Microsoft(マイクロソフト)とActivision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)の買収合併を認めていない、イギリスの規制当局の競争・市場庁(CMA)への譲歩案として、マイクロソフトがイギリスでのクラウドゲーミング事業の一部権利を手放すことを検討しているようだとBloombergが7月13日に報じた。
一部権利を手放してでも合併したいマイクロソフト
約690億ドル(約9兆6,113億6,648万円)という大規模な買収合併の手続き期限の7月18日が迫っている。 元々マイクロソフトの買収に否定的な立場だったイギリスは、今年4月に正式にマイクロソフトの買収を否決した。
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ところが、7月11日にアメリカでマイクロソフトが連邦取引委員会(FTC)との裁判に勝利したことでCMAが立場を軟化。 マイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードの買収合意内容を改めれば、買収の可否について再び調査すると発表したのだ。
CMAが買収を認めなかった理由は、イギリスにおけるマイクロソフトのクラウドゲーミング事業の圧倒的な存在感だ。マイクロソフトがアクティビジョン・ブリザードを買収してもコンソール販売事業においては競争力は保たれるとしつつ、クラウドゲーミング事業はイギリスの市場シェアが60%〜70%に昇り、発展途上の市場の競争を著しく損なうとCMAは判断した。
そこでマイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードはイギリスでのクラウドゲーミング事業の一部権利を手放すことで、マーケットシェアを独占するのではないという姿勢を示してCMAから譲歩を引き出そうとする狙いだろう。
なおBloombergの取材に対し、マイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードはコメントしていない。
MicrosoftによるActivision買収の流れ
- 2022年
- 2023年
- 1月:GoogleとNVIDIAが買収に懸念
- 2月:MicrosoftがNVIDIAとの新たな契約
- 3月:ソニーに対し、10年間のCoDライセンス契約を提案
- 3月:MicrosoftがBoosteroidと10年間の契約
- 3月:英国CMAが暫定判断、「競争を著しく後退させない」
- 3月:日本の公正取引委員会が買収を容認
- 4月:英国CMAが買収を差し止めする結論
- 5月:欧州委員会が買収を承認
- 6月:Microsoftスミス氏が訪英。イギリス抜きで買収完了の可能性示唆
- 6月:FTCが連邦裁判所に買収の仮差し止め申請
- 7月11日:FTCの仮差し止め請求棄却。期限までの買収が可能に
- 7月12〜13日:FTCが控訴するも却下される(現在)
- 7月24日より:イギリス競争控訴審判所(CAT)による審理(予定)
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Source: Bloomberg
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