BFV プロデューサーインタビュー:チャプター4の見どころと、日本軍・米軍が参戦する「太平洋戦線」の内容とは?

BFV プロデューサーインタビュー:チャプター4の見どころと日本軍・米軍が参戦する「太平洋戦争」の内容を一挙紹介
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6月27日よりチャプター4「逆境を超えて」が実装予定、更にその後は真新しい戦場として「太平洋戦線」の大型アップデートが予定されている『Battlefield V(バトルフィールド 5)』。 EA Play 2019にてそのプロデューサーのライアン・マッカーサー氏(Ryan McArthur)に、チャプター4の詳しい情報や「太平洋戦線」のアップデート内容、その他ゲームに関する様々な質問をぶつけてきました。

EA Play 2019で発表された内容に関しては別記事に全てまとめているので、未見の方はぜひご覧ください。

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BFV チャプター4のテーマは「近接戦闘」

Ryan McArthur 氏。笑顔の素敵なナイスガイだ。

EAA: プレイヤー体験的には、今まですべてのタイズ・オブ・ウォーにはとても強いテーマがありましたが、チャプター4「逆境を超えて」を開発している際はどのようなテーマを念頭に入れてましたか?

マッカーサー: そうですね、「逆境を超えて」はクロース・クォーター、いわゆる近接戦闘を意識していました。新マップである「Marita」や、7月末に向けて実装される小型マップもそのテーマに沿っていますね。その際に注目したのが、「襲い来る逆境や圧倒的な敵に対して、チームワークや団結力で乗り切る」というプレイ体験です。緊迫した近接戦闘でチームプレイを輝かせるのは、今までのチャプター、例えばチャプター3「炎の試練」とは違った体験になるでしょう。

EAA: 「ファイアストーム」は広大なマップを利用した戦闘がメインテーマでした。

マッカーサー: 「ファイアストーム」や、「Panzerstorm」に「Mercury」もそうでしたけど、広いオープンフィールドなゲームプレイに集中していました。ですから今度はもう少し緊密な、歩兵戦闘を重視した戦場に移したかったんです。

EAA: 6月27日に実装となる「Al Sundan」はその中間役といったところでしょうか?

マッカーサー: その通りです。「Al Sundan」は橋渡し役とも言えますね。マップ全体は大きく開けているのですが、歩兵が輝ける近接戦闘エリアも多く取ってあります。その上でビークルプレイや広大なフィールドを股にかけて戦いたいプレイヤーの需要を満たすことを意識しました。

▲大戦の書「旗なき戦い」をベースにデザインされた「Al Sundan」

EAA: マップ南側の開けたオアシスと、北側の山岳に配置されている軍事拠点の対比ですね。

マッカーサー: そうですね。

EAA: 「Al Sundan」といえば、去年のローンチ直後の頃に様々な開発スタッフが、そしてライアンさんご自身もRedditフォーラムのQ&Aセッションで「シングルプレイヤーのマップはマルチプレイ体験に適しているとは限らないので、現状そのような輸入を行う予定はない」とおっしゃっていました。そんな中で「Al Sundan」に可能性を見出して素晴らしいマルチプレイに転換させた今、他のマップ、例えば「北極光」のラストステージなどをマルチ化する予定はありますでしょうか?

マッカーサー: シングルプレイヤーのマップに関しては、今一度全て見直して何が可能なのかを模索している最中なので、明確に何かを開発中だというプランは現状はありません。ただし「Al Sundan」がコミュニティに好評であったならば、もちろんそれは私達にとって一つの開発指標となります。「ティライユール」の一部をマルチ化して欲しい! というフィードバックも数多く受け取っていますし、開発スタッフの中にもこれらのリソースを再利用してなにか面白い物を作れないか模索している方もいます。

タイズ・オブ・ウォーに沿った開発に関しては、我々はデザイナー達に最大限の自由を与えて、何が楽しいコンテンツになりえるかを好きに模索させているんです。その実例が「派生モード」ですね、「グラインド」や「フォートレス」はデザイナー達の閃きを形にしたものですし、このように既存のコンテンツを再利用して真新しいゲーム体験を提供できないかを常に考えている開発スタッフが居るんです。そして現状その試みもコミュニティに広く受け入れられているので。

EAA: 「グラインド」モードは大人気でしたね、熱中するプレイヤーも数多く、中には「グラインドだけ遊びたいからプライベートサーバーを早く実装してくれ!」なんて声も(笑)

マッカーサー: (笑)

EAA: 「派生モード」に関しては、これ以降もなにか用意されていますか?

