エーペックスレジェンズ：最新メタは「キーボード＆マウス+コントローラー」二刀流？ プロも苦しむエイムアシストの強さ

Respawn Entertainmentの『Apex Legends（エーペックスレジェンズ）』ではシーズン10「エマージェンス」が進行中。この新シーズンで登場した新レジェンド・シアと、地上アイテムに戻ってきたプラウラー、そしてゲームコントローラーのエイムアシスト機能に関連して、一部のプロ選手たちは真剣にコントローラーへの移行を考えているそうです。

シーズン10環境はエイムアシストが有利？

エーペックスにはクロスプレイ機能があり、キーボードとマウスで操作しているプレイヤーと、PS4コントローラーなどで操作しているプレイヤーとが同じマッチでスキルを競い合えるのが魅力の一つです。

一方では、FPSゲームにおいては長らく「コントローラーはキーボード・マウスに対して不利」という見方が支配的です。とりわけ不利になるエイムの精度差を補うために、エーペックスにもコントローラー操作にはエイムアシスト機能がついています。

ところがこのエイムアシスト機能、以前からも議論は見られていましたが、シーズン10環境でははっきりと、キーボード・マウス操作よりも強いのではないかと一部のプロ選手たちから懸念されています。

シーズン10では、新レジェンド・シアのアビリティを使って敵の位置を特定し、SMGを構えて近距離で一気に勝負をする、という戦い方が非常に便利になったことで、接近戦では強いとされるエイムアシストの評価が急上昇しているそうです。

プロチームNRGに所属するsweet選手も配信の中で、現環境は並程度のコントローラー・プレイヤーでもプラウラーを使えば簡単に勝てると指摘し、配信に声のみ出演しているTSM FTXのSnip3down選手（彼自身もコントローラー勢）も、手足がめちゃくちゃ長いプロバスケットボールチームみたいだと、コントローラー勢と対戦した感想を述べています。

他にもTSM FTXのAlbralelie選手が、キーボード・マウスからコントローラーへの移行について考えている旨をツイートしています。

Want some opinions here, would it be completely stupid for me to just full commit to a controller swap? I genuinely don't believe i can achieve their level of consistency close range even if i aim train 4 hours a day on top of playing as much as i am.

— Albralelie (@TSM_Albralelie) August 5, 2021

Albralelie：ちょっと意見を聞かせて欲しい、全部コントローラーに切り替えてしまうというのは完全に馬鹿げたことだろうか？ 1日4時間のエイム練習をしても、近距離で彼ら（コントローラー勢）のようなレベルの安定性を達成できるとはとても思えない。

これに対してリプ欄では、同じチームのImperialHal選手が「自分もやってみたけどすぐ飽きた」と反対意見を述べています。

一方でsweet選手は、新しいメタとして、プロチームを構成するメンバーにコントローラー担当を1名採用し、プラウラーを持たせて近距離戦闘に対応させるという斬新なアイデアを出しています。プロチームもキーボード・マウスの選手2名とコントローラーの選手1名という、ハイブリッド型になっていくのでしょうか。

キーボード・マウスとコントローラーの二刀流？

他の選手たちと同様に、プロチームCloud9のPVPX選手も、エイムアシストの恩恵を受けるためにコントローラーへの移行を検討している旨をツイートしています。

そこへ現れたのがストリーマー界の大御所Shroud。彼はPVPXに「両方使ってプレイするメタ」について語っています。

I always thought the meta would be to learn both and swap as you play. Since we're going deep into cross play.

— Michael Grzesiek (@shroud) August 8, 2021

Shroud：いつも（キーボード・マウスとコントローラー）両方を使って、プレイに応じて切り替えるメタになるんじゃないかと考えてる。エーペックスはクロスプレイに踏み込んでいく予定だからね。

彼が言うように、めでたく2年目に突入したエーペックスのeスポーツ競技シーンALGSの公式サイトには、「クロスプレイで競い合うプロリーグとチャレンジャー・サーキット。賞金総額は500万米ドルにもおよぶ」といった記載があり、クロスプレイを活用した競技環境を推進したい意図が読み取れます。穿った見方をすれば、しばらくは競技シーンを発展させるためにエイムアシストを弱める方向には調整が入らないという予測も立てられそうです。

最新の公式ルールブックはまだ公開されていませんが、選手たちの話によると、今のところ対戦中にキーボード・マウスとコントローラーを切り替えるのは合法であるとのことです。これなら「地上アイテムの回収と整理、ローテート、長距離での戦闘はキーボード・マウスを使い、中距離・短距離戦闘はコントローラーを使う」といった二刀流プレイも実現しそうですが、果たして実用性はどれほどのものなのでしょうか。

バランスは取れないのか

エイムアシストが強すぎるのであれば、調節することで解決が図れないのでしょうか。しかし、Shroudは配信の中で、誰もが納得するバランス調整は「不可能」であり「マウス・キーボードに対してエイムアシストが強すぎるか、弱すぎるかの二択しかないと」と述べています。

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なお、問題視されているシアについては、ミッドシーズンより前には弱体化されることが開発側から説明されており、プラウラーについても弱体化の可能性を模索していると述べられているため、シーズン10環境に対する評価は一旦保留となっています。

今後もコントローラーへの移行について悩むプロ選手が増え、エイムアシストの評価がさらに上がっていけば、FPSの人気タイトルでは珍しく「キーボード・マウスよりコントローラーの方が強い」という環境が確立されるのかもしれません。PC版プレイヤーの方も、手元のゲームパッドで一度エイムアシストの具合を試してみてはいかがでしょうか。

Via: DEXERTO