無料タクティカルFPS『VALORANT(ヴァロラント)』のeスポーツ大会「VCTインターナショナルリーグ」では、来シーズンから昇格戦を勝ち上がった3チームを招き入れ、各地域11チームの構成となる予定でした。
しかしRiot Games(ライアットゲームズ)は、この内アメリカリーグに昇格予定だったThe Guardの参加を取り消したと発表しました。
所属選手も寝耳に水だったというこの問題は、一体なぜ起こったのでしょうか。
1年間の努力が水の泡
ライアットゲームズはX(Twitter)にて「The Guardとの数ヶ月にわたるコミュニケーションの後、リーグのチーム参加契約に同意する期限を守れなかった」と発表。その結果、チームは2024年のVCTアメリカリーグに参加せず、来シーズンは昇格チームなしの全10チームで実施すると公表しました。
『VALORANT』eスポーツのグローバル責任者であるレオ・ファリア氏は、この問題に関する背景情報を説明。ファンが求める代わりの解決策は実現不可能だったとポストしました。
- 昇格戦の出場資格を獲得した全チームは、大会開始前にチーム参加契約に署名し、署名はエスクロー(第三者預託)で保管されていた
- 大会終了後、優勝した3チームにインターナショナルリーグへの昇格を最終決定するために署名をリリースするよう求めた。しかし2ヶ月と数回の追跡調査後もThe Guardは提出しなかった
- 無所属のチームが昇格した場合のプランはあったが、このチームはThe Guardとして出場してきたため状況が異なる
- 別の組織による買収を許可すればVCTへの出場枠が販売されることになり、許可できない
- 準優勝のM80を昇格させることも考えたが、大会で勝てなかったチームが出場資格を得るのは“疑わしい前例”を生み出すことになるので却下された
The Guardはリーグに昇格する気がなかった?
ライアットゲームズに続いて、The Guardも一連の問題についてポスト。しかしそこでは提出期限を守らなかったことについては言及せず、「予期せぬ結果となり残念だ」としかコメントしていません。選手に対しては謝罪するどころか、「競争力のあるチームが新たな機会を求めて移行するのをサポートしてまいります」と解散宣言までしています。
振り返れば今年2月、The Guardは大規模なリストラを敢行。eスポーツから完全撤退する噂が流れていました。実際にはインターナショナルリーグに昇格する気はなかったのか。それならばなぜ昇格戦に出場したのか。疑問は尽きません。
ストライキの可能性も?
問題を受けて、プロ選手によって構成されるアメリカVALORANT選手協会(AVPA)は声明を出しました。両企業の行為について「有害であり、雇用の喪失と彼らの努力の価値の喪失につながる」と主張しました。
『リーグ・オブ・レジェンド』では今年6月、チャレンジャーズチームの解散を巡ってストライキに発展しました。ライアットゲームズが選手ファーストでこの問題に取り組まなければ、『VALORANT』でも同様に大会の継続が危ぶまれるかもしれません。
- タイトル:VALORANT(ヴァロラント)
- 発売日:2020年6月2日
- 対象機種:PC(Riot Games)
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