8月1日に東京にて開催された、『Borderlands 3(ボーダーランズ3)』のハンズオン体験会にて、シニアプロデューサーのアンソニー・ニコルソン氏とアートディレクターのスコット・ケスター氏とで行われたインタビューをお届けします。
非常に興味深い話を聞けたので、ボダランファンは要チェックの内容となっています。
『ボダラン3』 ロングインタビュー
アンソニー・ニコルソン氏
『ボーダーランズ3』シニアプロデューサー。2012年よりGearboxに勤め、過去作『ボーダーランズ2』『ボーダーランズ プリシークエル』ではQAアナリストを担当し、『バトルボーン』ではプロデューサを担当。大学時代はアメフトの選手として活躍し、ゲーム、シミュレーション、及びアニメーションデザインで学位を取得。写真・左。スコット・ケスター氏
2007年Gearboxに入社、現在『ボーダーランズ3』のアートディレクターを担当。その以前には、『ボーダーランズ』『ボーダーランズ2』のコンセプトアートを手掛けたり、『バトルボーン』のアートディレクターを担当。テキサスのマッキニーに家族と住んでいる。写真・右。
EAA:こんにちは。FPS/TPS専門サイトのEAA!!と申します。今日はよろしくお願いします。
アンソニー氏&スコット氏(以下敬称略):よろしくお願いします。
EAA:新しく公開された「FL4K(フラック)」は多彩なアクションを持っていますし、ペットも非常にユニークですね。ボーダーランズ3ではアクションスキル、スライディングなどの新しい動き、新しい惑星なども楽しみです。レベル調整システムも自動販売機システムも素晴らしく、とても期待しています(早口)。
アンソニー:ありがとうございます。期待に沿える作品をお届けできたと思います。
発売まで一ヶ月!今回のテスト版と完成版の違いは?
EAA:今回のプレイテストのビルドですが、先程(※8月1日に完成が報じられた)Gearboxが発表したゴールド版(完成版)とはどれぐらい差があるのでしょうか?
アンソニー:はい、ゴールド版の方は小さいアップデートが施されていますね。といっても認証プロセスが関係している小さい部分だけですが。
EAA:認証プロセスですか。
アンソニー:ええ、コンシューマー版ではファーストパーティー側の認証をまず通さなくてはいけないのですが、PC版だと認証いらずで即提供できるんです(注:デモプレイはPC版だった)。なので開発の優先はあくまでもコンシューマー版なのですが、こういうPC版のデモは未認証のバージョンを持ってくればいいので楽ですね。基本的に今回のデモ版は大体95%の完成度だと受け取ってもらっていいでしょう。
スコット:まぁバグは付きものですし、ごく最近修正した不具合が今回のデモ版ではまだ残っていたりします。全体的には全く同じ形で発売されるはずです。残った極一部のバグも発売前には修正されているはずですから...たぶんおそらく、きっと(笑)。
EAA:きっと間に合いますよ(笑)。
ビーストマスター「フラック」はハクスラに欠かせないペットキャラ!
EAA:今回実機プレイが初解禁となった「フラック」を遊んでいるうちに気になったのですが、ハクスラゲーで召喚やペットをメインとしたプレイスタイルは人口が綺麗に2つに分かれていますよね。ペット一体の様々なスキルを使いこなすスタイルと、ペットの大群を率いて物量で押しつぶすスタイル。「フラック」は前者に傾いていると思うのですが、開発チームがビーストマスターというコンセプトを決めた時はやっぱり相応に取捨選択したのでしょうか?
