『THE FINALS(ザ・ファイナルズ)』のシーズン10ミッドシーズンアップデートが2026年5月7日(木)に配信され、新しい期間限定モード「Dragon's Claim(ドラゴンズ・クレイム)」が実装された。バナーを巡る5対5の陣取り合戦に、空から火を降らすドラゴンが割り込んでくるという、これまでにないルールが特徴だ。
Embark Studiosは同イベントに合わせ、サウンドチームの制作現場を収めた映像「SEASON 10 DEEP DIVE | DRAGON'S ROAR」を公開している。ドラゴンの鳴き声をゼロから作り上げた過程と、イベント用楽曲の誕生秘話を語る内容だ。本記事では映像の内容を中心に、音楽チームの仕事を紹介する。
- 3行まとめ
- 期間限定モード「Dragon's Claim」が5月7日〜28日の期間で開催中
- ドラゴンの鳴き声は自作楽器と動物の録音を合成して制作
- 楽曲はDoom・Gojira・80年代ファンタジー映画を融合させたメタルサウンド
期間限定モード「Dragon's Claim」登場
シーズン10のファンタジーテーマをそのまま体現したような新モードが実装された。ルール自体はシンプルだが、ドラゴンという第三勢力が加わることで試合の展開が大きく変わる。
「Dragon's Claim」ルール
5対5のチームに分かれ、フィールドに設置されたバナーを奪い合う。バナーを取り続けて一定時間が経過すると、地面に突き刺して「クレイム(占領)」が可能になる。クレイムが成立するとバナーを中心にゾーンが発生し、ゾーン内に滞在したプレイヤーが時間に応じてキャッシュを獲得する仕組みだ。
最終的に規定額のキャッシュを先に集めたチーム、または制限時間終了時点で多くのキャッシュを持つチームが勝利となる。注意が必要なのが、バナーを刺した瞬間にドラゴンが引き寄せられてくるという点。ゾーン内に滞在し続けることで稼げるが、上空からの炎に焼かれるリスクも同時に抱えることになる。



Twitchドロップでも無料報酬を獲得できる

イベント期間中、Twitchアカウントとembarkアカウントを連携した上でドロップ有効配信を視聴することで、無料コスメが入手できる。締め切りは5月21日(木)と早めなので注意したい。
- 1時間視聴:Wyrmmarked Sticker(ステッカー)
- 2時間視聴:Scale Crest Charm(チャーム)
- 4時間視聴:Scaelium Edge Chimera-XB スキン
ドラゴンの声はどこから来たのか
映像の前半では、オーディオリード(Audio Lead)のEd Hargrave氏がドラゴンの鳴き声制作を実演している。完成品だけを聴くと想像しにくいが、その素材は身近な道具と動物の録音から生まれていた。
Ed Hargrave氏はMedia MoleculeやFrontier Developmentsでの経験を持つサウンドクリエイターで、バイオリン奏者としての音楽的素養も備えている。S10のサウンドトラックではバイオリン演奏者としてもクレジットされており、作曲・サウンドデザイン・演奏を横断する存在だ。現在はEmbark Studiosのオーディオリードとして、チームの制作を幅広く担っている。
自作楽器とバイオリンの弓が鳴き声の核になった


制作に使ったのは、木製の箱の上に弦を張り、金属パーツで張力を調整した自作の共鳴装置だ。収音にはコンタクトマイク(振動を直接拾うタイプ)と大型ダイアフラムのコンデンサーマイクの2本を使用し、弦の振動と箱内部の反響をそれぞれ別に捉えている。この弦にバイオリンの弓を当てて引くと、低くうねるような音が生まれる。そこにEQやコンプレッサー、サチュレーション、ピッチ処理、リバーブを重ねていくことで、徐々に獣らしい質感が出てくる。
馬・鷹・ライオン。動物の声がドラゴンに変わる
自作楽器だけでは「機械的すぎる」として、次の段階では実際の動物の鳴き声を素材に加えた。使ったのは馬のいななき、鷹などの猛禽類の鳴き声、ライオンの咆哮など。これらをピッチダウンして引き伸ばすと、生物感が加わる一方で、不自然な引き伸ばし感も出てくる。

