日本eスポーツリーグ 2018 Winter:優勝チーム「CYCLOPS」や「eスポーツの現状」インタビュー

日本eスポーツリーグ 2018 Winter:大会後インタビュー、「CYCLOPS OSAKA athlete gaming」に勝てた要因、eスポーツ界の今後などなど聞いてきた
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4月1日、豊洲PITにてeスポーツコミュニケーションズ主催の団体日本一を決定するeスポーツ全国リーグ「日本eスポーツリーグ 2018 Winter」オフライン決勝大会が開催されました。今回は表彰式や閉会後のインタビューの様子をお届けします。

日本eスポーツリーグとは

日本eスポーツリーグ 2018 Winter
日本eスポーツリーグとはeスポーツコミュニケーションズが主催するリーグで、日本各地で結成されたプロチームが1位の座をかけ闘いを繰り広げます。

”2018 Winter”の参加チームは、「Naturals北海道」「東京ヴェルディeスポーツ」「名古屋OJA」「CYCLOPS OSAKA athlete gaming」「LeGaime熊本」の計5チーム。競技種目はサッカーゲームの『FIFA 18』、格闘ゲームの『BLAZBLUE CENTRALFICTION』、そして『オーバーウォッチ』の3つです。

イベント当日までにオンライン予選トーナメントが行われ、オフライン決勝では各競技の1位と2位のチームが集まり、競技別チャンピオンを決めるとともに、リーグ総合優勝チームを決定します。

会場の様子

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

ステージの様子。会場豊洲PITの1/4ほど使用

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

会場横では格闘ゲームの別大会も開催されていた

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

MCには芸人・浜ロン氏が担当

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

各競技には実況・解説も。『オーバーウォッチ』では象先輩氏とZelunyan氏が担当

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

会場後ろには『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』のテストプレイも実施していた

激しい攻防線が行われた『オーバーウォッチ』

『オーバーウォッチ』部門の決勝大会では、「CYCLOPS OSAKA athlete gaming」と「Naturals北海道」が直接対決。両者一歩も退かない激しいポイントの取り合いが続きました。後述のゲスト、Reiji氏も「いつもプレイしているオーバーウォッチとは思えない」とコメントするほどです。

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

CYCLOPS OSAKA athlete gamingの選手たち

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

Naturals北海道の選手たち

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キルログを目で追いきれないほどの目まぐるしさ

試合内容は録画から視聴が可能です。『オーバーウォッチ』プレイヤーでなくとも、プロ同士の一歩も譲らない激しい攻防線は必見です。

日本eスポーツリーグ 2018Winter オフライン決勝選録画視聴ページ:https://www.openrec.tv/live/WyxBM_dUxKb

表彰式

試合は無事終了し表彰式では、ゲストとして大会のテーマソングを担当したアップアップガールズ(仮)の新井愛瞳氏と、イメージソングを担当したReiji氏が登壇。選手たちにトロフィーを手渡しました。

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

『オーバーウォッチ』部門優勝のCYCLOPS OSAKA athlete gaming、CLAIRE選手

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『FIFA 18』部門優勝の名古屋OJA、あつや選手

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『ブレイブルー セントラルフィクション』部門優勝のCYCLOPS OSAKA athlete gaming、フェンリッち選手

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

総合優勝トロフィーを手にするCYCLOPS OSAKA athlete gaming、黒豆選手

「CYCLOPS OSAKA athlete gaming」試合終了後インタビュー

「CYCLOPS OSAKA athlete gaming」の『オーバーウォッチ』チームの選手たちに試合終了後インタビューをお願いしたところ、快く受けてくれました。

EAA:優勝おめでとうございます。決勝戦はいかがでしたか?

CLAIRE選手:練習の時から悪い感じはしておらず、勝てて良かったです。

EAA:練習量が今日の結果に繋がった?

CLAIRE選手:練習量というよりも、予め話し合ってみんながやりたい事をある程度理解しておきました。その話し合ったことが試合で出来ました。練習量はそんなに多くはなかったかもしれないです。実質このメンバーで練習したのは3-4日だったので、どちらかというと作戦勝ちなのかなという気がします。

EAA:今日の試合で上手く行った作戦はなんですか?

CLAIRE選手:「相手がどのサポートヒーローをピックしたら、自分たちはどう動くか」をある程度決めていました。今日は相手のサポートヒーローのピックがゼニヤッタが多かったので、事前に話し合ったことが割とできたかなと思います。

EAA:逆にここ危なかったなとか、相手のチームの方が勝っていたなという部分はありますか?