スコット:そうですね、ビーストマスターと言えばおっしゃるとおりのイメージがまず付いてきます。ですがその上で開発側としては、技術的な制限やゲームの雰囲気なども考えなければいけません。そして…うーん、言葉にしづらいですね(笑)。
EAA:ごゆっくりどうぞ(笑)
スコット:アイディアが多すぎるんです。みんな色んなアイディアを持っていますが、ゲームに実装できるものはその内の一部だけです。そのため究極的にはやはり、最もゲームシステムに見合ったものや、ゲーム体験を補ってくれるもの、CO-OPというメインテーマに沿った物を選ばなくてはなりません。ですが、えー...。
アンソニー:ビーストマスターの元々のコンセプトがなんだったかは、実はよく覚えていないんですよね。最終的にはいくつか際立ったアビリティを選んで、色々と違う事ができるようにしました。例えばJabberは遠距離に傾いたペットで、遠くから敵に撃ち込める地形に向いています。一方クモのペットはもうちょっと直接的なプレイスタイル向きですね。
それに加えて「フラック」自身のスキルもありますから、組み合わせれば群れで襲いかかったり、距離を置いたアプローチをためしたり、CQBで殴り込んだりと、多彩な楽しみ方ができるように注力しました。
EAA:ビルドの多様性を重視したのですね。
スコット:そうです。特に『ボーダーランズ』はFPSゲームですから、他のメジャーな、例えばトップダウン(見下ろし型)のハクスラゲームと比べると、「距離」という要素のスケールが大きくなりがちなんです。それと一人称視点特有の、視界上の問題も避けては通れませんでしたから。その上でイメージどおりの「ビーストマスター」の戦い方を楽しめるように非常に努力しました。
EAA:楽しみにしています。敵に応じて多彩なアビリティを持ったペットを使いこなす点は、ロボットの「アイアン・ベア」を様々な装備でカスタマイズして使うキャラクターの「モズ」と少しだけ共通する部分もありますが、その辺りもきちんと差別化するために色々苦労したのでしょうか?
アンソニー:そうですね、「フラック」はオーグメントを装備してペットのアビリティや、ペットと自分自身双方のアビリティを調整するというシステムがあり、一方「モズ」は「アイアン・ベア」の各ハードポイントの装備を変更してカスタマイズすることができます。
スコット:ですがカスタマイズ性以外の最も大きな違いで言えば、「モズ」は自分でロボットに乗り込んで操作する傍ら、「フラック」はペットに指示を出すという点ですね。
アンソニー:ペットに指示を出してある程度コントロールすることは出来ますが、ペットは自分自身のAIに基づいて、指示に応じた様々なアクションを起こします。また指示を出さない場合でも、ペットは自律的に行動することができるんです。
スコット:一応「アイアン・ベア」の方には搭乗せずとも出しておくスキルもありますが、やっぱり乗り込まないと使えないんですね。「モズ」は手動で完全なコントロールを持つように。一方の「フラック」は命令さえ出しておけば、あとはある程度自律的な戦闘になるように。その区別がはっきり現れるようにしました。
魅力的な敵キャラも!「トロイ」の新情報は?
EAA:カリプソ・ツインズに関してですけど、「タイリーン」に関してはもういくつかの情報が公開されましたが、「トロイ」に関してはまだ全然公開されていませんよね?
アンソニー:無いですね!本日遊んで頂いたデモを進めていただくと会えるのですが、かいつまんで言うとプレイヤーは「トロイ」が「タイリーン」に協力している事に気づくんですね。「タイリーン」は“充電器”のようなな役割を果たしているんです。
スコット:とても面白い関係性になっているんですよ。
アンソニー:共生的です。なんというか…。
EAA:他の全てのキャラクターと同じぐらい面白い関係性、ですね?
スコット:ですです(笑)。まぁ、カリプソが「どのようにして進化できたのか」はとてもクールなストーリーになっていますので、何をしている人たちなのか、そもそも一体なんなのか。それはプレイしてからのお楽しみという事にしてほしいです。
EAA:分かりました、ありがとうございます。発売まで「トロイ」の情報は秘密ということで。
スコット:そうですね。そんな感じです。まぁちょっとだけ今までもお披露目してきましたが、カリプソ・ツインズに関して一番クールな部分は「どこからきてどこに行くのか」という流れだと思っています。
アンソニー:ちゃんとゲーム内で段階をつけてキャラを掘り下げているので、その流れも含めて楽しんで頂けたら幸いです。一応今日のデモプレイでも会えるには会えます。
EAA:「エデン6」デモプレイの方でしょうか?
アンソニー:オープニングデモの方ですね。
スコット:いや、考え直してみると本日のプレイテスト時間(注:オープニングプレイデモは30分間)でそこまで到達するのはほぼ不可能では...?
EAA:でも割と最初の方から会えるんですね、楽しみにしておきます!
