キルプランが明確なヒーローへの影響
アビリティを軸に「特定の体力帯の敵をキルするプラン」を構築するヒーローにとって、今回実施される「ライフ値の変更」は、特に大きな影響を与えるものとなる。以下では、そういったヒーローに対する影響を予想していく。
ドゥームフィスト
- 一般
- 体力を300から375に増加
- “ロケット・パンチ”
- 直撃ダメージの最大値を50から75に増加
- オブジェクトに叩きつけた際の最大追加ダメージを30から40に増加
“ロケット・パンチ”でスタンを付与し、“ハンド・キャノン”での追撃がキルパターンの1つであるドゥームフィスト。
“ロケット・パンチ”のトータルダメージ上昇量は最大で35となっており、多くのヒーローが50以上の体力増加を受けていることを考えると、少々不足気味に見える。“ハンド・キャノン”による追撃を前提としているため、そちらの「安定感向上」や「ヘッドショットの上振れ率上昇」とのトレードオフといったところか。
しかし、“ロケット・パンチ”と無関係な場面では継戦時間の伸びが予想される今回の全体的な調整は、“ハンド・キャノン”が自動リロードのドゥームフィストにとって少々厳しいものになりそうだ。
ジャンカー・クイーン
- 一般
- 体力を300から375に増加
- “ランペイジ”
- 持続ダメージの合計値を60から90に増加
“ランペイジ”も“ロケット・パンチ”と同じように、一般的な体力増加量を下回るダメージ増加量ではあるが“ランペイジ”+“カーネイジ”による旧200族のキルは今後も可能。旧225族に関してはこれまで不要であった“スキャッターガン”等での追撃が必要に。
ロードホッグ
- 一般
- 体力を550から650に増加
「“ピッグペン”+“チェイン・フック”+“スクラップ・ガン”+近接攻撃」という、一連のコンボが代名詞のロードホッグは、先述の2名と異なり体力増加以外の調整が行われない。そのため、シンプルに連係の「安定感向上」や「ヘッドショットの上振れ率上昇」に期待することとなる。
しかしロードホッグの上記連係は、全弾ボディショットであっても最大255ダメージを与えられるため、その恩恵はドゥームフィストよりも大きくなりそうだ。
それ以上に危惧すべきは、ダメージヒーローが新たに獲得したロールパッシブ「ダメージを与えた対象が受ける回復量を2秒間20%減少させる」の影響。移動アビリティを持たず、自衛手段が回復であるロードホッグにとっては、かなり厄介な性能と言えるだろう。
ゲンジ
- 一般
- 体力を200から250に増加
- “龍撃剣”
- 一振りのモーション時間を0.9秒から0.7秒に短縮
物理攻撃である“龍撃剣”は補填調整として、斬撃の「モーション時間が短縮」される珍しいパターンが適用。
ダメージ量の調整は行われていないため、旧200族のキルに必要なヒット数が2回から3回に増加する。もともと3回のヒットが必要であった旧225族に関しては、モーション短縮の恩恵のみを受けることができるが、2ヒット+“風斬り”でのキルはできなくなっている。
以下は、一般的な体力帯のヒーローをキルするのに必要な“龍撃剣”のヒット数を状況別で記載したもの。赤文字で記載している回数はシーズン8時点よりも要求ヒット数が増加しているため要注意。
対象の体力値 | 龍撃剣のみ | + 風斬り | + ナノ・ブースト | + ナノ・ブースト + 風斬り(ナノ状態) |
---|---|---|---|---|
150→175 例:トレーサー | 2回 | 2回 | 2回 | 1回 |
175→200 例:ウィドウメイカー | 2回 | 2回 | 2回 | 1回 |
200→250 例:ソルジャー76 | 3回 | 2回 | 2回 | 2回 |
225→275 例:キャスディ | 3回 | 3回 | 2回 | 2回 |
250→300 例:リーパー | 3回 | 3回 | 2回 | 2回 |
ジャンクラット
- 一般
- 体力を200から250に増加
- “フラグ・ランチャー”
- 弾丸のサイズを0.25mから0.2mに減少
「弾丸のサイズ縮小が行われたヒーロー」の項目でも登場したジャンクラットだが、環境の変化自体がかなりの向かい風となりそうだ。
これまで200族や225族をターゲットとしていた「“スティール・トラップ”+“コンカッション・マイン”(計200ダメージ)」や「“フラグ・ランチャー”+“コンカッション・マイン”(計230ダメージ)」の連係が、250族の大幅増加によって決定力を失ってしまう。
また“RIPタイヤ”に関しても、同じような与ダメージ形式であるD.Vaの“自爆”が強化されているのに対し、一切調整が実施されていない。軌道を自身でコントロールできるとはいえ「投射物のサイズ変更」によってタイヤへの攻撃も当てやすくなっている点も厳しいと言える。
