『ヴァロラント』大規模アップデート：新アーマー「回復シールド」登場！ 7名のエージェントや武器へ多数の調整

Riot Games（ライアットゲームズ）は、無料タクティカルFPS『VALORANT（ヴァロラント）』に適用予定のパッチノート 9.10を公開。両プラットフォーム共通の調整や各プラットごとのシステムアップデート等が記載されている。

新たなアーマー「回復シールド」（全プラットフォーム共通）

ショップ購入の新たな選択肢として「回復シールド」が登場する。性能については以下のとおりだが、可能性については未知数。過去、新たな武器として「アウトロー」が実装された際には、環境に大きな影響を与えたため今回も大いに期待したい。

• 回復シールド
  • 新たな防御の選択肢を導入することで、VALORANTの競技性の高いサンドボックスにおける戦略や戦術の可能性を広げるため、ショップに回復シールドが追加。
    • コスト：650 クレジット
    • ダメージ吸収量：25 HP
    • 回復プール：50 HP
    • 体力へのダメージが発生する前までに受けたダメージの 100% を吸収。 
    • しばらくすると、回復プール内に残っているポイントを消費してシールドが回復。

エージェントのアップデート（全プラットフォーム共通）

サイファー（弱体化）

• トラップワイヤー
  • ウォールハックの可視化が完全に適用されてフェードインする前に0.5秒間の始動時間を追加
  • トラップワイヤーのミニマップアイコンをアップデート
    • トラップワイヤーが何に繋がっているか分かりやすく
• ニューラルセフト
  • ULTコスト：6 >>> 7

マップ全体における情報収集能力の高さとキルを狙ったセットアップで、圧倒的な存在感を示しているサイファー。強みの前者については開発の意図したものであるため、後者のキル獲得効率に弱体化が行われる。

“トラップ・ワイヤー”には、引っかかった相手がカウンタープレイを行う猶予が増加。ユーティリティーの少ないチーム構成であっても、トラップに対処しやすくなるだろう。

“ニューラルセフト”はパッチ5.10で「2回目の位置特定効果」と「デスした対象を利用するための時間制限撤廃」の強化が行われ、現在十分すぎるほどの活躍を見せている。そのため、他の同等のアルティメットと足並みをそろえるべく、コストアップの弱体化を実施。

セージ（強化）

• ヒーリングオーブ
  • 自身への回復量：30HP >>> 50HP
  • 5秒付近で回復時間が味方の回復と一致するように
• スロウオーブ
  • スロウゾーンに捕まった敵のダッシュ速度が50%低下するように
    • パッチノートの後半に登場するゲームシステムのアップデートにおける「スタン」の変更と同様  
• リザレクション
  • ULTコスト：8 >>> 7

高ランク帯でピック率の落ち込みが見られるセージには、複数の純粋強化を実施。自身に使用した場合大きく劣化した性能になってしまう“ヒーリングオーブ”は、味方に使用した場合の50%にまで改善されている。

“スロウオーブ”の変更点の「ダッシュ」とは、現状ジェットの“テイルウィンド”とネオンの“スライド”が対象。適切なタイミングでオーブを展開できれば、それらアビリティによるごり押しエントリーを抑制しやすくなる。

デッドロック（強化）

• アナイアレーション
  • デッドロックのアルティメットでタイマーがゼロになると常に対象がキルされるように
    • 旧仕様：タイマーがゼロになる前に対象が終了地点に到達した場合のみキル
• 「アナイアレーションコクーン」と「バリアメッシュ」
  • 体力のビジュアルがアップデート。体力状態が分かりやすく

オーメン（弱体化）

• ダークカヴァー
  • ブリムストーンの「スカイスモーク」やクローヴの「ルース」などの他の球形スモークと同様に、ダークカヴァーが常にプレイヤーが立つことができる地形の上まで落ちるように

競技シーンを含む高レベル帯において長期間「コントローラーの定番ピック」を維持しているオーメン。今回の調整で、ついにワンウェイスモーク抑止の調整が実施される。一方的に相手を視認できるワンウェイスモークは、その強力さに反してカウンタープレイが非常に限られており、中でもオーメンはワンウェイスモークの展開自由度において頭一つ抜けた性能を有していた。

ワンウェイスモーク自体はヴァイパーの“ポイズンクラウド”等で引き続き使用可能だが、オーメンは“ダークカヴァー”のクールダウンの短さや“パラノイア”など、別の個性を活かす選出が必要になるだろう。

クローヴ（バランス調整&弱体化発表）

• ルース
  • 生存時とデス時のどちらで「ルース」を使用した場合でも、味方のものと敵のものの区別が付きやすく
    • 敵のスモークは味方のスモークよりも赤みが濃く表示されるように
• ノット・デッド・イェット
  • キル獲得の制限時間：12秒 >>> 10秒
    • この変更はパッチ8.11で別の不具合を修正した際に意図せず行われたものであるが、上手く機能していたため本採用に