開発ですら網羅しきれていないクレイジーな装備の数々
EAA:クレイジーな武器やシールドの組み合わせはボーダーランズの醍醐味とも言える部分ですが、様々な仕様を網羅している開発者としての、最高にお気に入りの組み合わせは?
スコット:すごい質問ですね...うーん。
アンソニー:私が個人的に好きな組み合わせがあります。実は今日のデモプレイでも運良く装備を揃えれたら出来るのですが、武器というか銃とグレネードのコンビネーションなんですよ。まず、“当たった敵がお金を落とすグレネード”があります。そして登場キャラの一人である「ゼイン」はとあるオーグメントをドローンにつけたら、グレネードを2個落とすようになります。なのでグレネードとオーグメントを装備してドローンを飛ばしたら、もうフィールドがあちこちお金だらけに!(笑)
スコット:(武器の組み合わせには)多様な可能性があります。アーティファクトもそれぞれ効果が全く違いますしね。一つ挙げるなら、スライディングするたびに回転ノコギリを飛ばすアーティファクトがあります。
EAA:なんてこった。一体どこからそんなアイディアが湧いて来るんですか?
スコット:(笑)先ほど「すごい質問」だと言いましたけど、実はコンビネーションが多すぎて私たちも何が出来るのか把握できていないんです。
アンソニー:そうですね、全てのパターンを熟知している人は開発陣の中にも存在しないし、そもそも出来ないと思います。本当に多いので。
スコット:銃器の自動生成機能もありますし、正直に言って割と恐怖しているんですよ(笑)。「とんでもないものが出来上がっちゃったらどうしよう」って。
EAA:ゲームがぶっ壊れる組み合わせが生まれてしまうかもしれないと。
スコット:冗談抜きでそうなんです。まぁでももう内々に決めているんですが、我々はやっぱり“プレイヤーが楽しめる”という点を一番に考えているので、その楽しみを奪いたくはありません。なので、ちょっと会社の方で「プレイヤーがゲームを壊しちゃったぞ!」って緊急会議になっても、「おおっと!やっちゃったぜ!」みたいな軽ーい雰囲気だったんです。アクションスキルや装備のパッシブにクラスMODやアーティファクトまで加えたら、もう我々が把握できる上限を大きく超えてしまいます。
だから、プレイヤーの皆さんが何を見つけてくれるかは、毎回楽しみにしているんですよ。もちろんあまりにもヒドいものなら修正は加えると思います。ですがほとんどの場合は、ほら、協力ゲームですからね。PvEだし。「みんな存分に楽しんでね!」という姿勢です。
EAA:PvEゲームの最大の利点は、あまりバランスなどをキツく考えなくても良いという点ですね。
アンソニー:ええ。損をするプレイヤーはいませんし、コミュニティの反応も良好です。誰もがこのスタイルを好んで、楽しんでいてくれていますから。それを皆さんに提供したいんです。
強化された協力プレイとソーシャル機能、気になるクロスプラットフォーム
EAA:コンシューマー版とPC版と言えば、クロスプラットフォーム機能を実装予定だとのことですが、こちらはいつ頃を予定しているのでしょうか?
スコット:実は具体的な日時に関しては全く決まっていないんです。今はまず、ゲーム本編がそれぞれのプラットフォームで満足いただけるクオリティを提供できるように全力を注いでいるのと、その他にも取り掛かっているコンテンツが色々ありますから。ですがクロスプラットフォーム機能自体は常に開発チームにとっては一番の話題です。
アンソニー:「いつか絶対実装したい」と全員が100%意気込んでいます。実はそんな事を言っても許されるというこの段階に来るまでに多大な苦労をしたので、今更止めることは絶対にありません。ただ、様々な関係各社からやっと許可が降りた頃にはもう発売にはどうしても間に合わないタイミングだったのです。
EAA:粘り続けてやっと許可が降りたという感じなんですね。クロスプラットフォーム機能は全ゲーマーの夢ですが...。
アンソニー:私たちの夢でもあります!プレイヤーの皆さんがどんなプラットフォームで遊ぶにしろ、一緒に遊べるようにしたかったのです。
スコット:開発活動の殆どはコミュニティやファン自身を基盤としているものですから、コミュニティが喜ぶ仕様は必然的に『ボーダーランズ』にとって良い仕様だと思っています。
EAA:コミュニティ向けの仕様といえば、先ほどのプレゼンの最後に「フレンドがオフラインでもCO-OPを楽しめる」と聞いて、ひょっとしたら“オフラインでもフレンドリストからAI操作のフレンドのアバターを呼び出す”という形で擬似的なマルチが実現しているのでは無いかと思ったのですが。
スコット:いえ、残念ながらその様なシステムは『ボーダーランズ3』にはありませんね。
アンソニー:伝えたかったのは、例えばオンラインで一緒にプレイしているならそれはダイレクトなCO-OPですよね?