CLAIRE選手:3つめのマップのルナコロニーなんですが、序盤が攻めきれそうで攻めきれなかったです。守りのときも相手のファラマ(マーシーがファラと二人一組で行動すること)に押され、ポイントを取られないか不安でした。

EAA:アップデートで多くの調整が入りましたが、最大の変化はなんですか?

チームメンバーが口を揃えて:ソンブラですね。

CLAIRE選手:ソンブラの調整が入る前と後でチーム全体の動きが全然違います。調整前の動き方をしても全然勝てないので、調整後の動きをみんなで理解するのが結構大変でした。

EAA:一番大変だったのはソンブラを操作するYnnnnnnn選手だと思うのですが、どうでしたか?

Ynnnnnnn選手:大変でしたね。

EAA:今日はうまくいきましたか?

Ynnnnnnn選手:今日は色々と環境が上手くハマったのかなと思います。

EAA:ちなみにYnnnnnnn選手はこの勝利が初の優勝経験だったとか?おめでとうございます!

チームメンバー:嬉しい?嬉しい?(笑)

Ynnnnnnn選手:嬉しい…(笑)

EAA:最後に、次のステップ・目標があればお願いします。

ta1yo選手:またオープンディヴィジョンに出て、トライアルに挑む機会があれば挑みたいですね。次は台湾で勝ちたいです。

けんもほろろ選手:自分も日本の大会ではなく、海外の大会で結果を残したいと思っています。

CLAIRE選手:海外の大会で結果を残したいです。

EAA:やはり皆さん全員、海外が目標という感じですかね?Ynnnnnnn選手も?

Ynnnnnnn選手:僕はみんなを応援しつつ、受験を頑張りたいと思います…!

チームメンバー:受験と?台湾を?両立?

Ynnnnnnn選手:いやいや!みんなを応援しつつ、勉強に専念したいと思います(笑)

Yoz選手:台湾の大会に出て結果を残したいです。

SamuraiD選手:パシフィック(Overwatch Pacific Championship)にリベンジしたいです。

チームメンバー:違うことを言え!(笑)

一同:(笑)

CYCLOPS OSAKA athlete gamingの選手のみなさんありがとうございました!メンバー同士の距離が近く、和気あいあいとした空気がインタビュー中からも伝わってきて終始笑いが絶えませんでした。インタビュー後半になると質問に慣れてきたのか、さすが大阪と言うべきなのか、メンバーからYnnnnnnn選手に対する愛あるイジリの一幕もあり、メンバーの仲の良さが滲み出ているチームだと感じました。

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

写真左から、SamuraiD選手、けんもほろろ選手、Ynnnnnnn選手、Yoz選手、CLAIRE選手、ta1yo選手

大会閉幕後インタビュー

大会閉幕後にはeスポーツコミュニケーションズ代表、筧誠一郎氏を含めた登壇者のフォトセッション及び囲み取材も行われました。

-今日終わってみて感想を一言お願いします。

Reiji氏:自分はスポーツもeスポーツもけ本気でやったことがあります。どちらももみんなで団結してひとつのことを成し遂げる。ということに関しては一緒だなと、今日は見ていて思いました。

新井氏:私もゲームが大好きなんですけど、けっこうほんわかとしたファミリーゲームばかりやっています。今日のeスポーツを見て「優勝目指してがんばるぞ!」となるようなゲームの熱さが身にしみて分かりました。ですのでもっと勉強したい気持ちになりました。

CLAIRE選手:「Naturals北海道」と対戦して、若干不安ではありましたが、無事『オーバーウォッチ』部門優勝。総合部門も優勝できたので良かったです。

あつや選手:自分は前シーズンからこのリーグに参加していて、前シーズンは部門優勝しました。今シーズンも連覇に向けて頑張って来て、なんとか負けずに終えられてここまで来れました。決勝での1戦目は0-3で負けて焦りましたが、なんとか2戦目で取り返し、連覇という結果を残せたので、個人的には良かったかなと思います。

フェンリっち選手:今まで「チーム戦」というのが、格闘ゲームでは経験したことがありませんでした。別のゲームと勝ち上がっていく経験も無く、全員で結果が残せたので良かったなと思います。