マッカーサー: 最近のものが「フォートレス」と、6月13日から2週間実装する予定の「アウトポスト」モードです。予定されているものとしては、これが私達の最新の試みということになります。現状、それ以上はまだ開発されていませんが、「グラインド」モードや「フォートレス」モードの改善点は常に研究していますし、現状はまだ「アウトポスト」に付きっきりといった側面もありますね*。そしてそれがチャプター3「炎の試練」の最後のコンテンツで、チャプター4に関してはどんな新体験を提供するかは、実はまだ詳細を決めていない段階なんです(笑)

*注:インタビューが行われたのは「アウトポスト」実装前だった。

▲電波塔を建築して維持する建築主体の派生モード「アウトポスト」

EAA: 「派生モード」の他にも様々なコンテンツを提供する予定ですしね。「Al Sundan」や「Marita」の他にも「CQC体験」と銘打たれたマップを2つ実装予定だという話です。それらも現状は「Provence」と「Lofoten Islands」というマップ名以外はあまり詳細が明かされていないので、良ければちょっとした説明をお願いしたいです。

マッカーサー: まず「Marita」や「Al Sundan」、それに「Mercury」等のマップを見てもらうとわかりやすいと思うのですが、これらは全部64人の大人数でプレイすることを前提とした設計なんです。そして以前「分隊コンクエスト」を実装した時に一部のプレイヤーはもっと小さめで、戦術性が高いモードに興味がある事がわかったんです。その時に決めたのですが、64人用のマップを少人数用に無理やり当てはめるよりも、最初から少人数戦を前提に何枚かマップをデザインできないかと。「Provence」と「Lofoten Islands」はそんな感じで、少人数モードを軸に作られたマップとなります。

EAA: ええっと、つまり既存の「分隊コンクエスト」モードよりも更にスケールが小さい、ミクロな戦術と戦闘をテーマにしたマップとなるわけですか?

マッカーサー: それだけではなく、複数のモードに対応することになります。例えばご存知の通り「分隊コンクエスト」や、「チームデスマッチ」。それに期間限定の試験的なモードとして「フロントライン・スモール」や、他にも様々な可能性を秘めているので、様々なウィークリー・コンテンツを試すことになると思います。

EAA: 素晴らしい! 試験的なモードといえば、コミュニティ間では「5対5の競技モード」に関しての噂がありますが?

マッカーサー: それに関しては現在はまだあまり話すことが出来ないので、今後の発表を待っていただければ。

「Al Sundan」や「Marita」の見どころを大公開

EAA: 「Al Sundan」や「Marita」などの新マップに関して、開発者視点での見どころや、ぜひプレイヤーの皆さんに楽しんで欲しいポイントがあればお聞かせください。

マッカーサー: ではまず「Al Sundan」から。やはり広大さを目一杯楽しんでほしいですね。プレイヤーそれぞれの好みのプレイスタイルにフィットする場所を必ず見つけられると思います。例えば航空機が好きなら、滑走路を占拠すれば飛行機枠が2枠増えるのでそれの確保に重心を置けばいいですし、ビークルプレイヤーにとっても戦車対戦車を楽しめる戦場を用意しました。そして村落に歩兵戦用の空間もありますね。それらが普段は独立しつつも、エリアの境目では混ざり合ってくる。そういった戦車、航空機、歩兵に援護や衛生兵などのサポート系プレイの全てがシームレスに混ざり合うフルサイズのサンドボックスが「Al Sundan」一番の見どころです。マップに入ってから、プレイヤーが自分の遊びたい物に応じて好きに移動すればいいというのを重視しました。