EAA:そうですね。
アンソニー:そしてそのフレンドがオフラインでも、彼は自分で遊んでいるときに彼自身のワールドで何かを発生させていたかもしれない。
スコット:非対称的なシステムなんです。
アンソニー:そうです。例えばフレンドがレアな敵を発見していたとすると、私はサンクチュアリで賞金ミッションをチェックすることができるんです。そして「おっ、あいつレアエネミー見つけてたんだな、狩りに行くか」となったり、もしくはそのフレンドの自動販売機を覗いてフレンドの売り物をチェックしたり。あとは自分のワールドの自動販売機をチェックした際に、フレンドが出品した武器が一定の確率で並んでいたりします。
スコット:その場合、フレンドの名札や情報などもきちんと表示されるようになっています。
アンソニー:そんな感じで、フレンドと交流しやすいシステムになるように色々努力しました。あとはお互いがオフライン状態ですれ違っていても、メールでアイテムを送れるようになっていたりします。
EAA:『ボーダーランズ3』は「ソーシャル機能の強化」もメインテーマの一つとして挙げられていましたね。
スコット:ええ、とてもクールなコンセプトだと思いました。あとはシングルプレイヤーでしか遊ばない方も結構多いので、誤解を恐れずに言うとその層を後押ししたかったのです。「一歩踏み出したら大きな世界が目の前にあるぞ!」って。シングルプレイ体験自体は『ボーダーランズ3』も凝っていて、むしろシリーズ作品通しでも最も良いシングルが作れたのではという自負があります。キャラの導入や、ストーリーにムービーなどの要素はどれも最高の出来です。
一方でCO-OPも最高の出来を目指しました。「自分の好きなようにゲームを遊ぶ」という理念は我々がもっとも重視するところですが、せっかくなので“シングルオンリー勢”にも、このソーシャル機能を活用してマルチプレイに一歩踏み出してもらえたらと思っています。
大幅強化されたスキン機能、色彩の細かいカスタマイズも可能に!
EAA:前回のインタビュー(詳細記事)でお伺いした際は、スキンアイテムはセットではなく独立したアイテムになるかもしれないとおっしゃっていました。その辺りの仕様は確定したのでしょうか?
アンソニー:ええ、まず『ボーダーランズ3』では頭と胴体のスキンパーツはバラバラになります。
スコット:過去作にもスキンはいくつか実装されていましたが、拡張性があまり無かったんです。色合いなどはどれも一緒でした。ですが『ボーダーランズ3』からは様々な色彩でカスタマイズすることができるんです。メイン、サブ、サードカラーをそれぞれ、えーっと...。
アンソニー:全てのスキンにそれぞれ色を適応する事ができるようになりました。
スコット:それです。スキン毎にデザインも違いますし、しかもパララックスなどのアニメーションが付いているスキンもありますからね! それに武器スキンや、武器トリンケットもありますし、パターンは無限大です。
先ほど「モズ」と「フラック」の話をしましたが、キャラクターにつけたスキンは「アイアン・ベア」やペットたちにも自動的に適応されるんですよ。だから例えばとてもサイケデリックなスキンを「モズ」につけたら、呼び出した「アイアン・ベア」も毒々しい外観になるんです。
アンソニー:カラー設定にも対応していますよ!
スコット:なのでCO-OPでキャラが(他のプレイヤーと)被っても、見分けが付きやすいようになっていて、プレイヤーそれぞれの個性が反映されやすいように配慮しています。
頭部のスキンや武器スキンのクオリティは本当にこだわっていて、従来よりひとつ上のレベルに到達できたと思います。頭のてっぺんからつま先まで、完全に、好きなようにカスタマイズすることができます!