フェニックス（バランス調整）

• 一般
  • フェニックスが炎に触れるだけで、たとえ炎から離れても、体力が継続的に回復するように
• カーブボール
  • 固有アビリティースロットに変更
    • ラウンド開始時にコストなしでチャージを1つ獲得 
    • 2キルでリセットされて追加のチャージを獲得
• ホットハンド
  • 非固有アビリティーに変更
  • コストは200クレジット
• ブレイズ
  • 発動時の投射物が壁を貫通し、「ブレイズ」がハーバーの「ハイタイド」と同様に機能するように

アイソやネオンといったデュエリストが大幅に強化されたパッチ8.11の変化に取り残されないよう、本パッチではかなり大胆なバランス調整がフェニックスに実施されている。

これまでのフェニックスは自身が展開した“ホットハンド”や“ブレイズ”と接触している間、体力を回復することが可能であったが、本パッチ適用後は一度でも接触すればその後の立ち位置を問わない性能に。回復量については記載されていないため、両アビリティから受けられる最大50の回復が確約される仕様だろう。

フラッシュアビリティの“カーブボール”とエリアダメージを与える“ホットハンド”は、固有アビリティ（ラウンド開始時に自動獲得）と非固有アビリティ（ショップで購入）の枠が入れ替えに。“ホットハンド”が持っていた2キルでリチャージされる仕様は“カーブボール”に引き継がれている。

直接的なキルへの繋がりやすさは“カーブボール”の方が高いため、マッチを通したリチャージ頻度は増加するだろう。同時に“ブレイズ”のリチャージが不可能になったことで、ラウンド中の炎による自己回復は最大2回に制限されるが、自己回復の性能変更によってある程度デメリットは緩和されそうだ。

また“ホットハンド”の価格は「200クレジット」に設定されたため、ラウンド開始時に両アビリティをフルに準備する場合に必要なクレジットが500から450に軽減されている点も嬉しいポイント。

フェニックスが持つデュエリストでありながら「何でも屋」的な性能という個性の価値を高めるべく、他の視界妨害系アビリティと同様に、安全な位置から“ブレイズ”が展開可能に変更されている。 

ジェット（不具合修正）

• ドリフト（自動スキル）
  • バランスに影響がある不具合の修正：抑制状態または拘束状態中は滞空できないように

マップのアップデート（全プラットフォーム共通）

• サンセット
  • マップ全体でグローバルライティングをアップデート。
    • ライティングの質とマップ内で以前は暗かった部分の全体的な視認性の改善が見込まれている

ゲームシステムのアップデート（全プラットフォーム共通）

バトルレポート

• ユーティリティーの使用に関する統計データは、デスの直後ではなく、ラウンドが終了してから表示されるように
  • 砂時計のアニメーションが表示されるようになり、ラウンドが終了すると、ユーティリティーの使用に関する統計データが表示されて、次のラウンドの準備フェーズ中のみ見ることが可能。

バトルレポートは「プレイヤーのアクションがもたらした影響」について情報を提供するツールだが、時に「本来得られないはずの情報をプレイヤーに知らせてしまう」というマイナスの側面が存在していた。

開発によるとこのマイナス面は、ブリーチの“フラッシュポイント”やスカイの“ガイディングライト”で頻発。ユーティリティーを使用してキルされた際に「意図せず」「自分が視界に捉えていない」「交戦もしていない」はずのプレイヤーから視界を奪ったことがわかってしまっていた。

パッチ適用後は「ユーティリティーの使用に関する統計データ」は、ラウンド終了後に確認可能となる。記載のない「ユーティリティーの使用が関与しない与ダメージ（射撃ダメージ等）」に関しては、今後もデスの直後に表示されると予想されるため、健全な範疇に収まる情報については大きな影響はないだろう。

この変更はあくまで「VALORANTの戦術的なゲームプレイの強化」を目的に実施される。そのため意図していた利用方法に反する優位が作り出される場合も含め、今後これらのシステムへの変更がどのような結果を生み出すか注視していくとのこと。

スタン

• スタンが敵のダッシュ速度を50%低下させるように
  • これは、現状ジェットの「テイルウィンド」とネオンの「スライド」に影響する

セージの“スロウオーブ”と同様に、スタンアビリティも適切なタイミングでのアビリティ使用が、ジェットの“テイルウィンド”とネオンの“スライド”を制限できるように変更されている。

オーバーヒールのUIのビジュアルアップデート

• 視認性を改善するために、HUD下部のオーバーヒールシールドの表示方法をアップデート
  • レイナの「デバウアー」やクローヴの「ピック・ミー・アップ」使用後のボーナスHPの表示方法に影響

スモークのビジュアルアップデート

• スモーク内部にビジュアルキューを追加。消えるタイミングが分かりやすくなり、より良い意思決定が可能に
  • これらのキューはスモークの外側に存在するものと一致する
  • この変更により影響を受けるのは、以下のエージェント
    • アストラ
    • ブリムストーン
    • オーメン
    • クローヴ