マイクロソフトは同社のゲーミング事業で650人の人員を削減。1月の1,900人削減に続く規模縮小となる。
レイオフの対象となったのは、主にコーポレートとサポートの従業員。しかし『Call of Duty: Black Ops 6(コールオブデューティ: ブラックオプス6)』を発売予定のActivision(アクティビジョン)およびその傘下スタジオのうち、『ウォーゾーン モバイル』のチームもレイオフの影響を受けたことが伝えられている。
マイクロソフトが650人の雇用を追加削減
2023年、マイクロソフトが『コールオブデューティ』シリーズなどを手がけるActivision Blizzardを買収したのはゲーム業界にとって衝撃的な出来事だった。しかし買収から3か月ほど経った現地時間1月25日、マイクロソフトは従業員1,900人の削減を発表。これにActivision Blizzardのスタッフも含まれていたことで、ゲーミングコミュニティにはさらなる衝撃が走った。
人員削減はまだ続くようだ。Wall Street Journalなどが現地時間12日に報じた内容によると、同社はゲーム部門で約650人の人員を削減。AIへの投資負担が増加したことで、コストの削減を試みている。
ゲーミング事業を統括するフィル・スペンサー氏によると、対象者の大部分はマイクロソフト・ゲーミングのうちコーポレートとサポートに関わる従業員とのこと。今回の人員削減によって、開発中止になったゲームタイトルやデバイス、体験はないとしている。
『ウォーゾーン モバイル』にも影響か
しかしGame Fileが消息筋から聞いた話によると、今回のレイオフはActivision Blizzardが手がけるモバイルゲームのうち2作品にも影響したという。1つはアクションストラテジーゲームの『ウォークラフト ランブル』。もう1つが『ウォーゾーン』から派生したモバイルタイトル『ウォーゾーン モバイル』だ。サービスは継続するものの、チームの規模が縮小する。
マイクロソフトは後れを取っているモバイルゲーム事業の規模拡大を試みており、これはActivision Blizzardを買収した意図の1つでもある。買収前の2022年第2四半期決算では、Activision Blizzardの売上のうちモバイルゲーム関連が51%(8億3100万ドル)と、他のプラットフォーム合算を上回っていた点が注目された(決算資料)。
Sensor Towerが世界のモバイルゲーム市場について2024年も引き続き収益の安定化を予測している一方、Newzooのレポートではやや悲観的な面にもフォーカスしている。2021年からの比較で、2024年初頭時点でモバイルゲームの四半期ごとのプレイ時間は26%も減少したという。
さらにNewzooによると、世界のモバイルタイトルのうちわずか66タイトルでプレイ時間の80%を占めているという。他のプラットフォームでも「人気タイトルの顔ぶれに長らく変化がない」点が指摘されてきたが、モバイルでも新規タイトルがプレイヤーを確保するチャンスが少ないことがうかがえる。モバイルゲーム市場の展望は、マイクロソフトが期待していたものから変化している可能性がある。
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