Logicool(ロジクール)は同社が手がけるゲーミングブランド「Logicool G」より、テンキーレスで新たな高品質ロープロファイルのワイヤレスキーボード「G515」が7月25日に国内販売を開始した。
「G515」は、2020年発売の「G913 TKL」の後継モデル。今回はそんな「G515(タクタイル)」を3週間たっぷり試用したので、使い勝手に焦点を当てたレビューをお届けしよう。
結論から述べると、G515は「コスパ破壊なゲーミング・ロープロファイル」。一見するとプラスチックボディとなりテンキーレス、ボリューム調整なども消えて価格が抑えられると“廉価版”な印象だが、決してそういった作りではなかった。
キーキャップはPBTで音響フォーム内蔵で、専用アプリでキー割り当てをカスタマイズできる「KEYCONTROL」機能を搭載。もちろん使用者による面もあるが、ゲーミング性能はG913より優秀かもしれないほどの実力だ。ただし気になる点もあるので後述する。
ロジクールG G515 LIGHTSPEED TKL レビュー
- どんな機種?:2020年発売の薄型ハイエンドキーボードを基に、品質を重視しつつ値段とサイズを抑えた製品
- 向いてる人は?:入門デバイスよりワンランク上が欲しい人 / 短いキーストロークや静かなタイピングを求める人
- 向いていない人は?:ロープロファイルが苦手な人 / 豪華な外観が欲しい人 / 最先端の技術を求める人
- 競合製品は?:ZENAIM KEYBOARD / RAZER DEATHSTALKER V2 PRO / CORSAIR K100 AIR など
- 立ち位置は?:ミドルエンド帯の、ロープロファイル無線テンキーレスゲーミングキーボード
- カラーは?:ブラック / ホワイト
- 良いとこは?:リーズナブルな価格で高品質なロープロファイルのゲーミング体験
- いまいちなとこは?:革新的な技術はなし
- 同梱物は?:製品本体、ワイヤレスレシーバー、充電コード(USB-A - USB-C ケーブル)、レシーバー延長アダプター、保証書、保証規定
- 発売日は?:2024/7/25
- 価格は?:21,890円(税込)
- 購入先:Amazon.co.jp / ロジクールストア
- 公式サイト:ロジクールG 公式サイト
- ワイヤレスキーボードとは?
-
ゲーム機とケーブルなしで接続できるキーボード。ケーブルの煩わしさがなく、バッテリーが続く限り通信範囲内ならどこでも入力操作が可能。有線と比べて机回りがスッキリ見えるのが強み。
ロジクールG G515 レビューの結論
デバイスマニアの結論から言うと、「コスパ破壊なゲーミング・ロープロファイル」。デザインチームにGOODボタンを連打したい。静音性に優れたスイッチと、カスタマイズ可能なキー割り当て機能を搭載する薄型キーボードが2万円台で入手できるのは、競合製品と比べてもリズナーブルだ。
- 希少なゲーム向けロープロファイル
- 音響フォームとルブ済みスイッチによる心地よい打鍵感と静かなタイピング音
- マットな手触りのPBTキーキャップとその厚みにより期待できそうな耐久性
- キー割り当て機能「KEYCONTROL」が便利
- 存在感のあるモダンな外観はインテリアとしても優秀
- 無線接続の高い安定性と3つの接続オプション
- 競合の平均点を上回る
- PBTキーキャップの 豊富なカスタマイズオプション そしてといった印象。
- スリムでスタイリッシュなデザイン
- 2年保証で安心
- 控えめの価格による高いコスパ
- ラピッドトリガーは非搭載
- 一部キーキャップ印字位置が悪い?
このレビューを通してロジクールは高品質な体験を大事にするデバイスメーカーだと改めて実感。ただし不満点もあるので、以下で良いところと気になる点をみてみよう。
G515 ギャラリー
G515 の良いところ
- 「Cherry MXロープロファイル軸」で標準スイッチより入力速度が速い
- 打鍵音を吸収する音響フォーム内蔵
- 全キースイッチは工場でルブ済み
- 摩擦に強いPBTキーキャップ採用
- オシャレなデザインで机の上で存在感を放つ
- 3種の接続方法(LIGHTSPEED・Bluetooth・有線)
- 2年保証で販売場所も多く入手しやすい
- PC専用アプリG HUBからキーボードをカスタマイズ!
