CoDシリーズのバトロワ『Call of Duty: Warzone(コール オブ デューティ ウォーゾーン)』では、ミッドシーズンにあたる「シーズン1リローデッド」のコンテンツが発表された。
しかしわずか2日後、開発を手がけるRaven Software(レイヴンソフトウェア)からは、発表されたばかりの新機能「極秘回収」が撤回され、後日別モードとなってリリースされることが告知された。いったい何が問題だったのだろうか。
『ウォーゾーン』の新ルール「極秘回収」
『ウォーゾーン』を含むバトロワタイトルは、「最後まで生き残っていたプレイヤー(チーム)が勝ち」という、シンプルかつ奥深いルールが魅力。対して、「シーズン1リローデッド」で発表された「極秘回収」はバトロワに新しいプレイスタイルをもたらし得る興味深いルールだ。
「極秘回収に関して言えば、プレイヤーは極秘回収を利用してマッチから早期脱出ができるようになりました。強制収容所が閉鎖されるまでに、購入ステーションで高価格で手に入りますが、マッチ毎に5つしか販売していない極秘回収を使えば、プレイヤー(武器ケースが持ち帰れたら理想的)をマッチから脱出させるヘリコプターを要請できます。さらに極秘回収の新ランキングステータスで最多極秘回収数を競うこともできるようになります」(CoD公式サイトより)
要約すると、「極秘回収」によってバトロワからの「途中抜け」が可能になる。ただ逃げるのではなく、それが対戦勝利とみなされる。2つ目の勝利条件が加わることにより、「最後まで勝ち残るのがうまいチーム」だけでなく、「途中抜けするのがうまいチーム」を目指して、他のチームと競い合える。
発表2日後に撤回
しかし「シーズン1リローデッド」のコンテンツ発表からわずか2日後、開発を手がけるRaven Softwareから、「極秘回収」を来週リリースしないことが発表された。
「ここ数日に渡って、極秘回収に関する皆さんからのフィードバックを確認したところ、来週のシーズン1リローデッドでは通常バトロワにこの機能をリリースしないことを決断しました。
極秘回収とそれがもたらす繰り返しのゲームプレイは、武器ケースとも合わさって、ウォーゾーンにおける楽しい追加コンテンツになると考えています。とはいえ、これら両方の機能は、代わりに専用モードとして後日リリースする予定です。
これらの新機能がもたらす新しいチャレンジと、このモードがプレイ可能になった際の皆さんからのさらなるフィードバックを楽しみにしています」
リプ欄では「素晴らしい決断だ」と歓迎するプレイヤーの声が多く目につく。例によって、コミュニティからは否定的な意見が集まっていたようだ。
DMZの復活計画だった?
「その機能を使った“新モード”ならもうあるぞ。DMZってやつが」
結局のところ「極秘回収」の何が問題視されたのだろうか。XやRedditのログをたどっていくと、「DMZモード」との関連がよく指摘されている。
「DMZ」は、2022年の作品『Call of Duty: Modern Warfare ll (コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 2/ MWll)』でリリースされたゲームモード。バトロワと同様に大人数でマッチングするが、こちらは探索がメイン。与えられたミッションをこなしたり、NPCボスと戦ったりしながら、生きて脱出し、回収したアイテムを持ち帰るというのがゲームの主な流れだ。
「CoDにタルコフ風モードが登場」と、前評判こそ高かったDMZ。実際にはBattlestateの『Escape from Tarkov(エスケープ フロム タルコフ)』とはまるで異なるゲーム性だった。現時点でもプレイはできるが、メインタイトルが『MW2』が『MW3』に移行した際にアップデートが止まっている。結局最後まで「ベータ」が外れることもなく、期待された成功はおさめられなかったようだ。
バトロワに混ぜて大丈夫か
新たな「極秘回収」ルールは、「対戦から脱出する」というDMZの要素を、メインのウォーゾーンで復活させる試みであると察せられる。しかしRedditでは、DMZの要素を混ぜるというアイデアが、果たしてバトロワとして面白いのかが疑問視されている。
- 「極秘回収って意味ないよな。対戦に入って、アイテムを漁って、実質的な途中抜けをして『YOU WIN』って出るんだろ。今までで最もぱっとしないカジュアル向け機能だと思うんだが」
- 「途中抜け機能ならヴェルダンスクの頃からあるぞ。Alt+F4を押すだけ(※強制終了コマンド)」
- 「武器ケースを回収するのに使えるんだよ。正直俺は気にしてないが、読んだ限りだと『勝利』とはまた別カテゴリーのものなんだろう」
- 「インベントリの管理ができないんじゃ回収の意味がないよ。ウォーゾーンは対戦ごとに持ち物がリセットされるんだし、だからこそ対戦勝利だけを気にするんじゃないか」
「カジュアル向けの機能」と解釈するなら、確かに最後まで敵を倒し続けないと「勝利」にならないバトロワの過酷さは「極秘回収」によって緩和され、新規プレイヤーも入りやすくなるだろう。逆に言うと、「生き残る」というバトロワの根幹が否定されてしまう点が気になる。
過去には『Ring of Elysium(リング・オブ・エリュシオン / RoE)』のように、対戦からヘリで脱出することが見所のバトロワもあったが、こうした要素をいきなり『ウォーゾーン』に持ち込んで、うまく馴染むかどうかは未知数だ。
いずれにせよ、別モードとして登場することになった「極秘回収」が本当に面白いのかどうか、実際にリリースされた際に確かめてみたい。
- タイトル:Call of Duty: Modern Warfare Ⅲ(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア Ⅲ)
- 発売日:2023年11月10日
- 対象機種:PS5/PS4, Xbox X|S/Xbox One, PC(Battle.net / Steam)
Source: X, Reddit, CoD Official
コメント
コメント一覧 (6件)
アジアサーバー、アンチチート今全く機能してないからチーターいすぎやー。シャドウバンすらしてくれない。
DMZでPaytoWIN要素出しまくっといて更新終わります
こんなの許されるのか?最後までBETAのままでBETAなんで不具合とかあっても大目に見てや〜
みたいな感じで終わったな
当たり前だけど北米の意見は即聞き入れるんだな。アジアサーバーもほんの少しでも見てくれてたらクソチャイニーズチートSGサーバーになってなかったろうに。
DMZだいぶ儲けただろうになんで切っちゃったんだろうな
どんな判断だよと
普通に楽しみだったけどね
脱出されたらそのマッチが終了するとかなら問題あるけど別にそのチームだけが抜けるだけなら全然構わないでしょ
ランナーみたいに全プレイヤーから狙われるリスクもあるんだし
DMZに未練タラタラな運営なんだろうか