BFV | バトルフィールド 5 新マップ “AL SUNDAN” 4K 先行プレイ映像 | BF5

一方の「Marita」は、真逆の方向を目指しました。狭くて小さい、マップの要所に歩兵が集中してエンドレスにぶつかり合うというコンセプトです。最後まで戦線を維持しつつ、上手く側面から回り込んで相手を包囲できた側、上手く建物や高度差を利用できた側が勝利するマップですね。とても楽しい、スピード感のある体験に出来たと思います。コントロールされた戦場よりも「クリエイティブなカオス」を追求した、「Al Sundan」とは全く違うプレイ感になるはずです。特に「スピード感」で、今作はシステム面ではかなりハイテンポな物になっていますが、マップ単位でスピード感を重視した物はありませんでした。緊迫した近接戦闘を提供できるマップはまだ『BFV』には実装されていなかったので、もちろん「Rotterdam」や「Devastation」はそのような側面がありますが、それ以上にマップの形からこだわりました。

EAA: 「Devastation」や「Rotterdam」だと堂々巡りになる余地がありましたが、「Marita」は両軍が真中で衝突しやすい形になっていますしね、細いバナナ型の。

マッカーサー: その通りです! 従来マップですと動き回れる空間があったのですが、「Marita」はもっと集中して、否が応にも中央で衝突する形になっていますね、それが「Marita」の最も楽しい点となるでしょう。

BFV「Battlefield V」 - 新マップ「Marita」紹介
▲細い山道と緊密な住宅街のみで構成された「Marita」

EAA: そうですね。EA Play初日のプレイテスト映像を見たコミュニティからも「これはまるで『BF1』のアルゴンヌみたいだ、森が家屋になっただけで」と言った声が挙がっていました。

マッカーサー: ええ、確かに類似点がいくつかありますね。私もLarsさん*と話していたのですが、『バトルフィールド バッド カンパニー』のマップを思い出すな、と。あとは『BF3』のいくつかの、割と古いスタイルの近接戦闘マップですね。もちろん、言われてみれば「アルゴンヌの森」も確かに似ていると思います。

*注:クリエイティブディレクターのLars Gustavsson(ラース・グスタフソン)氏。過去全ての「BF」シリーズの開発に関わってきたためコミュニティからは「Mr. Battlefield」と親しまれている(関連記事)。

BFV | バトルフィールド 5 新マップ “MARITA” 4K 先行プレイ映像 | BF5

EAA: ではもう少し踏み込んで、プレイヤーとして「Al Sundan」や「Marita」で優位に立つためのアドバイスなどはありますか?

マッカーサー: 「Al Sundan」ではとりあえず自分が最も得意とするプレイスタイルに向いた戦場に集中することです。『BF』のあらゆる要素をつめこんで様々な体験ができるマップなので折角ですから色々試してもらいたいのですが、やはり自分が得意とする戦場(戦域)を維持するのが大事ですね。「Marita」のアドバイスは、とにかく素早く、スマートに。遮蔽や高度差を上手く利用し、存分に楽しんで欲しい。「Marita」の一番のアドバイスはただひたすら楽しめるように遊ぶことだと思います。

チャプター5、久しぶりの「太平洋戦線」

EAA: 多くのプレイヤーも気になる所だとは思うのですが、「太平洋戦線」で実装する銃器に関してお聞かせ願えるでしょうか?

マッカーサー: 日本軍とアメリカ軍という新しい勢力が実装されることになるので、ご存知の通り、両勢力の武器がつまった真新しい「おもちゃ箱」も用意することになっています。日本軍を象徴する飛行機や戦車に銃器、それとガジェットは皆が満足できるように準備したいですし、アメリカ軍も同等で、太平洋戦線を浮き彫りにできる数々の兵器を取り入れています。それに太平洋ときたら、船も必要ですしね。それら全てをまるっとチャプター5で実装する予定です。

EAA: 多くの要素がありますね! これらは全て従来のタイズ・オブ・ウォーコンテンツのように一週間ずつで実装されますか?