- キー割り当て機能「KEYCONTROL」が便利
- 実はG913より便利?!で競合よりもお得かも
ロープロファイルによるパフォーマンス向上
G515のスイッチは「Cherry MXロープロファイル軸」を採用。標準的なスイッチよりもキーの押下と戻りの動作が短い。ゲーミング的には連打や短時間の入力回数が増加するため、パフォーマンスが向上する。
押下してから入力判定の行われるアクチュエーションポイントは標準より25%短い1.3mm、キーストロークは20%短縮の3.2mm。
反応が速いスイッチは誤入力を防ぐための慣れが必要だが、使いこなせば一般的なキーボードよりもわずかに優位に立てる。
高品質なタイピング体験
G515には静音に優れた音響フォームが内蔵されており、高速タイピング時でも打鍵音が抑えられる。
ロジクールGによればキースイッチに潤滑剤(ルブ)を工場で塗布しており、他のタクタイル(茶軸)製品と比べてもクリック感は控えめ。直感的な入力位置感覚と滑らかな押し心地を両立している。
キーキャップはザラザラしたマットな手触りの高耐久PBT素材を使用。長時間の使用でも表面が磨耗しにくく、光沢も出にくい。
背面のチルドスタンドは2段階で調整可能で、適切な角度に傾けることで手首や腕への負担を軽減。長時間のタイピングでも快適に作業できる。
余談だがキーキャップの裏側が十字型のくぼみがあるものであれば、他社製でも取り付け可能。
インテリアにもなるオシャレなデザイン
G515のボディは複数のプラスチックを組み合わせたモダンな構造。キーキャップと同じマットな質感があり、上部の取っ手風の出っ張りには接続ボタンやインジケーターがすっきりと配置されている。
コンパクトで省スペースなテンキーレスのため、キーボードとマウスの距離が縮まり、マウスとの干渉も減少。
高性能と洗練された外観を両立させたデザインは、机の上で存在感を放ち、インテリアとしても活用できる。
3つの接続方法で使い分け可能
G515はUSBレシーバーによるLIGHTSPEED無線接続、幅広いデバイスに対応するBluetooth無線接続、バッテリー切れの心配がないType-C有線接続の3種類に対応している。
レビュー期間のほとんどをLIGHTSPEED接続で過ごしたが、遅延も不具合も一切なかった。充電時に表裏を気にせず接続できるType-Cは非常に快適。
安心の2年保証と入手性の良さ
G515は購入日から2年間の長期保証が適用され、期間中に不良が発生しても無償でサポートを受けられる。この手厚い対応はユーザーにとって安心の要素だ。
ロジクールGによれば「キーキャップの破損も対応する」とのことなので安心。
ロジクールG製品はECサイトから全国の家電量販店まで広く展開されているため、実物で試すことができるのは大きな利点だ。
専用アプリ「G HUB」で更にカスタマイズ
専用アプリ「Logicool G HUB」では、RGBパターンや特定キーを無効化するゲームモードの設定が可能。新機能「KEYCONTROL(割り当て)」を使えば、全キーに任意の機能を割り当てることができる。
使い方次第では疑似的にキー数を約2倍に増やすことができ、自身のプレイスタイルをさらに最適化するカスタマイズが可能。
同社の薄型キーボードG913 TKLとG515比較
G515の先行機種である2020年発売のG913 TKLと比較してみた。4年の歳月でどの点が進化したのか見てみよう。
- | G913 TKL | G515 |
---|---|---|
価格(税込) | ¥32,010 | ¥21,890 |
タイプ | ロープロファイル | ロープロファイル |
接続 | LIGHTSPEED, BLUETOOTH, 有線 | LIGHTSPEED, BLUETOOTH, 有線 |
スイッチ | タクタイル、リニア、クリッキー (薄型GLスイッチ) | タクタイル、リニア (Cherry MXロープロファイル軸) |
キーキャップ | ABS | PBT |
バッテリー | 40時間 | 36時間 |
充電ケーブル | Micro USB | Type-C |
RGB | 有 | 有 |
メディアコントロール | 有 | 無(キー割り当て対応可能) |
マクロキー&ボタン | 有 | 無(キー割り当て対応可能) |
KEYCONTROL(割り当て) | 無 | 有 |
カラバリ | ブラック、ホワイト | ブラック、ホワイト |
外観 | 高級感のある、高品質アルミ素材 | プラスチック素材 |
一言 | アルミニウム合金ボディが美しい | モダンな外観とコスパが両立 |
総合的に見ると実用面ならG515が優れていると感じた。約11,000円の差額があるにもかかわらず、ハイエンドモデルのG913とほとんど変わらない操作ができるのは魅力的。さらにKEYCONTROL機能を活用すれば、G913に搭載されているメディアコントロールやマクロキーの代用にもできる。外観に関しては、金属を採用するG913が圧倒的な高級感を放っているが、現代風で落ち着いたデザインのG515も需要に適していると言える。
筆者的に一番最高なのは、やはりType-Cに対応したこと。今からでもG913もType-Cに対応してほしい。
競合のロープロファイルキーボードとも比較
同系列のロープロファイル採用ゲーミングキーボードとして「G515」「ZENAIM KEYBOARD」「RAZER DEATHSTALKER V2 PRO TKL」「CORSAIR K100 AIR」の発売日、スイッチ、専用ソフト、価格を比較してみよう。
- | G515 | ZENAIM KEYBOARD | RAZER DEATHSTALKER V2 PRO TKL | CORSAIR K100 AIR |
---|---|---|---|---|
発売日 | 2024/7/25 | 2023/5/16 | 2022/10/28 | 2023/6/30 |
スイッチ | Cherry MX Low Profile | ZENAIM KEY SWITCH | RAZER™ LINEAR LOW-PROFILE OPTICAL SWITCH (Light and Clicky) | CHERRY MX Ultra Low Profile |
専用ソフト | Logicool G HUB | ZENAIM SOFTWARE | Razer Synapse | CORSAIR iCUE Software |
一言 | 実は一番お安い | ラピッドトリガー搭載 | 光学式スイッチで耐久性に優れる | 超薄型キーが魅力 |
定価(税込) | ¥21,890 | ¥48,180 | ¥29,800 | ¥49,980 |
Amazon価格 | ¥19,900 | ¥48,180 | ¥29,800 | ¥48,005 |
他のロープロファイルゲーミングキーボードと比較すると、意外にもG515は手に取りやすい価格であることがわかる。他社キーボードにはそれぞれの長所があるが、その技術的なコストにより価格も高くなっている。
物価高騰が続く中でも、品質に信頼のあるロジクールG製品が2万円台で入手できるのは嬉しいポイント。高性能なゲーミングキーボードを求める際ロープロファイルに挑戦したいなら、G515を選択肢に入れるのはアリだろう。
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