BungieとUbisoftが連名でFPSゲームのチートツール販売業者を提訴

『Destiny 2 （デスティニー 2）』を開発しているゲームスタジオ「Bungie」と、『Rainbow Six Siege（レインボーシックス シージ）』の開発スタジオの「ユービーアイソフト」が、チートツールによって被った被害ならびに著作権侵害の損害を求めて、チートツール販売業者Ring-1.ioの責任者5名を相手取り訴訟を提起しました。

チーターに蝕まれるゲーム業界

ゲーム業界に蔓延る悪と呼ぶべき「チート行為」を不正利用するチーターにより、ゲーム開発スタジオもゲーマーもゲームそのものの評価も著しい被害を被っています。日々増え続けるチーターとそれらを処罰するチート対策班との戦いはイタチごっこですが、残念ながら開発スタジオが対策できる速度よりも早くチーターは増殖し続けています。

Bungieはそんなチーターが使用しているチートツールを販売している業者を根本的に叩くべく、昨年に『Valorant（ヴァロラント）』や『League of Legends（リーグ・オブ・レジェンド）』の開発スタジオRiot Gamesと手を組んでチートツール販売業者を訴えましたが、今度はユービーアイソフトと共同で7月23日にチートツール販売業者のRing-1.io（以下Ring-1）を相手に訴訟を提起しました。

様々なゲームタイトル向けのチートツールを販売する業者を提訴

BungieとUbisoftが連名で裁判所に提出した書類によると、チーターはゲーム会社にトラブルと損害をもたらし続け、会社にとって回復不可能なほどの影響が売上に及び、通常の正規プレイヤーが努力して手に入れた報酬を無価値にしてしまうといった問題を掲げています。

Bungie側は毎週末にPvPプレイヤー向けに「オシリスの試練」というエンドゲームコンテンツを目玉の一つとして提供していますが、「オシリスの試練」では7連勝しないと最高峰の報酬を入手できません。 一度の敗北のみ帳消しにしてくれるセーフティネットはありますが、チーターとの戦い＝敗北の確率が跳ね上がってしまう現在のPC版オシリスの試練は、チーターに遭遇しないことを祈るしかないコンテンツと成り果てています。

そのため、一般プレイヤー側に多大なストレスを与え、チーターと戦う苦労と報酬が見合っていないことから有名配信者達もオシリスの試練をプレイしないと公言するなど、Bungieのビジネスモデルに多大な問題をもたらしているとも記載しています。 このような理由から両社は損害賠償と営業停止を求める提訴をしています。

今回訴訟を起こされたRing-1では『Destiny 2』と『レインボーシックスシージ』だけでなく、『Call of Duty: Modern Warfare （コール・オブ・デューティ: モダン・ウォーフェア）』、『Dead by Daylight （デッドバイデイライト）』、『PlayerUnknown’s Battlegrounds (プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ)』、『Rust (ラスト)』といった6作品を対象としたチートツールをサブスクリプション形式で販売しています。

さらに、Ring-1の公式ページでは先述した他会社のゲームとあわせて、両社のゲームのロゴや画像を無断使用していることから、Bungie/ユービーアイソフトはRing-1を著作権と商標の侵害としても提訴しています。

はたしてこの裁判の行方がどうなるのか、いつ裁判が始まるのかも不明ですが、1日も早いチーターへの鉄槌が下されることを期待しています。また、この裁判の流れに乗り、各ゲームスタジオがチート販売業者を提訴してチーターを撲滅する流れが加速することも願います。

Source: Torrentfreak