Electronic ArtsおよびMotiveによる、名作サバイバルSFホラーのリメイク版となる新生『Dead Space(デッドスペース)』。いよいよ発売日である2023年1月28日午前1時(日本時間)が迫ってきました。
そこで、初代『デッドスペース』でいまだ拭えない衝撃を受けた筆者が、新たに公開されたローンチトレーラーやオリジナルとリメイクの比較画像、そして本作の魅力などを5つにまとめて紹介したいと思います。
『デッドスペース』とは?
オリジナルの『デッドスペース』は2008年に海外で発売されたものの、首チョンパや四肢切断などの残虐描写から日本国内では未発売に。しかしその凄まじいまでの恐怖演出とイカしたデザイン、止め時を忘れるストーリーと優れた演出、そして残虐かつ多彩な死に様などで評判となり、多くの日本人ゲーマーが輸入版を購入、翻訳wikiが活発になるなどの大きなインパクトを残しました。
オリジナル版『デッドスペース』は海外で高い評価や多数のアワードを受賞、サバイバル・ホラー・ゲームの金字塔を打ち立てました。
リメイク版『デッドスペース』ローンチトレーラー
そんな『デッドスペース』のリメイク版ローンチトレーラー「人類はここで終わる」が公開されました。
物騒な見出しのローンチトレーラーの少し前には、ゲームプレイトレーラーも公開されています。
観ましたか? もうこの2本だけでも魅力は充分に伝わったと思いますが、更に深掘りしていきましょう。
魅力1:『デッドスペース』グラフィックとサウンドの進化
2008年のオリジナル『デッドスペース』と、14年以上(シリーズとしては10年ぶり)の時を経た2023年のリメイク版『デッドスペース』における、同様のシーンの新旧グラフィック比較です。
以下は映像での比較ですが、少々ネタバレが含まれるので事前知識なしでプレイしたい方は視聴を控えましょう。
公式サイトには高画質かつ多くの比較画像が用意されているのでぜひチェックしてみてください。この進化具合だけでプレイしたくなりますが、グラフィックだけでなくサウンドも大幅に進化しています。
魅力2:『デッドスペース』の主人公アイザック・クラーク
サバイバル・ホラー・ゲームは多数発売されていますが、そんな中でも『デッドスペース』のアイザック・クラークのキャラクターは際立っています。
彼は、頼もしい重火器を装備した海兵隊でも経験豊富なエージェントでもなく、単なる一般的なエンジニア(宇宙船修理工)です。そのため、工具ツールや知識で、悪夢が具現化したような化け物「ネクロモーフ」と戦うハメとなります。この渋い設定も『デッドスペース』の人気の一翼を担っていることは間違いないでしょう。
まだ書きたいことはありますが、ノー知識でプレイしてほしいので黙っておきます。
魅力3:『デッドスペース』の革新的デザイン
『デッドスペース』の忘れてはならない魅力にデザインがあります。特徴的なヘルメットはシリーズ全体のアイコンになっていますし、最大の特徴かつ革新的アイデアでもあるのは背中のインジケーターです。
いわゆる「体力ゲージ」ではなく、背骨のようなライトの光を生命維持装置として残りの体力を表現しています。さらに残弾数を銃の上に浮かび上がらせ、徹底的にHUDを排除したことで没入感が向上。よりリアリティーのある体験が可能となりました。この映画的なリアリズムは『デッドスペース』のテーマともなっています。
肋骨が基盤デザインに
このスーツに使われた「肋骨デザイン」が決定すると、すぐに『デッドスペース』全体を象徴する基盤デザインとなり、初代『デッドスペース』の舞台となった巨大採掘船“USGイシムラ”の外観をはじめ、部屋、廊下、乗り物などにも適用。宇宙空間における陰鬱なゴシック建築を作り出すための基礎となりました。
それにも関わらず、実はリメイク版『デッドスペース』制作にあたっては、新デザインのスーツが検討されていました。
新デザインにはいくつかの候補がありましたが、最終的には未来的なデザインや武士や戦士のような案は却下され、オリジナルの無骨な肋骨スーツが踏襲されました。この判断は間違いなく正解!
