本日2024年7月20日、Blizzard Entertainmentの『Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )』では、次のシーズン12で実装される新規サポートヒーロー「ジュノ」の先行プレイ(トライアル)期間を実施。全プラットフォームのライバル・プレイを除くゲームモードでベンチャーが使用可能となっている。
OW2 新サポートヒーロー「ジュノ」
ロール | サポート |
体力 | 250(通常100+シールド150) |
「ジュノ」のトライアル期間は、2024年7月21日まで。以下では、トライアル期間中にクイック・プレイとカスタム・ゲーム、練習場で検証したベンチャーの基本性能について紹介を行う。
マーシャン・オーバーブーツ(パッシブ):2段ジャンプ
空中でジャンプキーを入力すると2段ジャンプを行い、その後キーを押し続けるとホバリングを行うパッシブアビリティ。イメージとしてはゲンジの“サイバー体術”とバティストの“エグゾブーツ”の中間といった所。
“サイバー体術”に比べ、壁登りがないためパッシブのみで行ける範囲は劣るものの、2段ジャンプの高度はこちらの方が優秀。“エグゾブーツ”に高度は劣るが、溜めを必要としないためリズムよく連発できる。
ホバリングに関しては、マーシーの“エンジェリック・ディセント”とほぼ同じ。“マーシャン・オーバーブーツ”のホバリングは、2段ジャンプ後にのみ発動する点が異なる。ジュノはこのパッシブと後述する“グライド・ブースト”を利用することでサポート内でもトップクラスの機動力を発揮する。
メディブラスター:通常攻撃&回復
ダメージ | 約7~2(1ショット:約84~24) |
回復 | 約7~2(1ショット:約84~24) |
距離減衰適用距離 | 約30m~ |
最大装填数 | 180(通常のショット15回分) |
リロード時間 | 約1.8秒 |
射撃タイプ | ヒットスキャン |
ヘッドショット | × |
1ショットで12発発射されるジュノのメイン武器、1マガジンで(キャンセルを行わない場合)15回の射撃が可能。敵に当たればダメージ、味方に当たれば回復とアナの“バイオティック・ライフル”のように自動的に効果が切り替わるため、テンポよく射撃を行うことができる。
弾丸の判定は一般的なものと同じでバリアに阻まれ、反射(“木の葉返し”)や吸収(“ディフェンス・マトリックス”等)の対象となる。また、ダメージはもちろん回復時にも距離減衰が適用される点には特に注意が必要。
有効射程内であれば全弾ヒットで1ショット約84と、攻撃と回復のどちらを見ても高性能な射撃であるため、距離感を意識した運用を心掛けたい。
パルサー・トーピード:追尾弾
ダメージ | 75 |
回復 | 約75 + 60(24/秒×2.5秒) |
クールタイム | 10秒 |
射程距離(ロックオン) | 40m |
捕捉猶予 | 4秒(経過すると自動的に発射) |
射撃タイプ | プロジェクタイル |
ヘッドショット | × |
敵と味方をロックオンし、追尾弾を発射するアビリティ。ロックオンした対象によって異なる弾丸が発射され、“メディブラスター”と同様に敵にはダメージ、味方には回復を行う。ロックオンから射撃までの動作はキャスディの“デッド・アイ”によく似ているが、ターゲットの捕捉に要する時間が対象との距離によって変動(約0.5秒~1秒)する。
弾丸は“メディブラスター”と同じ一般的な弾丸性質であり、バリアに阻まれ、反射や吸収の対象となる。しかし、バリアの裏側の対象もターゲットとして捕捉し発射自体はできるため、バリア削りや捕捉後に回避して発射する運用が可能。
また、通常の弾丸と同じ判定であるため“アンプリフィケーション・マトリックス”の対象。サポートのタッグから初動で150ダメージの追尾弾が出てくるのは、かなりの脅威となりそうだ。
回復弾はバースト回復と持続回復の2つで構成されている。持続回復の部分は効果時間中の被弾も回復してくれるので、攻撃用に発動した“パルサー・トーピード”で体力フルの味方に回復弾が出ても腐りにくくなっている。
追尾弾の弾速や追尾性能は、ほどほどの性能。弾道上の対象を回避しないため、複数の弾丸が同一ターゲットに命中することもあり、機敏な動き(“風斬り”など)にも対応できないシーンもあるため過信は禁物。また、再度のキー入力かアルティメットの発動で発射をキャンセルできるが、その場合もクールタイムが発生する点には注意したい。
グライド・ブースト:移動アビリティ
スピードバフ | +約50% |
