「ゲームは1日3時間以上」の子供は衝動制御と記憶力が良好? ゲームとメンタルヘルスの関係をめぐる新たな研究成果

「ゲームは1日3時間以上」の子供は衝動制御と記憶力が良好? ゲームとメンタルヘルスの関係をめぐる新たな研究成果

ゲームプレイによる心身への影響については今日までさまざまな議論が見られましたが、米国国立薬物乱用研究所(NIDA)および米国国立衛生研究所などが支援する「思春期の脳認知発達(ABCD)研究」から、新たな興味深いデータが報告されました。

「1日3時間以上ゲームをする子供」に関する研究

現地時間10月24日にJAMA Network Openに掲載された今回の研究によると、1日3時間以上ビデオゲームをプレイしたと答えた子どもは、ビデオゲームをプレイしたことがない子どもと比較して、衝動制御やワーキングメモリを含む認知能力テストで良好な結果を示したそうです。

研究の対象になったのは9歳から10歳の子供2,217人。彼らを「1日3時間以上ゲームをプレイしている子供」と「ゲームをしない子供」のグループに分けた上で、衝動的な行動を抑制する能力と、情報を記憶する能力を測る2つのタスクを与え、その成績と、タスク実行中の脳活動を評価しました。

その結果、1日に3時間以上ゲームをプレイしていると答えた子供たちは、全くプレイしていない子供たちに比べて、両方の認知タスクをより速く、より正確にこなせることが発見されました。

また、機能的MRIによる脳画像解析の結果、1日に3時間以上ゲームをする子どもたちは、全くしない子どもたちに比べて、注意と記憶に関連する脳の領域で高い脳活動を示していたことが分かりました。同時に、1日に3時間以上ビデオゲームをする子どもたちは、より高い認知力を要求されるタスクに関連する前頭葉の脳領域ではより高い脳活動を示し、視覚に関連する脳領域ではより低い脳活動を示したそうです。

ゲームと心理学、行動学との関係は今なお研究中

昨今ではゲーマーの人口構成も急速に変化しており、2022年に米国で行われた大規模な調査では、2歳から17歳の子どものうち71%がゲームをプレイしているそうです。これは2018年から4ポイント増加しています。

一方で子供のメンタルヘルスに与えるゲームの影響については、米国でも懸念され、引き続き研究対象となっています。

ほとんどの心理学的および行動学的研究が、ビデオゲームの有害な関連性を示唆しており、事前の攻撃性を考慮した上で、その後の子どものうつ病、暴力、攻撃的行動の増加と結びつけている。しかし、ビデオゲームをすることが認知スキルや脳機能に関連するかどうかについては、研究者の間でも意見が分かれている。

メンタルヘルスへのネガティブな関連とは対照的に、ビデオゲームは、日常生活に関連する様々な認知タスクに移行できるスキルを提供し、認知の柔軟性を高めると提案されている。こうした広範な移行を可能にする一つの公式は、ビデオゲームは一般的な認知タスクと、知覚や注意が求められる事柄(複数の物体追跡、迅速な注意の切り替え、周辺視野など)の多くを共有しており、反応時間、創造性、問題解決、論理性を高めることができるというものだ。

現時点では「ビデオゲームと認知行動との関連はいくつかの研究で検討されているものの、このテーマを扱った神経画像研究はほんの一握りである」とのことです。引き続きこうした研究が進むことに期待したいところです。

ジャンルによって影響が異なる可能性

「ゲームが子供の記憶力や衝動制御に良く作用する可能性がある」というのはゲーマーとしては嬉しい話ですが、一口に「ゲーム」と言っても、昨今では多様なタイトルやジャンルがあります。今回の研究では「ゲーム」と一括りにしていることに異論がある方もいるでしょう。

実際のところ、この研究では具体的なゲームタイトルには一切触れておらず、「Xbox、PlayStation、iPad」というデバイス名が見られるのみです。

ジャンル分けしていない点については研修者側も認識しており、以下のように補足しています。

ビデオゲームは、アクションアドベンチャー、シューティング、パズル、リアルタイムストラテジー、シミュレーション、スポーツなど、さまざまなゲームカテゴリーに分けられる。これらの特定のジャンルのビデオゲームは、すべて等しくインタラクティブ(すなわち、多感覚および運動システム)や実行機能プロセスに関与しないため、神経認知発達に異なる有益な効果を持つ可能性がある。さらに、シングルゲームとマルチプレイヤーゲームでは、脳と認知への影響も異なる可能性がある

ABCDデータベースのスクリーンタイム調査には、プレイしたビデオゲームのジャンルに関する追加情報が含まれていないため、本研究の分析にビデオゲームのジャンルを含めなかったことは、本研究の制限事項である。ビデオゲームと認知の関連を調査する今後の大規模な研究では、ゲームジャンルをモデレーティング変数として分析に含めることが有益であろう。

9歳から10歳の子供がプレイしているゲームタイトルは、大人のゲーマーほど多様ではないと思われますが、「どのジャンルをプレイした子供のスコアが最も高いのか」は気になるテーマです。今後さらに大規模な研究が実施され、特定のゲームタイトルが子供の認知力教育には極めて有益、などの結論が得られれば興味深いでしょう。

実際のゲーマーの皆さんの体感としてはどうでしょうか。ゲームプレイによる、記憶力や衝動制御に関わるタスクへの影響に関する研究について思い当たることがあれば、ぜひコメント欄にお寄せください。

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Source: Bloomberg, JAMA Network Open

コメント

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  1. By 匿名

    そんなことやってりゃ知能が下がる
    と言われて否定出来ないような昔と比べると比較にならないほどゲームは複雑化した

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