Microsoftが「10年間のCoDライセンス供与」を新たに提案、ソニーは却下か

03/09/202308/05/2023

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Microsoftは『コールオブデューティ』シリーズを手がけるActivision Blizzardグループの買収を進めようとしているところですが、ゲーム業界を独占する可能性が懸念され、ソニーが強く反対しているだけでなく、アメリカやイギリスの規制当局から調査の対象となっています。

ソニーとの対立を解消すべく、Microsoftは新たに、Activision買収後の10年もソニーがCoDシリーズのライセンスを有する旨の契約を提案。しかしソニーはこれを受け容れないものと見られています。

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「買収後10年もCoDはソニーのもの」という新たな契約

Microsoft provides a little more context on their 10 year CoD deal for Sony — says it guarantees future CoD on PlayStation for 10 years with same feature and release date and even grants Sony to put CoD on Sony’s subscription same time it’s on Xbox’s subscription services. pic.twitter.com/2FFf3REvc6
— CharlieIntel (@charlieINTEL) March 8, 2023

英国の規制当局CMAが公表した内容によると、Microsoftからソニーに、CoDシリーズのライセンスを10年間供与する提案があったようです。これまでは、あくまでもMicrosoftがライセンスを有しながらPS版のリリースも許可していくものと考えられていたため、一見すると対立解消のためのMicrosoftによる譲歩に思えます。

この提案では、以前から言われていたように「PlayStationでもCoDシリーズの最新作を同日リリース」し、既存の作品も含めて「同一コンテンツを維持」できることを改めて認めています。さらにXboxのサブスクリプションサービスと同時に、ソニー（SIE）の「サブスクリプションサービス（PS Plus）での発売も含める」ことを保証しています。

これまで続いてきたPS版限定コンテンツについては、XboxおよびPC版でも入手可能にするとのことで、これは以前のPhil Spencer氏の話とも合致しています。ただし、コンテンツが全プラットフォームで同じタイミングで入手できるかどうかは明記されていません。

ソニーはCoD 10年ライセンス契約に否定的

しかし、この10年間のライセンス契約に対してのソニーの回答は否定的なようです。契約後にMicrosoftからActivisionのコンテンツに制限をかける複数の方法が想定されており、実質的にXboxおよびPC版の方が有利になるよう操作される恐れを懸念しているようです。

また、ブラットフォーム間で同じコンテンツをサポートするため、MicrosoftからPS版の開発サポートをソニーに提供していくような形になるとしても、結局のところMicrosoftはXbox版の開発を優先することが考えられるため、やはり実現は困難となる模様。

MicrosftがソニーにCoDシリーズの10年ライセンス契約を提案 — 「Microsoftに任せたらPS版だけバグが多くなるかも」という懸念（CharlieIntelより、赤線部はEAA!!による）

PS版CoDのバグや値上がりも懸念

さらに技術面から言うと、PS版CoDだけのバグやエラーが発生し、結果としてPCおよびXbox版に優位性が生じるような事態になる可能性も想定。たとえソニーがそれを発見できたとしても、その時点で既にゲーミングコミュニティからのPS版CoDへの信頼が損なわれていれば、手遅れになってしまうことが懸念されています。

そもそもライセンス料を払うためにPS版CoDやPS Plusだけが値上がりしてしまう可能性も考えられるとのことで、今回の「CoD 10年契約」の提案には、ソニーが合意しそうにないことが書面からはうかがえます。

発表から既に1年以上が経過しているMicrosoftのActivision買収ですが、今なお落とし所が見えません。次回の動きとしては、3月末に欧州の規制当局（欧州委員会）が、4月末にはイギリスの規制当局（CMA）が、今回の買収に対して結論を下す見込みです。

どんな結果になるにせよ、世界のCoDコミュニティの人々が納得できる形で収束することを願います。