Activision(アクティビジョン)は間もなく、2024年のCoDシリーズ最新作を発表すると見られている。6月10日の「Xbox Games Showcase」では、実際のゲームプレイ映像が披露される可能性も。
一方でActivision Blizzard全体を買収したMicrosoft(マイクロソフト)内部では、この『CoD 2024(仮)』の売り方をめぐり議論が巻き起こっているという。Xboxのサブスクサービス「Game Pass」が、むしろ同社の利益を損なうことを危惧しているようだ。
『CoD 2024』をGame Passに入れるのは逆効果?
Xboxを中核とするMicrosoftのゲーミング事業で、昨今不確実性が高まっている。5月9日のThe Vergeの報道によると、Microsoft社内では「『コール オブ デューティ』の新作をGame Passに加えるか」をめぐり、長い議論が続いているという。
『コール オブ デューティ』のGame Pass入りは、これまで確実視されてきた。2月の時点でXbox事業を統括するフィル・スペンサー氏などから「すべてのファーストパーティゲームがGame Passで初日プレイ可能」と言質が取れており、未発表の『CoD 2024』もこれに含まれると解釈できるためだ。
しかしMicrosoftは、本来なら『コール オブ デューティ』の新作が生み出す収益が、サブスクサービスであるGame Passに入れることで損なわれることを懸念。関連して、現在のGame Passの最高グレードである「Ultimate」の月額料金(1,210円)を値上げする検討もなされたという。
Game Passの収益性はイマイチ?
ゲーマー目線では便利なGame Passだが、Microsoftの見方は異なるのかもしれない。
直近の決算で発表されたXbox事業は、62%の収益増。これはActivision Blizzardの買収によるものが大きい。しかしXbox本体の売上は、昨対比で31%の減少。Niko PartnersのアナリストDaniel Ahmad氏も、「Activision Blizzardを除けば(62%の収益増は)マイナス5%になっていただろう」とXで指摘する。
Bloombergも、CircanaのMat Piscatella氏から興味深い話を得ている。アメリカにおいて、Game Passのような「モバイルではないゲームの月額サブスクサービス」に費やされる支出額は、2021年中ごろから「横ばいから1ケタ台前半の成長」に留まるという。
Game Passは、2019年後半から2021年初にかけて大きく成長した。しかしその後は落ち着いている。「アメリカの消費者がビデオゲームにアクセスする方法としては、(サプスクよりも)ゲームや追加コンテンツの購入、および無料プレイモデルが今なお圧倒的に好まれている」という。
思い出すのは2024年1月、Ubisoftのサブスクサービスである「Ubisoft +」のディレクターPhilippe Tremblay氏による、GamesIndustry.bizとのインタビューでの発言。サブスクモデルが持つ可能性について問われた同氏は、いずれゲーマーたちは、ゲームソフトそのものを「所有しないことに心地良さを感じる」と自らのビジョンを語り、物議を醸していた。
しかしPiscatella氏のデータは、やはりゲームソフトを「プレイする権利を所有する」のではなく、実際に所有することに多くのゲーマーは価値を見出していることを示唆する。Game Passに関しては、ライブラリのソフトに永遠にアクセスできるとは限らず、「まもなく終了」の形でアクセス不可能になるタイトルもある。こうした仕組みがある限り、「所有」の優位性が失われることはないだろう。
「『コール オブ デューティ』がGame Passに入ってプレイしやすくなり、新規プレイヤーが増える」というのがコミュニティの期待する未来図だが、実際の光景は異なるのかもしれない。
なおUbisoftは、2023年8月に「Activision Blizzardからリリースされるゲームをクラウドで配信する権利」を得ており、新作『コール オブ デューティ』もUbisoftのサービスでプレイできる可能性がある。
Xboxに作戦変更の動きか
Xboxのビジネスモデルは、大きく見直される兆候がある。Microsoftは5月7日、傘下であるゼニマックス/ベセスダの系列4スタジオを解散した(IGNより)。『Redfall(レッドフォール)』をサービス継続中だったArkane Austin。『Hi-Fi Rush(ハイファイ ラッシュ)』で高い評価を得たTango Gameworks。『Mighty Doom』を手がけるAlpha Dog Studiosは閉鎖。Roundhouse GamesはZeniMax Online Studiosに加わることとなった。