EAA:すごいですね…!ところで念のためですが、セットで揃えないと落ち着かない人向けに、テーマが統一された一揃いのスキンセットとかもあるんですよね?
スコット:もちろんです。そしてセットをバラしてカスタマイズして自分なりの着こなしかたを模索することもできるのが『ボーダーランズ3』の特徴です。特定の色が気に入らなかったら変えることもできます。例えば従来だと「ほら、これは赤色にロゴが入っているスキンだよ!いいから文句を言わずに着るんだ!」という感じでしたが、『ボーダーランズ3』だと自分の好きな色を塗りたくることができます。
EAA:自分のこだわりの一色を見つける、ファッションゲームな楽しみ方もあるんですね。
スコット:まあ、殆どの人はカラーカスタマイズ機能に触りすらしないでしょうけど(笑)
EAA:そんな身も蓋もない(笑)
スコット:パーツだけでも相当用意しましたから、その組み合わせを考えるだけで皆満足するんじゃないかなーと。でも色を変更できるという機能はあるので、使いたい人はより個性を出せるように、といった感じです。
EAA:自分でコスプレ衣装を制作するレベルのファンなら、それはもう凝り抜きそうですね。
スコット:そうですね。ファンの皆さんの様々な反応はいつも楽しんでいますし、今までも自分が好きなスキンをわざわざ作ってコスプレを楽しんでいるプレイヤーも沢山いました。そんな方々には更に広い遊びの幅を提供できたと思いますよ!
逃しても後から買える予約特典
EAA:スキンといえば予約特典のレトロパックやネオンパックですが、これらは予約特典以外の入手方法はあるのでしょうか?
アンソニー:まずXboxとPS4のファーストパーティー規約に関するあれこれで、どちらにしろ後からそれらのパックの販売は開始される予定です。ただ、前もって予約という形で投資してくれた皆さんに特別なギフトを用意したくて、この2パックを選択した感じですね。
スコット:「君ぃ!ちょっと見ていかない?こういうのもあるよ!」っていう感じで、限定にするというわけではないんです。
日本オリジナルキーアートとなった理由
EAA:素晴らしいですね!ところで『ボダラン3』では日本専用のオリジナルキーアートを用意して頂きました。実は大体のいきさつはわかっているのですが、念のためこれらのアートワークの制作秘話などをお聞かせ願えないでしょうか。
2K:では当事者である私達でもよければ。それは実は、日本側のマーケティングのアイディアなんです。日本のファンだけに特別な何かを用意したかったのです。
EAA:特別な気分です、ありがとうございます(笑)
2K:(笑)それをGearboxに伝えて、Gearboxの開発チームにお手伝い頂いただきました。そして出来上がったビジュアルデータなどを貰って、一つにして。喜んで頂けたなら幸いです(笑)
バラには深い意味が...?
EAA:本当にありがとうございます。ところでアートワークでもう一つ気になったのが、今回のキーアートに出て来た花の「バラ」。これは同じものが「ハッピートゥギャザー」トレイラーでも咲き乱れていました。バラにはなにか秘密のメッセージでも隠されていたりしますか?
https://www.youtube.com/watch?v=e1xRu9Su93Yアンソニー:いや、バラはバラですよ。ねぇ?(笑)
スコット:(笑)正直に言うと深い意味はなくて、ただ似合いそうだなと思ったのでバラを置いただけなんです。本当ですよ。
EAA:我々コミュニティが勝手に深読みしているだけなんですね。
スコット:はい…いや!実は深い意味が!
アンソニー:ワーオ!
EAA:どっちなんですか!(笑)
スコット:まあ本当に正直に言いますと、キーアートの構図上、それと「ハッピートゥギャザー」トレイラーのときもそうでしたが「一本置いておくとクールだなって」なっただけですね。それと、ビジュアルテーマとして一度選択したならば、一貫性を保ちたかったので。なのでまぁ、うーん…将来的にはあのバラでも何か一本作るかもしれませんね。
アンソニー:もしくは、今現在嘘をついてごまかしているのかもしれない...!