内部までモデリング
スーツとヘルメットは『デッドスペース』全体を象徴するもので、長年愛されてきたデザインをさらに詳細に、よりリアルに再現されています。そのシルエットも守られたため、遠くから見ると一見同じに見えますが、全パーツを現代に昇華させるための多くの新しい要素が組み込まれ、全パーツが内側もモデリングされています。
なおアイザック・クラークのスーツをデザインしたデザイナーは、ポップカルチャー、特に日本のアニメ『エヴァンゲリオン』の背中のエントリープラグから多大な影響を受けたとしています。またMotiveの環境アーティストで『デッドスペース』シリーズのベテランは「バイオハザード4のようなタイトルが、当時のサバイバルホラーの状況を変えたと思う」ともコメント。
確かに「肩越し視点」や「お化け屋敷的レベルデザイン」は通ずるものがあります。また、予想通り「エイリアン」や「イベント・ホライゾン」といったSF映画にも影響を受けています。
魅力4:『デッドスペース』のストーリーと目的
次の『デッドスペース』の魅力である、引き込まれるストーリーとその目的を見てみましょう。
本作の主人公となるアイザック・クラークは、巨大艦USGイシムラからの緊急連絡を受け、修理のために仲間たちと宇宙船Kellionでイシムラへと向かいます。
航空灯が消え、明らかに尋常ではないように見えるイシムラには、アイザックの最愛のパートナーであるニコルも乗船しています。
アイザックはなんとかイシムラに乗り込むも、ネクロモーフと呼ばれる敵対的な怪物に襲われることに。
アイザックは行方不明となったニコルを探し出し、イシムラで起こった異常な悪夢の謎を解き明かすために探索を開始。まさに命がけの決死行ですが、ネクロモーフたちの恐怖は増すばかりなだけでなく、自身の正気との戦いにも陥っていき...。
魅力5:オリジナルからの変更点
オリジナルから進化した点は複数あるのですが、できる限り事前知識なしでプレイしてほしいこともあり、意図的に詳細には触れていません。以下のような序盤のプレイ映像もいくつか公開されていますが、個人的にはこれらの映像は見ないことをお勧めします。
リメイク版『デッドスペース』では単に名作をキレイにして再現しただけではなく、『FF7』のような完全リメイクです。コンセプトは練り直され、環境に命を吹き込み、より現実的になり、一部のシークエンスは新たなアイデアやモーションキャプチャーで大きくバージョンアップしています。
舞台となる巨大艦USGイシムラも一連の独立したレベルから、相互に接続された完全な宇宙船へと生まれ変わりました。すべての場所を自由に歩くことができ、引き返すことも可能です。
常に何かが起こる...
リメイク版では「何も起こらない時間」をなくすため、インテンシティディレクター(迫力演出)というAIシステムによる演出が発生。急に扇風機が回りだしたり、船がきしむ音がしたり、照明がチラついたり、●●の●●が現れたりもすることで、没入と緊張を次のレベルへと押し上げてくれます。こういったイベントは400種類近く発生させることができるとのこと。
プレイ済みでも楽しめる!