持続時間 | 4秒 |
クールタイム | 8秒 |
水平方向に素早く滑空を行う移動アビリティ。使用感としてはエコーの“グライド”に近いが“グライド・ブースト”単体では上下の移動ができない。高度については“マーシャン・オーバーブーツ”の効果である程度補うことが可能だが、アビリティの中断(キーの再入力)以外での降下は不可。
また“グライド・ブースト”は、発動時点で離陸扱いになるため“マーシャン・オーバーブーツ”でのジャンプは2段目のみ可能(ジャンプ→“グライド・ブースト”→“マーシャン・オーバーブーツ”は可能)。
色々と制約の多いアビリティに見えるが、少々の障害物や斜面であれば登ることができるので、マップによっては本アビリティのみでの高所取りも可能。アビリティの挙動やマップの構造の研究が進めば、より強力なアビリティになるだろう。
ハイパー・リング:移動速度1.5倍
スピードバフ | +約50% |
リングの持続時間 | 8秒 |
スピードバフの持続時間 | 離れてから3秒間 |
最長射程距離 | 15m |
クールタイム | 16秒 |
自身と味方にスピードバフを付与するアビリティ。設置したリングに接触した味方は3秒間の間、移動速度が約1.5倍になる。スピードバフの付与は、自身に限りアビリティ発動時にも適用され、設置時に発射されるオーブに接触した味方もその時点で付与される。
リング設置のために発射されるオーブはバリアや反射、吸収の妨害を受けず「マップ上のオブジェクトとの接触」か「15mの進行」でリングを展開する。敵の妨害を受けないので、先の展開を見越した展開を狙いたい。
オービタル・レイ(アルティメット・アビリティ)
回復速度 | 約100/秒 |
ダメージバフ | 約1.35倍 |
効果範囲 | 約半径8m |
前進距離 | 約20m |
効果時間 | 10秒 |
味方へのダメージバフと回復を行う光柱を出現させるアルティメット・アビリティ。回復性能は、約100/秒とカウンター運用には少々頼りない数値なので、キリコの“狐走り”のように攻めの起点として運用するのが良さそうだ。
ダメージバフについては約1.35倍とかなり高く、250族に対して「ラインハルトの“ロケット・ハンマー”が2確」「ネメシス・フォームのラマットラが“パメル”3確」と要求ヒット数を1つ減らすことが可能。攻撃中は疎かになりがちな守りの面も約100/秒の回復で十分補えるだろう。
となると、相手は逃げを選択することが多くなるが“アンプリフィケーション・マトリックス”と違って前進してくれるので、ある程度の状況変化には対応可能。
発生後はジュノがデスしても光柱は持続するが「呼びだす際のモーション」中にスタンやハック、デスしてしまうと光柱は発生せず、アルティメット・チャージも失われてしまうので注意。
ジュノの評価(トライアル時点)は?
ジュノの強み:進化版ライフウィーバー?
ジュノの強みは、なんといってもその高い機動力。アルティメット・アビリティ以外の回復動作は敵の妨害をうけるものの、パッシブと“グライド・ブースト”を上手く扱うことでカバーできる点が高評価。それらの挙動もシンプルなものが多く扱いやすい。
攻撃力に関してもサポートとしては十分な性能で、サポートのヒットスキャン攻撃の強さは、過去のバティストとイラリーで証明済み。ヒットボックスも小さめなので、ローリスクでそれらを行える点も嬉しい。さらに、ローヘルスで逃げる敵を狩る能力は、高い機動力と高密度の射撃を行う“メディブラスター”の性能が相まってサポート内でトップクラスに長けている。
『OW2』において機動力という長所は、多くの場面で他の長所を上回る働きをしてくれる。そんな機動力を味方と共有できる“ハイパー・リング”は、設置後の動きが自由であるため集団突撃から散開まで、多用途な活躍に期待できる。特に各種キャプチャエリア付近やチョークポイントで特に猛威を振るうだろう。
使用感は一言で言うと「改良版ライフウィーバー」。単体での機動力については五分五分だが「攻撃と回復の切り替え」というライフウィーバーが抱える最大の弱点を見事に克服している。また、受けにしか使えない“命の樹”に比べて“オービタル・レイ”はダメージバフの効果があるため起点としての運用が可能。と、現在ライフウィーバーの評価を下げている点を+αで上手くカバーされている。
もちろん「アビリティひとつでデスを防げる」といったライフウィーバーの強力な強みも多々あるが、局所的(かつ受け身)な強みを持つ彼に比べて、大局的な強みを持つジュノの方が選出される機会は多くなりそうだ。
ジュノの弱点:瞬間ヒール不足?
