ライバル・プレイの配信から1週間以上が経過した『Overwatch(オーバーウォッチ)』ですが、Blizzardのプリンシプルゲームデザイナーであるスコット・マーサー氏がインタビューに答え、ライバル・プレイの現状や今後の方向性を語っています。
スキルレーティングの決定に、個人のパフォーマンスに対してグループの勝率がどれほど考慮されるのか?
とても複雑な質問。大部分は勝敗の比率だが、個人のパフォーマンス以外にも様々な要素が存在する。例えば「相手に対して自分がダークホース的な存在なのか」も考慮され、システムが相手のチームが自分よりも優れていると判断したかも関係してくる。そういった状態の時に勝利すると多くのスキルレーティングを獲得できる。その逆も然りで、自分たちよりも劣ったチームに敗北した場合は、多くのスキルレーティングを失うことになる。
これが完璧なバランスなのか?と聞かれると、そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。我々がどれぐらいの人がランキング内で上下を繰り返しているかを注視している主な理由がそれで、競技的なシステムにおいて公正さが重要だということを理解しているからこそ、特にプレイヤーがフェアと感じない場合において、プレイヤーのフィードバックに耳を傾け、それを考慮するように務めている。
スキルレーティングとMMR(マッチメイキングレート)はどれぐらい相関性があるのか?2人のプレイヤーのうち、片方が高いスキルレーティングを持っているが、もう片方がより高いMMRを持っている場合はあるのか?
スキルレーティングとMMRはとても近しい存在で、両者が相違する場合があるのか?という質問に対しての答えは「理論的には可能」という答えになる。しかし、大部分の試合では両者はお互いにとても近い存在であり、1シーズン内でプレイされる試合数を考えると心配するようなものではない。
1回の試合で複数のキャラクターや役割をまたいだ場合、個人のスキルレーティングやパフォーマンスがどのように処理されるのか?例えば、マクリーとマーシーなどは大きく役割が異なってくる場合など
プレイヤーが特定のヒーローでどれくらいプレイしているかを追跡しているが、各ヒーローのパフォーマンスの計測のされ方は個々に異なってくる。特定のキャラクターを選ぶことで、システム上有利になるような事がないようにしたい。プレイヤーにはプレイしていて楽しいヒーローや、プレイしたいヒーロー、チームの勝利に繋がるヒーローを選択して欲しい。パーソナライズされた追跡はその上での要因となるが、今後もモニターを行い改善を続けていく。
個々のパフォーマンスの評価は、ソロかグループかで変化する?
変わらない。
シーズン終了時に『Hearthstone』のように「トップX%のスキルレーティングでシーズンを終了した」といったお知らせは届く?
メッセージの内容は確定していないが、シーズン終了時に順位に応じた報酬(コンペティティブポイントを含む)が与えられるので、何かしらはある。まだどのようなものになるかは思案中。
トップ500プレイヤーのランキングがあるが、プレイヤーがランク入りしたあともプレイし続ける理由は?例えば私がシーズンの始めにランク入りしたとして、降格しないように1ヶ月プレイしなかったら?ランクは時間によって減少していくのか、シーズン中は固定となるのか?
プレイしていない期間が続いた場合、スキルレーティングが下がるシステムを追加したい。具体的には「特定の間に休止状態が続いた場合は、どんな理由があったとしてもトップ500に入ることは出来ない」といったイメージ。トップ500に入るためには、常にアクティブにプレイし続けなけらばならない状態を作り出したい。
特に新しいコンテンツが追加された後は、マップのローテーションはシーズンによって変わる?
とても興味深いアイデアだが現時点では決まっていない。今後のシーズンでの話し合いによるが「素晴らしいマップがたくさんある」といったステージに到達する前に対処したいものが存在する。『Starcraft』のマップローテーションのように、我々が手がけたほかのゲームでは同様のことを行っているので、とても良い質問と言えるが、シーズン1の時点では深い考慮は行われていない。ただ今後は必ず議論を行っていく。
『CS:GO』では「Overwatch」と言われるチートを使用していると報告されたプレイヤーの試合の記録を、他のプレイヤーが監視できる仕組みがあります。チートに対しての自己規制的な取り組みで、人力で行なうチート対策と言えます。こういったシステムが将来登場する可能性は?
そういったシステムを開発するかは分からないが、チーターを検知して彼らを排除しBANするために数多くの取り組みを行っている。具体的な取り組み内容は話すべきではないが、プレイヤーの公平性を保つための優先度は非常に高い。
現時点でもゲーム内にレポートシステムはあり、異常事態を報告することが可能となっている。報告は精査され、更なる調査への引き金となる。我々は調査のための様々なツールを保有しており、報告のあった内容が「本当に問題なのか」を調べることができる。
チックレートはクライアントのアップデートレートは20.8回/秒となっているが、より正確な競技的プレイのために、多くの人がその3倍となる60回/秒を求めている。全体、またはライバル・プレイのみでアップデートレートを向上させる予定は?
