『Call of Duty: Modern Warfare Ⅲ(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 3/ MWⅢ)』をはじめCoDシリーズを手がけるActivision(アクティビジョン)は、コミュニティで頻繁に話題になる「スキルベースマッチメイキング(SBMM)」について新たな情報を公開した。
社内での研究データを盛り込んだこの資料は、前回のマッチキングシステムの解説を補足する内容。『コール オブ デューティ』シリーズにおけるスキルマッチの存在が、いかにプレイヤー人口の維持に貢献しているかが考察されている。
CoD:MW3:マッチメイキング解説の第2弾が公開
「スキルマッチは消すべきか」は、海外CoDコミュニティにおける定番の議題。賛成派は「スキルマッチが無くなればゲームがもっと楽しくなる」と主張し、実際にアンランクにスキルマッチがない『エックスディファイアント』の登場を手放しで歓迎した。
一方で、CoDシリーズを販売するActivisionとその開発スタジオは昨今、プレイヤーコミュニティに積極的に内部データを共有している。その一環として2024年の1月には、スキルマッチ論争について開発者の視点から解説を行った。
前回の記事を要約すると、以下のような話になっている。
- 開発側の目的は「マッチメイキングをなるべく早く成立させる」こと
- そのためには、「一定のプレイヤー人口を維持し続ける」必要がある
- 敵とのスキル差がありすぎる対戦が続くと、初心者~中級者はプレイを止め、人口が減る
- そこでスキルマッチを導入し、公平かつリプレイしたくなるような対戦環境を維持する
Activisionは2007年の『Call of Duty 4: Modern Warfare(コール オブ デューティ 4 モダン・ウォーフェア)』から、マッチメイキングにプレイヤースキルの要素を盛り込む研究を続けてきた。とりわけ過去5年間はさらに技術が進化。マッチメイキングのテストと分析数を増やして、最高の体験をプレイヤーに届けるよう努めてきたという。
スキルマッチをどうバランス調整する?
7月27日に公開された新たな公式ブログは、前回の議論を補足する内容だ。結論は同じで、「スキルマッチを削除すればマッチング環境が悪化する」ことが報告されている。
その点を踏まえて、スキルマッチのバランスをどう調整するべきか、という点が掘り下げられている。
たとえば、ロビーに入る全員が必ず同じスキルになるようスキルマッチを厳しく調整すると、毎回ぎりぎりの勝負になるはず。それはそれでゲームとしては楽しめない。
逆に、初心者も上級者も混ざれるように緩めに調整していくと、初心者は当然エサにされて不満を抱く。一方で上級者の中には、初心者と戦うのは時間の無駄だと感じるプレイヤーもいる。このバランスをどうやって決めるのか。そして、現在の『CoD:MW3』のスキルマッチは最適に調整されているのだろうか。
前提として、公平なプレイを楽しむためにチーム間のスキル差は限りなくゼロに近いのが理想だ。今回の内容を補足する詳細なレポートによると、画像のようにチーム間のスキル差(横軸)が大きいほど、勝率(縦軸)も上がる。PvPゲームなのでグラフの中央、理論上の勝率50%、スキル差はゼロというシステムを追求したい。
「スキルマッチなし」は人口が減る
スキルマッチを現在のシステムよりも緩くしたら、どうなるか。北米で行われたテストでは、プレイヤーを2つのグループに分割した。
- ①現在の『CoD:MW3』と同じスキルマッチの設定でマッチメイキングをするグループ
- ②スキル制限を緩和させたシステムでマッチメイキングをするグループ(=緩和させるほど「スキルマッチなし」の状態に近づく)
テストの結果、スキルの制限が緩い②のグループのプレイヤーの方が、対戦を途中抜けする比率が高くなることが判明。そして①のグループと比較して、より高い比率のプレイヤーがゲームをプレイしなくなるという。
上記は、スキルマッチなしの状態に近い「スキル制限が緩い」環境でのテスト。スキルが低いプレイヤー(左側)ほど途中抜けする可能性が高くなっている。
同様に、「スキル制限が緩い」環境では、スキルが低いプレイヤー(左側)ほどゲームをプレイしなくなる可能性が高い。
- テスト結果の要約:スキルマッチの制限を緩和するとどうなる?
