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エーペックスレジェンズ:"タップストレイフ削除の理由"を開発者解説、「自由と制約は同じくらい重要」

エーペックスレジェンズ:"タップストレイフ削除の理由"を開発者解説、「自由と制約は同じくらい重要」
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Respawn Entertainmentの『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』ではシーズン10「エマージェンス」が進行中。9月1日には、次回のアップデートで特殊なキャラコンテクニックである「タップストレイフ」が削除されることが告知され大激論となりましたが、開発スタッフがこの削除の背景にあるものを長文で解説しています。

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タップストレイフ削除の背景にあるものとは?

日本時間9月1日、エーペックスの開発を手がけるRespawnの公式ツイッターより、次回のアップデートではキーボード・マウス操作における、いわゆる「タップストレイフ」の挙動を不可能にするというリリースがありました。

このツイートには1万2千件以上のリプライが集まり、1万8千回リツイートされるなどして、今なお世界中のエーペックスプレイヤーを巻き込んだ大激論となっています。

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リプライでは主に有名配信者らによる反対意見に「いいね」が多く集まっていましたが、一方でRespawn側の主張は1ツイート分の短いものだったので、議論の叩き台には使えないものでした。それもあってか、エーペックスの対戦バランス調整を担当するスタッフの一人、アソシエイト・ライブバランス・デザイナーのJohn Larson氏が、自身のツイッターアカウントを通じて今回のタップストレイフ削除の背景にある理論を詳細に説明しています。本記事ではその抜粋を翻訳してお届けします。

タップストレイフは「禁断の果実」

Larson氏はまず、昨日まで「タップストレイフ」という用語を聞いたことがなかったプレイヤーは、次回のアップデートでキャラ操作の感覚は変化しない点を念押しています。またエンジニアの協力により変更は比較的簡単に行えたため、ゲームクライアントのアップデートも必要なく、小型パッチの適応のみで済む点も追記しています。

次に言葉の定義を行います。「タップストレイフ」はコミュニティで生まれた用語であるためプレイヤーによって認識が異なる部分がありますが、Larson氏は「タップストレイフを削除する」とは、「視界を90度以上動かしたとき、鋭い動きがそのまま維持されてしまう現象を削除する」ことと定めています。

タップストレイフの是非について、Larson氏は毎日のように検討していたそうです。一人のプレイヤーとしては、こうしたスキルを見せつけるのが好きで、対戦相手に実力で勝っているという感覚を得られる一方で、ゲーム開発者としてはこうしたメカニズムを「禁断の果実」のように捉えているそうです。

コントローラーとのバランス議論とは無関係

本題に入る前に、タップストレイフ削除の議論に絡めて「キーボード・マウスとコントローラーどちらが有利か」というバランス議論も見られていますが、Larson氏は今回の件とは無関係であると説明しています。どちらにも一長一短あり、記録上でもMMRレベル、ランク、その他武器のパフォーマンスどれをとっても、一般に言われているようにどちらかが優れていると言えるようなデータは無いと述べています。たとえばプレデター帯でも「コントローラー勢はキーボード・マウス勢に対して、プラウラーを使って近距離で異様な勝率を誇っている」などということもない、と語っています。

コントローラーとキーボード・マウスは入力方式が異なるため、完全に等しいゲーム体験にすることは不可能です。エイムアシストを「難易度調整レバー」のようにせず、あくまで「選択肢の一つ」となるようにするのが開発側の目的です。プレイヤーには特定の入力方式を使うことを強制されているように感じて欲しくなく、たとえば「コントローラーでなければ勝てない」と人々が切り替えるようになれば、それは100%懸念材料となります。エイムアシストについては今週も関係スタッフと議論をし、現状の把握に努めていくとしています。

つまりタップストレイフを削除するからといって、「Respawnのバランス決定はコントローラー勢をひいきにしている」と批判するのは妥当ではなく、Larson氏はそういった声に対しては「アクセシビリティに関しては、(設定の自由度の面で)キーボード・マウスと比較してコントローラーの方には制限があるため、コントローラープレイヤーを考慮しなければならないことが多い。しかし、アクセシビリティとバランスデザインはイコールではないため、今回の議論をそのように扱うのはストローマン論法である」と返すつもりだそうです(※訳注:「ストローマン論法」は相手の主張を歪めて引用し、その歪められた主張に対して反論するという誤った論法)。

タップストレイフの3つの問題点

本題に入ると、Larson氏にとっての「タップストレイフ削除」は、「コントローラーかキーボード・マウスか」といったバランス面の議論ではなく、エーペックスのゲームデザインの問題に関わっているそうです。

開発スタッフにとって、タップストレイフには3つの問題点があります。1つ目の問題は「導入しにくい」こと。つまりそもそも意図的にデザインされた動作ではないため、体系的に学べるような機会はなく、また「マウスホイールに前進コマンドを割り当てる」といった設定も一般的なものとは言えません。