カスタムゲームでは既に、60チックと表現されているより高いアップデートレートでプレイする機能が存在していて、今は実験的な試みとなっている。
単純にダイアルを20から60に回すといった問題ではないので、気付かずににほかの問題を誘発しないかを確認したい。使用するプレイヤーのほとんどが競技的なプレイヤーになるので、この確認は重要だ。実装にはとても慎重に取り組んでいて、将来的にシステムに確信が持てるようになるに連れて再評価を行っていく。
ライバル・プレイの開始可能なレベルが25の理由は?
『オーバーウォッチ』を充分にプレイし、全てのマップやマップのオブジェクティブ、ヒーローを理解している必要はない。ただ、最低でも全てのヒーローと戦ったことがある状態を確実にしたかったから。つまり、ライバル・プレイをプレイする前にしっかりとした基礎を持って欲しかったから。
ライバル・プレイのリリース以降、ランクの分布はどのような感じに?40以下の人が何人いて、60以上は何人いるのか?中央値はいくつか?まだ1日しか経っていないけど、分布は想定通りのものになっているか?
午前中はずっとインタビューだったのでまだデータに目を通せていない。数人のストリーマーから個人的な感想と彼らのスキルレーティングは聞いたけどね。具体的な分布のデーターはまだ持っていない。
シーズン終了時に獲得できるコンペティティブポイントはどのくらい?
最上位のプレイヤーは「ゴールデンガン」を1つ購入するのにちょうどぐらいのポイント、つまり300ポイントが与えられる予定。その他のプレイヤーに関してはまだ決定していない(関連記事)。
途中退出や切断された場合、チームメイトが敗北扱いとなるのをなくす/減らす予定は?例えば5人しかいない状態で負けた場合など
誰かが試合の開始の30秒以内に抜けた場合、メッセージが表示されて敗北や途中退出のペナルティーなしで退出する選択肢が表示される。試合の途中で誰かが抜けた場合は、そのプレイヤーは敗北だけではなく途中退出のペナルティーが課される。
約1分ほど経過してもその人物が戻らない場合は、途中退出のペナルティがつかない状態で退出できるものの、敗北扱いとなる。プレイヤーには不利な状況の楽しめない試合をプレイしなければいけないと感じて欲しくない。
フェアに見えないのは理解しているが、実際のところ他の選択肢はいっそう悪いものになる。負けている時にやるべきことが、他のチームメイトが退出するように説得するという状況は作りたくない。そうすることでもたらされる結果はとても不快なものになるだろう。
残念だし我々が嫌うことでもあるが、そういった状況下ではプレイヤーに敗北をつけなくてはならないと感じている。これはあくまでもバランスを取るためで、素晴らものではないことは理解しているが、正しい選択だと思っている。
ライバル・プレイでの獲得XPを増やす計画は?
ライバル・プレイは通常より時間はかかるものの、試合時間と獲得XPの量についてはすでに考慮されている(関連記事)。ライバル・プレイへ何かしらのボーナスを設けるという議論はまだない。
プロの試合やカスタムゲームで、試合を一時停止する機能の追加は?
追加したいが、いつ追加できるかはまだ分からない。
プロの試合で人気の出そうなチーム構成は?内部ではどういった戦略が突出したものになると思っている?驚いた戦略は?
正直な所、ヒーローを設計している時や、ライバル・プレイについて考える時に、どういったチーム構成が登場するかは考えていない。
我々は開発中にゲームを競技的にプレイし始めて数年になり、もちろん「このヒーロはこの場合に使える」という瞬間はあったものの、他のヒーローにも同じことが言えた。言葉にするのは難しいけど、マーシーは素晴らしいヒーローで、彼女のアルティメットは試合の流れを変えることができるが、その一方でマーシーを含まない構成も見たことがある。
プロチームの構成は「驚かして欲しい」といったところ。ゲームのリリースから5週間という早い時期において、プロチームに色んなことを試してもらいたい。ヒーローの制限を設けるという案もでているが、その前にプロチームに様々なことを試してもらい、何が良くて何が悪いかを見ていきたい。
まだ初期の段階なのでヒーローに変更を加えなければならないし、メタは常に変化している。全てのヒーローに素晴らしいところがあるので、現時点では我々を驚かせるようなものはほぼないだろう。
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Source: Bleach Report
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