スコット:どうでしょうね! いやいや、本当にただクールなアクセントを加えたかっただけなんです。ゲームを表現するにあたって丁度いい画像だったというだけで、特に何かと繋がりを持っているわけではありません。
日本版の規制はなし
EAA:日本のプレイヤーが欧米のゲームをプレイするに当たって一番気になることの一つが「表現規制」だと思うのですが、『ボーダーランズ3』ではいかがでしょうか。
アンソニー:ええ、日本は規制がとても厳しいですから…(笑)
2K:ですが『ボーダーランズ3』の日本版は海外版と同じ仕様になります。
アンソニー:今回が初となりますね、ゴア表現などは全く(海外版と)同じものです。
スコット:暴力表現自体は強化したはずなんですけどね(笑)
EAA:ファミリーフレンドリーかつ、お茶の間でも安心なアクションゲーム!
アンソニー:ぜひお子様とご一緒に(笑)
2K:(笑)一応日本の「CERO:Z」レーティングは、厳密に言うと18歳以下は非推奨という形になりますね。
EAA:非、「推奨」ですね?
(一堂:笑)
2K:まあ、遊ぶことを禁止されているわけではありませんからね。
こだわりの作り込みと世界観。全てはプレイヤーを楽しませるために
EAA:Gearboxさんの理念は「皆がひたすら楽しめるゲームを作る」の一点に集中していると思うのですが、まだ5分間しかデモプレイを遊べていないのに3箇所くらい笑ってしまいました(本当に)。クラップトラップもいつも通りでしたし。ところで、どうやってあんなクレイジーで、ムカついて、それでいて楽しいキャラクターを作り上げたのですか?
スコット:...会社に戻ればクレイジーでムカつく同僚だらけですからね。
(一堂:笑)
スコット:「よーし!お前をゲームの中に入れてやる!」「いやアイツはダメだな!」みたいな(笑) 冗談はさておき、キャラメイクのほとんどは想像力に頼りました。生きたキャラクターを創造する上で、そのキャラの感情をきちんと考慮するのはとても重要です。
他の多くのゲームで“一次元的なキャラクター”しか持ってないと感じてしまったんです。「俺はこんなキャラクターだ!俺はこんな事をする!以上!」と。そして別のキャラクターに移ると、また同じことを繰り返しています。
我々がキャラクターを作る際は、もっと性格や人間らしさを詰め込めるように注意しているんです。クラップトラップみたいなちっこいロボットだって例外ではありません。そして私にとって、何かに生命や個性を吹き込める機会を見逃してしまったら、それは死んだも同然なんです。
そのためどんなに小さいオブジェクトでも、ビジュアルやサウンド、オーディオ、もしくはその他あらゆる手段でもって向き合っています。
変に聞こえるでしょうけど、例えば「あの郵便箱をもっと面白くしたい!」って言って、「え?今なんつった?」みたいに聞き返される事も多いんです。プレイヤーの目に入るものは全てクールで、見栄え良く、楽しくしたいんです。プレイヤーの目に映った時に「こりゃただの郵便箱だな」で終わらせたくないのです。実際に結構クールな郵便箱にできたと思いますよ!
EAA:いやー、はじめて使った時はもう爆笑しましたね!