「投射物のサイズ変更」自体の恩恵は大きい方なので、そちらでどこまでカバーできるかといった感じになるだろう。
その他の活躍が気になるヒーロー
以下では、これまで解説したヒーロー以外のシーズン9開幕時に「活躍しそうなヒーロー」と「活躍が厳しそうなヒーロー」を取り上げてその理由を紹介していく。
レッキング・ボール
- 一般
- アーマーを100から175に増加
増加した体力がすべてアーマーになっているのは嬉しいが、加速“ロール”状態でのタックルや“パイルドライバー”が「投射物のサイズ変更」の恩恵を受けられないにもかかわらず、ダメージ増加等の強化が行われていない。
シーズン8のミッドシーズンアップデート直後にも、パフォーマンスの低いヒーローの1人として挙げられていたが、予定されている個人への大型アップデートまではもうしばらく厳しい環境が続きそうだ。
キャスディ
- 一般
- 体力を225から275に増加
- “デッド・アイ”
- 発動から2秒間の予約ダメージ量を130/秒から150/秒に増加
- 2秒経過後の予約ダメージ量を260/秒から300/秒に増加
“デッド・アイ”は発射するまで与えるダメージが確定しないものの、実質ビーム系攻撃のように毎秒で予約ダメージを増加させるため、似たような強化調整が行われている。
旧200族のキルに必要な時間については「調整前:約1.53秒」「調整後:約1.67秒」となっており、与ダメージ効率は弱体化。2秒経過後のダメージ効率も同様に若干低下しているが、こちらは主にシールド裏の敵を狙う際に適用されるため、シールドの耐久値は調整されていないことを考えると一長一短といったところ。
現在、レッキング・ボールと同じく厳しい立ち位置にあり、今後アップデートが予定されているのでそちらに期待といった所だろうか。
ハンゾー
- 一般
- 体力を200から250に増加
- “電光石火”
- ダメージを一矢65から75に増加
- クールタイムを10秒から8秒に短縮
スナイパーヒーローの二大巨頭としてウィドウメイカーとしのぎを削ってきたハンゾーだが、200族の250族化によって、ついにその座から陥落することになった。
しかしメインウェポンである“嵐ノ弓”は、先述の弾丸のサイズ縮小が行われた武器の特徴である「当てるのが難しい分、単発火力が高いメイン武器」に該当してもおかしくない性能でありながら、弾丸のサイズ縮小が行われていないため「投射物のサイズ変更」の恩恵を強く受けることができる。
また、“電光石火”も性能が複数向上しているため、高いバーストダメージとダメージディール性能を兼ね備えた強力なヒーローとしての活躍に期待できるだろう。
さらに、マーシーの“カデュケウス・スタッフ”(青線)で火力を補助すれば、引き続きアーマーを持たない300族以下のワンショットキルが可能。体力増加による相対的な火力低下を無視しながら「投射物のサイズ変更」の恩恵のみを享受できる。結果、単身でのスナイパーヒーロー生命こそ終了したが、連携次第で以前よりも強力なスナイパーヒーローとしての運用が可能となっている。
メイ
- 一般
- 体力を250から300に増加
ビーム系の攻撃全般が「幅拡大」などの強化を受けている中、“凍結ブラスター”(メイン)は強化が行われていない。しかし“凍結ブラスター”は、スロー効果を持つメイン射撃が新規獲得したダメージのロール・パッシブと相性が良く、サブ射撃も「投射物のサイズ変更」と好相性であるため環境変化自体が追い風と言えるだろう。
さらに、最大体力が300にまで増加しているため、一律で獲得した自動回復を有効活用しやすい点も魅力。“クリオフリーズ”を最大時間利用すれば自己回復の発動条件である「5秒間の被ダメージなし」の内4秒を安全に過ごすことができ、“クリオフリーズ”の最大回復量200で足りない部分を共通パッシブが補ってくれる。
トレーサー
- 一般
- 体力を150から175に増加
特別な調整はないが、なんといっても脱150族は大きいだろう。メイの“凍結ブラスター”(サブ)やアッシュの“ザ・ヴァイパー”(照準器)ヘッドショット、“カデュケウス・スタッフ”(青線)が適用された120ダメージの攻撃など、150族限定のワンショットキルに悩まされることがなくなる。
また、“パルス・ボム”の最大ダメージが350であるため「ライフ値の変更」の影響がほとんどない(バスティオンが倒せなくなった程度)のも嬉しいポイント。
「投射物のサイズ変更」による被弾率の上昇は免れられないが、一般的な機動力の範疇から大きくはみ出たヒーローであるため、その影響は他のヒーローよりも小さく抑えられるだろう。新規パッシブ関連との相性も良好。
コメント
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前の記事含めて細かい仕様変更や考察を余さず出してくれるの助かる