Ubisoft(ユービーアイソフト)は『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』の次回アップデート「Y9S1.3」について、変更内容を記載したデザイナーノートを公開。
今回の変更では、防衛側のサブガジェット「インパクトグレネード」が弱体化。多目的に使えすぎる点がおさえられた。他にもIana(イアナ)やLesion(リージョン)にも、立ち回りに影響しそうな調整が入っている。
『R6S』Y9S1.3デザイナーノート
Ashら人気オペレーターには調整ナシ
デザイナーノートの本題はバランス調整の発表だが、今回はまず「バランス調整しない」という話から始まった。
現在、特定のオペレーターたちのピック率が著しく上昇しているという。上の画像の通り、PC版のエメラルド帯以上ではAsh(アッシュ)のピック率が60%以上もある。続いてAce(エース)、Buck(バック)、Dokkaebi(トッケビ)も高め。なお、コンソール版の防衛では、Wamai(ワマイ)ら倍率サイトを持てるオペレーターたちに人気が集中している。
しかしパフォーマンス・データは、「今すぐに懸念を引き起こすものではない」と開発側は見ている。実際のところグラフの縦軸(ウィンデルタ)は高くないので、ラウンド勝利に大きく関与しているわけではないようだ。以下の理由もあわせて、今回は倍率サイト没収などの調整は行わないこととなった。
- 上のグラフは、あくまでプレイヤーベースの一部のみを反映したもの(エメラルド以上)
- エメラルドより下、もしくはランク以外では、このオペレーターたちのピック率はかなり低い
- シーズン開始時のピック率はもっと高かったが、現時点で下降傾向にある
- これは「圧倒的な強さ」ではなく「物珍しさ」を理由にピックされていたことを示唆する
- 1.5倍サイトのときにも同じようなパターンが観測された
- シーズンを通して、全体的なバランスは損なわれないと見ている
ピック率の高さを理由に急いで変更を行うと、プレイヤーたちは倍率サイトのついた別のオペレーターにすぐさま移行するだけで、バランス調整においては逆効果になると見ている。ACOGなど倍率サイトの愛用者は、しばらくは没収される心配をせずに済みそうだ。
なお、人気というより「嫌われている」オペレーターでは、Fenrir(フェンリル)のBAN率が80%と圧倒している。
彼の強さは解説不要と思われるが、イヤー9シーズン2での弱体化が決定しているので、もうしばらくの辛抱だ。
インパクトグレネード弱体化
- 爆発ダメージ:60から40に減少
- 爆発半径が3メートルから2メートルに減少
インパクトグレネードが弱体化。今回のアップデートの中でも、ゲームプレイへの影響が最も大きいと思われる。
インパクトグレネードは、準備フェーズでの工事、遊撃中の素早いローテートと射線開通、攻撃側のガジェット破壊、補強壁への「イングレ餅つき」、そして敵に対するキル能力など、多目的に使えるガジェットだ。しかしあまりにも多目的すぎたため、このうち「キル能力」と「イングレ餅つき」が弱体化された。
まず、40x2=80ダメージになり、2つ直撃させてもオペレーターを倒せなくなった。
爆発半径の縮小については、以下の影響が見込まれている。
- インパクトトリック(イングレ餅つき)に対抗できる:攻撃側は、ハードブリーチング用デバイスを地面になるべく近いところにつけることで、餅つきを防げる。防衛側が餅つきを成功させるには、より正確に行わなければならなくなる
- ガジェット破壊に正確さが求められる:エアジャブやクレイモアなど、攻撃側のガジェットを破壊する目的でインパクトグレネードを投げる際、より正確に投げなければならなくなる。攻撃側にとってはガジェットの設置場所にゆとりが生まれ、より意外性のある場所に設置できるようになる
「適切なツールを適切な状況で使おう」というのが、今回の変更の意図。インパクトグレネードの便利さは広く認められているが、今後は他のガジェットも用いて戦略的なプレイを広げ、決断の正しさが報われるようにするとのこと。
爆発半径2メートルなら、たとえば「クラブハウス」のキッチンハッチなどはまだイングレ餅つきが可能なイメージがある。具体的にどこで餅つきが不可能になったのかは、テストサーバーで検証してみよう。
AZAMI(アザミ)のKIBA弱体化
- 大口径ハンドガンおよびリボルバーから受けるダメージが10%上昇
- ハンドガン: .44 Magセミオート、D-50
- リボルバー:.44ヴェンデタ、Keratos .357、LFP586
- 中口径サブマシンガンおよびアサルトライフルから受けるダメージが10%上昇
- サブマシンガン:K1A、P90、UMP45、Vector.45 ACP
- アサルトライフル:416-C Carbine、552 Commando、556XI、AK-12、AR33、AUG A2、C7E、C8-SFW、Commando 9、F2、F90、G36C、L85A2、PARA-308、POF-9、R4-C、SC3000K、Type-89
- 大口径アサルトライフルとライトマシンガンから受けるダメージが5%上昇
- アサルトライフル:AK-74M、ARX200、M4、M762、Mk17 CQB、Spear .308、V308
- ライトマシンガン:6P41、ALDA 5.56、DP27、G8A1、LMG-E、M249、M249 SAW、T-95 LSW
銃弾で破壊できるようになったKIBAバリアーだが、特定の武器では破壊に必要な弾数が多すぎた。
