バーチャルリアリティ向けのヘッドマウントディスプレイ「Rift」を開発・販売しているOculusが、ZeniMax MediaのVR技術を盗用したとされる訴訟で、盗用は認められなかったものの、秘密保持契約違反などで陪審から5億ドル(約564億円)もの莫大な損害賠償の支払い判決が下されました。
この訴訟はZeniMax Mediaの子会社であるid Softwareに所属していたジョン・カーマック氏がOculusへ移籍する際に、id Software在籍時代に開発していたVRの機密技術を不正に流用したとしてZeniMaxが起こしたもの。カーマック氏は『Doom』『Quake』などの伝説的タイトルを開発したFPSの生みの親として知られ、現在はOculusの最高技術責任者を務めています。
裁判はアメリカのテキサス州ダラスで行われ、カーマック氏およびOculus創業者のラッキー氏も出廷。不正流用した技術がOculusに使用された点については認められませんでしたが、秘密保持契約違反が認められ総額5億ドルの賠償金の支払いが命じられました。
内訳はOculusが秘密保持契約違反で2億ドル、著作権違反で5,000万ドル、さらに虚偽表示で5,000万ドル。ラッキー氏も虚偽表示で5,000万ドル。Oculusの元CEOで、現在は同社のPC向けVR部門のトップを務めるアイリブ氏も同様の罪で1億5,000万ドルとなっています。
Oculusのスポークスマンは、判決の一部には失望しているものの、今回の訴訟で重要なのはOculusがZenimaxの企業機密を盗用したかどうかで、陪審はきっぱりとそれを否定したと語り、VRの長期的な成功を目指す姿勢に変わりはないとしています。
また、Oculusを傘下に持つFacebookの最高執行責任者のサンドバーグ氏は、同社の財務において重要ではないとしたうえで、控訴を検討していると語りました。
ZeniMax Mediaは「Rift」販売を一時停止させる請求を起こす素振りを見せているともされており、両者の戦いはまだまだ続きそうです。
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Source: Polygon
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