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Steam版『オーバーウォッチ2』がSteam史に残る低評価、その理由は?

Steam版『オーバーウォッチ2』がSteam史に残る低評価、原因は中国からの低レビュー爆撃か
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UPDATE 2023/08/15:追加で調べた分を追記・変更しました。

Blizzard Entertainmentの無料FPS『Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )』が、PCゲームプラットフォームSteamへ2023年8月11日に解禁された。プレイ人口が増えて盛り上がるだろうと思っていたら、「Steam史に残る歴史的低評価」となっている。

海外メディアやEAAスタッフ内でも「PvEの撤回(ヒーロー任務の中止)」「5vs5に変更」「ゲーム内アイテムの価格」「昔の女性差別問題」「スナうざい」などいくつかの理由を挙げていたが、どうも腑に落ちない。そんななか、なかなかに納得できる投稿が見つかったので記事にしてみようと思う。

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オーバーウォッチ2 低レビュー祭

まずはSteam版『オーバーウォッチ2』における現状のレビューを見てみよう(Steam)。2023年8月15日時点のレビューは「圧倒的に不評 (121,586) 」で、12万件近くのレビューのうち90%以上が否定的という異常な数字だ。

8月16日には13万を突破
  • Steam版『オーバーウォッチ2』の配信3日で10万件以上のレビュー
  • そのうち91%が否定的
  • その2/3近く(63,000)は中国語で、その97%が否定的
  • 中国は圧倒的に否定的だが、他国も80%以上が否定的

高い完成度を誇るメジャーなAAAタイトルで、しかも無料にもかかわらずこの低評価は尋常ではない。その理由を探っていこう。

中国からのOW2低評価レビューが多い理由

納得できそうな理由を提示してくれたのは、EAAでも何度かお世話になったNiko Partnersのリサーチ&インサイトディレクターであるDaniel Ahmad氏。主にアジア・中東地域のゲーム市場の分析を行っている。

彼は「どの英語メディアも把握していないことがある」と前置きし、その詳細を語っている。以下に要約しよう。

  • 2023年1月23日:BlizzardとNetEaseの契約終了
    • オーバーウォッチ』やその他のタイトルの配信停止
    • 中国人ゲーマーは国内サーバーでプレイできなくなったことに憤慨
    • 復帰のアナウンスもなし
  • 2023年3月:中国人プレイヤーをリサーチ
    • 『オーバーウォッチ』はプレイヤー数・プレイ時間ともに人気
    • 40%以上がVPNを経由してグローバルサーバーでのプレイを検討
    • 53%が中国内サーバーが再稼働すればプレイを再開すると回答
  • 2023年8月11日:Steam版登場!
    • Steam版は中国人プレイヤーにとって希望の光(VPNなしでプレイできて中国語ローカライズあり)
    • しかし蓋を開けてみると、国内サーバーの不足(や閉鎖)、ログインの遅さ、オンライン接続の悪さなどが発覚。批判が高まる
    • 他に、Blizzardの対応やゲームコミュニティへの影響などへの批判も

この結果、『オーバーウォッチ2』はわずか数日でSteam史上最低のユーザー評価となってしまったようだ。結局のところ、「中国におけるプレイの快適性欠如」が最も大きな問題だったように見える。

Daniel Ahmad氏は以下のように結んでいる。「オーバーウォッチが今も昔の中国で人気のIPであることは明らかだ。しかし、年初の閉鎖から始まった一連の出来事により(中国人プレイヤーの)溜まっていた不満が一気に爆発してしまった」。

調査結果全文を含む、中国PCゲーム市場のレポートはこちら(英語)。

オーバーウォッチ2 レビューコメント(低評価を抜粋)

上記レポートに加え、実際の低評価レビューコメントからも炎上の理由を推測してみよう。以下、割愛・意訳を含む。

低評価の嵐

中国語の低評価レビュー

  • よーし
  • クソの中のクソ
  • 史上最高のゲーム(※低評価)
  • アクティビジョン・ブリザード(※原文ママ)
  • つまらない
  • いい試合だった
  • ゴミブリザードのゴミOW
  • ダメ
  • 世界はブリザードを求めていない!(※「世界はヒーローを求めている」のパロディ)
  • 中国人プレイヤーのコメントを禁止したって? くそったれ!(※真偽不明)
  • 凸(※Fxckのアスキーアートコピペが多数)