ストーリーに関しても、脚本家たちによりオリジナルのストーリーテリングから改善されています。『デッドスペース』を初めてプレイする人たちに向けて「どのように伝えるか」はもちろん、経験済みプレイヤーにも「これはちょっと違うぞ」という驚きが用意されているとのこと。
大きな変化としては、オリジナルでは無口だったアイザック・クラークが、リメイク版では喋ることができます。もちろん続編の『デッドスペース2』などを踏襲し、“アイザックらしい”キャラクターに仕上がっています。
また、オリジナルでは後半に登場したとある重要な要素も、比較的早い段階で触れることになるとのことで、ある種の「唐突感」がなくなり自然な流れとなっている模様。
前述したように詳細は省きますが、舞台装置のモブにすぎなかった「あのキャラクター」にも明確な役割が与えられています。それが幸せかはさておき...。
分かりやすさやリアリティも向上
イシムラ船内も現実的に進化。例えば医療施設ならよりそれらしく、水耕栽培(土を使わずに植物を育てる方式)エリアではより多くの植物が追加され、無重力状態では多数のオブジェクトが漂って一目でそれと理解できます。広大な宇宙船内のポスターや案内板などもオリジナルでは読むことが困難でしたが、高解像度化によりすべて読めるようになっています。
映像などから確認できた演出としては、分かりにくかった演出の改善や、腑に落ちないシーンの納得感の増加、カメラワークの改善、迫力あるエフェクトの追加、明るかった場所の照明オフ、グロさのパワーアップなど、枚挙にいとまがありません。
プラズマカッターも再構築
そして『デッドスペース』を象徴する武器(工具)であるプラズマカッター。プレイしたことがある人なら「全員が覚えている」といっても過言ではないほど記憶に残る武器ではないでしょうか。そんなプラズマカッターも、使い勝手はそのままに、モデル、テクスチャ、サウンドとすべてゼロから再構築されました。元データは一切使われていません。
新要素もリアル
新たな要素としては、『デッドスペース2』のシステムを拡張したような、武器を強化するアップグレードシステムが搭載。武器はほぼオリジナル通りに使えるものの、より便利でクリエイティブな変更が加えられています。
アップグレードのやり方もゲームにありがちな「謎のパワーを注入」などではなく、しっかりとパーツを目に見える形でカチャカチャと付けてくれるのでリアルに感じられます。
ゴリ押しやワンパターンではないクリエイティブな戦闘
プラズマカッターの昇華はもちろん、その他のオリジナルの武器もクリエイティブに変化。ある武器は『オーバーウォッチ』のザリアのアルティメットのように敵を引き寄せる重力を起こせるように変更され、グレランは近接地雷になっています。
グロさ向上の皮剥システム
また、いくつかの新武器には敵の肉を一枚一枚はがす「ピーリングシステム」を搭載。“エレガントかつグロテスク”なこの攻撃により、敵は最終的にはほぼ骨格だけ状態となり、一見するだけで倒せたかどうかもわかりやすくなっています。「肉を削いで(カッターで)骨を断つ」といった組み合わせでのプレイも楽しそうです。
魅力5:日本国内版も規制なし!
少しでもエログロがあるとすぐに規制されてしまう悲しみの国・日本ですが、リメイク版『デッドスペース』では一切規制なしとのこと。例の多種多様な●に●が消えていないことを祈りつつ、そしてそれがバズることを確信しつつ、関係各所との調整に感謝します。
リメイク版『デッドスペース』ひとことまとめ
リメイク版『デッドスペース』をひとことでまとめると、サバイバル・ホラー・ゲームの金字塔であるオリジナル『デッドスペース』の世界観を忠実に再現しながらも、優れたグラフィック、サスペンスフルなオーディオ、圧倒的なデティール、そして現代にあわせた最新のゲームプレイ体験を実現した期待の新作ゲームです。
筆者は少し前にオリジナル版『デッドスペース』を改めてプレイしましたが、やはり14年以上前の古いゲームなので移動やアクションなどの操作面でストレスを感じました。リメイク版ではきっと改善されているでしょう。
そんな魅力的なタイトルゆえに映画化の噂もありますが、ぜひぜひ実現してほしいと願っています。
リメイク版『デッドスペース』購入先
日本国内での対象機種は規制の問題もあってPCのみ。吹き替えはありませんが日本語字幕も用意されています。
- 配信先:EA app(EA Play Pro対応) / Steam / Epic Games
- 発売日:2023年1月28日
- 価格:通常版 ¥ 8,700 / デラックス エディション ¥9,700
- デラックス エディション特典:ゲーム本編、ユニークスーツ3種 (蔓延 / ローン・サバイバー / ベンチャー)、スーツテクスチャ2種(神聖化 / 血染め)
大急ぎで書いたのでまとまりのない雑な部分もありますが、「この魅力が抜けてるぜ!」や、「もっとここが楽しいだろ!」という石村住人はぜひコメント欄にお寄せください。
というわけで、オリジナル『デッドスペース』未体験のゲーマーはもちろん、オリジナル経験者でも新たな興奮と恐怖を味わえること間違いないでしょう。
輸入版や英語版でプレイしていたゲーマーはもちろん、この名作をまだ味わっていない幸運なゲーマーは、ぜひ一切の事前情報なしに夜中に一人でヘッドホンでプレイしてみてください。きっと初代『バイオハザード』をプレイしたような衝撃体験となるはずです。
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