とはいえ全武器で簡単に壊せるようにすると、今度はKIBAが無力になりすぎる。そこで今回のような調整となったが、「壊しやすさ」については今後も最適なバランスを求めて調整を繰り返していく予定とのこと。
実際に、銃弾で破壊できるようになった後も、KIBAが残り続ける時間の長さはそれほど変わっていないという。攻撃側は引き続き、主に近接攻撃か爆発物でKIBAを破壊している。KIBAを撃ち続けるのはリスクが高いと見ていることが分かる。
現時点ではマークスマンが最も破壊しやすいが、今回の変更によりアサルトライフルやライトマシンガンなどでもいくらか破壊しやすくなった。テストサーバーで試してみたい部分だ。
IANA(イアナ)調整
- サブガジェット:インパクトEMPグレネードを追加。スタングレネードを削除
「ジェミニのホログラムを使って敵を釣り出し、チームメイトにキルしてもらう」という能力を鑑み、Ianaは「サポートプレイヤーのための素晴らしいオペレーターであるべき」という方針に変更。
これまでは自分で敵の位置を確認しつつ、自分で踏み込んでいく姿がよく見られたが、スタンとEMPを入れ換えてサポート性能を高めることとなった。ジェミニ・レプリケーターについても今後サポート寄りに調整する可能性があるという。
LESION(リージョン)弱体化
- Guマイン
- 初期ダメージ:5から3に減少
- ガジェット補給タイマー:20秒から25秒に増加
- サブガジェット:偵察ブロッカーを追加。インパクトグレネードを削除
Guが透明化しなくなったことで、パフォーマンスは開発側の期待通りに改善された。しかしラウンドごとに踏まれる回数は相対的に変わらず、踏んだときにダメージを受ける仕様に戻った点を踏まえると、予想よりも与ダメージが高くなっていたという。
Guのデザイン意図は、そのダメージをキルにつなげるのではなく、踏んだオペレーターに急いでそれを外すように促し、他のGuへの警戒心を煽ることにある。そこで初期ダメージは減少となった。
Lesionはまた、序盤からすぐに攻撃オペレーターのエントリーをブロックできる。そこでGuのチャージ時間を延ばし、ラウンド開始時のマップコントロール能力を下げることに。これでラウンド終盤での脅威度は高いままに保たれる。
サブガジェットについて。盾オペレーターはGuでスピードダウンできる点を踏まえると、インパクトグレネードとの組み合わせは柔軟性がやや高すぎると判断。そこで偵察ブロッカーと交換し、オペレーターの侵入を防止するGuとのシナジーを発揮できるようにした。
NOKK(ノック)強化
- HELプレゼンスリダクション
- 継続時間:20秒から30秒に増加
- クールダウン:20秒から30秒に増加
フラググレネードがリワークされ、フラグ所持者も増えたことで、Nokkはピック率が落ちていた。そこでHELの継続時間を延ばすことに。
カメラに映らない時間がより長くなることで、より多くのエリアをこっそり歩き回り、敵にサプライズを届けることが期待される。
開発側によると、今回はあくまで「彼女の影響度を高めるための他の解決策を検討している間」の措置だという。ピック率が変化しなければ、Nokkにはさらにテコ入れされそうだ。
ORYX(オリックス)調整
- レマダッシュ
- 展開型シールドとTALONシールドを破壊するようになった。ダッシュは中断されない
調整というよりも、ゲームプレイの品質改善に関わる仕様変更。バリケードやKIBAバリアーはダッシュで突き抜けるのに対し、展開型シールドに当たると止まってしまうのは整合性がなかったため、今後は壊れるようになった。
TALONシールドに突撃していく光景はなかなか見られないと思われるが、味方の展開型シールドをうっかり破壊しないように注意しよう。
SENS(センズ)強化
- R.O.U.プロジェクターシステム
- 最大所持数を3から4へ増加
スピードが上がり、POF-9などの装備が強化されてきたSensだが、パフォーマンスは低いままとのこと。R.O.U.を効果的に使うにはスキルが求められる点や、バウンドする向きが予測しづらい点が原因と分析されている。
イヤー9では、投てきガジェットの軌道を表示できるようになった。これでR.O.U.も使いやすくなることが期待されているが、さらに所持数を1つ増やすことで、ミスしてもやり直しが許される柔軟性を与えた。
なおSensも「新たな改善方法を検討中」とのことで、ピック率が伸び悩めば今後も何らかの変更が期待できそうだ。
防弾シールド
- ガードブレイク
- 爆発でガードブレイクが発動するしきい値を、50ダメージから30ダメージに減少
上述の通りインパクトグレネードが弱体化され、突っ込んでくる盾オペレーターたち(特にBlitz)にインパクトを投げつける有用性が薄れた。
そこで、ガードブレイクが発生する爆発ダメージを最低30ダメージにすることで、少なくともインパクトを当てればガードブレイクは発生するように調整された。キャラコンのうまい盾持ちには通用しないかもしれないが、盾への制圧効果と合わせて対処していきたい。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: R6S Official
コメント
コメント一覧 (12件)
Ash +ACOGってキラーワードで復帰勢が多いシーズンと、ADS速度低下と盾メタ
必要以上に盾だけがヘイト買ってるというか、ガンファイトメタ終焉でACOG1強とはいかないフラストレーションもまとめて盾オペにぶつけてる節が見え隠れしてませんか
低ランなんて盾使ってりゃ戦略も何もなく全部なぎ倒せるから余計にゴミなんだろ