2009年、発売前の『Left 4 Dead 2(レフト4デッド2 / L4D2)』のトレイラーがネットに「流出」した一件。あれはValve(バルブ)自身が意図的に仕込んだ自作自演だった。元Valveライターの Chet Faliszek 氏が、最近公開された動画のなかでそう明かした。
- 3行まとめ
- 元Valveライターが、2009年の『Left 4 Dead 2』(Amazon)トレイラー流出はValve自身の自作自演だったと証言
- 米国の審査団体がトレイラー公開を認めなかったため、あえて非公式リークの体で拡散させたという
- 映像はそのまま本編オープニングになり、同作はM指定を獲得してAO指定を回避した
審査団体が公開を認めなかったから「流出」させた
Faliszek 氏は、ゲームからカットされたセリフを振り返る動画のなかでこの経緯に触れている。当時のValveは、ゲームの暴力・グロ・冒涜的な表現をめぐって、米レーティング審査機関ESRB、さらにはオーストラリアやドイツなど複数の国と衝突していたという。
ESRBは1994年から続く業界の自主規制団体だ。いまでこそ審査を受けないタイトルも珍しくないが、当時は大手小売の棚に商品を並べたいなら審査を通すしかなかった。しかもその基準は年齢レーティングの審査(関連記事:CoDの場合)だけでなく、トレイラーや宣伝画像といった広告の見せ方にまで及んでいた。
「Left 4 Dead 2とESRBの件では...公開を許してもらえなかったから、事前にトレイラーを自分たちでリークしたんだ」と Faliszek 氏は語る。ESRBがトレイラーの公開を認めなかったため、正規の承認プロセスに出す代わりに、非公式リークの体で映像を世に出したというわけだ。
「あれ(トレイラーをリークしたこと)は認めるよ。今さら問題にはならないと思う。もう20年近く前の話だからね」と本人も認めている。証言が収められた動画「Cutting Left 4 Dead Lines」は下記から視聴できる(Ars Technica経由)。
3本の指を噛みちぎられた宣伝画像も差し替えに
Valveが審査団体とやり合ったのは、トレイラーだけではない。この一件より前、同じ2009年のうちに、Valveは初期のプロモーション画像でもESRBと衝突していた。
問題の画像は、手の指を3本噛みちぎられ、残った2本で続編のナンバー「2」を表現するというもの。ESRBがこれに難色を示したため、Valveは2本の指を戻したうえで撮り直すことになった。いま知られている、指が欠けているのではなく単に内側へ折り曲げられているバージョンがそれだ。

Ars Technicaは当時、チェーンソーで人体を切り刻むゲームなのに、ロゴの噛みちぎられた指のほうが一線を越えていることになるのか、という Faliszek 氏の指摘を伝えていた。
ESRBの締め付けは、これに始まったことではない。2007年には、D3の『Dark Sector(ダークセクター)』や2Kの『The Darkness(ザ・ダークネス)』のトレイラーに対しても、年齢認証の内側で既に出回っていたものの取り下げを迫っている。当時のESRB代表 Patricia Vance 氏は「年齢認証を置いただけでは、パブリッシャーがトレイラーに好きな内容を入れてよいことにはならない」と述べ、すべてのトレイラーは広告審査評議会の原則と指針に従う必要があり、著しく暴力的な内容や、平均的な消費者に深刻な不快感を与えかねない内容は認められないとしていた。こうした空気のなかでの「流出」だった。
流出映像はそのまま本編オープニングに、ドイツ解禁は2021年
承認に出さず非公式リークとしてばらまかれたこの映像は、のちに『Left 4 Dead 2』(Amazon)の実際のイントロ・シネマティックへと転用された。そして同作はM指定(17歳以上対象)を獲得し、2年前に『Manhunt 2(マンハント2)』へ下されたより厳しいAO指定(成人のみ対象)を回避してみせた。
問題の映像は、Valve公式チャンネルにも2009年6月2日付で上がっている。ラストに出てくるのが、差し替え後の「指」だ。

『Left 4 Dead 2』は2009年に発売されたが、このゾンビシューターがドイツでリリースされたのは2021年になってからだった。発売から10年以上を経てValveがドイツ当局に再審査を要請し、その結果ようやく無修正の国際版が同国でも入手可能になったという経緯がある。
なお、ESRBの広告規定はその後改められている。現在は「ゲームの本質を反映し、本編に含まれる以上の内容を足していない」限り、本編の映像でも実写でもプリレンダーでもトレイラーに使ってよいことになっている。
審査を通せないから、自分でリークする。17年前のValveがやったのはそういう荒業だった。その映像はそのまま本編のオープニングになり、M指定でのリリースにつながっている。いまの規定なら、同じ映像は正面から出せる。当時なにが「一線」だったのかは、上のトレイラーと2枚の指を見比べておこう。
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Source: eurogamer.net, arstechnica.com
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コメント
コメント一覧 (1件)
DL版は今ライセンスの事でいろいろ揉めてるけど
やろうとすれば小売店を蚊帳の外にできるからこういう表現規制は回避できるんだよな
例えばXboxのキリングフロア3とかギアーズのリメイクはCERO通さず日本で買える
ただハードメーカーの規制が入るから結局PSがどうなるか次第ではあるけど
(無論それはそれ、これはこれと言う話でもある)