ポイント3:配色のバランスは適切か?
主にダメ出しの対象になっている『CONCORD』のキャラクターデザインだが、Dulay氏はダッチェスのデザインは高く評価している。
まず、主色である衣服の紫と、補色であるカーキのマントの間でしっかりメリハリが利いている。衣類に走る金色のラインと金色の左腕はアクセントとなって身体の各部位を区切り、引き締まった印象を与える。
そんなダッチェスにも改善の余地がある。靴まで紫だと主色の範囲が広すぎるので、マントに合わせてバランスを調整。マントの前部分と髪の色も似通っているので、マントの方はトーンを落とし、キャラクターの顔に目がいくようにした。
ダビアスとトレーサーで比較
さらに『CONCORD』のダビアスと、『オーバーウォッチ2』のトレーサーの配色を比較。どちらも主色がオレンジで、補色には白、黒、グレー、クリーム色が見える。アクセントカラーは、トレーサーは青、ダビアスは薄緑。2人の配色に優劣をつけるとしたら、どこに着目すべきだろうか。
ここでもグレースケールにしてみるのが有効だ。トレーサーの方は、明るい部分と暗い部分にはっきりメリハリがついていると分かる。トーンの境目も、縦方向と横方向、どちらにも明暗の対比が意識されており「クール」な印象を与える。
対してダビアスは胸まわりの広い範囲のみが明るく、グローブの小さな黒い範囲だけが最も暗い部分として目立っており、バランスが悪い。アクセントカラーについても、トレーサーは胸元と靴に青がそれぞれ配置されてバランスが取られているのに対し、ダビアスの薄緑色は上半身に偏っている。
キプスとゲンジで比較
アクセントカラーについては、『CONCORD』のキプスと『オーバーウォッチ2』のゲンジの比較も有意義だ。
まずはゲンジの方から。ゲームに限らず「白と黒」には注意が必要で、メインカラーに採用すると退屈な印象を与えやすいという。しかしゲンジは蛍光グリーンをアクセントとして全身に散りばめることで、白黒のベースカラーでありながらサイボーグの硬質な雰囲気とクールさを引き出すことに成功している。
ゲンジと同じサイボーグキャラ(と思われる)キプスは、全身がベージュだ。上半身と下半身が同じ色で、主色のエリアが広すぎる。さらに、ピンク色の肌と組み合わせても色調のメリハリが利いていない。アクセントと思われるのはメガネのグリーン部分だが、ネクタイのオレンジ部分とケンカをしている。どちらに注目すればいいのか分からず、いまひとつ引き締まらない。
ポイント4:衣服の素材を意識しているか?
『CONCORD』のスターチャイルドのデザインを「悪夢のようだ」と嘆くDulay氏。やはり他のキャラと同じく、色調にメリハリがない。
ここでは、色づかい以外の重要なポイントとして「素材」を挙げている。キャラクターの衣服には、布、皮革、プラスチック、金属などさまざまな素材が使われる。もしそのキャラを「強そう」に見せたいなら、素材とそのバランスについても熟慮が必要だ。
スターチャイルドの場合、大柄なパワー系のシルエットに対し、皮革のバックルとグローブ、布製のズボン、金属と思われる膝パーツが互いに噛み合っていない。特に、グレースケールにしたとき金属の膝部分がいちばん目立つのが問題。グローブの甲などにも金属素材を振り分けて、バランスを取るべきだったと指摘する。
対して、ラインハルトが大きく硬そうな鎧をまとい、巨大なハンマーを振り回す様は、いかにも「強くてかっこいい」印象を与えてくれる。前述のようにライオンやイエローのアクセントも効いている。
Dulay氏は赤いズボンの色調を顔に合わせ、せめてバランスはとれるように調整した。それでもイマイチしっくり来ていなかった。
ではどうするべきだったのか? ここで再びトレーサーをチェック。こちらはメインカラーのオレンジが、下半身全体、ブーツ、ゴーグル、アーマー部分に使われている。それぞれの衣装パーツは素材が異なると思われるが、同じ色を使うことで全体に統一感が生まれている。
素人には「色づかいに統一感がある」と「色調にメリハリが利いている」の境が難しいが、彼も自分がすべて正しいと主張しているわけではないことを改めて強調しておこう。
ポイント5:細部までこだわったか?
