Ubisoft(ユービーアイソフト)は『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ競技シーンにおける、2025年全体の概要を早くも公開した。
2025年は、ティア2チームにリーグ戦の昇格チャンスを与える「チャレンジャー・シリーズ」や、地域内の年間チャンピオンを決める「リージョン・ファイナル」などの新たなイベントを開催。さらに収益分配プログラム「R6 SHARE」にも大きな変化が見られる。
2025年の『R6S』競技シーンが早くも発表
2024年度のeスポーツシーンでは現在、11月7日からスタートする世界大会「BLAST R6 Major Montreal 2024(モントリオールメジャー)」に向けた準備段階が大詰め。記事執筆時点で、出場20チームの顔ぶれが定まりつつある。
そんな中、シージeスポーツを手がけるBLASTから、早くも2025年のカレンダーが公開された。いつになく早めの発表だが、それもそのはず。来年は世界全体で、変革と言っても過言ではない大きな動きが予想される。
『R6S』競技シーン2025年のカレンダー
まず、2024年現在の競技シーンの1年は、概ね以下のように進行している。
- 春期:ステージ1+シックスメジャー
- 夏期:(オフシーズン)
- 秋期:ステージ2+シックスメジャー
- 冬期:シックスインビテーショナル
以前からコミュニティで指摘されていた問題点の1つが、夏に公式戦がない点。この時期、各地域では個別のトーナメントが開催されたり、「Esports World Cup」のような、非公式ながら超巨額賞金を誇る大会が開催されたりもした。
しかし、そこでの結果はBLASTによる公式戦での順位はもちろん、シージ界における最高の舞台である「シックスインビテーショナル」の出場資格にも影響しないものだった。
そこで2025年は以下のように変更。いわゆる「ティア2チーム」、つまり地域リーグに参加していない数多くのチームに、より多くのスポットライトがあたる内容となっている。
- 3月、4月:チャレンジャー・シリーズ
- シックスインビテーショナルが終了し、2024年度の世界チャンピオンが決定した後は「オフシーズン」へ
- ティア1チームは休息期間。一方、新たな才能や熱い戦いを求める競技シーンのファンに向けて、ティア2チームによる「Challenger Series(チャレンジャー・シリーズ)」が開催される
- この「チャレンジー・シリーズ」は、各地域リーグへの参加資格をめぐる戦いとなる
- 5月:新シーズンキックオフ・イベント
- オフラインで「May Kickoff Event(5月のキックオフ・イベント)」が開催。春期シックスメジャーと入れ替わる
- 「新シーズンがエキサイティングでハイエナジーなスタートを切るイベント」とあるが、まだ詳細は明かされていない
- 6月、7月:地域リーグ・ステージ1
- 各地域で「ステージ1」が開催
- 多くは語られておらず、これまでと似たような構成と想像できる
- 8月:サードパーティー・トーナメント
- ステージ1の終了後、短い中断期間を経て「サードパーティーによる競技大会」が開催
- この点も詳細は伏せられている。
- 9月、10月:地域リーグ・ステージ2
- 各地域で「ステージ2」が開催
- 11月:シックスメジャー
- 各地域の最強チームが集うグローバル・イベント
- これまでのメジャーと同等と思われる
- 12月:リージョン・ファイナル
- 12月には新たな大会「Regional finals(リージョン・ファイナル)」が開催される
- 各地域内で行われる大会で、2025年度の地域チャンピオンを決定する
- 日本の場合は「日本チャンピオン決定戦」になるのだろうか
- 12月、2026年1月:シックスインビテーショナル予選
- 「シックスインビテーショナル2026」の出場権をかけた、LCQ(最終予選)が開催
- 2026年2月:フランスで「シックスインビテーショナル2026」開催
ティア2チームにチャンス! チャレンジャー・シリーズ
今回の変更でおそらく最大の注目ポイントと言えるのが、3月から4月にかけて開催される「チャレンジャー・シリーズ」だ。これまでのBLASTのリーグ戦に参加できなかったすべてのチームに、実力を証明するチャンスが与えられる。その構成は以下のとおり。
- オープン予選:すべてのチームがオープン予選で対戦
- グループステージ:オープン予選を勝ち上がったチームはグループステージへ。「さまざまなプログラム」で対戦
- プレイオフ:各グループのトップチームが対戦
- 昇格戦:プレイオフで最も優れたパフォーマンスを発揮した複数のチームが、それぞれの所属する地域リーグに昇格するチャンスを得る
今回の発表はあくまで先行情報。具体的に各トーナメントがどう進行するのか、何チームに昇格チャンスがあるのか、現在のリーグ参加チームが降格することもあり得るのか...といった詳細は記載されていない。
いずれにせよその目的は明確で、ティア2シーンの活性化を図り、才能を発掘することにある。
日本国内リーグ「RJL」への参加を望んでいたチームにとっては、来年度が大チャンスとなるだろう。先日のメジャーLCQでBlue Beesが証明したように、リーグに参加していない選手たちも「ティア1チーム」の選手たちと対等以上に戦えるポテンシャルを秘めている。まだ誰にも知られていない、次なる名選手がシージ界に現れることに期待したい。
R6 SHAREの進化と、アフィリエイト・プログラム
プロ競技シーンの維持と活性化に不可欠な収益分配プログラム、「R6 SHARE」にも変化が起きる。
BLASTがコミュニティから受け取ったフィードバックによると、「各年に1種類のチームアイテムしかリリースされない」という現在のR6 SHAREでは、チームの強さと安定性を不安定なものにし得るという。
そこで、2025年には新たな「R6 Share Partner Program(R6シェア パートナー・プログラム)」が始まる。来年度、R6 SHAREのパートナーメンバーは年に2種類のバンドルをリリースできる。さらにアイテムカテゴリーを拡大し、ファンがプロチームを応援する機会を増やすとのこと。
一方で、年2回アイテムをリリースするためのリソースを確保するために、サポート団体の数を調整する必要が。そこで、それぞれのチームが競技シーンにどのくらい注力しているかを考慮して、20のパートナーメンバーを選出。2025年におけるパートナーのリストは、11月のモントリオールメジャーで発表される。
とはいえ、この変更だとパートナーに選ばれなかった他の多くの団体の安定性が危ぶまれる。そこで他のチームもサポートすべく、新たに「R6 Share: the Affiliate Program(アフィリエイト・プログラム)」というものが導入される。
こちらの詳細もモントリオールで発表。アフィリエイト・プログラムは、「収益分配プールを通じて、パートナー・プログラムに含まれていないチームの運営維持に役立つ、経済的支援を提供する」とのこと。
地域リーグも構造変化?
ここまで衝撃的な内容ばかりだが、他にも発表することが控えているという。「地域リーグの構造」や、「競技エコシステムにおける、他の重要な側面の洗練」という言葉が見られるが、現時点では予想も難しい。
全体像は、やはりモントリオールメジャーを待つことになりそうだ。各団体はもちろん、シージeスポーツ全体のファンも11月の発表を楽しみに待とう。
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: R6S Esports Official
コメント
コメント一覧 (1件)
メジャーが2つになれば間違いなく理想のスケジュールだな