Microsoft(マイクロソフト)は現地時間8月21日、Activision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)グループの買収に関連し、Ubisoft(ユービーアイソフト)との新たな契約を発表しました。
これは今後15年、 Activision Blizzardからリリースされるゲームをクラウドで配信する権利をUbisoftに与えるものです。背景には、買収を差し止める結論を下していた英国の規制当局に対して新たな提案を行い、改めて承認を得ようとするMicrosoftの思惑があります。
MicrosoftがUbisoftと新たな契約
2022年の初頭から始まったMicrosoftによるActivision Blizzard買収は、米国連邦取引委員会(FTC)の訴えが退けられたことにより、予定通りの買収完了に向かう形となりました。
しかし、英国の規制当局である競争・市場庁(CMA)は4月、買収を差し止める結論を下していました。この結論は現在も覆っていません。
CMAが差し止め判断をしたポイントは、買収によってMicrosoftがクラウドゲーミングの分野で独占的な地位を占めることです。CMAの翻意を促すべく、Microsoftは自社のクラウドゲーミングに関する権利を一部放棄する可能性が7月にも報道されていましたが、今回のMicrosoftのリリースによってその意図が改めて説明されています。
英国CMAにより提起された、本買収案がクラウドゲームストリーミングに与える影響に関する懸念に対処するため、当社はこの取引内容を再構築し、獲得する権利の範囲をより狭いものとします。
これには、アクティビジョン・ブリザードが今後15年にわたってリリースする、PCおよびコンソール向けの、現在および新作のすべてのゲームについて、そのクラウド・ストリーミングの権利を世界的な大手ゲームパブリッシャーであるユービーアイソフト・エンターテインメントSAに譲渡するという契約の締結が含まれます。
契約は合併完了時に有効となり、この権利は永続的なものとなります。
Microsoft
Activision Blizzardの買収計画から、クラウドの配信権のみを切り離すことでCMAに譲歩を求めた形です。CMA側も、この新たな提案に対する調査のフェーズ1を開始することを発表しています。結論は、買収の完了期日である現地時間10月18日までに下される予定です。
Ubisoftのクラウドサービスで『コール オブ デューティ』がプレイ可能
今回の契約により、Activision Blizzardによる既存・新作タイトルはすべて、Xbox Cloud Gamingで独占リリースできなくなります(ヨーロッパ除く)。また、競合他社のサービスで展開されるActivision Blizzardゲームのライセンス条件を、Microsoftが独占管理することもできなくなります。
権利を獲得したUbisoft側の発表では、買収完了後はUbisoftのクラウドサービスでも『コール オブ デューティ』シリーズなどのゲームがプレイできるようになる点に触れています。ゲーム関連のサブスクリプションは多数ありますが、どのサービスと契約するかについてプレイヤーの選択肢を増やし、「市場競争阻害」の懸念を緩和したい目論見です。
なおこのクラウドゲームサービスはUbisoft+のサブスクリプションに含まれるものですが、残念なことに記事執筆時点で日本はクラウド対象外地域です。今後アクセス可能になることに期待しましょう。
Gaming Device Power Tune for FPS
Source: Microsoft, CMA, Ubisoft
コメント
コメント一覧 (5件)
都合の悪いことはすぐ曲解しちゃうこどおじだからね…
ぼくのpsに出してくれないのがいやなの!っていうワガママちゃんだから
ベセスダの時って言うけどあれ別にSIEとそういう契約結んでたわけでもないし...
そもそも買収したいから後出しで契約結んでるだけやん
> 批判してる人たちは何なんだろう?
批判してる人の主な批判点は「そんなのはマイクロソフトの嘘である」であり、
その根拠は「ベゼスダのときも同じことを言っていたのに結局独占している」からだね。
実際その件があったからこそ、イギリスもアメリカも、
マイクロソフトが契約の穴をついて独占してしまうと警戒していて、だからこそここまでこじれている。
イギリスは、マイクロソフトの契約が信用できないと考えているから、まだ買収の許可を出していないし、
アメリカの場合は、マイクロソフトの契約は信用できないけど、法律上は認めるしかないのでしょうがなく認める、
という状態。
回収されたらいろんなハード、いろんなサイトから遊べるようになるのにそれに批判してる人たちは何なんだろう?