そこで活用したのがMorphというプラグインだ。2つの音を入力すると中間の形状を持つ新しい音を生成できるツールで、自作楽器の音と動物の鳴き声を合成することで、どちらでもない未知の素材が次々と生まれた。こうして得られた断片をサンプリングし、最終的には爆発音やサブレイヤーなど多数の音を重ねてドラゴンの鳴き声が完成している。
楽曲「Dragon's Claim」誕生の経緯
映像の後半を担当するのは、オーディオディレクター(Audio Director)のCarl Strandberg氏だ。シーズン1から一貫してTHE FINALSのサウンドを手がけてきた中心人物で、Embark Studiosのオーディオ全体を統括する立場にある。作曲家としてもシリーズ全シーズンのサウンドトラックにクレジットされており、同スタジオのもう一つのタイトル『ARC Raiders(アーク・レイダーズ)』の音楽制作にも携わっている。
シーズン10開始前から温めていたリフ

楽曲のアイデアはシーズン10の開幕よりも前から存在していた。まず小さなギターリフが生まれたものの、そこからなかなか発展しないまま時間が経過した。ミッドシーズンのイベントでドラゴンを登場させるという企画が持ち上がったとき、Strandberg氏はそのリフに「ドロップを入れよう」と直感したという。
Edのドラゴンボイスが曲の扉を開けた
ここで再び活躍したのがEd Hargrave氏だ。ドラゴンの鳴き声制作を担っていた彼に、Strandberg氏は楽曲用のセリフの朗読も依頼した。ドラゴンのサウンドを作った当人が声をあてることで、音と演技の質感が自然につながったとStrandberg氏は語っている。
"Who dares disturb my slumber? Fire will make your doom."
(我が眠りを妨げるとは、何者だ。炎があなたの破滅となろう)
このセリフとエフェクト処理を聴いた瞬間に、Strandberg氏は楽曲の方向性を確信した。「次の章が解放された感じがした。あとはヘビーなメタルリフを入れるしかないと思った」と振り返っている。

Doom・Gojira・80年代ファンタジーが一曲に
方向性が決まると、Strandberg氏はバリトンギターを通常よりさらに低くチューニングして重厚なリフを録音した。リズムはRoland TR-77(クラシックなドラムマシン)のバスドラムを軸に、アコースティックなメタルドラムを重ねた構成だ。

ギターサウンドのインスピレーション源としてStrandberg氏が挙げたのが、「Doom」シリーズの音楽で知られるMick Gordon氏と、フランスのメタルバンドGojiraだ。Gojiraはリズムの変則性と重低音の圧力が特徴的なバンドで、そのような「狂気的で重い質感」を意図的に取り込んでいる。
さらにフレンチホルンを加えることでファンタジー的な壮大さを演出し、シリーズを通して使われてきたTHE FINALSのクラシックテーマも密かに忍び込ませた。ミニモーグを思わせるシンセサウンドは80年代のファンタジー映画へのオマージュで、メタルの攻撃性とゲームの世界観をつなぐ役割を果たしている。異なる時代・ジャンルの要素を組み合わせながら、THE FINALSとして成立させる。それがチームの一貫したアプローチだとStrandberg氏は語っていた。
海外コミュニティの反応
映像公開から1日足らずで100件以上のコメントが集まり、サウンドチームへの支持が多数寄せられた。主な声をいくつか紹介する。
- Carlがギターを弾く姿を見ていたら、ダ・ヴィンチがモナリザを描いているところを目撃した気分になった
- ドラゴンの声が完成する前の素材を聴いたとき、BioShockのビッグダディみたいな音だと思った(笑)
- Edはまさに狂った科学者。最高にカッコいい
- このトラックをSpotifyに出してくれ。期間限定のOSTはいつもストリーミングに来ない
- Carl、Ed、オーディオチーム全員に最大の敬意を。このゲームのオーディオ体験は業界トップクラスだと思う
- フォーリーアーティストって、一日中ゴロゴロしながら史上最高の音を作ってるんだな
- GojiraとMeshuggahの名前が出た瞬間にいいねボタンを全力で押した
「Dragon's Claim」サウンド制作の舞台裏 まとめ
| タイトル | THE FINALS |
| イベント期間 | 2026年5月7日(木)〜5月28日(木) |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam)/ PlayStation 5 / Xbox Series X|S |
| 価格 | 基本プレイ無料 |
| 公式サイト | reachthefinals.com |
Dragon's Claimは2026年5月28日(木)まで開催中だ。ゲームショーの舞台裏でこれほどの音作りが行われているとは、なかなか想像しにくい。あなたはアリーナでドラゴンの咆哮を初めて聴いたとき、どう感じただろうか。
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