『Marathon(マラソン)』はBungieが開発中の新作PvPvE脱出シューター。2025年9月24日リリース予定で、対応プラットフォームはPC(Steam)、PlayStation 5、Xbox Series X|S向け。クロスセーブとクロスプレイに完全対応している。
『Halo』や『Destiny』などの人気タイトルを手がけてきたBungieだが、今後さらにライバルが増えそうな「脱出」ジャンルにどのように切り込んでいくのか。ゲームディレクターのジョー・ジーグラー氏に直接うかがった。
ジョー・ジーグラー氏に聞く、新作脱出シューター『Marathon』
ゲームプレイ映像がお披露目された、期待の脱出シューター最新作『Marathon』。メディア向けイベントでは、この『Marathon』のゲームディレクターであるJoe Ziegler(ジョー・ジーグラー)氏から直接お話をうかがう機会があった。

ジーグラー氏は2023年7月から、Bungieで『Marathon』の開発を指揮している人物だ。業界での経験は10年以上に及び、Riot Gamesでは『リーグ・オブ・レジェンド』の開発など中核的な役割を果たしたほか、友人らと立ち上げたプロジェクト『VALORANT』のゲームディレクターも務めた。
ジャンル問わずゲームをプレイするだけでなく、さまざまなジャンルの音楽を聴いたり、テレビを観たりする。料理も好きで、よく奥さんと新しいレストランを開拓しているという。
脱出系としての『Marathon』の独自性

Q. 「脱出」ジャンルには多くの既存タイトルがあります。『Marathon』にはどんな独自性があるでしょうか。
A. 「『Marathon』のユニークな点は、大きく分けて2つあると思います。まずはクルーベース(チーム戦重視)という点です。多くの脱出系シューターはソロベースなんですが、『Marathon』では仲間を蘇生させたり、クエスト進行状況が共有されるといった、ソーシャルなメカニズムがあります。
もう一つは、ゲームスタイルがアクションとタクティカルのハイブリッドという点です。多くの脱出シューターはゆっくりと進行し、敵を待ったりするような時間もありますが、『Marathon』では、ハイテンポにプレイしたり、スローにプレイしたりと、プレイヤー側でペースを選べるようなゲーム体験になっています。
Bungieにとって伝統的なアクション体験に、タクティカルな側面を組み合わせて、サバイバル系に求められるリソース管理要素に影響を与えるようにしています」
キャラ固有のアビリティ&拾えるアビリティ

Q. 『Marathon』のゲームシステムについて。映像では透明になったり、スキルを使うシーンもありました。これらはキャラクターに依存するのか、それとも探索の中で拾ったものを装備して使うのでしょうか。スキルはキャラクター同士のシナジーも考えて設計しているのでしょうか。
A. 「多くのスキルは、キャラクター特有のものになります。ランナーは2つのアクティブ・アビリティと1つのパッシブを持っており、これらのアビリティでキャラクターの特徴が定義されます。たとえば正面をブロックできるアビリティを持っていたら、別のプレイヤーがステルスのアビリティで姿を消し、敵の裏取りをするといったシナジーが考えられます。
グレネードやクレイモアもありますが、これは地上に置かれているアイテムです。つまり一部のアビリティはマップで拾うことになりますが、大部分のアビリティはキャラクターに依存しています」
アップグレードのやり方
Q. 今回の動画には「インプラント」という要素が見られました。キャラクターのアップグレードについてもう少し聞かせてください。
A.「アップグレード機能はもちろんありますが、キャラクター以外の要素もアップグレード可能です。派閥との契約を完了させたり、ゲーム内ミッションを完了させたりしてアイテムを入手し、それを使ってキャラクターの性能を向上させることができます。他の選択肢として、ゲーム内のストアで購入するようなアップグレードも用意しています」
蘇生とリスポーンのメカニズム

Q. 『Marathon』における蘇生やリスポーンのしくみについて、もう少し聞かせてください。
A. 「多くの脱出シューターだと、自分がデスした後はフレンドのプレイを見ているだけになってしまいますが、『Marathon』はダブルダウン・システムになっています。もし自分のHPがゼロになるほどのダメージを受けると、地面をはう状態になります。そのまま敵にとどめを刺されたらデスとなりますが、フレンドに蘇生してもらうこともできるんです。
デスした後でも、仲間が無事なら復活できます。こちらの方法はアイテムは不要ですが、やや時間がかかります。チーム全員倒されると復活は不可能になります。自分自身を蘇生させるアイテムもあるのですが、これは見つけるのが難しいレアアイテムになっています」
- 要約
- ダウンした仲間を蘇生可能。アイテム必要なしで、復帰にかかる時間も短い
- キルされた仲間を蘇生可能。アイテム必要なしだが、復帰にかかる時間は長い。蘇ったプレイヤーは自分の戦利品を拾い直す必要がある
- 自己蘇生できるアイテムがあるが、レア
シーズンごとにワイプを実施