マッカーサー: 太平洋戦線実装の際は、真新しいチャプターだということもありますし、初日の時点で多めにコンテンツを実装予定です。新しい体験になりますし、プレイヤーの皆さんに満足していただきたいですからね。ですが同時に、タイズ・オブ・ウォーで段階的に戦争の推移をプレイヤーに感じてもらうのもテーマの一つになります。

EAA: なるほど。そう言えばこれはチャプター4にも当てはまるのですが、「このタイミングでこの武器を実装した理由」と言った、開発から見た武器実装のいきさつなどはありますか?

マッカーサー: はい。一番重視するのは「チャプターのゲームプレイのスタイルに合った武器」です。近接戦闘が重視するチャプターならば、そのようなプレイングのための武器を実装したいわけですね。一発のダメージは少なめでもファイアレートが高かったり。例えばチャプター3ではやはり開けたマップで車両も交えたプレイングがテーマでしたから、最近実装された対物ライフルの「Boys AT Rifle」はテーマに沿ったものです。チャプター4の武器も、ハイスピードなテンポ重視の物になりますね。

EAA: チャプター5で実装される銃器は「太平洋戦線」というテーマの再現にこだわった物となるわけですね。トレーラーでも武器が2本チラ映りしていましたが、ビークルに関してもなにか具体的に実装予定の物がもう決まっているんです?

マッカーサー: ビークルに関しては具体的な話はちょっと出来ませんが、今後の情報解禁を楽しみにしてください。ですが少し触れる程度なら

EAA: お願いします!

マッカーサー: ビークルは私達にとっては2つの意味を持っているんです。1つ目は、勢力にとって象徴的な存在でなくてはいけません。日本軍を象徴するビークルであったり、米軍になりきれるものであったり、そんなプレイヤーの「二次大戦ファンタジー」を存分に満足させるという役割を持っています。そして2つ目は、プレイスタイルのサポートです。特に太平洋戦線に至っては、陸海の両面が混ざり合うゲームプレイになるわけですから、揚陸艇で海岸に乗り上げたり、そんなゲームプレイをサポートできるビークルを実装する必要があります。

EAA: 水陸両用ビークルなどですね。あと「BFの太平洋戦線」と聞いて『BF1942』を思い出したプレイヤーは多いと思うのですが、『1942』では海軍のビークルもゲームの大きな一部でした。駆逐艦、戦艦や潜水艦を操る事が出来たのですが、そのような海軍の要素も『BFV』に実装されるでしょうか?

▲『BF1942』では戦艦大和を操縦することができた。

マッカーサー: 詳細はやはりお話できませんが…。

EAA: 踏み込みすぎました(笑)

マッカーサー: いえいえ(笑)、ただチャプター5に関して最も重要なテーマは陸海が混ざりあった揚陸戦にあるので、まずそのコア体験を損なわないように細心の注意を払っています。

EAA: わかりました。いや、ついでに固定ファンも多かった「キャリア・アサルト」モードが復刻される可能性とかをお聞きしたかったのですが(笑)

マッカーサー: (笑)そうですね、具体的なコンテンツの実装は確約できませんが、例えば『BF3』の「Operation Metro」は復刻されます。「Operation Underground」として『BFV』で生まれ変わる予定となっていますね。私達が最も気をつけている事の一つが、「前だけを向かない」。過去の創作物の中でも格別上手く出来ていたコンテンツもきちんと復習して、過去作から勉強できる事はないか、プレイヤーが最も楽しんでいた要素を新作にも導入できないか、そんな所にもきちんと時間を割くようにしています。

▲「Metro」を再解釈して作り直した「Underground」

EAA: やはり太平洋戦線の制作に関しては『BF1942』からも参考になった部分が多かったり?