スコット:でしょう!? そんな感じに、ビジュアル上は一ミリ平方も逃さずこだわり抜いたと思いますよ!それにサウンドや他の全ても組み合わせて。
アンソニー:ヴォルト・ハンターの4人はみんな強い個性を持っていますから、それを取り巻く世界も負けず劣らずの強い個性を持たせたかったんです。なのでNPCもみんなユニークですし、それぞれ強い個性を持っている。
EAA:そして惜しげもなく新作ごとに新しく個性豊かな主人公たちを用意していますよね!初めて『ボーダーランズ2』を遊んだ時はとても衝撃でした。
スコット:一応過去作のキャラに関しては、『ボーダーランズ3』でもサプライズを用意していますので、楽しみにして頂けたら嬉しいです。
EAA:ボダランシリーズは全て名作でしたが、最新作もそうなると信じています。
アンソニー & スコット:ありがとうございます。
最後に:日本のファンへのメッセージ
EAA:最後に、日本のファンに何かお伝えしたい事があればお願いいします。
アンソニー:先ほども少し話しましたが『ボーダーランズ3』からはどの国のバージョンでも全く同じ表現になるので、どれかのバージョンは他のと比べると“表現がぬるい”という問題はなくなりました。ローカライズもそれぞれご当地の声優さんを起用しましたから、誰もがフルにゲームを楽しむ事ができるようになりましたね。
スコット:今までシリーズ作品をサポートし続けてくれてありがとうございます。皆さんがシリーズに期待を寄せているというのはとてもうれしくて…言葉にしづらいですね(笑)毎回日本に来て、様々な人に会って、幾つかのゲームスタジオを訪れるときも多くの人から「実は大ファンなんです!」と声を掛けていただけるのはいつでも嬉しいです。我々にとっても、皆さんのために作ったゲームですから。
改めて、恐らく日本ではそれほどポピュラーではないFPSやハクスラゲームなのにも関わらず、これまでサポートしてくださって本当に感謝しています。
EAA:私たちもFPSの楽しさを広めていくため尽力します。
スコット:ええ。それにご存知でしょうが、『ボーダーランズ3』はファンのためのゲームです。皆さんの意見を吸収して、その上で制作しているのです。「もっと銃を!もっとクレイジーな銃を!更にクレイジーなキャラとスキルを!」。環境もそういった意見に合わせて作り込んで、とにかく一つの「巨大なラブレター」をファンの皆さんに届けるつもりでこのゲームを作ったのです。
たまにコミュニティから「新作にはバトルロワイヤルモードがついてるに違いないぜ!」というジョークも上がったりするんですけど(笑)。そんなつもりは全くありません。
FPS×ハクスラというジャンルは私たちが開拓したものだという自負がありますし、私たちがベストな作品を作れるし、このジャンルの『ボーダーランズ』というシリーズ作品を更に上の段階に引っ張り上げなくては。そんな思いとともに開発していました。
それをずっと応援してくださったファンの皆さんには感謝しかありませんし、過去作を楽しめていた人たちなら『ボーダーランズ3』も十分楽しめると信じています。もちろん、過去作を遊んだことがない方にとってもパーフェクトなスタート地点になりますよ。
EAA:『ボーダーランズ』はシリーズを通してそこが重視されていますよね。繋がってはいるものの、どこから始めても良い。
スコット:(『ボーダーランズ3』に関して)寄せられる質問でもっとも多いのは「前作をプレイしておく必要があるか」という点なのですが、「いや、その必要は全然ないよ!」と毎回答えています。新作を作る時はシリーズ初体験のプレイヤーでも完全に楽しめるようにとても注意しています。
EAA:作品ごとに主人公が完全にリニューアルされるのもその取り組みの一環ですよね。
スコット:そうです。正直に言うと、ほら。飽きるじゃないですか。少なくとも私は飽きますね。
EAA:そんな!皆素晴らしいキャラクター達じゃないですか(笑)!
スコット:その通りすばらしいキャラクター達です。ですが、ほら。数百、数千時間も付き合うとね。
アンソニー:「そろそろNPC化できるな」と(笑)。
スコット:『ボーダーランズ1』から担当してきて、ずっとヴォルト・ハンターたちをデザインしてきましたが、毎回何か新しい事をしたくなるんです。楽しく、クレイジーで真新しいものを作ろうと。一応、毎回一部のプレイヤーが「前作のキャラクターを引き継ぎだかったなー」と意見を送ってくださるんですね。それを否定しているわけではないんです。
でもそれ以上に、真新しい体験を提供したいのです。新しい4人のヴォルト・ハンターは『ボーダーランズ3』における最高の主人公たちです。最高にゲーム性がフィットしていて、最高のキャラクター性を持っています。ぜひ楽しんでください!
EAA:はい!では、本日は貴重な時間をいただきありがとうございました!
スコット:こちらこそありがとうございました。
アンソニー:同じくありがとうございました。ほらこんな所で僕たちと喋ってないで、ぜひデモプレイの続きを遊びに行ってください。
(一堂:笑)
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コメント
コメント一覧 (3件)
日本語版の体験プレイ画面でPS端末のボタン表記なんだが家庭用上位機で60fpsは出てるかな?
PC版より当然解像度と特殊効果が貧相になってるけどストレス無くやれそうだ
対人のFPSばっかやってたから息抜きにフレと楽しむ予定
楽しみだ