Q. 『Marathon』はシーズン制とのことですが、シーズンごとにワイプのようなものはありますか?
A. 「『Marathon』はシーズン制で、毎シーズンでワイプも予定しています。つまりシーズンごとに進行状況やアイテムをリセットしていくので、シーズンごとに異なるプレイスタイルをとって、プレイフィールを変えていけるようになっています。
Vault(保管庫) / ロードアウトはシーズンごとにワイプされます。ただし、一部の要素はシーズン切りかえ後も引き継がれる予定です(例:タイトル、エンブレムなどのゲーム内実績)」
- ワイプとは
- 脱出系ジャンルのゲームに見られる、全プレイヤーの進行状況を一斉にリセットするシステム
- 新規プレイヤーの目線では、装備が充実している熟練プレイヤーに対してスキル以上の差がつかないようにする効果がある
- 熟練者の目線では、新シーズンにあわせてプレイスタイルを変えるきっかけとなり、ゲーム体験の新鮮さを保つことができる
クロスプレイは全プラットフォーム混合
Q. クロスプレイについて。PC版とコンシューマー版の間でもクロスプレイがあるのでしょうか?
A. 「クロスプラットフォームでは、すべてのプレイヤーが、同じプレイヤープールを使ってプレイするようになっています。クロスセーブ機能もあるので、コンソールでプレイした進行状況をPC版で共有するようなことも可能です。
キーボード&マウスと、コントローラーのプレイヤーが戦うことにもなりますが、フェアな体験になるよう長い時間をかけて調整しています」
他人からアイテムを借りる機能

Q. ソーシャル機能について。他のプレイヤーとアイテムを取引したり、コンテンツを共有したりする要素はありますか?
A. 「人に何かを与える機能はないのですが、『貸す』機能はあります。たとえば新規のプレイヤーとプレイするときに、一緒にプレイしている間はそれを貸し、終わったら持ち主のところに戻ってくる、という機能です」
次世代機への対応は?
Q. 先日は次世代機の情報公開がありましたが(Nintendo Switch 2)、今後対応プラットフォームが増える可能性はありますか?
A. 「現時点ではPS5、Xbox X|S、Steamを予定していますが、もちろん今後拡大していく検討は行っていきます」
『Marathon』の世界観で脱出シューターを作ることについて

Q. 今回の『Marathon』は1994年の初代『Marathon』から続くシリーズですが、シリーズの雰囲気や体験を、PvPvEの脱出シューターにどのように合わせているのでしょうか
A. 「新しい『Marathon』は、AIが普及してさまざまな制約が打ち破られた世界を舞台にした、1990年代のオリジナルIPを引き継いでいます。AIは嘘の情報を与え、プレイヤーを危険な状況に追いやるようなことがあります。ナレーターの情報は本当に信用できるのだろうか、といったパラノイアを、サバイバルゲームのスリリングでホラーな体験とミックスさせています。
『Marathon』シリーズの面白いところは、『人間とは何か』、『知性を持つとはどういうことか』、『何が現実か嘘か分からず、説明しようがない出来事が起きるような世界で生きるとは』といった問いかけを含む点です。ランナーとは、そんな世界で仕事をするために雇われた傭兵です。雇用者に命じられて見つけたもの、体験したことが、パズルのピースのようになり、隠された真実へとつながっていくのかもしれません」
『Marathon』宇宙と日本とのかかわり
Q. 映像では日本語が映っているシーンもありましたが、日本的な要素はどのような形で『Marathon』に登場するのでしょうか。
A. 「ゲーム内に日本の要素があるわけではないのですが、『Marathon』の宇宙には日本があり、『Marathon』の世界に進出した企業との繋がりはいくつかあると思います」
『Marathon』は9月24日リリース
『Marathon』は2025年9月24日リリース予定。シーズン制のライブサービスを展開していく。シーズン1から早速、エンドコンテンツの挑戦、ランク戦、シーズンストーリー、コミュニティイベントなど、多数のコンテンツが用意されている。
今回のゲームプレイ映像はもちろん、同時公開された『Marathon』の世界を舞台にしたシネマティックショート動画も忘れずにチェックしておこう。エミー賞やアカデミー賞で受賞歴のある、アルベルト・ミエルゴ氏が監督・脚本を務めた作品だ。

- 『Marathon』ストアページ
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Source: Pressrelease
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コメント
コメント一覧 (1件)
強制クロスプレイだけは無しにしてほしいな