マッカーサー: Mr. Battlefieldが同じ職場に居ますからね(笑)、初代から全ての『BF』制作に関わってきた方ですから、生き字引として様々な助言を頂いています。

EAA: 羨ましい限りです。最後にもう一つ、日本刀に関してはどうなるのでしょう?あと太平洋戦線と言ったら「万歳突撃」の様な表現は外せないと思うのですが。

マッカーサー: それも詳しくは明かせませんが、「太平洋戦線」を象徴する要素や体験は全て盛り込むつもりです。私達にとって「一体、何が日本軍を日本軍足らしめたのか」という点は最重要ですし、プレイヤーが太平洋戦線に求めるファンタジーも。アメリカ軍も同じで、プレイヤーが求める表現はなんなのか、常に研究していますね。

イースターエッグや「ファイアストーム」、『BFV』の遊びの要素

EAA: そう言えばプレイテスト中にも既に目ざとく「カメラ」装備*やトラクターを「Marita」で見つけたプレイヤーが居たのですが、この様なイースターエッグはまだ未発見な物もあるんです?

*注:「Marita」のとある家屋の隅にはカメラが置かれていて、取得すると装備を捨て去って無害なカメラマンになれた。撮影された写真はPC内のゲームフォルダに保存される。

マッカーサー: それは教えられませんね(笑)!

EAA: ヒント!ヒントだけでも!

マッカーサー: ダメです(笑)頑張って見つけてください、それが一番の醍醐味ですから。ですがそうですね、ご覧の通り「ファイアストーム」からトラクターを引っ張ってきたことに関してはとてもいい仕事が出来たと思いましたし、やはり『バトルフィールド』は楽しいサンドボックスでなくてはなりません。WW2(第二次世界大戦)の再現は重要なテーマですけど、同時にちょっと意外な、クスッとできる要素もできる限り入れていきたいんです。トラクターも、試遊台で色んな人がクリエイティブな使い方をして楽しんでいましたが、そんな楽しさも忘れず『バトルフィールド』に盛り込みたいですね。

BFV Firestorm Leak Box
▲『BF4』や『BF1』にも陰謀じみた大型の謎解きイースターエッグがあったが、『BFV』では「SULIS」という組織が関わることになると見做されている。

EAA: 様々な要素が存在するのが『バトルフィールド』ですからね。「ファイアストーム」と言えば、EA Playの会場で発表されたトレーラーにはあまり情報が映っていませんでしたが、やはりアップデートの予定はあるんですよね?それと、『BFV』内での「ファイアストーム」の立ち位置についての考えをお聞かせ願えれば。

マッカーサー: はい、「ファイアストーム」も『BFV』を構成する大きなコンテンツの1つで、昨日の座談会で触れなかったのは時間不足だったからですね。30分しか用意されなかった割に話したいことが多すぎたので。なのでまだ誰も知らないような、真新しいコンテンツの紹介に集中したんです。「ファイアストーム」の話に戻りますが、まずマップ自体のアップデートですね。最近いくつか新しいロケーションを追加したばかりですが、このように提供できるプレイの幅を今後も広げていきますし、分隊蘇生機能も近日実装する予定で、ドロップアイテムのインベントリも開発中です。全体的には楽しまれているプレイヤーが多いので、今後もその体験をアップデートしていく予定です。

そして「バトルロワイヤル」というコンテンツの形式のみでなく、その他の様々な、「ファイアストーム」自体から学べることも多いですね。「ファイアストーム」の開発はプレイヤーが『バトルフィールド』に求める物を改めて知る機会だと捉えています。例えばトラクターだったり(笑)、あとは戦闘のテンポだったり、こういった遊びの要素は『BFV』に欠けていたと思います。それで「ファイアストーム」を見直してみると、例えば「Marita」をデザインする際に参考にした部分はトラクターの他にもありますし、間違いなく「ファイアストーム」のおかげで『BFV』は更に上を目指せると言えるでしょう。

EAA: 素晴らしい。「ファイアストーム」からマルチプレイに導入できるものといえば、トラクターの他にも「コリブリ」*が有ると思うのですが、そちらはどうでしょう?