- サンプルプレイヤーのうち80%の、途中抜けする可能性が高くなった
- サンプルプレイヤーのうち90%の、ゲームを止める可能性が高くなった
- 低~中スキル帯のプレイヤーほど多く抜けていく
- スキルマッチを緩くすると、プレイヤー人口が減少する
- いずれは高スキル帯のプレイヤーしか残らなくなる可能性が高い
つまりスキルマッチの制限を緩くし、「スキルマッチなし」に近づけるほど、人口には悪影響が生じるようだ。
高スキル帯のプレイヤーは、たとえ低~中スキル帯のプレイヤーがいなくなっても気にしないかもしれない。しかし高スキルなプレイヤーばかり残ると、長期的には当人たちにも悪影響を与える。低~中スキル帯のプレイヤーがいなくなったら、今度は高スキル帯のプレイヤーたちが下から順番に「低~中スキル帯のプレイヤー」に分類されていくからだ。
上述の通り、スキルマッチを緩く設定すると、低~中スキル帯のプレイヤーほど多く抜けていく。人口がさらに減り、やがて「高スキル帯の中の、特に高スキルなプレイヤー」だけがゲームに残る。その中でさらにまた「低、中、高スキル」の順位づけが生じ...といったことを繰り返せば、最終的にコミュニティの消滅は避けられない。
Activisionのレポートでは、もし現在のスキルマッチを完全に削除してしまうと「プレイヤー人口は数ヵ月ほどで急減し、すべてのプレイヤーにとってマイナスの結果をもたらす」と考察されている
スキルマッチが厳しすぎるのもNG
Activisionによると今日でも、CoDシリーズの旧作をプレイすればこの理論通りの光景が見られるという。昔の作品はもうプレイヤーが少ないためマッチメイキングの幅も狭く、長年残っているハイスキルなプレイヤーとそのグループにロビーが占拠されている。旧作はともかく、もし新作でこうした環境ができてしまうと新規プレイヤーに入る余地がない。
しかし、スキル制限を厳しくすれば良いわけでもないようだ。現在の『CoD:MW3』のシステムよりもスキル制限を厳しくした環境でのテストでは、確かに途中抜けは90%も減少し、低スキル帯のプレイヤーたちの体験がさらに改善されたという。
しかしこの場合、逆に高スキル帯のプレイヤーたちに悪影響が生じたことが判明。上述したように、やはり周囲も高スキル帯ばかりになるとゲームとして楽しめないようだ。したがって現在の『CoD:MW3』には、ここまで厳しいスキルマッチは採用されていない。
コメント
コメント一覧 (60件)
cod4〜bo2の黄金期とか8人フルptでひたすら雑魚狩りするゲームだったけど人口は減らなかったよね、そこら辺のキルストとパークのバランスがなってないから途中抜け増えるんだよ
mw3はここ最近のシリーズではかなり良いゲームだと思うけどさ、キルスト(スコスト)のキルでカウント増えるのとキルスト(スコスト)ループするとか過去1雑魚狩りしてくださいみたいな調整してるのに良くもまぁ初心者中級者保護とか言えるよね、こんな調整してたら途中抜け増えるしsbmmで無理矢理調整でチーム組まされる初心者と上級者がお互いに嫌な思いするでしょ
人口維持や増やしたいからsbmm続けますってのは良いけど今作は特にゲームの仕様とsbmmがマッチしてないからもう少し考えた方がいいよ
SBMMが過度に強すぎた例としてはMW2019とBOCWが当てはまるかな。これらは問題なくマッチングするとする人がいる一方で、全然マッチングしないししたとしても高pingばかりという人もいた。
CoD日本固有の事情だとSBMMに拘った結果200Pingとかクソラグマッチングがしばしば起きる
どっちがマシかの判断には別の問題が絡む、日本のCoD人口が良い状態ではないからダ
こっち悟空+民間人で相手がフリーザとギニュー特戦隊みたいな試合がちょいちょいあるんだがバランスとり方極端じゃねって思うことがある
雑魚だろうが上手かろうがどっちでもええわ
とりあえず旗絡むか守れ、芋るなら敵の侵攻妨害出来るように芋れ
ルール無視するならせめてキルしろや
自分がキル出来んからって抜けんな、どこ行ったって同じじゃ勘違い雑魚
ほんまそれ
アンサーがエックスディファイアントなのは草
エックスディファイアントの問題はスキルマッチが無いカジュアルそのものというよりは
妙に高めなランクマッチ参加ハードルとの合わせ技
エックスディファイアントなんてCODの現か元か知らんけどプロが意見だしてあの状態だからな
プロみたいな上位層の意見だけきくと100%流行らないってこと実証したんよな
初心者狩りできなくなってイライラした人多すぎw
初心者狩りしてイキる勘違い初心者が一人いるな