Ubisoftは『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』の次回アップデート内容を記載した、「Y9S4.2デザイナーノート」を公開した。攻撃オペレーターSledge(スレッジ)が「アーマー2+スピード2」に戻り、ソフトブリーチャーたちのバランス調整が図られている。武器調整もあり、BOSGを含むスラグショットガンの遠距離性能が弱体化された。
『R6S』Y9S4.2オペレーターバランス調整
Sledgeの項目でも説明されているように、今回のテーマの1つは「ソフトブリーチャーのバランス見直し」と察せられる。他にも、過去1~2年ほどのバランス調整を経て、便利すぎたり、不便になりすぎたりしていたオペレーターたちが修正されている。
現地時間2月3日よりアメリカ・ボストンで開催される世界大会「シックスインビテーショナル2025」直前のこの変更が、環境にどんな影響を与えるのか、今から考察を深めておこう。シーズン中での変更はテストサーバーを挟まずにリリースされるのが通例になっているため、今回のパッチも、早ければ日本時間21日深夜に出ることが予想される。
BUCK(バック)
- サブガジェット:ハードブリーチングチャージをクレイモアと入れ換え
1人でソフトブリーチとハードブリーチができる攻撃オペレーターの1人だったBuck。開発側によると、その役割はあくまでソフトブリーチャーであり、ハードブリーチもできるのは「柔軟性が高すぎた」、「多くの状況でワンマン・アーミーになっていた」。
そこで、ソフトブリーチャーの役割にフォーカスさせて、仲間との連携を必要にさせるのが変更の意図だ。代わりにクレイモアを入手したのは、突き上げ、突き下げ中の裏取り警戒ができるようにするため。
KAPKAN(カプカン)
- サブガジェット:ニトロセルを有刺鉄線と入れ換え
致命的ダメージさえ与えられるEDDに加えて、C4まで持っているという「キル獲り能力の高さ」を低減させるのが変更の目的とのこと。
代わりに、有刺鉄線を持たせた。これで攻撃側の進行をコントロールしてその動きを読みやすくしつつ、有刺鉄線を避けた相手を、EDDがあるかもしれない場所に誘い込むような使い方が期待されている。
LESION(リージョン)
- GUの最大数を9から8に減少
- GUのチャージタイムを25秒から30秒に増加
過去にも調整が図られてきたGUマイン。現在は「マップコントロールできる幅があまりにも広く、さらにコントロールするのも早すぎる」という。具体的には、アクションフェーズ開始から1分までの段階で、5つのエントリーポイントをカバーできていた。
さらに、透明化機能はなくなっても、置き方に工夫すればこれまで通りに踏ませられる。このため、透明化削除の埋め合わせで強化された分は不要と判断された。
GUを1つ減らすことで、人の出入りが多いエリアをより優先することをLesionに意識させる。これにより攻撃側の視点では、マップのあちこちにGUが散らばり、常にGUの存在を警戒せざるをえない状況が緩和されることが見込まれる。
ORYX(オリックス)
- レマダッシュ
- ダッシュ後に武器を持ち直す時間を、0.5秒から0.2秒に短縮
- 壁にダッシュした後に、武器を持ち直す時間を0.5秒から0.3秒に短縮
- 敵にダッシュした後に、武器を持ち直す時間を0.5秒から0.1秒に短縮
もともとダッシュ中は無防備になってしまうOryx。さらに、ダッシュ後に武器を持ち直すまでのクールダウンが設定されている点も弱みだった。そこで今回は、ダッシュしてから素早く武器を取り出せるようにして、攻撃側を驚かせるような立ち回りを安定させる。
この変更は、最近強化されたショットガンSPAS-12とのシナジーも期待されている。ダッシュで倒した敵に素早くとどめを刺し、さらにシールドオペレーターに対する安定性も高まるとのこと。敵を突き飛ばした場合、わずか0.1秒で武器を持ち直せるのは興味深いところだ。Oryxはアンチ・シールドとして輝けるだろうか。
RAM(ラム)
- サブ武器からITA12Sを削除
本人は別の場所にいながら、高速突き下げで階下の防衛オペレーターたちを移動させられるRam。さらにITA12Sも組み合わせ、落とし戸の破壊や進行ルートの短縮もできた。
今回はこうした利便性を低下させ、他のソフトブリーチャーよりも正確な突き下げをしてもらうためにも、ITA12Sは削除となった。
SLEDGE(スレッジ)
- スピード1からスピード2へ変更
- アーマー3からアーマー2へ変更
ソフトブリーチャー間のバランスについて、Ramの登場やフラググレネードのリワークを経た今、もう一度全体の再評価を行うとき来たという。
