コントローラー的操作感も実現「マルチポイント」の便利な使い方
PRO X TKL RAPIDでは「KEYCONTROL(割り当て)」から、新機能「マルチポイント」を設定できる。
「マルチポイント」は、指定したキーの押下距離に2つの作動点を設定し、その範囲内で登録したキーが押されている状態にする機能。これにより、本来なら2本指で行う操作が1本で実行可能になり、まるでコントローラーのような使い方も可能にするアシスト機能だ。
例えば、PC版『コール オブ デューティ ブラックオプス6』の全方向ダッシュは「WASD」+「SHIFT」キーの組み合わせで操作する必要があり、左手の2本指を同時押しに使うことになる。ここで「マルチポイント」が役立つ。
まず、カスタム割り当てを有効にし、「割り当て」→「レイヤー」→「ベース」タブで前進「W」を選択して、「マルチアクションの再マッピング」を設定。
次に「アクチュエーションポイント」で2つの作動点を設定し、割り当て順を「W→SHIFT」に指定。今回は移動キーの作動点を0.1mm、ダッシュキーを3.5mmにセット。実際にWキーを押し、画面下のバインディングテストに「W+SHIFT」が表示されていれば設定完了だ。
他の移動キー「A, S, D」も同様に「◯+SHIFT」で登録すれば準備完了。
設定が完了したら、ゲーム内で動作確認。BO6の設定で「ダッシュの挙動」を「長押し」にすれば、WASDキーを深く押し込んだ場合だけダッシュが発動するようになる。歩く際には浅く押し、ダッシュ時には深く押し込むというコントロールが必要だが、慣れればスティック操作に近い動きがキーボードでも実現可能だ。
なお、「マルチポイント」は「SOCD」やラピトリと併用できない点に注意しよう。
「KEY PRIORITY(SOCD)」で静止せずに方向転換!
PRO X TKL RAPIDでは「アナログスイッチ」から新機能「KEY PRIORITY(SOCD)」を設定できる。選択した2つのキーが同時に押下された際に優先動作を設定でき、選択したキーが重ならなければ複数の組み合わせを登録可能だ。基本的には右と左の移動キーに設定するのがおすすめの使い方になる。
SOCDの優先順位には以下の5つのパターンがある。
- キーストロークを優先
- 2つのキーを比較し、押下が最も深いキーの入力を送信。
- 最後の入力を優先
- 2つのキーを比較し、最後に押されたキーの入力を送信。
- 絶対優先キー
- 2つのキーを比較し、指定した優先キーが押された場合、非優先キーは入力されない。
- ニュートラル
- 両方のキーが押された場合、どちらの入力も送信されない。
- (オプション)完全に押された際の別の動作
- 両方のキーが押されている時、システムは両方の入力を通常のものとして認識する。
筆者が考えるSOCDを移動キーで有効にする最大のメリットは、移動方向と反対のキーが同時に押された場合でも静止せずに方向転換できることだ。キャラクターが静止しないことで素早い動きが可能になり、敵の弾をかわしやすくなる。ラピトリ設定でも方向転換時にわずかな静止が発生するため、完全に静止しないSOCDの方が優位性があるのは明らかだ。
他には、前進と後退の操作で誤入力が多い場合、間違えた移動操作を防ぐために前進を絶対優先キーに設定する手もある。
Logicool G中の人曰く、『Counter-Strike 2』の入力自動化ポリシーを考慮し、SOCDの実装を最後まで悩んだが、最終的にユーザー判断でオンオフできる仕様とする決定に至ったそうだ。機能を使う際には、ゲーム側での禁止がないか必ず確認してほしい。
また、SOCDとラピトリは排他関係にあるため*、どちらか一方しか有効化できない。射撃の際にキーを離して静止するストッピングのクセがあるユーザーには、このSOCD機能は相性が悪いかもしれない。
*追記(2024年11月21日):2025年初頭のファームウェアアップデートにより、SOCDとラビットトリガーが同時に使えるようになる予定。
もしWASD以外にも面白い活用法があれば、ぜひコメント欄で共有してほしい。
ロジクールG PRO X TKL RAPID レビュー まとめ:“ゾーン”に入りやすいキーボード
結論は最初に書いたので記事冒頭を読んでほしいが、PRO X TKL RAPIDは「スイッチ精度に魂を込めた、“ゾーン”に入りやすい究極のキーボード」だ。
神は細部に宿るという言葉がふさわしい完成度であり、スイッチ精度を追求するゲーマーにとって理想的な選択肢となるだろう。
PRO X TKL RAPID 製品仕様
製品名 (日本語) | PRO X TKL ラピッド ゲーミング キーボード |
製品名 (英語) | Logicool® PRO X TKL RAPID GAMING KEYBOARD |
品番 | 920-013236 / 920-013245 / 920-013256 |
型番 | G-PKB-TKL-RTBK / G-PKB-TKL-RTWH / G-PKB-TKL-RTMG |
本体カラー | ブラック / ホワイト / マゼンタ |
発売予定日 | 2024 年10月29日(火) |
価格 | オープン価格 |
参考価格 | 32,780円(税込) |
保証期間 | 2年間 |
本体サイズ | (幅×奥行×高さ) 357mm x 150mm x 38mm |
重量 | 1,302g |
キー レイアウ ト | 日本語配列 |
スイッチ | 磁気アナログスイッチ |
角度調節機能 | 有 |
バックライト | LIGHTSYNC RGBライト |
ソフトウェア | 高度な機能の利用には、Logicool G HUB Logicool G HUB ソフトウェア (ロジクールのWebサイトからダウンロードが必要です) |
連続使用時間 | 約42時間* (*使用環境により異なります) |
接続方法 | 有線 |
対応OS | Windows® 10以降およびUSB 2.0ポートを搭載したPC (オプション)インターネット接続環境 (Logicool G HUB ソフトウェアのダウンロード時に必要) |
付属品 | 製品本体、LIGHTSPEED USBレシーバー、USB延長ケーブル、USB-Cデータ/充電ケーブル、保証書、保証規定 |
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