アウトポストが終わり2週目に入った『Battlefield V(バトルフィールド 5)』ですが、毎週恒例の公式通知である「今週のBFV」の第2号がRedditにて発刊されました。
先週と違って特筆すべきイベントの開催予定はありませんが、代わりに本記事では今週のToW(タイド・オブ・ウォー)と新武器であるM3グリースガンの性能をカバーしていきます。
今週の公式テーマは特殊天候
1月16日に開始された「太平洋の戦い」最後の週間となるToW。今週は期間限定モードがない代わりに、特殊天候が確実に発生するコンクエストローテーション「レイン&シャイン」が準備されています。
BF1の濃霧から得た教訓
バトルフィールドシリーズにランダムで発生する特殊天候が実装されたのは『BF1』から。当時はほぼ全てのマップにおいて高確率で試合中に濃霧が発生し、プレイヤーの視界やスポットシステムを阻害していました。
『BF1』における革新的な要素の1つでしたが、コミュニティからの評価は賛否両論でした。霧に紛れて逆転や裏とりができやすくなる一方、視界やスポット阻害を単純にウザいと感じたり、あまりに高確率で発生するのでひたすらくどく感じると言った意見も多く寄せられたのです。
進化したBFVの特殊天候
『BF1』での評価はお世辞にも良いとは言えませんでしたが、戦闘中にランダムでマップの模様が変化するのは紛れもなく素晴らしいアイデアです。DICEも同じ思いを抱いたのか、『BFV』では特殊天候を削除せずに、一歩前へと進化させました。
Our weather states in BFV change more frequently and are really different from each other. So overall we get more variety. I agree with you that we don't want to get back to 15 min match in dense fog on Giant Shadow. Rather 3-5 min maybe.
— DICE (@EA_DICE) October 31, 2018
「私たちもGiants Shadowの濃霧を15分間も浴び続けるのはもうごめんだから」と、マップごとに多種多様な特殊天候を実装し、発生率と発生時間も大幅に抑制したのです。
しかし発生率や効果を抑えすぎたのか、コミュニティではいまだに『BFV』の特殊天候に遭遇したことがないというプレイヤーや、特殊天候に遭遇したのに気づいていなかったというプレイヤーも。
自然な形で実装されていることの証拠ではありますが、せっかく作られた要素が日の目を見ないのはあまりにももったいない。今週のプレイリストもそれを踏まえたのか、特殊天候が確実に、しかも長時間発生する仕様になっています。マップによっては常時発生しているものも。
ダイナミックワールドデザイナーのリアさんが以前TwitterでHamadaの砂嵐は大体9~12試合に1回発生すると明かし、コミュニティから惜しがられていましたが、今週は心ゆくまで砂まみれになれそうです。
ToW報酬はM3グリースガン
The power you're supplying ⚡ is electrifying ⚡ pic.twitter.com/8s0W5BdvBo
— Battlefield V (@Battlefield) January 15, 2020
1月16日に開始されるToW(タイズ・オブ・ウォー)は、占拠・偵察・治療・建築など、さまざまな兵科を使いこなして味方をサポートするのがテーマ。そして報酬は新SMGのM3グリースガンとなっています。
1941年、世界最優の短機関銃とも言われていたトンプソンを有していた米国陸軍は1つの問題に直面していました。西部戦線でのSTENやMP40を観察した結果、短機関銃は近代戦において高い戦術的有効性を持っている事が明らかになりましたが、肝心のトンプソンが高すぎる。
木製部品が多く、古き良きガンスミスたちの職人芸が光るトンプソンですが、コストはSTENの約17倍。大量生産に適したSMGを別途開発するためにも、米陸軍武器科はSTENのように生産性を重視した短機関銃の独自開発に乗り出しました。
そこから紆余曲折して生まれたのがM3グリースガン。トンプソンと同じく大口径の45APC拳銃弾を使用し、重量は3.7kgとトンプソンよりも1kgも軽く、何よりトンプソンの半分の価格と、より少ない熟練工で生産ができたのです。終戦直前に改修を加えたM3A1も生産されましたが、こちらは1990年代まで長く使われる名銃となりました。
至近距離は3発キル、キルタイムはMP28に酷似
M3グリースガン最大の特徴は450という『BFV』のSMGで最も遅いファイアレートと、10mまでは3発キルという圧倒的な近距離威力でしょう。ただし遠距離性能はそうでもなく、最低ダメージは12。これはMAB38やMP34などの遠距離用SMGの13よりも僅かに劣る結果で、しかもM3はリコイルも大きめに設定されています。
具体的なTTK(キルタイム)は『BFV』解析サイトのSym.ggフォーラムに投稿されている理論TTKを用いて比較してみましょう。このデータはプレイヤーが武器の縦反動を殺しきり、立ちADSでフルオート射撃という条件を前提に演算されたものです。
TTKデータを比較してみると、たしかにM3グリースガンは特出した性能がないように見えます。近距離もしくは遠距離だけならより優秀なSMGが存在するので、カテゴリーとしては中程度のファイアレートを持つ汎用的なSMGと同じ場所に収まるでしょう。
実装前は現在大人気な試製一型への対抗馬になるかと期待されていましたが、実際のM3のTTKモデルは既存のMP28に似ているので、今以上に環境を変化させることは難しいでしょう。
ただしTTKからだと見えない利点としては優秀なマガジン火力が挙げられます。10mまでのマガジン火力は拡張マガジンを付けたトンプソンとSuomiが1250、試製一型が1020ですが、M3グリースガンはそれらに次ぐ990。
