評
ラマットラはコンスタントに活躍可能なオムニック・フォームと近距離特化のネメシス・フォームを展開に合わせ切り替えて戦うヒーローとなっており、既存のタンクヒーローと比べ、多くの戦況に対応する力を所持しています。特にネメシス・フォーム中の攻撃手段“パメル”と“アナイアレーション”は、射程内にさえ捉えてしまえば敵チームに甚大な被害をもたらす可能性を秘めています。
さらに、クールタイム消化やリロードは、フォームを切り替えても継続して実行されるため、それらの待ち時間中は、もう一方のフォームの類似アビリティで代用するといった立ち回りの柔軟性も持ち合わせています。
しかし、できることが多い分、咄嗟のフォームチェンジや激しく変動する体力値、“ヴォイド・バリア”併用ネメシス、“貪欲な渦”“アナイアレーション”の使い所など、既存タンクには無かった操作や視点が求められるため、慣れるまでは、その性能に振り回されてしまうかもしれません。
また、移動系アビリティと回復アビリティのいずれも有していないため、効果的な運用には味方の援護が必須。特にサポートヒーローとは、選択次第で様々なシナジーに期待することができます。
- ルシオ:公式推奨のベストパートナー。“スピード・ブースト”の速度バフにより、近距離特化のネメシス・フォームを軸とした立ち回りが可能に。“アナイアレーション”中に逃げる敵を追う際にも非常に有効。
- マーシー:“カデュケウス・スタッフ”のバフにより、キルに必要な“パメル”ヒット数が減少。
- 例(200族):60×4発=240 → 78×3発=234
- ゼニヤッタ:“不和のオーブ”により、同程度の必要数軽減。
- 例(200族):60×4発=240 → 75×3発=225
- キリコ:“ブロック”で防ぐことができないCC系アビリティやデバフを“鈴のご加護”で解除可能。“狐走り”とネメシス・フォーム、“アナイアレーション”の相性も抜群。
- バティスト:“パメル”が“アンプリフィケーション・マトリックス”に対応しているため、225族までが2確に。“アナイアレーション”の弱点の1つラマットラのデスを“イモータリティ・フィールド”で一時的に無効化可能。
- アナ:“ナノ・ブースト”を付与すると250族までが“パメル”3確。攻撃力と防御力の向上により“アナイアレーション”発動中の安定感、パフォーマンスが大幅に向上。
などなど、自身の対応力の幅が広い分、意識さえすればどのサポートと組み合わせても面白い活躍をしてくれそうです。もちろん、防御面のシナジーやダメージヒーロー達とのシナジー形成も様々なものが考えられます。
既にビジュアル面での人気が非常に高いラマットラですが、自身でプレイし、使いこなした際の楽しさやカッコよさはそれを上回るものになっていると思いますので、ぜひ実際にプレイしてみてください。ラマットラは、2022年12月7日のシーズン2開幕と合わせ実装されます。
- タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )
- 発売日:2022年10月5日
- 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch
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