*注:ファイアストームモード限定の4人乗り輸送ヘリ。武装がなく高度上限も低いため、コミュニティからはもっぱら空飛ぶ棺桶だとの評判。

マッカーサー: コリブリに関しては、私は何も聞いていませんね。開発スタッフの誰かがちょっとした何かを作っているという話はあったはずなのですが、パッとは思い出せず…とりあえず、面白い体験を提供できそうなコンテンツに関しては私達も常に模索し続けています。コミュニティが楽しいと思ったものは、クリエイターたちも喜んで作りますし。

▲「ファイアストーム」モードの輸送ヘリ。「何かを作っている人がいる」らしいが…

『BFV』が抱える問題点について

EAA: ではコミュニティが関心を持つ問題点などに踏み込んでいきましょう。例えば一番大きなテーマの「視認性」は、数々の修正(関連記事)が施されてきましたし、開発も尽力して取り組んでいますね。

マッカーサー: ええ、兵士の視認性は常に調整し続けています。やはりバランスが最重要なので、プレイヤーにとっては問題なく周囲の状況を観察できるような調整を目指しつつも、ゲームの整合性が保たれるように努力しています。

EAA: ありがとうございます。環境に溶け込めるカモフラージュや迷彩を重視しだしたというのは間違いなく第二次世界大戦の大きな側面なので、迷彩を完全に取り除くのもテーマに反してしまいますが、開発としては具体的な目標とかはあるのでしょうか?

マッカーサー: キーワードは「公平性」ですね。第二次世界大戦らしさを維持しつつも、ゲームを楽しく遊べるように。そんなバランスを追求しているのですが、やはり人によって意見は違いますし、その両者の間で丁度いいバランスを探すのはとても難しいと感じています。なのでこれからも積極的に皆の意見を聞いて、できるだけ皆が公平だと感じる所に着地できるまで調整し続ける予定です。

▲修正前の画像になるが、初期の頃は本当に見えなかった。

EAA: 公平性と言えば次の話題にも通ずるところがあります。視認性以外でコミュニティで広く議論されている要素と言えば特定の武器、例えばMMGに関する話題です。かなりのフィードバックが寄せられていると思うのですが、それに応じた調整の予定などはお有りでしょうか?

マッカーサー: 全体的に様々なデータやフィードバックを参照して、ベストなバランスを達成できるように努めています。本日も先ほどはコミュニティメンバーとMMGの公平性に関して話を聞いてきましたし、それらが強くなりすぎないようなマップデザインに関しても。武器の性能だけではなく、その武器を突出させている環境の調査も重要ですから。その様に多方面からアプローチしてプレイヤーが最も楽しめるバランスを模索しています。『バトルフィールド』は常にじゃんけんの様な相性で克服する要素を持つ面もありますから、それを軸としたカウンター手段をプレイヤーに用意するというバランスの取り方も意識しています。

EAA: わかりました、ありがとうございます。最後に一つ、ゲーム内で表示されるデータに関してですが、例えばパッチノートですと「某銃の縦リコイルが0.23増加した」という書き方をするじゃないですか。ですがプレイヤーとしては、そもそも元になる数字をゲーム内で知りえないので、この「0.23」という数値の意味がわからないわけですね。このあたりの詳細な武器スペックに関するデータをゲーム内で公開しないのは何故でしょうか?

マッカーサー: データに関しては、もちろんプレイヤーにとっては正しい判断をしたりするために必要な指標なのですが、やはりバランスが大事だと信じています。パッチノートに関しては使用者にこの銃がどの様な変化を遂げたかを知ってもらうために「X項目がY値の分だけ変更された」という書き方を取っていますが、実際にゲーム内でプレイヤーが武器を選ぶ際は比較による部分が大きいんです。二つの銃器を比較してこちらのファイアレートは?ダメージは?精度は?そのような比較と選択を素早くスムーズに行える様に、ゲーム内では現在のようなチャート形式を取っています。

チャプター5のその先へ、『BFV』という旅路

EAA: 太平洋戦線自体はどれぐらいフィーチャーする予定なのでしょうか?例えば、チャプター6やそれ以降に渡って太平洋戦線を描くという予定はありますか?