もしチュートリアルなどで誰でも学べるようにしても、2つ目の問題である「予測がしにくく対抗手段も限られている」という点が浮上します。この先エーペックス界隈で、さらにタップストレイフが広まり続けるのは懸念材料と見なせます。

最大の問題と言える3つ目の点は、タップストレイフが「機動力に関わるアビリティと絡むとさらに厄介なものになってしまう」ことです。タップストレイフが使われるのは主に戦闘中で、パスファインダーやオクタンと組み合わせると特に凶悪なものとなります。以上の3点がタップストレイフを削除する根拠です。

自由にも制約は必要

タップストレイフ削除への反対意見として、ツイッターでも多くのプレイヤーが、エーペックスの移動の自由度の高さを愛していると語っていました。しかしLarson氏によれば、自由に対して制約も同じくらい重要だそうです。

移動力を強化するレジェンドたちが人気を博しているのは開発側にとって驚くべきことではありません。そうしたアビリティによって、いわゆる漁夫の発生率や、敵がどのくらい素早く詰めてくるか、戦闘の前線がどこにあるのかなどといった、動作に関する数多くの面を検討する必要に迫られており、現在のバランスデザインは、むしろパンドラの箱を開けてしまったように考えているそうです。

ここで重要なのは、制約を課すことはプレイヤー間のスキルギャップを埋めることとは必ずしも同義ではない点です。たとえば、以前いわゆる「回復バニホ」が流行ったときは、これでスキルギャップを埋められるという見方をするプレイヤーもいました。たとえ戦闘でプレイミスをしても、そういった小技を知っていれば安全に回復ができるからです。しかし「回復バニホ」が削除されたことで、安全に回復するには再びスキルが求められるようになりました。同様に、タップストレイフが削除されても、スキルさえあれば、タップストレイフを使っていたプレイヤーが急に勝てなくなるということはなく、逆にタップストレイフを使っていなかったプレイヤーが勝てるようになることもないと見ているようです。

こういった小さな修正の積み重ねがエーペックスの独特の雰囲気を作り出しているとLarson氏は主張します。オクタンに関連する過去の調整なども適当に決定しているわけではなく、タップストレイフについても、プロ選手を含めたキーボード・マウスのベストプレイヤーたちと議論を行ったうえで決定したそうです。

このツイートが少しでも参考になれば幸いです。いつものように皆さんのご意見をお聞かせください」と、Larson氏は今回の解説をしめくくっています。

まとめ

今回のLarson氏の解説を要約すると、以下のようになります。

  • タップストレイフの削除は「コントローラーとキーボード・マウス、どちらが優れているか」という、操作方法に関するバランス論争とは無関係
  • タップストレイフの削除はゲームデザインの議論に関わっている
  • アクセシビリティの面で、タップストレイフには問題点が3つあるため、削除する必要がある
  • エーペックスは動作の自由度の高さが愛されているが、今回の場合は、その自由にも一定の制約を課す必要がある
  • タップストレイフを削除しても、プレイヤー間のスキルギャップには影響しない
  • タップストレイフの削除はプロ選手らとも議論して決定した

公式アカウントや開発者のツイートからは、タップストレイフは削除の方向で決定しており、今後の議論によって変更される見込みは薄いと思われます。Larson氏の語るタップストレイフ削除の必要性について、皆さんはどのように受け止められたでしょうか。思うところがあればぜひ、コメント欄にお寄せください。

  • タイトル:Apex Legends(エーペックスレジェンズ)
  • 配信日:2019年2月5日
  • 対象機種:PS4, PS5 / PC (Origin, Steam) / X1, Xbox X | S / Switch
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Source: Twitter

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コメント

コメント一覧 (66件)

  • タップストレイフ削除はやっぱりすげえ真っ当な理屈

    特に疑問挟む余地がない

    反論してるのは感情論って感じる
    楽しいから⇨個人の感想は関係ないゲームデザインの問題
    強いから⇨バグ技利用はそりゃ強いよね
    練習したから⇨バグ技なので削除されてもしょうがない
    バニホはダメで、壁ジャンプがいいって言う基準が曖昧だから⇨その線引きをした、ダメっていう理由は削除理由
    他のアプデ優先して欲しいから⇨全部が全部一気には無理
    1年間放置しておいていまさらだから⇨1年間チーター対策と新要素に時間を費やしたから今になった
    プレイ人口が減るから⇨pcのキーマウの一部の猛者しか使わないから影響は最小、放置して数年後タップストレイフが前提の超人たちのゲームになるのを防ぐことが人口減少抑制になる

  • 行動が遅い、コレに尽きる
    もしも始めから削除したかったがその目処が立ちそうに無かったのならば、予め削除決定の宣言をすればよかっただけ
    明らかにリスポーンの怠慢
    又は他のゲームにもあるように、バグ技を正式な技に落とし込めば良かっただけ

  • 描写とPINGの穴をついたテクニックは消せ
    quakeみたいに撃ち合いさせろ

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