Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ国内競技シーンでは、11月5日と6日にかけて招待制トーナメント「Japan Invitational 2022」を開催。それに先がけて10月29日と30日には、日本6チームによる予選トーナメントが開催され、SCARZとCrest Gaming LstがRJI本戦への出場を決めました。
「RJI QUALIFIER」完結
11月5日と6日には、日本最大の招待制トーナメント「Rainbow Six Japan Invitational 2022(RJI 2022)」がベルサール高田馬場にて有観客オフライン開催されます。
韓国からDWG KIA、フランスからTeam BDSを招待して行われるこのトーナメントには、日本からも2チームの出場枠があります。この出場チームを決定すべく、10月29日と30日には、日本国内予選である「RJI QUALIFIER」が開催。6チームによる変則型トーナメントの結果、SCARZとCrest Gaming Lst(CGL)が、来週の「RJI 2022」本戦への出場を決めました。
国内トップチーム対決はSCARZが圧勝
国内予選DAY1では、まずFNATICがFAV Gamingを2-0で、CGLがDONUTS USGを2-1で破り、それぞれ予選DAY2へと駒を進めました。
この日の注目試合は、「RJL 2022」年間1位のSCARZと、2位のCYCLOPS athlete gaming(CAG)によるBO5での直接対決でした。SCARZは先日タイ・バンコクにてオフライン開催された「ROG Masters APAC 2022 グランドファイナル」で、アジアのライバルチームを倒して優勝。アジアクラスの相手にも通用する実力のあることを証明したばかりです。
一方でCAGは、アジアのリーグ戦であるAPAC Northステージ3を首位で終え、11月21日よりスウェーデンにて開催される世界大会シックス・ヨンショーピング・メジャーへの出場が決まっているチームです。
日本競技シーンを圧倒的な強さでリードし続けるCAGと、それを猛追し年間順位で追い抜いたSCARZの対決でしたが、試合は意外にも3-0というストレートで、SCARZの完全勝利に終わりました(7-1、7-5、7-3)。
第1マップの「銀行」では、CAGからはAyagator選手がOryx(オリックス)を使った好プレイも見られましたが、攻防交代した時点で5-1とSCARZが大量リード。そのままSCARZが防衛を2連取して勝利となりました。
第2マップの「高層ビル」は競った展開となりましたが、ここでもSCARZが7-5でどうにか勝利。第3マップの「山荘」でも、SCARZが撃ち合いでも競り勝ちつつ、CAGを押さえ込み5-1で攻防交代。CAGは逆転のチャンスを掴めず、7-3で「山荘」の試合もSCARZに軍配が上がりました。
RoG Mastersでの経験や勢いをそのままCAG戦に持ち込めたSCARZは、堂々勝利でRJI本戦に出場決定。韓国のDWGとアッパーブラケット準決勝で対決します。敗れたCAGはDAY2に望みを繋ぐことになりました。
DAY2の主役はCGLに
30日に行われたDAY2は、前日勝ち上がった2チーム、FNATIC vs CGLによるBO3からスタートしました。
第1マップの「ヴィラ」では、FNATICのRamu選手が好調なパフォーマンスを見せて活躍。CGLもオーバータイムまで粘りましたが、結果は8-7でFNATICが勝利。そのまま次の「銀行」マップでも、FNATICは一気に5-1とリードし、CGLに止めを刺しに行きます。
しかしここからは、CGLのユニークな攻撃戦術が牙を剥きます。選手たちの気迫が伝わる大胆かつ意外性のある攻撃を駆使し、FNATICの勝勢を徐々に削ることに成功。1ラウンドずつ返していき、気が付くとCGLは攻撃は6ラウンドを連取し、「銀行」を5-7で勝利していました。
ディサイダーとなった第3マップ「山荘」では、途中でルール上の審議を伴う中断を挟んで視聴者サイドも一息入れつつ、三度目の熱戦に。拮抗した展開になりましたが、CGLのWh1skey選手がRamu選手との1v1を制して4-5とリードを得るなどして、「銀行」序盤からの見せた粘り強さを維持。最終スコア5-7でCGLはFNATICを下すことに成功しました。
日本シージ史に残る大激戦
DAY2の最終戦はCAG vs CGLによるBO5となりました。第1マップ「ヴィラ」ではCGLが攻撃で優位に立って5-7で勝利。第2マップ「山荘」では、オーバータイムフルラウンドの末にCAGが8-7で勝利。第3マップ「国境」ではやはりCGLが攻撃で違いを見せ、3-7で勝利。第4マップ「銀行」ではさらなる接戦となり、7-5でCAGが勝利。これにより、戦いはマップスコア2-2でタイとなり、最終第5マップにまでもつれこみました。
決戦の舞台となった最終マップは「テーマパーク」。RJL 2022全体を通して最もピック数が少なかったマップであり、CGLにとっては、シーズン1で7-8でCAGに敗れているいわくつきのマップです。
防衛サイドでスタートしたCAGは、3-0で序盤をリードして最終マップを早々に終わらせようとします。しかしCGLも粘って4-2と、防衛有利とされるこのマップでは十分なスコアで攻防交代することに成功します。
CGLは2020年末のシックスインビテーショナルオープン予選で優勝したことで一躍その名が知られ、このときの功績もあって翌年の「RJL 2021」への出場が決まったチームです。リーグ初年度は成績が振るわず、入れ替え戦に出場することになったものの、現ロースターでは最も古株であるWh1skey選手やEclair選手がチームを支え続けました。
2021年の途中からはOkOmEsH選手が加入し、全ロールをこなす高いスキルで存在感を発揮しつつチームも徐々に上り調子に。入れ替え戦も無事に勝利して、「RJL 2022」への出場権を確保します。さらに今年はArcully選手とAcerola選手を獲得し、チーム全体でパワーとタクティクスの両面が徐々に底上げされたことで、ついにCAG相手にもBO5で互角に戦えるチームとなりました。
1日でBO3とBO5の連戦をして合計99ラウンド、それもFNATICとCAGを相手にするという過酷な状況に置かれたCGLでしたが、この日に向けてチームは都内でブートキャンプを行うなど準備万全。OkOmEsH選手も声を出してチームを鼓舞します。第10ラウンドではAcerola選手がエースを獲得して5-5に追いつき、CAGにタイムアウトをとらせることに成功します。
オーバータイム突入がかかった5-6の場面で、CGLは防衛を通しきって5-7で勝利。この夜の一戦は試合そのものの重要さもさることながら、CAGとCGLが互いに力を出し切ったことで特に印象的なものとなり、キャスターを務めたCrazyPapiyoNさんも、「現役世代からシージの大会はかなりの数を見ていますが、ベストバウトに入れたい」と感涙の様子でした。
CAGを下して11月5日から行われる「RJI 2022」本戦への出場を確定させたCGLは、オフライン有観客の場で、フランスからやってくるTeam BDSと初対面します。EUリーグにおける強豪であり、世界トップクラスの実力を有するこのチームに、CGLはどう戦うのかに注目です。
11月5日よりRJI本戦スタート
RJI本戦に出場する日本チームは、年間王者であるSCARZ、そしてCAGを倒して勝ち上がったCGLとなりました。
ベルサール高田馬場で開催されるRJIですが、チケットはこちらのサイトで現在も販売中。また、会場には行けないという方に向けても、X-MOMENTのYouTubeチャンネルにて試合の模様が配信されます。
2022年における日本国内シージのクライマックスとなる「RJI 2022」では、どのようなドラマが生まれるのでしょうか。引き続きプロ選手たちの戦いに注目していきましょう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: Twitter, YouTube
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