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非公式Nintendo Switchエミュレーターが開発終了:約3400ものゲームに対応したオープンソースだったが、任天堂からの要請で自主停止

Nintendo Switchの非公式エミュレーター「Ryujinx」が開発終了 / 約3400ものゲームに対応したオープンソース / 任天堂からの求めを受け自主停止
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「Ryujinx」はNintendo Switchの非公式エミュレーター。約3,400本ものSwitch向けタイトルをPC環境でプレイすることを可能にしていた。現在も開発が続いていたが、任天堂側が10月2日、Ryujinx側にこの開発停止を求めたことが伝えられている。法的に訴訟へと発展したわけではないものの、Ryujinx開発者はこの申し出を受けて配信を停止した。

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Switchの非公式エミュレーター「Ryujinx」終了へ

「Ryujinx」はNintendo Switchの非公式エミュレーター。オープンソースとして2017年から開発、無料配信されており、Nintendo Switch対応ゲームのうち約3,400作品がプレイ可能。さらにWindowsだけでなく、macOSやLinuxも含めたクロスプラットフォームで機能することをアピールしていた。

2024年10月2日時点で、日本国内のみのNintendo Switchソフト収録数は4,614本であることを踏まえると、その影響力は計り知れない。名前の由来は「Ryujin(龍神)」と「NX(Switchの開発コード)」をかけたもので、まさしくSwitchエミュレーター界の龍神となる可能性を秘めていた。

しかし日本時間10月2日ごろより突如、この開発中止が伝えられた。Ryujinxの公式Xアカウントは、公式Discordに掲載された開発者からのメッセージを転載して本件の報告の代わりとしている。内容を以下に抜粋。

  • gdkchan氏(Ryujinxのリード開発者でプロジェクトの創始者)が任天堂から連絡を受けた
  • Ryujinx開発計画を中止し、開発に携わる組織と関連するアセットをすべて削除することに同意するよう持ちかけられた
  • gdkchanがこれに応じるかを確認している間、Ryujinxの開発組織が削除された
  • パニックと憶測を防ぐため、投稿者(riperiperi氏=開発スタッフの1人)はこのメッセージを残すことにした

riperiperi氏はプロジェクトへのすべての参加者に感謝を述べている。同氏の説明通り、Ryujinxプロジェクトの公式サイトは記事執筆時点でまだアクセスできるものの、ダウンロードガイドページや、GitHubのリポジトリなど、複数の主要なコンテンツは削除されている。

ゲームのエミュレーターソフトとは?

Nintendo Switchの非公式エミュレーター「Ryujinx」が開発終了 / 約3400ものゲームに対応したオープンソース / 任天堂からの求めを受け自主停止
Ryujinx(公式サイトより)

ゲームでいう「エミュレーター」とは、本来ならSwitchのように専用のゲームハードでしか起動しないタイトルを、PCのような別環境で起動してプレイするためのソフトウェア。その名の通り、PCなどの別環境でゲームハードの挙動を擬似的に「エミュレート(模倣)」する技術だ。エミュレーター自体はゲーム以外にも存在する。

開発にはゲームソフトのROMを抽出、複製、解析する作業がともなう。これを個人の趣味で完結させるだけなら「私的使用のための複製」にあたり違法性はない。しかしその成果、特にコピーしたデータを他人に配布すると著作権法に抵触する恐れがある。アップロードだけでなく違法なデータをダウンロードした場合も同様

任天堂は「著作物の利用に関するガイドライン」を通じて、エミュレーターも取り締まりの対象である点を明記。法的措置を講じる権利を保持している。実際に2024年4月にも非公式エミュレーター「Yuzu」を提訴。開発を中止させ、開発側から和解金240万ドル(約3億4500万円)の支払いを約束させている。

その後も「Yuzu」プロジェクトを引き継いだ「Suyu」、「Sudachi」、「Torzu」、「Uzuy」といったエミュレーターが次々に公開された。しかし、デジタルミレニアム著作権法にもとづいてGitLabから削除されたり、DiscordサーバーがDiscord側により削除されたりしている。今回の「Ryujinx」開発終了も、これらの同一線上にあると解釈できる。

エミュレーターをめぐる議論

Nintendo Switchの非公式エミュレーター「Ryujinx」が開発終了 / 約3400ものゲームに対応したオープンソース / 任天堂からの求めを受け自主停止
ゲームのエミュレーターで検索をかけると、今も大量のソフトウェアがヒットする

Ryujinxは訴訟ではなく、自主的に開発を終了したものとされている。しかしリプ欄やRedditでは「なぜこんなことをするのか」、「エミュレーターは違法じゃないのに」と任天堂に対して強く反発するコメントが見られる。これを任天堂による「脅迫」であると解釈した者までいる。

彼らは何に怒っているのか。そもそも、なぜゲームのエミュレーターが必要なのか。開発される理由としては、「古いゲームソフトの保存」や「別環境に移すことによるプレイ体験の向上」がよく目につく。他にも、エミュレーター開発をきっかけに才能ある技術者たちが知り合い、新たなコミュニティを形成できるという良い側面もある。

とはいえ、有料ゲームが無料でプレイできたり、改造ゲームが任天堂の製品であるかのように配布されてしまう恐れがあるのも事実だ。無料で配布している分、そのリスクも高まる。そこで任天堂としては、自社の利益だけでなく、ファンを守るためにむしろ行動をしなければならない立場にあると言える。ゲームのエミュレーターをめぐる論争は、今後も続くことだろう。

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Source: X

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