中国語がわからないので機械翻訳だが、現在も続々と短文の低評価レビューが増えている。

英語の低評価レビュー

  • PVEがキャンセルされた
  • 「圧倒的に不評」レビューシュミレーターへようこそ
  • ジェフが会社を去った理由も頷ける…。彼の『オーバーウォッチ2』ビジョンは完全に破壊された(※6v6を堅持など)。
  • マッチメイキングが雑で、質よりも早くゲームに参加することを優先している。90%(これは誇張ではない)の試合は一方的だ。片方のチームがもう片方のチームを踏みつけて終わり。勝とうが負けようがこれでは楽しくもなんともない。
  • 『Team Fortress 2』をやろう
  • 『オーバーウォッチ1』が発売された直後に40ドルを支払ったが、今や『1』は存在せず、私たちがかつて愛したゲームのフリをした劣悪なマイクロトランザクションで膨れ上がったクソゲーが残った。
  • 5人しかいないのに、ワンショットキルキャラがいるせいですぐバランスが壊れる
  • リーパーが「買え...買え...買え...」と言って新しいヒーローたちをバトルパスの後ろに閉じ込め、ストーリーモードを廃止したところで私は泣いた。ありがとうアクティビジョン・ブリザード。
  • 好きなゲームだった。競技的なゲームなら他をおすすめする。コスメティックは金がかかりすぎる。

日本語の低評価レビュー

  • ゲームはいいゲームですが、でも、スタジオが糞で作ったのか(※同様の意味不明な日本語レビュー多数。アカウント名は中国語)
  • 中国でプレイできなくなっていたのがSteamでできるようになって戻ってきた中国人がチート使いまくってるのでおすすめしません
  • 2タンクがよかった
  • コミュニティの声を聞かず、勝率のみを見て的はずれな方向の調整しかしない運営最高!
  • (※ランクマッチへの不満の長文)
  • Steamだけではプレイできず、Battle.netのアカウントを別個で作成する必要があるので二度手間になっています。マッチ中では初プレイにもかかわらず「change plz」「noo b」「heal???」等の強要や暴言等が乱れ飛んでいてゲームに集中することも、ゲームになれることも出来ないまま不快な感情だけを抱えることになります。キャラ開放も最大150戦プレイしなければいけないので、キャラ変更を要求されても対応できず、チーム内で罵倒の嵐になります。
  • 新規の方はプレイ前に設定でチャットとVCをオフにしてから挑みましょう(※同様のコメント多数)
  • (※前略 古参プレイヤー)このゲームが”今は”面白くないことを理解し、改善されるその時までプレイしないことを強くおすすめします。改善されるかはわかりませんが、直近の競技シーンの不調でゲームが「競技」という枷から解放されつつあるため、僕はここ数年で最も希望的な感情を抱いています。
  • やればわかると思いますが、ゲーム自体は楽しいです。バランスもまあ不満はありますがいい。ただマッチングがひどすぎて全てが台無し。
  • 目指せ0%

全体をざっと見たところ、やはり中国の短文での低評価はかなり多いように見える。日本人や英語圏に偽装したようなコメントや不自然な日本語コメントも多いが、これらの中には納得できるレビューも含まれている。

なお、「参考になったレビュー」を見てみるとジョークやアスキーアートで、実際にはレビューになっていないものが多い。ここまでくると、Steam側のシステムにも問題がある気がしてきた。

悪ノリユーザーも

以前、『Call of Duty: Infinite Warfare(コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア)』も祭りの開催場所となり、発表トレーラーが「YouTube史上最も嫌われたビデオ2位」になってしまった。こちらは時間が立つに連れて、「悪ノリ低評価」が加速していったことを覚えている人も多いだろう。Steam版『オーバーウォッチ2』も同様の祭り状態で、今後も悪ノリユーザーが増えていくと予想される。

なおDaniel Ahmad氏によると、これまでのSteam史上最低評価は『War of the Three Kingdoms』で、『オーバーウォッチ2』に否定的なレビューをしたユーザーの中には「記録が破られないように」と『War of the Three Kingdoms』へ肯定的なレビューしているとのこと。

Steam 250でも最低評価確認

それでも人気

ここまでの酷い評価に対して、SteamのデータベースサイトSteamDBでは上位にランクイン。酷評の割にはプレイヤー数は多く、現実を反映していないように見える。

トレンドゲーム第2位
ポピュラーリリース第2位

酷評の原因はこれ?