デザイナーは「自分が何を描いているか」を分かっているか。細部を見ていくことで、Dulay氏にはそれが見抜けるという。ここではキャラクターについたシンボルに注目している。
キャラクターをデザインするとき、たとえば「矢印」の扱いには注意が必要。キャラクターに「矢印」があると、見る物はそれが指し示す先を無意識に注目してしまう。
シンメトラの頭パーツにも「矢印」が見て取れる。これは彼女の凜々しい顔自体に視線が集中するよう意図された、合理的なデザインだ。
一方、バズのメガネにも「矢印」が見て取れる。しかしそれが指している先は、何もない彼女のオデコだ。
オデコを注目させることに意図があるとは思えない。もしかしたらそこから「第三の目」のようなものが出現するのかもと思ったが、バズのトレーラーや短編アニメを見た限りそういうギミックもない。
「(これをデザインした人間は)分かっていない」とDulay氏。厳しい話だが、このように細かい部分をチェックすれば、「よく考えてデザインしていない」ことがプロのデザイナーには一発でばれてしまうようだ。
やはり神は細部に宿るのだろう。こうした“甘さ”が、やがて普通のゲーマーも「魅力を感じない」ことにつながっていく。
コメント
コメント一覧 (42件)
このゲームに限らずポリコレを導入したがる人達って「自分のセンスが悪い事に気付いていながら、センスを磨く努力をせず、新たな基準を設けることで優れた人達に後退を促そう」みたいな心理も働いてるのかもなと感じた。
その基準を守らない人達には差別主義やら配慮が出来ていない、と優れた人達に文句まで付けられる一石二鳥と来てる。
自分も創作を齧ってるが、嫉妬から来るとんでもない行動ってのはよくある事で
それが今ポリコレという形で表に出てきているのかなと感じました。
自分を上げるより、上の人を引きずり下ろすほうが楽なんだろうね
さらに一部の人(dei推進派)がそれを応援してくれて、自分を正義であるかのように持ち上げてくれる
所詮、便利な棍棒兼盾としか扱われないのに
ポリコレガー!!単にデザインが悪いだけなのにすーぐ頭の悪いキモオタは
ポリコレがどうとか鳴きだすよな
記事でも取り上げられている「Rainbow Six Siege」はポリティカル・コレクトネス的価値観を取り入れたキャラクターを出し続けて現在サービス9年継続中です。
また、記事には取り上げられていませんが、「APEX LEGENDS」はポリティカル・コレクトネス的価値観を取り入れたキャラクターを出し続けて居ますが一時期はFPS業界の覇権を取り現在もサービス継続中です。
過剰なポリコレも面倒だけど
こういう的外れな事言ってるアンチポリコレもダルいんだよな
顔です!笑笑
見れば見るほどなんだろう…このデザインのなんとも言えない感じ
シージはSAS やFBI でデザインに統一感があるし(制服なんだから当然だが)
リアル特殊部隊がモデルだから硬派な感じにもなる
宇宙っぽいの舞台ならガーディアンズオブギャラクシーでも参考にすればよかったんじゃ
デザインが上手になりたいなら、ポケモン151でも1000でも全部真似して描けばいい。
シルエットだけでも、配色だけでも誰だかわかる。
デザイナーが最初に描いた絵と完成形の3Dが全然違っててかなりダサく改悪されてるって話題も出てる
黄緑の鎧のキャラの比較画像見ると
3Dはこの人が言うように配色が締まってなくてクソダサいけど
元絵の方はだいぶマシなデザインに見えるんだよね
https://www.reddit.com/media?url=https%3A%2F%2Fi.redd.it%2F5jq7xedd3old1.jpeg
形の問題で、色の問題じゃない
もしOWと色を入れ替えても、OWは魅力的、Concordは魅力ないだろう
それが証拠
美術的な論点を説いた所で最終的にはエンドユーザーが気に入るかどうかが全てだから
そういう意味ではキャラは万人向けにつくらにゃだめでしょ
全てを美男美女に作れとは言わないけど一切出さないのも極端すぎ無理って感じ
(ただ海外の美的感覚自体が日本人の感性とは異なるから日本人的には最終に好み五月蠅くなるんだけどさ)
あとR6SのSAS隊員を引き合いに出すのはお門違い
特殊部隊は突入時に敵に精神的ショックを与える目的で
黒系を着る事が多いってMGS3のシギントも言ってたで
つまりどこがデザインしても色合いは同じになるし見た目も近い
とくにSASは初期メンバーで2014年E3映像の流れを汲んだデザインに
されてるはずだから初期メンバー達は猶更黒い物が多い
対象がSFなんだし持ってくるんならApexとかデスティニーとかにしといた方がいいよ
まともなキャラの中に変なキャラが2,3人居ればネタ的に愛されそうな感じもするけど、変なキャラだけを集めるとマジでクソゲー臭しかしないんだよな。
>あとR6SのSAS隊員を引き合いに出すのはお門違い
>特殊部隊は突入時に敵に精神的ショックを与える目的で
>黒系を着る事が多いってMGS3のシギントも言ってたで
>つまりどこがデザインしても色合いは同じになるし見た目も近い
よく文章を読みな ↓
>たとえば『レインボーシックス シージ』には色もシルエットもほぼ同じキャラクターたちがいる。今回のチェックポイントを振り返るなら減点対象だ。しかしこのデザインは決して手抜きではなく、特殊部隊員としてのリアルさを追求した結果だ。リリース時から、プレイヤーは彼らを「クール」と歓迎した。
読んでもわからんのなら解説してやるが、色とシルエットが同じでも条件次第では魅力的なキャラは作れると言ってるんだ。色と形を差別化しろって話の段落じゃない。「色合いは同じになるし見た目も近い」って本文に書いてあるのにドヤ顔で同じこと指摘してるのってヌケサクだぞ。
逆に、この人が思うOWキャラデザインの悪い点とか、まだ人気か不評かの判断もつかない段階の新作FPSのキャラデザインの評価が聞きたい。
ひねくれた見方かもしれんが、既に成功してる例のどこが良いのかを挙げたり、既に失敗した例のどこが悪いかの批判ばかりをするなら、なんか安牌ばっかり打ってるように見えるんだよな。
顔だよ顔!
顔が批判されてるんだよ!
顔や〜〜〜〜〜〜(直球)
5つも何もまず大前提としてブスだからだろ
味変とか個性としてブス枠が何人か居るならともかく全員ブスってただ醜いだけじゃん
せやねん、ブス操作してる時にふと「ブスががんばっとんなぁ」って思ったらもうゲーム続行不可よな