ジュノの弱点として、まず目が行くのは自己回復手段がないという点。体力の大半がシールドで構成されているため、一定時間被ダメージを避ければパッシブヒールとあわせて速めの自己回復が可能だが、突然のバーストダメージや持続ダメージへの対応が難しい。
次に瞬間的な回復性能の低さが挙げられる。1ショット84と数値上は十分な性能を持つ“メディブラスター”だが、サポート初の距離減衰対象の回復手段となっており、有効射程外では回復性能が大きく低下する。バースト射撃という性質も影響し、実戦では1ショットが84回復(ダメージ)を下回るシーンは少なくないだろう。
もう一つの回復手段である“パルサー・トーピード”に関しては、回復量や回復性能に申し分はないが、ロックオンと着弾までに時間を要する点が気になる。ターゲットの捕捉中もターゲットは移動し続けるため、複数の対象を狙った運用はかなり難しい。
貴重な性質であるスピードバフに関しては、同じ性質を持つルシオに比べると小回りが利かない印象が強い。
ハイパー・リング | クロスフェード | クロスフェード+アンプ | |
---|---|---|---|
スピードバフ量 | +約50% | +25% | +60% |
エリア外での持続時間 | 3秒 | 1秒(非切り替え時) | 1秒(非切り替え時) |
持続時間(アビリティ) | 7秒 | 常時 | 3秒 |
クールタイム | 16秒 | なし | 12秒 |
何度もリングに接触できるシーンであれば“ハイパー・リング”に分があるが、実際には「相手より移動が速いかどうか」が重要な(大きく上回る必要がない)シーンも多いため、場所を選ばずに必要に応じて加速できるルシオの方が使い勝手が良い場面が多いだろう。スピードバフと同時に回復を行える点でうまく差別化を行いたい。
総じてチーム単位で個性を出すのが少々難しく、基本性能が頭打ちになりやすいため、平凡な運用では劣化版ルシオになってしまう。ジュノの「ならでは感」を発揮するには今後の研究が必須だが、これまでにない抜群の機動力を活かした活躍に期待したい。
新ヒーロー「ジュノ」まとめ
ジュノをプレイするうえで重要な要素は「距離感」。これには敵との交戦距離だけでなく「“メディブラスター”の射程距離」「“パルサー・トーピード”の捕捉距離」「“ハイパー・リング”の展開位置」「“オービタル・レイ”の進行距離」など多くの要素が関連している。
ヒーローの特徴が機動力であるため、どの構成に組み込んでも一定の活躍を見込めるが、ラインハルトやラマットラ、ジャンカー・クイーンなどを軸としたラッシュ構成での運用が好感触。ラッシュ構成のヒーローはタフなヒーローや自己回復手段を持つヒーローも多いため、ジュノ自身が攻撃に参加しやすい点も好相性と言える。
逆に対面していて厳しく感じられたのは、最近存在感を増してきているD.Vaを軸とした構成。戦線をかき回されるため“メディブラスター”のエイム(敵味方の選別)が難しくなり、アルティメット・アビリティ以外の射撃が“ディフェンス・マトリックス”ですべて吸われてしまう点がかなり苦しかった。
先述の通り、研究次第での伸びしろは多分に存在するが、まずは今までにない使用感であり性能も優秀な“パルサー・トーピード”を上手く扱えるかが重要になりそうだ。
同じくトライアル期間が設けられたマウガ、ベンチャーのように、実装時(シーズン12開幕時)に何らかの調整が加わる可能性は高いが「トライアル時点でのジュノ」についてどのように感じたか、皆さんの意見もぜひ聞かせてほしい。
- タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )
- 発売日:2022年10月5日
- 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch
Source: Overwatch
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