浜ロン氏:私はこの大会の事前番組に携わらせていただいて、あつや選手含め3選手とお会いしたんですけども、会うとみなさん人柄がかわいらしくてファンになるんですね。ですのでオンライン中はあつや選手を贔屓にしてたんですけど、今日は色々な人に会いファンなっちゃったので、もうあつや選手だけを贔屓できなくなりました(笑)。今後も携われるなら、選手の人となりに迫っていったり対決構造を作っていけたらいいなと思っています。

筧氏:eスポーツリーグも3シーズン目になって、いろいろなドラマが生まれ、歴史がどんどん重なってきてました。そういうところを見ていただきながら地元のチームを応援したり、いろいろな楽しみ方をしていただければいいなと思います。このリーグに関わる方がどんどん増えてきて、日本にどんどん広まってくれればと思います。

-新井さんは、eスポーツを女性の目から見ていかがですか?

新井氏:もっと女性プレイヤーが増えてくれたら嬉しいです。日本ではまだeスポーツは大々的に行なわれていなく、もっと有名になってほしい思いがあるので、まずは自分の曲「アッパーカット!」を通じて、eスポーツについてもっと知ってもらえればと思います。

アッパーカット! アップアップガールズ(仮) LIVE #アプガ

JeSUの設立など日本国内でのeスポーツ規模が拡大していますが、今後のeスポーツ、こうなってほしいという展望はありますか?

フェンリっち選手:今後eスポーツが盛り上がって、格闘ゲーマーが増えたり、ゲームが社会に少しでも認められるようになればとても嬉しいと思います。

浜ロン氏:となると強豪ライバルも増えるけどそれは大丈夫ですか?

フェンリっち選手:そのほうが、みんなでワイワイできて楽しいですよね。

あつや選手:eスポーツ自体が盛り上がってほしいというのは大前提なんですが、その中での理想は、これ1本で食べていけるような時代が来ればと思います。いま現在。自分たちも食べていけてない状況があるので、そういう時代が来てくれたら嬉しいです。

CLAIRE選手:僕のやってるゲームの周りだけかもしれませんが、高校とか大学生の子が、進路を決めるときに親御さんから「ゲームをやめて仕事をしろ」と言われて、やめてく子も多いんですね。そういう世代の人たちにも、応援してもらえるようになってくれれば思います。

-選手またはチームとして、今後の目標は?

CLAIRE選手:『オーバーウォッチ』だと、日本のチームは海外でなかなか結果が出せない状況なので、海外でも結果を残してければと思います。

あつや選手:日本eスポーツリーグに関して言うならば、今後も負けないように頑張ります。『FIFA 18』全体に関して言えば、何らかの形で世界大会に出場できたらいいなと思っています。

フェンリっち選手:個人的な話になってしまいますが、実は今『ブレイブルー セントラルフィクション』以外の格闘ゲームにも手を出し始めていて、今年のEVO(格闘ゲームの大規模大会)で『ブレイブルー セントラルフィクション』と他のゲーム、両方とも優勝を目指して頑張りたいです。

浜ロン:私は『マリオブラザーズ』で…

新井氏:聞いてない聞いてない!(笑)

一同:(笑)

-新井さんはゲームに熱中する男性について、今日ご覧になってどう思われますか?

新井氏:素敵だなと思いました。私も、私の父も妹もゲームが大好きで、新作ゲームが発売される度、買うか買わないかの家族会議を開くほどですです。将来の旦那さんも、ゲームが大好きな人でもいいかなと思います。

浜ロン氏:じゃあそのうち新井さん争奪杯みたいのやりましょうよ。

一同:(笑)

-ゲームされる方は、お三方のようにソフトな方が多いと思いますが。

新井氏:ゲームをするときの鋭い目というか、ギャップがカッコいいですよね。ゲームじゃないにせよ、何か1つに集中して前を向いて上を目指していく姿は、やっぱり素敵だなと思います。

-今回「CYCLOPS OSAKA athlete gaming」が優勝できた要因は?

CLAIRE選手:練習量を逆に減らして、メンバーで話し合いをしました。『オーバーウォッチ』は6人でやるゲームなので、それぞれ思ってることが違ってくることが多くなります。それをまとめることに重点を置いてから、練習をしたというのが重要だったと思います。

フェンリッち選手:単純にやりこんで、使用キャラの理解度を深めて、どれだけ自信をつけるかによって変わるかなと思います。今使用しているキャラは初期から使っているので、今回は迷いなく自分らしさが出るプレイをできたのが勝利への道かなと思います。

-eスポーツは世間に浸透しはじめてきており、みなさんは実績も残していますが、ゲームを生業にすることを認められてないと感じることはまだありますか?

