Team Fortuneが手掛ける新作FPS『Fortune's Run(フォーチュンズラン)』は、2023年9月の早期アクセスリリース以降、「非常に好評」(Steamレビューの92%が好評価)を受けていた。
しかし2025年1月、突然の開発中断が発表。その背景には開発者のDizzie氏が有罪判決を受けたという衝撃的な事実があった。
『Fortune's Run』とは?
『Fortune's Run』はSFテイストのPvEシューター。地球外生命の利権に支配されディストピア化した宇宙文明を舞台に、プレイヤーはまだ見ぬフロンティアを求めて戦いを繰り広げる。
『Deus Ex』や『E.Y.E: Divine Cybermancy』などからインスパイアを受けつつ、ハイペースに展開するクラシックFPSとしてまとめた作品だ。
『Fortune's Run』開発中止発表
ユーザーレビューも「非常に好評」(494件中92%が好評)。パブリッシャーの3D Realmsが手がけるRealms Deep 2022などで今後の注目タイトルの1つとしてとりあげられていた。ガンアクションの他にも、近接戦や、近接武器を使った銃弾の受け流しも可能。さらにガスを爆発させるなど環境を活用して戦う要素もあり、プレイヤーの想像力を刺激してくれるゲームだ。
ところが2025年1月15日、このゲームの開発者であるDizzie氏が開発の中断を発表した。
刑務所に3年、開発は中断
ゲーム開発者になる前は「まったく違う人生を送ってきました」というDizzie氏。過去に色々あったようだ。その内容からは、5年ほど前に事件を起こし、裁判にかけられ、懲役3年の実刑判決を受けたことが読み取れる。
「話せば長くなる」とのことで、具体的な罪状については明かしていない。しかし結果として、「来月から遠くに行くことになりました」。
これで『Fortune's Run』の開発が完全に終了したわけではないものの、今後も開発を続けられるかは不透明に。もう1人いた開発者も、何らかの手術後の経過が思わしくなく、ストレスがかさんだ結果、ゲーム開発への情熱を失いスタジオを去ってしまった。その人物はクオリティテストを担当していたため、Dizzie氏は来月まで、開発とテストを1人で継続することになった。
なお、このメッセージの公開後によからぬ噂を立てられたのか、Dizzie氏はこのテスターの女性スタッフは事件とは無関係であり、性犯罪絡みで立件されたわけでもないことを追記している。
大急ぎでアップデートするも...
Dizzie氏は発表に続いて早速、『Fortune's Run』に多数のアップデートをリリースして誠意を見せている。しかし急いでいたそうで、バグ修正によって「敵が出現しなくなる」など新たなバグを生む悪循環も起き、さらにその修正にあたっているところだ。
Dizzie氏はコミュニティの人々に感謝を述べるとともに、「ゲーム開発を止めるつもりはありません」と述べている。何があったにせよ、『Fortune's Run』がアーリー時点から高い評価を受けており、有望な開発者であることは確かだ。オツトメを果たし、3年後にゲーム業界に舞い戻ってきてくれることに期待したい。
今回の出来事は、インディーゲーム開発の脆さと、それでもなお作品に注がれる開発者の情熱を浮き彫りにした。Dizzie氏の出所後、開発が再開される可能性も残されている。
『Fortune's Run』は現在もSteamで早期アクセス版が購入可能だ。興味を持ったプレイヤーは、この独特なSF世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか?
Gaming Device Power Tune for FPS
Source: Pressrelease
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