マッカーサー: チャプター5以降の話については現状はちょっと話せませんね。ですがそれらのコンテンツに取り掛かっている専門の開発チームはいます。常にゲームをアップデートしなくてはなりませんし、プレイヤーが望んでゲームをサポートし続ける限りは、私達もできる限りゲームのアップデートを続けるつもりです。例えば、もしコミュニティが太平洋戦線関連のコンテンツに根付いてくれたなら、私達の目標はできるだけ長くこのゲームをアップデートし続けることですから。

EAA: そしてその間、もし古いチャプターのコンテンツにプレイヤーが集まったら…。

マッカーサー: はい、その機を逃さずそちらのコンテンツから更に拡張していきます。プレイヤーがどのようなコンテンツを好み、何を求めているかは開発においてとても重要ですからね。ですから少人数ゲームモードに人が集まれば、例えば「Marita」や「Al Sundan」でもそれらのコンテンツを試していきたいと思います。皆が求めるコンテンツを提供しつつ、共に『BFV』という旅路を歩んでいきたいと。

EAA: そうですね、日本コミュニティも今回の太平洋戦線実装の報を聞いて沸き立っていますし、もちろんそれを抜きにしても『BFV』というゲームを心から楽しんで、私達メディアにも喜びの声や、感謝や挨拶を代弁して欲しいというメッセージを数多く受け取って来ましたが、最後に一つ、日本のファンに一言お願いいたします。

マッカーサー: プレイヤーの皆さんが私達の作っているゲームを楽しんでくれているというのはいつ聞いても嬉しいものです。なかでも皆さんがゲームの一員となっている、例えば受け継いできた精神だったり、愛している物をゲームの世界に取り込めている、そういう風に感じさせるのはゲーム開発者にとって最も重要だと思っています。特に私達は過去の歴史や先人の名誉に敬意を払いつつコンテンツを作っているわけですから、それらに直接的な関係を持つコミュニティからの意見は開発チームにとって最も貴重なものです。そしてやはりチームもプライドを持って作品と向き合っていますから、誠心誠意で作ったコンテンツが楽しんでもらえているというのは一番の励みになります。いつもながら、私達のゲームを遊んでくれてありがとうございます。皆さんのために作っているゲームなので、楽しんで頂けたら幸いです。沢山の期待を寄せられましたが、必ずその期待に添えるゲームをお届けします。なので、太平洋戦線を更に素晴らしい体験にするためのフィードバックがあるならば、開発スタッフもツイッターやRedditなどで活動しているので、ぜひお聞かせもらえたら幸いです。

EAA: その折には私も喜んで協力いたします。では本日は貴重な時間をお割きいただきありがとうございました!

マッカーサー: こちらこそ、ありがとうございました!

ライアン・マッカーサーさんより、日本コミュニティの皆様へビデオメッセージ

  • タイトル:Battlefield V(バトルフィールド V)
  • 発売日:2018年11月9日
  • 対象機種:PS4, Xbox One, PC
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BFV プロデューサーインタビュー:チャプター4の見どころと日本軍・米軍が参戦する「太平洋戦争」の内容を一挙紹介

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コメント

コメント一覧 (10件)

  • 公平性求めるなら対空火器増やしてよ
    まじ飛行機ウザいわ

  • ゴールド武器迷彩解除の難易度を緩和して欲しい。
    特に目標エリアでヘッショ決めるやつ。

    • 明確に激戦区になる拠点があるマップで、正面からじゃなくて横から足止めてる奴の頭を抜く感じでやるとよろし

  • のんきにインタビュー受けてる暇あったらバグ直せ

    • バグ直せとかそういうのはここではなく直接DICEに伝えるべきなのでは...?

    • うーん、この…
      もしかしてこういう時に表に立つプロデューサーがバグ修正担当してると思ってる?

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