あつや選手:やっぱりまだ広まりきっておらず、現状は盛り上がりに欠ける部分はあると思います。そういった部分でうしろめたさを感じることはありますが「そうならないようにしていこう」と頑張っているので、自分の中では前向きに解釈しています。

CLAIRE選手:僕のお母さんなどは応援してくれていますが、周りの友達をみると「(ゲームで)良い成績をとったら、それを区切りにゲームをやめな」とか言われている子の話は聞きますね。自信をつけてそのまま続けてほしいなとは思います。

フェンリっち選手:自分も家族が応援してくれています。ただ傍からはあまり良い印象を受けていません。それで自信を消失する人もいると思いますが、「なにか一つでもやり込めることがある」というのは大切なことなので、はたから言われた程度で諦めてほしくないなという思いはあります。

-これからプロゲーマーを目指す人たちに、何かアドバイスはありますか?

CLAIRE選手:僕は『オーバーウォッチ』をやり始めてもうすぐ2年経つんですけど、最初の1年間はまったく結果が出ませんでした。1年少し過ぎた頃に『オーバーウォッチ』のワールドカップの日本代表メンバーに選ばれました。1年間まったく結果が出なくていろいろ悩んだり考えたりしましたが、そのあと結果がついてきたので、「すぐに諦めずに色々な考え方をしていけば結果はついてくる」と思います。やり続ければ良いことがあるかなと思います。

あつや選手:プロゲーマーと聞くとゲームが上手い。というイメージがあります。実際そうなんですが、「ゲームの上手さ」という技術面だけでなく、周りとしっかりコミュニケーションを取ったりとか、一般的なことでいいんですけど、人として恥ずかしくないよう「メンタル面」もしっかり鍛えておいたほうが、eスポーツだけでなくいろんな場面で役立つと思います。

フェンリっち選手:ひとつの目標を決めて、ひとまず自分で楽しくできる環境を作る。ゲームの友だちを作るとか。そこから一歩踏みだして、精神面や肉体面も鍛えていき、「話しかけられやすい人」「この人ゲームしたい」と思われる人になれれば良いと思います。が自分はまだできてないですね。

-タレントさんからもなにか一言あればお願いします。

新井氏:私は13歳のときに事務所をクビになって、アイドルの道を一回閉ざされました。ですが、諦めたくないと思いから今のグループを結成しました。それから7年経ちますが、諦めなければもっと上にいけると思いますし、夢も叶うと思います。努力は必ず報われるというのはゲームでも一緒だと思うので「楽しむこと」「あきらめないこと」この2つが大事だと思います。

Reiji氏:バンドマンもプロゲーマーも、いばらの道度でいったら同じくらいだと思います。本人たちがどんなに頑張っても、周りの環境がついてこないと厳しいことがあるので、外側から発信できる存在として、お互い発信しあえるようになったらなと思います。

浜ロン氏:若手芸人が入ってくると、ますますノーチャンスになってくるので、ぜひ若者の皆さんはeスポーツを目指してもらいたいと強く思います(笑)最終的にeスポーツの授業ができたらいいなと思いますけどね(笑)

-最後に主催側の立場として、今後の大会の展開などについて、筧さんからコメントをお願いします。

筧氏:eスポーツのイメージとしてよく言われるのが、「高額の賞金が掛かってて敷居が高い」ということですが、eスポーツは要するに「電子で競技するもの」なんです。家で競技するゲームもeスポーツですし、友だちとワイワイやるのもそうですし、誰もが参加しやすい大会を私たちが用意してみなさんが来てもらうのもeスポーツです。今日、隣で開催されている『バーチャファイター』の大会も、コミュニテイーから始まって、これくほど大きな規模になっています。誰でも参加できるような大会も、最高峰がゲーマーが集まる大会でも、いろいろな大会をみなさんがそれぞれが楽しんでもらえればいいなと思っています。

日本eスポーツリーグ 2018 Winter

写真左から、Reiji氏、新井愛瞳氏、CLAIRE選手、あつや選手、フェンリっち選手、浜ロン氏、筧氏

日本eスポーツリーグ 2018 Winter:大会後インタビュー、「CYCLOPS OSAKA athlete gaming」に勝てた要因、eスポーツ界の今後などなど聞いてきた

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • >まずは自分の曲「アッパーカット!」を通じて、eスポーツについてもっと知ってもらえればと思います。

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