ファイアレートも低いので撃ちすぎて余分に弾を消費するという現象も起きづらく、筆者はM3のほうがワンマガジンによる連続キルがやりやすいと感じました。弾が切れたタイミングでデスすることが多いと感じたプレイヤーは、ぜひ使ってみてください。
サプレッサーに隠された凶悪機能
M3グリースガンのもう一つの特徴は専門技能のサプレッサー。デフォルト状態で消音機能を持っている武器としてはCommando Carbineが既にありましたが、専門技能として実装されたのはこれが初。
『BF4』ではサプレッサーは発砲音がミニマップに映らなくなる効果を持っていましたが、『BF1』からは発砲による被スポット自体が撤廃。サプレッサーも音を変えるだけのただのお遊び要素かと思われていましたが、昨日に驚くべき事実が明らかになりました。
なんとサプレッサー付き銃器で撃たれた側は、ダメージインジケータがUIに表示されなくなっていたのです。詳しい事情がEAコミュニティマネジャーのAdam Freeman氏から語られました。
ハリウッド映画などでよく使われているサプレッサーの演出は実際の消音効果からかけ離れているというのは、軍事関係者から何度も指摘されてきている事実です。『BFV』においても検討の結果、フィクションの演出よりリアリティを重視し、現実においてのサプレッサー音を再現することにしたそうです。
『BFV』ではプレイヤーの環境や、音源との距離に応じて細かに音声が変わる仕様となっていますが、その機能を応用してよりリアルなサプレッサーM3の音声を追求。特に3人称で銃器と距離を置いている際に違いが分かりやすくなっています(比較音声サンプル)。
ただしそれだけではゲームプレイに影響がないからと実装されたのは「サプレッサー武器に撃たれたプレイヤーは、相手の方角がUIに映らない」という機能。実はCommando Carbineの頃から実装自体はされていたのですが、使用率が低いため気づかれないままだったそうです。
今回始めて公開されたサプレッサー武器の秘密機能、全体からすると好意的に受け止められているようです。サプレッサー武器をこれ以上実装する予定はあるのかという問いには一律「答えられない」と返しているFreeman氏ですが、他にサプレッサーを実用化していた二次大戦銃器はまだまだあります。今後が楽しみです。
おまけのQ&A
Braddock512:EAコミュニティマネジャーのJeff氏。DICE LA勤務なので今年の年明けにはその行方をBFプレイヤーたちから心配されたが、Jeff氏のみはしばらく『BFV』担当のままになる模様。
Q:チャプター5もこれで終わりだけど、チャプター6に関しての新情報はなにもないの?
Braddock512:来週になったら、何かしら公開できるようになるはずだ。
Q:BTKについての続報はないのかな?
Braddock512:開発内でも盛んに協議されているけど、何も決定していないので公開できる情報もまだない。みんなこの件について苛ついているのはわかっている、それに関しては本当に申し訳ない。
Q:武器庫で一部のレアやコモンスキンが課金限定になっている件についてお聞きしたい。課金限定はエピック等級のスキンだけじゃなかったの?
Braddock512:低レアリティなのに課金バンドルでしか入手できないスキンに関しては、みんなが不満と不信を感じているという事実をはっきりと開発スタッフに伝えたよ。現在は返答待ちだ。
Q:戦車の外見カスタマイズはいつごろ実装されそう?
Braddock512:詳しくは公開できないんだけど、ちょうど今朝の報告で良い感じの情報を受け取ったんだ。実装時期はまだわからないけど、クライアント内で「近日公開」の看板を一年も下げ続けていることに関しては、開発も急いで仕上げたいと思ってはいる。
Q:今後の情報公開の形式についてはどうなるのかな。去年みたいにロードマップを通して行われるの?
Braddock512:今週のミーティングでの大きな話題の1つはそれだった。結果からみると、ロードマップ形式は問題だらけだからね。それと、あとは5.2アップデートのフィードバックを踏まえていろんなことが協議された。方針が確定次第、私かFreemanさんがみんなに公開することになっている。
Q:会議の内容を公開できないのは分かるけど、EAコミュニティマネジャーが普段はどんな情報をDICEにフィードバックしているのかは教えてもらえる?
Braddock512:いちばん大きな部分はもちろんだけど、5.2の武器バランスだよ。あとは以下の感じだ。
- アンチチート
- チームバランス
- 武器庫とコスメ
- スポーン位置
- 進行度システム
- コミュニティゲームズ
- データマイニングされた未実装要素
- UIの問題
- 他にもたくさん
Q:武器がラウンド終了後にアンロックされない問題について、EA Helpに連絡すればすぐ直してもらえるのは分かるんだけど、EA Helpみたいなサービスを使いたくない場合の回避方法はないの?
Braddock512:その問題を引き起こしている原因は2つある。
- 1.リザルト画面を表示させずに試合を途中抜けをすると、武器が解除されなくなっている。これはリザルト画面表示と同時にアンロックされるシステムになっているから
- 2.バグによってリザルトが表示されないと、兵士ランクがあがった上でリザルト画面を表示させるとアンロックされる
だから、一応EA Help抜きでもバグの回避は可能だ。兵士もしくは兵科ランクを上げてから正常なリザルト画面にたどり着ければ、バグっていた武器装備が一斉にアンロックされる。
『Battlefield V(バトルフィールド 5)』の発売日は11月20日で、対象機種はPlayStation 4、Xbox One、PC。
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