『Black State(ブラックステイト)』はトルコのスタジオMotion Blurが開発中の新作TPS。『メタルギアソリッド』シリーズや『マックスペイン』シリーズを思わせるステルス+ガンアクション体験と、近年のSF映画のような不可思議な世界が融合した作品だ。
ゲーム内容についてまだ多くは明かされていないものの、NVIDIAの最新グラフィックカード「RTX 5090」とアップスケーリング技術「DLSS 4」を駆使した、新たなデモ映像が公開。そのグラフィックの美麗さで注目を集めている。
SFステルスアクションTPS『Black State』4K最新映像
アメリカ・ラスベガスで1月11日まで開催された、世界の最新テクノロジー展示イベント「CES 2025」。ゲーム業界からも多くの企業が参加した。ここで行われたNVIDIAの最新グラフィックカード「GeForce RTX 50」シリーズ発表と並行し、Motion Blurも開発中の『Black State』の最新映像を披露した。その動画がIGNで公開されている。
まだアルファ版なこともあり、アクションやキャラクターモデルはまだまだ改善の余地はありそうだが、圧倒的なグラフィックにはかなり惹かれるものがある。
『Black State』公式スクリーンショット
当然ゲームらしいシーンは見られるものの、ぱっと見はもう写真にしか見えないような場面も散見される。グラフィックの進化はそこまで必要ないと思っていたが、これらの写真は本当に「そこにある」かのような重力を感じてしまった。
最新グラフィックで魅せる次世代シューター
4K画質で出力されたこのアルファ版ゲーム内映像は、「GeForce RTX 50」シリーズと共に発表されたNVIDIAの「DLSS 4」で描画されたものだ。
「NVIDIA DLSS 4」は、AIを用いたアップスケーリング技術。映像品質を向上させつつGPUへの負荷を低減し、環境や用途に応じた調整処理も同時に行う技術だ。1フレームに対して最大3つの追加フレームを生成する「マルチフレーム生成」によってフレームレートを最大8倍向上させるなど、PCへの高負荷が予想される今後のゲームでも安定して高いレートを維持。ゲーミング体験のさらなる向上が期待されている。
『Black State』の新映像では、この技術がフル活用されている。「集中的なレイトレースが必要なシーンのために追加のピクセルを生成する」という「DLSS レイ再構築」の力なのか、床面への反射も本物らしく描画されており、昔から言われる「まるで映画のようなゲーム」のレベルが、さらに一段階上がった印象だ。
美術館のような場所を抜けると、一転して研究所のような施設に移動。「HORN」というボスとの戦闘が始まる。
デモ映像ではあるものの、屋内照明や電撃、マズルフラッシュ、爆炎などのさまざまな光が自然に描かれており、ガンプレイの迫真性と相まって没入感が高い。神秘的なアートデザインにも目をひかれ、全体としてどんな世界が展開していくのか非常に気になる作品だ。
『Black State』はどんなゲーム?
2024年にGamescomで映像が公開された際も、そのグラフィックが注目されていた。このときはRTX 4080+レイトレーシング処理で描画した映像。『Black State』のコアについても、この時点で解説されている。
『Black State』はSFアクション・アドベンチャーTPS。「Architects(アーキテクツ)」と呼ばれる、公にはされていない科学者たちのグループの求めに応じ、プレイヤーは不可解なミッションに取り組むことになる。Motion Blurは本作によって、「シングルプレイヤーのストーリー主導型ゲームに新たな扉を開く」と掲げている。
「扉を開く」という言葉は『Black State』のゲームシステムにも絡んでいる。映像にも描かれているように、船内への潜入ミッションをしているのかと思いきや、扉を開けるとそこは美術館。さらに進んでいくと、いつの間にか主人公は研究施設のような場所に入っていた。デモ用の編集ではなく、実際にこのようなゲーム体験が得られるという。
もちろんロード画面もなく、シームレスにステージ間を移動できる。まったく新しい演出というわけではないものの、フォトリアルな最新グラフィック技術と合わさると、これまでになく新鮮に感じられる。
ゲームとしてはステルスアクションが中心。人間の他に「Robosapiens(ロボサピエンス)」なる敵が登場する。敵はユニークスキルで攻撃を行うだけでなく、増援も呼んでくる。そこで、プレイヤーは見つからないよう移動し、気付かれる前に敵を仕留める必要がある。部分的には『メタルギアソリッド』シリーズを思わせるアクション性だ。
見つかった場合は、やはり銃撃で立ち向かうことになる。デモではピストル、アサルトライフル、ショットガン、他にも「フュージョンガン」なる装備が紹介されている。このフュージョンガンは電撃を放ち、食らった人間は肉片となって弾け飛んでしまう。いわゆるバレットタイムな機能もあり、スローモーション状態でのガンファイトも行える。
IGNによる解説動画では、床を転がって敵を追跡、爆発するハイテクな爆発物が紹介されていた。爆発する他にも電撃を放つガジェットがあるという。
道中にはボス戦もある。公式サイトによると「適応し、学習し、その弱点を利用せよ。すべてのボス戦が、スキルの限界を試すスリリングなチャレンジとなる」。最新映像でも見て取れるように、単にダメージを与えるだけでなく、ギミックを解除して倒す要素もあるようだ。
Steamストアページによると、要求PCスペックは未決定。今回のアルファ版映像と同等の体験を得るには、やはりそれなりのマシンが求められるのかもしれない。リリース日程は未定だが、グラフィックの美麗さに興味をひかれた方は『Black State』をウィッシュリストに追加して続報をチェックしておこう。
Gaming Device Power Tune for FPS
Source: Steam, YouTube, IGN
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