Daniel Ahmad氏のリサーチと、レビューコメントを見た印象でまとめてみる。

  • Blizzardが中国版『オーバーウォッチ2』の問題を解決できていなかった
    • 希望の光に見えたSteam版がまともにプレイできなかったため、中国人ゲーマーの怒りが爆発した
  • 「Steamのレビュー」という不満をぶつける場ができた
    • 以前から不満を持っていた中国以外のゲーマーも参戦
    • 理由はワンショットキルやプレイ人数の変更、無料化&課金方式への変更、ヒーロー任務キャンセル、マッチメイクへの不満、過去のセクハラ問題など
  • Battle.netでリリース後、時間が経ってからSteamへ追加された
    • プレイスキルや愛着に格差が生まれた
    • チームプレイゲームにもかかわらず、プレイ済みのユーザーが多いため要求が高い
    • Steamの新規勢からすればたまったものではない
  • 悪ノリゲーマーも参戦
    • 今も「目指せ0%」や意味のないコメントでの低評価、AAコピペでの低評価などが続々と追加されている
  • そしてお祭り状態へ...

これらが「比較的真相に近い低評価レビュー祭の理由」ではないかと推測するが、皆さんの感想はいかがだろうか?

不自然な便乗レビューが大量にあることは間違いないが、不満の声があることも間違いない事実だろう。Blizzardはこれらのレビューを見てどのような対策を取るのか。今後も注視していきたい。

  • タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )
  • 発売日:2022年10月5日
  • 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch
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Source: X, Steam

Steam版『オーバーウォッチ2』がSteam史に残る低評価、原因は中国からの低レビュー爆撃か

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コメント

コメント一覧 (19件)

  • だって無印と比べて良くなった所がほとんどないもの
    ccスキルが少し減ったことくらいか?
    無印をそのままにしておけば棲み分けができたのに、わざわざサービス終了して無理矢理ow2に移住させといてこの様だからなぁ

  • 確かにTwitterみると中国以外も不評ってしっかり書いてあるね

  • 今まで当たり前に日常にあったものを取り上げられた時の怒りというのはここ最近のTwitterとかで体験してるから中国ユーザーの心情は理解出来るよ。
    けど直接関係のない国のコミュニティを巻き込んだり口汚い暴言で飽和させようなんてのは最早抗議活動でもないただの荒らし行為であって、その辺りが如何にもお国柄というか中国ユーザーの限界を感じるというか・・・。
    あと、日本ユーザーもそうだけど不評の波に乗って安直なお気持ち表明が多い。
    オーバーウォッチに物申すところがあるのは自分も同じだけど、いくらなんでもやり過ぎだよ。

  • まぁマルチはもういいやって感じにはなった。単純に色々思うことあって面白くなくなった
    PVEも難易度くらいしかやり込みないのは残念だし今後も改善はされないだろうから期待できる部分もうない

  • 中国とか関係なく、ow1から改善してないゲーム内の問題が主な理由では?
    6人に戻せとか マッチメイキングがおかしいとか 贔屓調整やめろ とかばかり

  • 中国人がレビュー爆撃してるのは事実だし、圧倒的不評ステータスはゲーム自体がバグ塗れで崩壊してるとかのゲームに多いから、流石にそこまでじゃないってのも同意

    https://www.togeproductions.com/SteamScout/steamAPI.php?appID=2357570
    ただ中国人が英語とかで書いてるパターンがあるにしても、他言語でも好評が不評を上回ってるのはほぼないから、根深い問題があるゲームなのもまた事実だと思う

  • 爆撃もあるけどそれを抜きにしても評価は変わらないとは思うよ

  • 中国からのレビュー抜きにしても不評なんですけどね

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