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Destiny 2:Bungieが脅迫男を告訴、開発者に向けられる悪意とゲーム業界全体のモラルに警鐘

Destiny 2:Bungieが脅迫男を告訴、開発者に向けられる悪意とゲーム業界全体のモラルに警鐘
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先日、SIEによる買収手続きが完了し正式にPlayStationファミリーの一員となったBungie。

そんなBungieが手掛ける基本プレイ無料FPS『Destiny 2(デスティニー 2)』は、とても大きなコミュニティを抱えているがゆえに、どうしても悪意を持った人物も集ってしまいます。 そんな一部の人達から寄せられる悪意ある発言や攻撃によって引き起こされる開発者たちの精神的苦痛は計り知れないものであり、Bungieがついに大鉈をふるってゲーム界隈全てのコミュニティのあり方へ警鐘を鳴らしています。

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大きな悪意への抵抗

デスティニー 2

Bungieはスタジオが在籍するアメリカ合衆国ワシントン州の裁判所に、特定の男性に1,500万アメリカドル(現在の為替で約20億円)の賠償金および、Bungie、関係者、『Destiny 2』プレイヤーへのハラスメント、ストーキング、求められていない接触の禁止を求めて告訴する旨の資料を提出。

提出された資料によると、男性の名前はLuca Leone氏。彼はこれまで生配信中にチートツールの販売告知を行っていたことから、Bungieに10回以上もアカウントをBANされた過去があります。 また、ゲーム内で着用できるエンブレムを販売していましたが、限定エンブレムなどが含まれることから他者のアカウントをハッキングして盗み出した可能性もあるなど、Bungieが『Destiny 2』に制定したソフトウェア利用許諾契約を著しく侵害していました。

この時点でもLeone氏の行動は真っ黒に近いのですが、Bungieを怒らせた本当の理由はこれだけではありません。

BANの常連が犯罪予告

Bungieはコミュニティとのコミュニケーションを頻繁に行っています。毎週公式ホームページで近況報告をする「今週のBungie」だけでなく、RedditやTwitterといったSNSで、各開発者たちがユーザーからの質問や開発上での意思決定の理由などを説明し、ユーザーからのフィードバックを得ています。

このように密接にコミュニティと関わると、どうしても善意だけでなく悪意も集まってきます。悪意あるコメントは発信者にとっては軽い冗談のつもりでも、向けられた側にとってはどこまでもついてまわる毒となります。 それが束となって襲いかかってくるとなると、普通の人物では精神的苦痛を感じるのは当然です。そんな悪意を向けていた人物の一人がLeone氏だったわけです。

2022年5月18日、Leone氏はTwitterにて「BungieのコミュニティマネージャーのDmg04氏が住んでいるところから30分のところに引っ越す」「彼は安全ではない」と脅迫するようなツイートをしています。 また、7月4日には「シアトルで放火できる人を探している」というとんでもない募集に、「Bungieが対象なら割引する」と返信し、翌日にはBungieに「鍵を締めておけ」とメンションを飛ばしています。 このように犯罪予告と受け取ってもおかしくないツイートをしていたLeone氏を警戒し、Bungieは今回の起訴に踏み切ったわけです。

問われるゲーム界隈全体のモラル

Bungieが告訴に踏み切ったのは、Leone氏の件だけが理由ではありません。

5月にはPvPサンドボックスデザイナーのKevin Yanes氏が、前作に登場してコミュニティからは復活が待望されていたとあるエキゾチック防具が「復刻しない」と発言すると、失望した一部の過激なユーザーがYanes氏に殺害予告をツイート。 Twitterでコミュニティと頻繁にやり取りしていたYanes氏は、アカウントを閉鎖する事態に発展しました。

BungieのシニアデザインリードのTom Fransworth氏は、「Bungieのゲーム開発者は、ゲーム全体の健全性を考慮して意思決定しています。少数派の要望より多数派の要望を優先するのがゲームデザイナーの仕事です。建設的意見はこのプロセスの一部ですが、罵詈雑言を我慢することはありません」とツイートしています。

こういったことが積み重なり、Bungieは悪意あるユーザーに対して以前より厳しいスタンスを取って、従業員の安心と健康を守るため、ついに起訴へと至ったわけです。

他のゲーム開発者も被害

2020年には『The Last of Us Part II(ザ・ラスト・オブ・アス パート・ツー)』を手掛けたNaughty DogのNeil Druckmann氏が、同作を気に入らなかったユーザーから一斉に送られてきた悪意あるツイートやメッセージを公開。見るに耐えない罵詈雑言が並べられています。

さらに、2022年4月には『ファイナルファンタジー14』を手掛けるスクウェア・エニックスの吉田直樹氏は、海外のインタビューにて、ゲームへの批判がエスカレートして開発者への罵詈雑言になってしまうことを悲嘆。開発者も一人の人間であり、開発者に向ける言葉を考えていただきたいと、同種の問題を投げかけています。

BungieのコミュニティマネージャーのDmg04氏は次のように訴えています。「開発者に向けての嫌がらせのせいで、コミュニティと積極的にコミュニケーションをとることが難しくなっています。ゲーム関連であれ、その他のコミュニティであれ、このような行為に反対する人々が増えることを望みます

この告訴の結果がどうなるかは、世界中の開発者のみならず、問題を抱えている全コミュニティが注目することでしょう。数年前では考えられなかったほど開発者と直で繋がれるオープンなコミュニティが増えていますが、他者に敬意を持ったコミュニケーションが望まれます。

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Source: Kotaku, @tomfromtheweb, @A_dmg04, @Neil_Druckmann, ForTheWin

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