ゲーム業界を含むハイテク産業のレイオフは以前から見られる動きだが、Microsoftについては1月にも1,900人もの従業員を削減。そしてBloombergによると、組織再編は今後も続く可能性がある。Xbox事業に関わる人物らは、「さらなる(従業員の)削減が進んでいる」と告げられたという。
『CoD 2024』の扱いに要注目
Xboxでは「プラットフォーム独占タイトル」を減らし、ライバルであるPlayStationやNintendo Switchでも、Xbox傘下のスタジオが手がけたゲームをプレイ可能にしていく方針が以前から語られている。長期間の調整後にやっと手中におさめた『コール オブ デューティ』シリーズについても、任天堂との10年契約を締結。Switchまたは今会計年度内に発表されるSwitchの後継機でリリースされる可能性がある。
社内のさまざまな動きが報じられ、多数の噂が飛び交う中、実際のところMicrosoft社内でどのような議論がなされているかは不透明だ。
いずれにせよ、6月10日の「Xbox Games Showcase」と、発表目前の『CoD 2024』の扱いが、Xboxの今後の展開を見抜くうえで重大なヒントになるだろう。ゲーム内容とは関係のない話とはいえ、ソフトを購入するか、Game Passを契約するか悩んでいるプレイヤーはチェックしておこう。
- タイトル:Call of Duty: Modern Warfare Ⅲ(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア Ⅲ)
- 発売日:2023年11月10日
- 対象機種:PS5/PS4, Xbox X|S/Xbox One, PC(Battle.net / Steam)
Source: X, The Verge, Bloomberg
コメント
コメント一覧 (20件)
ほなPS Plusが大成功かとゆーとぜんぜんそんなことないんよ。
そもそもの話、サブスク専業のネトフリやアマプラ以外がどこも大赤字とゆー現実。
ディズニーもサブスクのDisney+の影響で映画館の興行収入がガタ落ちで本業をめちゃくちゃ圧迫しててサブスクが悩みの種になっとる。
MSは昔からまったく成功せずセンスのないハードウェアビジネスから撤退してXboxやめろ。
こんだけ大型買収して世界有数のIP持っとるんやからITビジネスと同じくソフトウェアだけに注力すればええんや。
今やクラウドとAIでAppleの時価総額を抜いて本業は絶好調なんやからゲームコンソールなんてさっさと捨ててまえ。
もしゲーパス入り+任天堂新機種で発売で流行らなかったらもう日本では何やっても無理そう
MW2019からずっと日本じゃ暗黒期だけど、やっとまともなBO作品出るかと思えば先行き暗いな
まあVとかMW2019、2みたいなレベルじゃなかったら買うけど
Microsoftくん我が道を行き過ぎて誰も付いてこないみたいな状況になってない?
CoDはMWⅢに続いて今年もほぼク〇ゲー確定みたいなもんだし別にどうなろうと知ったこっちゃないけど
先にSHGとTA潰すべきなんじゃない?
んでCoDは数年サイクルでIWに作らせりゃいいよ
SHGは救いようないしTAもBO厨がいつも擁護してるけどちゃんと今回のMWZでやらかしてくれたしな
今年は流石にCOD君買わん
サード使い潰しと毎作使い捨てる黄金タッグよりメーカー違うし基本無料のUBIの新作にその分課金したほうがいいまである
UBIはバランス調整放棄することはあっても毎年酷似してるゲーム出さない分CODよりはサポート長いし
何より最初の出来悪くても対戦じゃなければ漬けておけば最終的に70点になる程度にはなるし
前にインディー開発者が「ゲーパスは契約金+遊ばれた時間でもお金が入るから、小規模開発では助かる」って言ってたけど
AAA級のコストが甚大でフルプライスで売れることが前提みたいなゲームはやっぱ別なんだろうな
まぁ普通に新作は1年後に追加とかで良いんじゃない
過去ゲーがローカル+クラウドで遊べるだけでも相当お得なサービスだと思うで
ましてや他のプラットフォームのサブスクと違って他社ゲームも大量にあるんだし
開発会社買って売れてるゲーム売り切ったら畳んで金にするのマジで邪悪だわ
IPを囲って二度とそのゲームの続編でないようにしたりやることがセコすぎる
Hi-Fi Rushには大満足してたんだろ?なんで潰したんだ、ふざけてるのか?
ゲーパスデイワンが足引っ張って無かったら今頃サード化なんてやってないからねw
Switchの後継機で動かすなら軽くないと無理やろ
本家じゃなくてWZMって手は有るだろうけどWZMコケたし
PS愛好家が懸念してた通りの動きになっていますね