以前Y7S4でスピード1になった際は、「足が遅くなることで、下からの反撃に警戒しながら作業してもらう」旨が説明されていたSledge。今回は「スピードを上げることで、突き下げとは別の場所でサブガジェットが必要とされた際に素早くローテートするのに役立てる」とのこと。
攻撃オペレーターのスピード1は、もともとシステム的にデメリットの方が大きいとされている。ラウンドの制限時間は防衛側の味方である一方、攻撃側は必ず建物へと向かわなければならず、時にはマップの端から端までローテートする必要もある。さらに、足音も大きくて位置を読まれやすい。
国内外を問わず初期の「スピード2+アーマー2」に戻すよう求める声は多かったので、今回は強化と判断して良いだろう。これでSledge、Buck、Ramの間でバランスが取れそうだ。
武器バランス調整
スラグショットガン全種
- 基本スタッツ
- ダメージ減衰の開始:25メートルから15メートルに短縮
- ダメージ減衰の終了:35メートルから25メートルに短縮
- 最長射程でのダメージ:ベースダメージの70%から60%に減少
- 壁・床などの破壊の射程:短縮
Y9S1に武器の仕様がクラスごとに調整されたが、スラグショットガン系だけは例外的にダメージ減衰が「25メートルから開始、35メートルで終了」となっていた。単発銃としての操作性の悪さを考慮した結果だろうか。
しかし出てきたデータは、開発側の意図から外れていたことを認めている。もともと「普通のショットガンとDMRの中間の武器」を想定していたというスラグショットガンだが、現在はむしろDMRのように使われており、BOSGがその最たる例だ。競技シーンでも、倍率サイトと高火力のコンボで、ロングレンジを射抜く姿が国内外を問わず数多く目撃されていた。
今回の変更意図としては、やはり「普通のショットガンとDMRの中間の武器」に戻すことにある。BOSGは倍率サイトが没収されるわけではなく、結局はヘッドショット一撃キルのゲームだが、競技シーンにどう影響するのか気になるところだ。なおBOSGによるボディへの最小ダメージは、125の60%なので75になる。
- 対象武器
- ACS12
- BOSG.12.2
- TCSG12
- .44 Vendetta(スラグショットガンではないが、弾の口径設定が同じであるため。破壊性能が弱体化されるが、ダメージ設定は変更なし)
- 影響するオペレーター
- Alibi(アリバイ)
- Azami(アザミ)
- Dokkaebi(トッケビ)
- Goyo(ゴヨ)
- Kaid(カイド)
- Maestro(マエストロ)
- Vigil(ヴィジル)
- Deimos(デイモス)
G36C
- 反動改善(PC・コンソールともに)
- 縦方向:減少
- 横方向:減少
Y8S4.2で弱体化された後、Iana(イアナ)での使用率は40%、Ash(アッシュ)での使用率はたったの2%という数字に。そこで反動を緩和させ、その魅力を引き上げることになった。
なお感覚としては「Y8S4.2と現時点の中間」の反動とのこと。
- 影響を受けるオペレーター
- Ash
- Iana
TCSG12
- ベースダメージを63から75に増加
他の武器に混ざって、これまでも少しずつ手を加えられてきたTCSG。今回はダメージが約20%も上がって75になった。とはいえスラグ弾であり、(壁貫通でのダメージ減衰を考慮しなければ)キルに必要な弾数に変化はない。
意図としては、上述したスラグショットガン全種の「最長射程でのダメージ:ベースダメージの70%から60%に減少」を加味し、他の武器の道連れで弱体化されないようにするための調整だ。つまりボディへの最小ダメージが、これまで「63の70%=44」だったものが、「75の60%=45」になり、大して変わらなくなる計算だ。
- 影響を受けるオペレーター
- Goyo
- Kaid
- タイトル:Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)
- 発売日:2015年12月10日
- 対象機種:PS5, PS4, Xbox Series X|S, Xbox One, PC(Steam)
Source: R6S Official
コメント
コメント一覧 (3件)
サブハードとラムの存在が大分響いてたから、ある程度存在意義はでるんじゃないかな
ワンパンで開く穴大きくしたり早さ上げたりとか利便性ちょっとだけ改善してもよさそうだけど
SMG11、フラグ弱体化、スピード2、ACOGと失い続けてきたたSLEDGEが速さとACOGを取り戻した。喜ばしいことじゃないか!
スレッジ今更足2になってもな...って思うが
バックのハードブリーチ没収がどれだけ響くかね、いやでも微妙かな